JPH0143925Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） この考案は車載の可倒式ウインドシールドをフ
ードパネル上面に沿う前倒位置にロツクするため
の可倒式ウインドシールドのロツク装置に関する
ものである。

（従来技術） 従来、可倒式ウインドシールドをフードパネル
上面に沿う前倒位置にロツクするめ、フードパネ
ル上面に配設された受け部材に対しばねを介して
ロツク部材を配設し、このロツク部材を、ばねの
付勢力によつて、前倒位置にあるウインドシール
ドに圧接させてロツクする形式のものがある。こ
れにおいては、構造が複雑化する傾向にあり、し
かも、車両の悪路走行時には前倒位置にあるウイ
ンドシールドのロツク側がばねの付勢力に抗して
浮き上がり、ガタ付く不具合が生じる場合もあつ
た。

（考案の目的） この考案の目的は、上記した従来の不具合に鑑
み、可倒式ウインドシールドをフードパネル上面
に沿う前倒位置に確実にロツクすることができ、
かつ、構造が簡単でコスト低減を図ることができ
るロツク装置を提供することである。

（考案の構成） 上記目的を達成するために、この考案は、車載
の可倒式ウインドシールドをフードパネル上面に
沿う前倒位置にロツクする装置であつて、前記フ
ードパネルの上面には前記ウインドシールドの上
部フレームを受承するための受承ブロツクを取付
け、この受承ブロツクには前記ウインドシールド
の上部フレームと係合可能の係止爪を有するロツ
ク部材を取付け、このロツク部材は、受承ブロツ
ク上面より突出してウインドシールドをロツクす
る位置と、受承ブロツクの表面から突出すること
なく収納される収納位置とに移動可能に、締付ね
じと長孔を介して受承ブロツクに締着された構成
にしたものである。

〔作用〕

上記したように構成される可倒式ウインドシー
ルドのロツク装置において、ロツク部材の係止爪
を受承ブロツク上面より所定量だけ突出させると
ともに、前倒位置にあるウインドシールドの上部
フレームを、受承ブロツク上面とロツク部材の係
止爪とにより挟持した状態で、受承ブロツクに対
しロツク部材を締付ボルトによつて締着すること
で、前倒位置にあるウインドシールドがロツクさ
れる。

ウインドシールドが正規の起立位置にあるとき
には、ロツク部材を受承ブロツクの表面より突出
することなく収納される収納位置に締着される。

以下、この考案の実施例を図面にしたがつて説
明する。

（実施例 １） 可倒式ウインドシールド１を搭載した車両を示
す第１図において、ウインドシールド１の下部フ
レーム１ａはカウルトツプパネル２の上面にヒン
ジ３によつて取りつけられており、ウインドシー
ルド１は、第１図中、実線で示す正規の起立位置
から、鎖線で示すように、フードパネル４の上面
に沿う位置までヒンジ３を支点として前倒され
る。なお、ウインドシールド１の上部フレーム１
ｂ先端にはオープニングトリム１３が装着されて
いる。

フードパネル４の前部上面には、ウインドシー
ルド１を前倒したときに該ウインドシールド１の
上部フレーム１ｂを受承するための合成樹脂、ゴ
ム等よりなる受承ブロツク７がボルト５、ナツト
６によつて取りつけられている。この受承ブロツ
ク７の前面にはロツク部材１０に対応する摺動溝
８が上下方向に形成されており、この摺動溝８の
底面には締付ねじ１２に対応するナツト９が埋設
されている。

ロツク部材１０は、受承ブロツク７の摺動溝８
に摺動可能に嵌め込まれており、このロツク部材
１０には、締付ねじ１２のおねじが嵌挿される長
孔１１が上下方向に形成されるとともに、同ロツ
ク部材１０の上端部にはウインドシールド１の上
部フレーム１ｂ先端部と係合するかぎ形状の係止
爪１０ａが形成されている。そして、ロツク部材
１０は、その係止爪１０ａが受承ブロツク７上面
より所定量だけ突出して、第３図に示すように、
ウインドシールド１をロツクする位置と、第２図
に示すように、受承ブロツク７の前面及び上面に
沿う収納位置とに移動可能に締付ボルト１２によ
つて締着されている。

上記したように構成されるロツク装置におい
て、 ウインドシールド１をフードパネル４上面にう
前倒位置にロツクする場合、まず、締付ねじ１２
を適宜に緩め、次に、ロツク部材１０を上方へ摺
動させてその係止爪１０ａを受承ブロツク７上面
より所定量だけ突出させる。そして、ロツク部材
１０の係止爪１０ａを、受承ブロツク７上に受承
されて前倒位置にあるウインドシールド１の上部
フレーム１ｂ先端と係合させた後、締付ねじ１２
によつてロツク部材１０を締着し、ウインドシー
ルド１をロツクする。この状態において、ウイン
ドシールド１の上部フレーム１ｂは、受承ブロツ
ク７上面とロツク部材１０の係止爪１０ａとによ
り強固に挾持され、浮き上がりが防止される。

また、ウインドシールド１が正規の起立位置に
あるときには、第２図に示すように、ロツク部材
１０を受承ブロツク７の前面及び上面に沿う収納
位置に締着する。

（実施例 ２） 第５図から第８図に示す実施例２において、受
承ブロツク７の前面には、ロツク部材１０の板厚
の２倍程度の溝深さでかつロツク部材１０が収納
位置からロツク解除位置（ロツク位置から所定量
だけ上方へ移動した位置）まで移動可能に嵌め込
まれる摺動溝８が形成されている。この摺動溝８
は、その上部付近から下端にわたつて溝幅が広い
段差状に形成されており、その段差部にはロツク
部材１０をロツク位置に保持するストツパ面８ａ
が形成され、このストツパ面８ａの前側には、締
付ねじ１２を緩めた状態において、ロツク部材１
０をロツク解除位置まで上動しうるように切欠状
の第２ストツパ面８ｂが形成されている。

受承ブロツク７の摺動溝８に、締付ねじ１２と
長孔１１を介して上下方向へ摺動可能に嵌め込ま
れるロツク部材１０は、その下端部左右に、摺動
溝８のストツパ面８ａに対し接離可能に対向する
ストツパフランジ１０ｂが形成され、上端部には
ウインドシールド１の上部フレーム１ｂと係合す
るかぎ形状の係止爪１０ａが形成されている。そ
して、この係止爪１０ａの先端部にはゴム等の弾
性体よりなる押えゴム１４が嵌着されている。

受承ブロツク７の摺動溝８に対し、ロツク部材
１０を摺動可能に締着する締付ねじ１２は、ロツ
ク部材１０の長孔１１を介して、摺動溝８底面の
ナツト９に螺入されるとともに、この締付ねじ１
２のおねじ先端には、ナツト９の内端面に接離可
能に当接して締付ねじ１２及びロツク部材１０の
離脱防止を図るための連結鍔１５が取りつけられ
ている。

上記したように構成されるロツク装置におい
て、ウインドシールド１をフードパネル４上面に
沿う前倒位置にロツクする場合、まず、締付ねじ
１２を適宜に緩め、次に、第７図に示すように、
ロツク部材１０を、そのストツパフランジ１０ｂ
が第２ストツパ面８ｂに当接するロツク解除位置
まで上方へ摺動させる。その後、ロツク部材１０
を所定量だけたわませた状態で、ウインドシール
ド１を前倒させた後、ロツク部材１０をロツク位
置まで下動し、該ロツク部材１０の係止爪１０ａ
を、その押えゴム１４を圧縮してウインドシール
ド１の上部フレーム１ｂと係合させるとともに、
ロツク部材１０のストツパフランジ１０ｂと摺動
溝８のストツパ面８ａとを係合させる。このロツ
ク位置において、第８図に示すように、締付ねじ
１２によつてロツク部材１０を締着することで、
ウインドシールド１のロツクが完了する。この状
態において、ストツパフランジ１０ｂとストツパ
面８ａとの係合によつて、ロツク部材１０の上動
が阻止されかつ押えゴム１４の圧縮によつて、ウ
インドシールド１が「がた付く」ことなく確実に
ロツクされる。

また、ウインドシールド１が正規の起立位置に
あるときには、第６図に示すように、ロツク部材
１０を受承ブロツク７の前面及び上面に沿う収納
位置に締着する。

（考案の効果） 以上例示したように、この考案によれば、受承
ブロツクに対しロツク部材を締付ねじと長孔によ
つて締着してなるものであるから構造が簡単で、
コスト低減を図ることができる。

さらに、前倒位置にあるウインドシールドの上
部フレームを受承ブロツク上面と、ロツク部材の
係止爪とにより挾持することで、ウインドシール
ドを前倒位置に確実にロツクするこができる。し
かも、ウインドシールドが正規の起立位置にある
ときには、ロツク部材を受承ブロツクの表面から
突出することなく収納される収納位置に締着する
ことで、ロツク部材を保護することができるた
め、ロツク部材の突出が原因となる同ロツク部材
の折損を防止することができて耐久性の向上を図
ることができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面の第１図から第４図はこの考案の実施例１
を示すもので、第１図は可倒式ウインドシールド
を搭載した車両の一部を示す側断面図、第２図は
ロツク装置を拡大して示す側断面図、第３図はウ
インドシールドを前倒位置にロツクした状態のロ
ツク装置を拡大して示す側断面図、第４図は第２
図の−線断面図、第５図から第８図は実施例
２を示すもので、第５図は受承ブロツクとロツク
部材とを分解して示す斜視図、第６図はロツク部
材が収納位置にある状態を示す側断面図、第７図
はロツク部材がロツク解除位置にある状態を示す
側断面図、第８図はロツク部材がロツク位置にあ
る状態を示す側断面図である。 １…ウインドシールド、１ｂ…上部フレーム、
４…フードパネル、７…受承ブロツク、１０…ロ
ツク部材、１０ａ…係止爪、１１…長孔、１２…
締付ねじ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車載の可倒式ウインドシールドをフードパネル
   上面に沿う前倒位置にロツクする装置であつて、
   前記フードパネルの上面には前記ウインドシール
   ドの上部フレームを受承するための受承ブロツク
   を取付け、この受承ブロツクには前記ウインドシ
   ールドの上部フレームと係合可能の係止爪を有す
   るロツク部材を取付け、このロツク部材は、受承
   ブロツク上面より突出してウインドシールドをロ
   ツクする位置と、受承ブロツクの表面から突出す
   ることなく収納される収納位置とに移動可能に、
   締付ねじと長孔を介して受承ブロツクに締着され
   ていることを特徴とする可倒式ウインドシールド
   のロツク装置。