JPH0144088Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はスライドフアスナーに対向して取付け
られるフアスナーに関し、更に詳しくは、一対の
フアスナーが互いに勝手に離脱することがなく連
結できて、しかも必要により施錠することができ
るようにしたスライドフアスナー用スライダーに
関する。

（従来の技術） 従来、務歯に沿い一対のスライダーを備えたス
ライドフアスナーが、鞄等の開口に取付けら使用
されている。

このような従来のフアスナーは、一対のフアス
ナーを接近させて互いに係止させても、務歯部が
最後までかみあわず、また両スライダーの連結が
不安定であつて勝手に移動して務歯が開いたりす
るため、鞄等の開口に取付ける開閉用具として満
足できるものではなかつた。

また、従来のこのようなフアスナーには、両ス
ライダーの引手を利用して施錠するようになされ
ていたが、引手はスライダーに遊嵌状態で取付け
る構造であるため、錠自体の取付位置が移動しや
すく、このため施錠の目的を発揮させることがで
きなかつたのである。

（考案が解決しようとする課題） そこで本考案では、かかる従来のスライダーの
欠点を解消して、一対のスライダーが施錠なしで
も安定かつ確実に連結できて、互いに勝手に移動
することがなく、かつ両スライダー間の務歯部を
閉塞することができ、更に両スライダーを安定し
た状態で施錠できるようにした構成のスライドフ
アスナー用スライダーを提供するものである。

（課題を解決するための手段） 本考案に係るスライドフアスナー用スライダー
は次のように構成される。

上板部、下板部の広幅の前端部を基杆部で連結
し、該上板部に引手の取付部を設けたスライダー
を一対、務歯に沿い対向させるようにしたスライ
ドフアスナー用スライダーにおいて、上板部２上
の前端部には、挿通孔８を有する係止板ａと挿通
孔１１を有する係止補助板ｂとを、該係止板ａの
板厚に相当する間隙７で並設するとともに、係止
板ａと係止補助板ｂを互に食い違わせて基杆部
５，５の前面を突き合わせた状態で、一対の挿通
孔８、挿通孔１１が連通するように前方に向けて
突設し、更に係止板ａの内側面には、スライダー
Ａの後部側に向く係止面を有する係止手段を形成
する構成である。

ここで、係止板ａの内側面に設ける前記係止手
段は、挿通孔８の左右対称位置に形成されて、球
面状の係止面を有する係止突子９とこれに嵌合す
る形状の凹陥部１０との組合わせであつても、ま
た、挿通孔８の垂直中心線上の内側面上部に形成
されて、スライダーＡの後部側に向く係止面を形
成した係止段部１２であつても、更に、内側面全
面に形成されて、スライダーＡの後部側に向く傾
斜面１３であつてもよい。

（実施例） 本考案に係るスライドフアスナー用スライダー
を実施例に基づいて説明する。

スライドフアスナーに取付けられる本考案のス
ライダーＡは、第１図、第２図に示すように、務
歯（図示せず。）に沿い一対取付け、取付部６に
遊嵌する引手Ｂによりそれぞれスライドさせて、
同一線上で対向させ互いに突き合わせ状態で連結
される。

スライダーＡ，Ａは同一構造をなし、第３図な
いし第６図に示すように、上板部２と下板部４と
をその案内突条１と案内突条３を対向させて、幅
広の前端部において、務歯を案内する三角柱状の
基杆部５により連結する。

上板部２上の中央部に設けた取付部６の前方箇
所には、円形の挿通孔８を有するドーナツ状の係
止板ａと、これと同一円形の挿通孔１１を有する
同一径の係止補助板ｂとを、係止板ａの板厚に略
等しい間隙７を設けて、スライダーＡの長さ方向
に沿い垂直に並設するが、これらの取付箇所は、
一対のスライダーＡ，Ａを対向させて、一対の係
止板ａ、係止補助板ｂを互に相手を挟持する状態
で食い違わせ、基杆部５，５の前面を突き合わせ
た状態では、第１図、第２図に示すように、一対
のスライダーＡ，Ａが一直線上に対向し、かつ一
対の挿通孔８，１１が筒状をなして連通するよう
に配置する。

すなわち側面的には、基杆部５の前面が挿通孔
８と挿通孔１１との中心を通るようにして、係止
板ａと係止補助板ｂを上板部２の前方上方に向け
て突設する構成である。

更に、係止板ａの環状の内側面には、挿通孔８
の水平中心線上の対称位置に、球面状の係止突子
９と、これに嵌合する形状の凹陥部１０とを形成
するのである。

第３図ないし第６図では、係止突子９を取付部
６側に、反対位置に凹陥部１０が設けてある。

このような構成のスライダーＡを一対、務歯に
沿い対向させて取付け、これを第１図、第２図に
示すように連結する操作は次のとおりである。

まづ、引手Ｂにより互いに引き寄せ、係止板ａ
を相手の間隙７に沿い挿入させれば、同時に係止
板ａ，ａの外側に係止補助板ｂ，ｂが配置されて
これらが相互に摺動し、係止板ａの挿入端が相手
の係止突子９に当接したときに更に押し込めば、
係止補助板ｂがそれぞれ外側に押し開かれて、係
止突子９が相手の凹陥部１０に嵌合する状態にお
いて、一対の係止板ａと係止補助板ｂが積層状に
密着するとともに、基杆部５の前面同士が突き合
わされ、一対のスライダーＡ，Ａが対向して連結
される。

そして第１図に示すように、一対の挿通孔８，
１１が交互に配列されて連通し、円筒状の連通孔
が形成されるのである。

この連通孔に鍵Ｃの鍵杆ｃを挿通すれば、第２
図のようにして施錠することができる。

第１図のように連結されたスライダーＡ，Ａを
切り離すには、引手ＢによりスライダーＡをとも
に後方に引くことにより、両係止板ａ，ａ間の一
対の係止突子９を凹陥部１０による嵌合が解か
れ、同時に係止補助板ｂ，ｂがそれぞれ外側に押
し開かれ、更に引き離せば係止補助板ｂ，ｂが元
の位置に復帰して係止板ａ，ａと係止補助板ｂ，
ｂとが互いに摺動しながら後退し、スライダー
Ａ，Ａが互いに切り離される。

これと同時に基杆部５，５により後方の務歯が
順次左右に切り離され、スライダーＡ，Ａを更に
離せばフアスナーが開かれる。

前記実施例では、スライダーＡ，Ａの係止手段
として、係止板ａの内側面に設ける係止突子９と
凹陥部１０とを、挿通孔８の水平中心線上に形成
するようにしたが、水平線上の対称位置であれ
ば、挿通孔８の水平中心線上の上または下であつ
てもよい。

更に、係止板ａの内側面に設けるスライダー
Ａ，Ａの他の係止手段には、第７図ないし第９図
に示すように、挿通孔８の垂直中心線上で内側面
上部に形成されて、それぞれスライダーＡの後部
側に向く係止面を有する係止段部１２を形成する
構成であつてもよい。

そして該係止段部１２は、内側面上部ばかりで
なく、挿通孔８の垂直中心線上であれば内側面下
部に形成してもよく、更に、内側面の上部と下部
とに形成するようにしてもよい。

更にまた、係止板ａの内側面に設けるスライダ
ーＡ，Ａのその他の係止手段には、第１０図に示
すように、該内側面全面に形成されて、スライダ
ーＡの後部側に向く傾斜面１３により構成しても
よい。

（考案の作用効果） 本考案に係るスライドフアスナー用スライダー
は以上のとおりの構成であり、下記の作用効果を
奏する。

本考案に係るスライドフアスナー用スライダー
によれば、上板部上の前端部に、挿通孔を有する
係止板と係止補助板とを並設するとともに、係止
板の内側面には、スライダーの後部側に向く係止
面を有する係止手段を形成して、基杆部５を互に
突き合わせた連結状態では、一対の係止板と係止
補助板とを、互いに相手を挟持する状態で積層状
に食い違わせて連結する構成であるため、施錠な
しでも、両スライダーが安定かつ確実に連結でき
て互いにがたつくことがなく、しかも不用意に離
脱することがないスライドフアスナー用スライダ
ーとすることができる。

本考案に係るスライドフアスナー用スライダー
によれば、上板部と下板部の広幅の前端部を連結
して形成し務歯と案内する基杆部を、互いに突き
合わせた状態で一対のスライダーを安定かつ確実
に連結する構成であるため、スライダー間の務歯
部を外側から完全に閉塞することができて、使い
勝手の良いスライドフアスナー用スライダーとす
ることができる。

本考案に係るスライドフアスナー用スライダー
によれば、基杆部を互いに突き合わせた連結状態
では、いずれも挿通孔を有する一対の係止板と係
止補助板とを、互に相手を挟持する状態で積層状
に食い違わせて連結し、かつ一対の挿通孔を筒状
の連通孔に形成する構成であるため、従来のよう
に引手に施錠する場合とは相違して、一対のスラ
イダーに対し均等かつ安定した状態で施錠するこ
とができるスライドフアスナー用スライダーとす
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るスライドフアスナー用ス
ライダーの連結状態における平面図、第２図は第
１図の連結状態における正面図、第３図はスライ
ダーの平面図、第４図は第３図のスライダーの正
面図、第５図は第４図の−線における断面
図、第６図は第３図のスライダーの右側面図、第
７図は本考案に係る他のスライダーの平面図、第
８図は第７図のスライダーの−線における断
面図、第９図は第７図のスライダーの右側面図、
第１０図は本考案のその他のスライダーの平面図
である。 ２……上板部、４……下板部、５……基杆部、
６……取付部、７……間隙、８……挿通孔、９…
…係止突子、１０……凹陥部、１１……挿通孔、
１２……係止段部、１３……傾斜面、Ａ……スラ
イダー、Ｂ……引手、ａ……係止板、ｂ……係止
補助板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 上板部、下板部の広幅の前端部を基杆部で連
   結し、該上板部に引手の取付部を設けたスライ
   ダーを一対、務歯に沿い対向させるようにした
   スライドフアスナー用スライダーであつて、上
   板部２上の前端部には、挿通孔８を有する係止
   板ａとこれに並設されて挿通孔１１を有する係
   止補助板ｂとを、相手の上板部２上に向けて突
   設するとともに、一対の係止板ａ、係止補助板
   ｂを食い違わせ基杆部５，５の前面を突き合わ
   せた状態で、一対の挿通孔８、挿通孔１１が互
   いに連通するように形成し、更に係止板ａの内
   側面には、スライダーＡの後部側に向く係止面
   を有する係止手段を形成したことを特徴とする
   スライドフアスナー用スライダー。 ２ 係止手段が、挿通孔８の左右対称位置に形成
   されて、球面状の係止面を有する係止突子９
   と、これに嵌合する形状の凹陥部１０とからな
   る実用新案登録請求の範囲第１項に記載のスラ
   イドフアスナー用スライダー。 ３ 係止手段が、挿通孔８の垂直中心線上の内側
   面上部に形成されて、スライダーＡの後部側に
   向く係止面を有する係止段部１２である実用新
   案登録請求の範囲第１項に記載のスライドフア
   スナー用スライダー。 ４ 係止手段が、内側面全面に形成されて、スラ
   イダーＡの後部側に向く傾斜面１３からなる実
   用新案登録請求の範囲第１項に記載のスライド
   フアスナー用スライダー。