JPH0144131Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は衣料用ハンガーに係り、洋服のみなら
ず和服やシーツ等の幅広のものをも容易に掛ける
ことのできる衣料用ハンガーに関する。

〔従来技術とその問題点〕

この種の衣料用ハンガーには従来から各種のも
のがある。

第６図は従来の衣料用ハンガーの一例を示して
いる。この衣料用ハンガー１は合成樹脂により一
体成形されており、人間の肩の形状に似せられた
肩掛け部２と、この肩掛け部２の中央上部に設け
たフツク部３と、肩掛け部２の両端部に連結され
たズボン等を吊り下げる吊り下げ部４とによつて
形成されている。また、肩掛け部２の両端部の上
部には切欠き状のスカート掛け５，５が設けられ
ており、吊り下げ部４の両端部には鍵状のスカー
ト掛け６，６が設けられている。

この他に、従来の衣料用ハンガーには、肩掛け
部を木製にし、フツク部と吊り下げ部を金属製に
したり、全体を細金属棒を曲げて作つたり、フツ
ク部を金属製とし肩掛け部と吊り下げ部とを樹脂
製パイプで作つたりしていた。

ところが、これら従来の衣料用ハンガーは、単
に洋服もしくはズボン等を掛けることを目的とす
るものであり、和服や幅広のシーツ等を掛けるこ
とができなかつた。

そこで、和服を掛けるために長い棒状物を２つ
折りに形成し、使用する時に１本状に伸長させる
衣料用ハンガーが提案されている。また、洋服も
和服も掛けられるように肩掛け部を折畳式に形成
して、和服を掛ける時に肩掛け部を広げる衣料用
ハンガーも提案されている。

しかしながら、これらの従来の衣料用ハンガー
においては幅広のシーツ等を掛けることができな
かつた。

一方、洗濯物を干す物干し場が狭い所では、シ
ーツ等の幅広物を干そうとしても何枚も干すこと
ができない。そのため幅広物を広げたまま吊り下
げ得る衣料用ハンガーが切望されていた。

また、従来の衣料用ハンガーは物干しに使う
と、風に吹かれてフツク部を中心にして回動した
り、物干し竿上を移動してしまうという不都合が
あつた。

〔考案の目的〕

本考案はこれらの点に鑑みなされたものであ
り、洋服から和服やシーツ等の幅広物まで自由に
掛けることができ、しかも構造が簡単で取扱いも
容易な衣料用ハンガーを提供することを目的とす
る。

〔考案の概要〕

本考案の衣料用ハンガーは、肩掛け部を有する
衣料用ハンガーにおいて、前記肩掛け部の下方に
上下方向に環状であり、かつ、左右方向に伸縮自
在な伸縮部を設け、この伸縮部を、肩掛け部が固
着されている基部母管と、この基部母管と同長で
平行にして対向配置されてた回転可能な母管と、
これらの両母管からそれぞれ左右方向に伸縮自在
にして入子式に設けられた複数段状の伸縮ロツド
と、これらの伸縮ロツドの最細ロツドの先端を相
互に連結したＵ字状部材とによつて形成し、か
つ、前記肩掛け部の対称位置の１対のロープ掛け
部を形成したことを特徴としている。

このような構成の本考案によれば、伸縮部を収
縮させた状態において通常の大きさの衣類を掛け
ることができるし、また幅広物を掛けるためには
伸縮部を伸長させればよい。さらに、狭い場所に
おいて多くの洗濯物を干すには、２本のロープを
平行に展張し、両ロープに複数の衣料用ハンガー
のそれぞれのロープ掛け部を掛け、各衣料用ハン
ガーの間隔を保持して洗濯物を干せばよい。な
お、基部母管に対向する母管は回転可能なので、
ズボン等を掛けやすい。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の実施例を第１図から第５図につ
いて説明する。

第１図から第５図は本考案の一実施例を示し、
第１図および第２図は伸縮部を全部伸長させた状
態を示し、第３図は伸縮部を全部収縮させた状態
を示す。

本実施例の衣料用ハンガー７は、肩掛け部８の
中央にフツク９を上下動自在に貫通させ、その肩
掛け部８の下方に上下方向に環状であり、かつ、
左右方向に伸縮自在な伸縮部１０を取付けて形成
されている。この伸縮部１０は、肩掛け部８に固
着されている基部母管１１と、この基部母管１１
の下方に配設され、基部母管１１と同長で平行に
して対向配置された母管１２と、これらの母管１
１，１２からそれぞれ左右方向に伸縮自在にして
入子式にして設けられた複数段（本実施例では３
段）の伸縮ロツド１３，１３と、これらの伸縮ロ
ツド１３の最細ロツドの先端を相互に連結するＵ
字状部材１４とによつて形成されている。各伸縮
ロツド１３の各段は、恰も釣り竿を伸縮させるか
のように伸縮させられ、各段の先端内周面と後端
外周面との摩擦力によつて伸長状態も保持され
る。そして、伸縮部１０は、第３図の全部収縮さ
せた場合の左右長を通常の衣料用ハンガーとほぼ
同長とされ、第１図の全部伸長させた場合の左右
長をシーツ等の幅広物を広げたまま掛け得る長さ
に形成されている。また、肩掛け部８には、第４
図に拡大して示すように、スカート掛け部１５よ
り中央寄りの対称位置にそれぞれロープ掛け部１
６となる切欠きが形成されている。

次に、本実施例の作用を説明する。

シーツ等の幅広物を掛ける場合には、第１図に
示すように、伸長部１０の伸縮ロツド１３を左右
に全部伸長させて、例えば左右長を約110cmとし、
下段の伸縮ロツド１３にシーツやバスタオル等の
幅広物を掛ける。これにより幅広物を衣料用ハン
ガー７に掛けて物干し場に並べて干すことがで
き、狭い物干し場においても多くのシーツ等の洗
濯物を同時に干すことができる。

和服等を掛ける場合には、伸縮ロツド１３を若
干縮めて、その左右長を約80cmとして用いる。こ
の長さにすれば流行のＴシヤツやセーター等も形
崩れすることなく掛けることができる。

洋服やズボン等を掛ける場合には、第３図に示
すように、伸縮ロツド１３を全部収縮させて伸縮
部１３を通常の長さとさせて用いる。この全部収
縮状態においては母管１２がＵ字状部材１４を中
心として回転するのでズボン等も掛けやすい。

また、狭いベランダ等において、なるべく多く
の洗濯物を干すには、第５図に示すように、平行
に展張した２本のロープ１７，１７に各衣料用ハ
ンガー７の肩掛け部８のロープ掛け部１６を掛
け、各衣料用ハンガー７の間隔を保持し、風に吹
かれても回転しないようにするとよい。この場
合、ロープ１７が干し物の重さでたるむようであ
れば、衣料用ハンガー７をフツク９をもつて物干
し竿に掛けるようにすればよい。また、２本のロ
ープ１７，１７の両端部はそれぞれ１箇所にまと
めると、ロープ１７の中間部が互いに接近しよう
とするので、ロープ掛け部１６から外れることが
なくなる。

なお、伸縮ロツド１３の各段の伸長状態保持
は、摩擦力を利用する代りにクリツク機構を用い
たり、回転させて締付ける締付機構を各段の端部
に設けて形成してもよい。

〔考案の効果〕

本考案の衣料用ハンガーは、洋服から和服やシ
ーツなどの幅広物まで自由に掛けることができ、
しかも構造が簡単で取扱にも容易であるし、さら
には、２本のロープに複数の衣料用ハンガーを掛
けて狭い場所に多くの洗濯物を干すこともできる
し、さらにまた、基部母管に対向する母管は回転
可能なのでズボン等を掛けやすい等の効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図から第５図は本考案の衣料用ハンガーの
一実施例を示し、第１図は伸縮部を伸長させた状
態を示す正面図、第２図は第１図の平面図、第３
図は伸縮部を収縮させた状態を示す正面図、第４
図はロープ掛け部の拡大図、第５図は平行ロープ
に掛けた状態を示す斜視図、第６図は従来の衣料
用ハンガーを示す正面図である。 ７……衣料用ハンガー、８……肩掛け部、９…
…フツク、１０……伸縮部、１１……基部母管、
１２……母管、１３……伸縮ロツド、１４……Ｕ
字状部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 肩掛け部を有する衣料用ハンガーにおいて、前
   記肩掛け部の下方に上下方向に環状であり、か
   つ、左右方向に伸縮自在な伸縮部を設け、この伸
   縮部を、肩掛け部が固着されている基部母管と、
   この基部母管と同長で平行にして対向配置されて
   た回転可能な母管と、これらの両母管からそれぞ
   れ左右方向に伸縮自在にして入子式に設けられた
   複数段状の伸縮ロツドと、これらの伸縮ロツドの
   最細ロツドの先端を相互に連結したＵ字状部材と
   によつて形成し、かつ、前記肩掛け部の対称位置
   に１対のロープ掛け部を形成したことを特徴とす
   る衣料用ハンガー。