JPH0143711Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、反転現像を行なう電子写真装置に関
し、特に感光体への現像剤キヤリヤの付着を防止
し、転写紙における転写抜け、画像の欠落を防ぐ
ようにした電子写真装置に関する。

一般に、感光体における反転現像のための潜像
は、正規現像のための静電潜像と比べて帯電部分
面積が大きく、また、この帯電部極性がキヤリヤ
静電極性と異極性であるため、現像剤キヤリヤが
付着し易いという問題がある。このように感光体
にキヤリヤが付着すると、感光体と転写紙との密
着度が悪くなり、転写紙には転写抜け又は画像の
欠落が発生してしまう。

従来、正規現像を行なう電子写真装置において
は、感光体にキヤリヤが付着するのを防止するた
め、現像スリーブ中の主極マグネツトの磁力を強
くしてキヤリヤの吸引力を強くすること、同じく
現像スリーブ内で主磁極とこれに近接する補助磁
極間の磁力を強くすること、或いは感光体の近く
にキヤリヤ回収マグネツトを設けること等の対策
が考慮されている。

しかし、反転現像の場合には、前記したように
帯電部分面積が大きい等の理由があるので、正規
現像の場合の対策を応用しただけでは効果が極め
て不充分であると言う問題がある。即ち、主極磁
力ないし補助極磁力を増大し、現像剤キヤリヤと
現像スリーブ間の吸引力を上げて感光体へのキヤ
リヤの付着を防止すると言う方法では、マグネツ
トの磁力増大に限界があり、充分な効果を得るこ
とは困難である。また、キヤリヤ回収マグネツト
を感光体近くに設置し、感光体に付着しているキ
ヤリヤを回収する方法の場合は、感光体の破損防
止のため、回収マグネツトと感光体間に間隔を設
けてこれを一定に保持する必要があり、それゆえ
回収マグネツトを極く接近した位置に設けること
が難しく、反転現像の場合の対策としては効果が
少ない。

本考案の目的は、反転現像を行なう場合におい
て感光体への現像剤キヤリヤの付着を防止し、転
写紙上の画像を良好にする電子写真装置を提供す
ることにある。

以下、第１〜２図に示す実施例により本考案を
説明する。

本考案による電子写真装置は、感光体ドラム１
周囲にチヤージ部２、露光部３、現像スリーブ４
を有する現像部５、転写紙Ｐに転写を行なう転写
部６、クリーナ部７等を備えた反転現像を行なう
周知の電子写真装置において、現像部５と次位の
転写部６との間に、現像剤キヤリヤを吸引する回
転可能な金属ローラ８を設けてなるものである。

金属ローラ８は、その金属部９の外周に絶縁体
１０を介して所定間隔毎に多数の電極１１を埋め
込んでなるもので、金属ローラ８と感光体ドラム
１との間には僅かな間隙（１〜３mm）が設定され
る。また、金属ローラ８の電極１１には感光体ド
ラム１表面の電位よりも高く（1000V以上）、且
つ同極性の直流電圧が印加される。つまり、本考
案装置は、感光体にキヤリヤが付着する場合と同
様の原理を利用して感光体に付着したキヤリヤを
除くものである。

金属ローラ８は矢印のように回転され、その電
極１１が順番に感光体ドラム１と対面して感光体
ドラム１に付着していた現像剤キヤリヤを吸引集
積する。電極１１に集積されたキヤリヤはドクタ
ー１２によつて回収容器１３内に掻き落とされ、
そこに貯えられる。そして、現像剤の交換時等に
取り除かれる。

なお、電極１１には直流電圧を印加する代り
に、電極１１とアース部分に低周波の交流（20〜
30サイクル）を印加しても同様の効果が得られる
ことが分つている。

前述したように感光体上のキヤリヤ付着は画質
に種々の悪影響を及ぼすので、どうしても取り除
く必要がある。また、キヤリヤ付着は感光体の表
面電位による電界の影響を強く受けるので、つま
り表面電位が高い場合により多く発生するから、
キヤリヤ付着を少なくする手軽な方法は表面電位
を下げることであるが、これは他の品質との関係
があるので、余り下げることはできない。それゆ
え、従来は現像スリーブ４中の主極磁力を強くし
たり、回収マグネツトを取り付ける等の手段が提
案されているが、前述のように効果はそれほど大
きくない。

しかし本考案によると、金属ローラ８を用いて
感光体の表面電位よりも高い電圧で吸引するの
で、充分な効果が得られる。即ち、実験結果によ
ると次の通りである。

(1) 何も対策のない場合 セレン感光体で、暗部電位850V、明部電位
100Vのとき、日本工業規格Ｂ列４番の転写紙
（以下単にB4と言う）の１枚当り10〜15ケのキヤ
リヤ付着があつた。

(2) 回収用マグネツトを取り付けた場合 (1)と同一条件下で、B4の１枚当り２〜５ケの
キヤリヤ付着となつた。

(3) 本考案の場合 電極１１の印加電圧＋1500Vで、B4の１枚当
りキヤリヤ付着は０となつた。

以上説明してきたように本考案によると、金属
ローラを用いて感光体の表面電位よりも高い電圧
で吸引するので、感光体に付着した現像剤キヤリ
ヤを完全に除去することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例に係る電子写真装
置の概略全体図、第２図は第１図の要部説明図で
ある。 １……感光体ドラム、２……チヤージ部、３…
…露光部、４……現像スリーブ、５……現像部、
６……転写部、７……クリーナ部、８……金属ロ
ーラ、９……金属部、１０……絶縁体、１１……
電極、１２……ドクター、１３……回収容器、Ｐ
……転写紙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 感光体近傍に配置された露光部、現像部および
   転写部を備え、反転現像を行なう電子写真装置に
   おいて、現像部と転写部との間に感光体から離し
   て回転可能な金属ローラを設置し、金属ローラ
   は、金属部とその外周部に絶縁体を介して所定間
   隔毎に埋設した多数の電極とから構成し、各電極
   には感光体の表面電位と同極性でこれよりも高い
   直流または交流電圧を印加するようにしたことを
   特徴とする電子写真装置。