JPH0143566B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、砂やアンスラサイトなどの粒状
材を充填した材層をもつ過装置に関するもの
で、特にこのような過装置の下部に設ける集散
水装置に関する。

従来、この種過装置の集散水装置としては逆
洗時の空気や洗浄水あるいは原水又は処理水など
の流体を通す主管を配置し、これに枝管を連絡
し、この上側にストレーナを設けたものが知られ
ている。しかし、このような構造の集散水装置で
は、過装置が大型になつて枝管が長くなると、
逆洗時の空気又は空気と水の混合体（以下単に
「混合体」ということもある。）の材層への供給
が、枝管の主管側の取付部分と反対側の端部で不
均一になつてしまい、材層を均一的に混合撹乱
することができなくなるおそれがある。このよう
な現象は、枝管が長いと顕著である。不均一な
材層の洗浄は次に過工程を行つても短時間で損
失水頭が許容限度に上がり、頻繁に洗浄を繰返さ
なければならず過効率の低下を招来するばかり
か、ひいては洗浄を行えなかつた材層に補集さ
れた懸濁固形物が腐敗したり、マツドボールが生
成する原因となる。このような不都合を避けるた
め短い枝管にする必要があるが、これでは主管の
本数が多くなり設備費が嵩むと共に空気量の調整
が困難になるなどの欠点がある。

本発明は、上記のような欠点に鑑み材層の均
一的な洗浄を行なえる集散水装置を備えた過装
置を提供するものである。以下本発明を添付の図
面によつてさらに詳しく説明する。なお、ここで
は原水を材層に上向流で通水する上向流過装
置について説明するが、原水を材層に下向流で
通水し、集散水装置から過処理水を取出す下向
流式過装置に実施しても良い。

第１図は本発明装置の概略を示すもので、過
槽底部１上には流体を送給するための主管４と主
管に一端で連通し他端を盲にした複数の枝管５を
水平に設け、各枝管には夫々下向きに多数のスト
レーナ６を取付けた集散水装置ａが、砂利などか
らなる支持床２中に設けられている。更にその上
に砂などから構成される材層３が設けられてい
る。そして主管４の一端には弁V₁を備えた原水
供給管（下向流過の場合は過水取出管とな
る。）が接続され、原水供給管７にはブロワなど
の給気源から来る弁V₂を備えた空気供給管８を
接続してある。過を行うには原水供給管７の弁
V₁を開き原水を主管４、枝管５を経てストレー
ナ６により上向流で支持床２、材層３に通水し
て上方から過処理水を得る。この場合、原水中
に含まれている空気によつて材層を乱さないよ
うにするため弁V₃を有する空気抜き管９の一端
を主管４に接続し、他端を過槽の水面（図示せ
ず）よりも上に開口させ、空気抜き管９の途中に
設けてある弁V₃を開き、ここから排気するよう
になつている。

過工程の継続で損失水頭が許容限度に高まつ
たら手動あるいは自動で洗浄工程を行なう。ここ
では原水を洗浄水として用いる原水逆洗について
説明するが、もちろん過処理水を用いても良
い。先ず、図示しないが過槽内の水位が材層
３の略々上面に下がるまで主管を介して抜き取
る。それから空気供給管８の弁V₂を開き（空気
抜き管の弁V₃は閉）空気をストレーナ６から噴
出させて空気により材層を混合撹乱して材か
ら濁質を剥離させる。その後給気を止め、原水供
給管７の弁V₁を開いて給水し、材から剥離し
た濁質を洗い出す。或いは混合体で洗浄する場合
は上記のように水抜きした後に、空気供給管８と
原水供給管７の弁V₁，V₂を開き（空気抜き管の
弁V₃は閉）、原水は低水量で送水して空気と原水
の混合体をストレーナ６から噴出し、混合体で
材層を混合撹乱し、水位が溢流壁（図示せず）近
くになつたら空気供給だけを止め濁質を洗浄水と
共に洗い流す。場合によつては、再び材層の上
面になるまで水を抜き、抜いたら上記操作を数回
繰り返すようにしても良い。

さて、本発明では、空気または混合体を材層
に均一に供給するために、第２図に明示したよう
にストレーナ６は各枝管の下側に下向きに設けら
れる。すなわち、ストレーナ６の一端に設けられ
た流体（空気や水）の噴出孔６ａが枝管の下側に
位置し、ストレーナ６の他端側が枝管中に突入す
るように取付け、枝管中の流体がストレーナ６を
通り噴出口６ａから下向きに排出されるようにす
ればよい。ストレーナの他端側には開口６ｂが設
けられているが、この開口６ｂは斜めに切つた開
口とするのが好ましい。このストレーナの他端側
の枝管中への突入度合は枝管の壁面から開口６ｂ
までの距離が管径Ｄに対して1/3〜2/3程度とする
ことが好ましい。なぜならば、混合体による洗浄
の場合は、この範囲に水位があると比較的波打ち
の少ない水面が得られるからである。また、スト
レーナは枝管中で水が波打つても効率良く空気あ
るいは混合体を噴出できるように開口６ｂが斜め
に切られている。空気あるいは混合体の流入側つ
まり主管側のストレーナほど噴出量が多くなるの
を防止するとともに水の波打ちによる不均一な噴
出をより一層防止するために、ストレーナの斜開
口６ｂが主管のある側と反対を向くようにする。
また、ストレーナは枝管に真下を向けて設けられ
ていると、空気あるいは混合体の噴出の際にスト
レーナの噴出孔６ａに気泡による表面張力が働き
抵抗がふえるとともに、噴出方向が定まらないの
で、第３図に示すように枝管に傾けて取付ける。
なお、この場合、隣りどおしのストレーナを交互
に枝管の真下から異なる方向に傾けて取付るのが
よい。また、ストレーナの下向きの傾き度合は垂
直方向を基準に90゜より小さくすればよいが、好
ましくは15〜30゜とする。なお、ストレーナ６は
ナツト１０により枝管５に固定される。

このようにストレーナが下向きに設けられてい
る集散水装置を有する過装置では、混合体を噴
出する場合に空気で揚水する必要がないので、ス
トレーナ内で水が脈動することがないと共に、
材層中から逆流して浸入しようとする水と、スト
レーナから噴出しようとする空気あるいは混合体
が、ストレーナ内でぶつかり合つて脈動すること
もなくなる。また、過時に枝管の内部上面沿い
に溜つてしまう空気層の空気を噴出する恐れが全
くなくなる。更に、ストレーナの枝管中に突入し
た側の開口を斜開口とし、斜開口が主管のある側
と反対を向くようにすると、ストレーナ内の脈動
防止だけでなく、枝管中で水が波打つことによる
弊害をも同時に防止できる。従つて効率良く空気
あるいは混合体を噴出できるとともに主管側のス
トレーナから多量に噴出することが防止でき均一
に噴出可能となる。従つて、空気あるいは混合体
を材層全面にわたり均一に噴出することができ
るようになるので、混合撹乱されない部分の発生
を防止することができ、材層全体を均一に混合
撹乱することができる。また、枝管を長くしても
何ら支障なく空気あるいは混合体を噴出できるの
で、大規模の過池でも設備が簡素にでき製作お
よび維持管理が容易であるなどの多くのすぐれた
効果を奏す。

以下本発明の実験例を示す。

長さ4000mm、径100mmの枝管に、ストレーナ30
個を上向きに等間隔に取付け、過面積当りLV
＝60ｍ／hrで空気を通気したところ、主管側の取
付け部分から1/3程度は激しく噴出したが、反対
の端部側1/3程度は噴出しなかつた。しかし、ス
トレーナを下向きに隣り合うもの同志を互いに
15゜傾けて取付けたものは、全体にわたつてほぼ
均一に空気を噴出した。また、同じ装置に、空気
60ｍ／hr、水10ｍ／hrで混合体を通したところ、
上向きのものは主管側取付部分から３〜５個およ
び反対の端部側から５〜10個のストレーナは脈動
が激しく噴出が不均一であつたが、ストレーナを
下向きに30゜傾けて取付けたものは全体にわたつ
てほぼ均一に混合体を噴出した。なお、ストレー
ナを用いずに枝管に穴のみを30゜傾けてあけたも
のは、全体にわたつて極めて脈動が激しく均一な
噴出ができなかつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の概略説明図、第２図は枝
管の拡大断面図、第３図は第２図のＡ−Ａ断面図
を示し、図中４は主管、５は枝管、６はストレー
ナ、６ａはストレーナの下半部、６ｂはストレー
ナ下半部の下端開口を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 砂やアンスラサイトなどの粒状材から構成
   される層に原水を通水して過処理する過装置
   の下部に、水、空気などの流体を送給する主管に
   連絡された枝管と、該枚管の下側にとなりどおし
   が交互に異なる方向に傾けられ取付けられている
   ストレーナとからなる集散水装置を配置した過
   装置において、ストレーナは枝管中に突入した側
   の開口を斜めに切つた斜開口とするとともに、斜
   開口が主管のある側と反対を向くように取付けら
   れていることを特徴とする過装置。