JPH0143470Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はリードバルブ取付け用のキツトに係
り、殊更小型舟艇や自動二輪車、その他の２サイ
クル機関におけるシリンダーブロツクとインレツ
トマニホールドとの相互間へリードバルブを取付
けるに当つて、そのための特別な諸加工をシリン
ダーブロツクやインレツトマニホールドに施す必
要無く、着脱自在にリードバルブを取付け使用で
きるようにすると共に、その取付け使用により混
合ガスの逆流防止などを図つて、その機関の出力
を昂めたものである。

以下、図示の実施例に基いて本考案の具体的構
成を詳述すると、第１〜１１図はキヤブレター式
の並列２気筒ガソリン機関に適用した本考案を表
わしているが、そのキツトは次のようなベースプ
レートＡとキヤブプレートＢ並びにその両プレー
トＡ，Ｂの相互間へ介挿セツトされるリードバル
ブケースＣとから成り立つており、そのリードバ
ルブケースＣにリードバルブユニツトＵが、所謂
カセツト式の着脱自在に嵌め付けられるようにな
つている。

即ち、先づベースプレートＡはシリンダーブロ
ツク１０における吸気口１１側の取付座面１２へ
ガスケツト１３を介して座着されるものであり、
アルミ合金から平盤型に鋳造されている。１４は
そのシリンダーブロツク１０の排気口、１５は同
じく掃気口、１６は上記取付座面１２に穿孔され
たネジ孔であり、第４図から明白な通りベースプ
レートＡには、そのネジ孔１６と合致する複数個
のバカ孔１７のほか、リードバルブケースＣの取
付け用となる複数個のネジ孔１８も貫通形成され
ている。１９は上記吸気口１１と適合するよう
に、そのベースプレートＡに開設された連通口で
あるが、その個数は機関の気筒数に応じて増減さ
れる。尚、上記バカ孔１７が受皿状に座ぐりされ
ていること、図から明白な通りである。

次に、キヤブプレートＢも平盤型のアルミ合金
鋳物から成り、これはインレツトマニホールド２
０へ、やはりガスケツト２１を介して接続固定さ
れる。このキヤブプレートＢには第５図のよう
に、インレツトマニホールド２０の接合座面２２
に穿孔されているバカ孔２３と対応する複数個の
ネジ孔２４と、リードバルブケースＣの取付け用
となる複数個のバカ孔２５との２種が開口形成さ
れていると共に、そのバカ孔２５はベースプレー
トＡの上記ネジ孔１８と合致連通するように配置
されている。２６はそのキヤブプレートＢにおけ
るインレツトマニホールド２０との連通口であ
り、その開口形状と大きさがベースプレートＡの
上記連通口１９と実質的に同一として定められて
いる。図では、そのインレツトマニホールド２０
として直管型を示唆しているが、これを曲管型と
して言わばダウンポート式に、図外のキヤブレタ
ーへ連通接続させることも可能である。

更に、リードバルブケースＣは上記両プレート
Ａ，Ｂよりも、厚肉な平盤型のアルミ合金鋳物か
ら成り、これには第６図に示す通りベースプレー
トＡとキヤブプレートＢの両連通口１９，２６よ
りも大きな開口のリードバルブ嵌め付け口２７が
形成されている。そして、その内部に予じめのユ
ニツト体Ｕをなすリードバルブ２８が、着脱自在
に嵌め付けられている。

つまり、リードバルブ２８は断面く字型のユニ
ツト枠２９へ、吸気路の開閉自在に取付けられて
いると共に、そのユニツト枠２９の張り出し開口
縁部３０がリードバルブケースＣにおける嵌め付
け口２７の凹段部３１へ、言わば埋没状態に嵌め
込まれている。３２はそのリードバルブ２８の開
放規制板であり、リードバルブ２８自身と一緒に
ユニツト枠２９へビス止めされている。３３は合
成樹脂製のカバー枠である。リードバルブ２８が
そのユニツト体Ｕとして、リードバルブケースＣ
へ交換装着し得るようになつているわけである。
３４はそのリードバルブケースＣに貫通形成され
た複数個のバカ孔であつて、上記キヤブプレート
Ｂのバカ孔２５並びにベースプレートＡのネジ孔
１８と、各々正しく合致連通するように配置され
ている。

上記のようなキツトを使つて、シリンダーブロ
ツク１０へリードバルブ２８を取付けるに当つて
は、先づベースプレートＡのバカ孔１７をシリン
ダーブロツク１０のネジ孔１６と合致させて、そ
のバカ孔１７からネジ孔１６へボルト３５を螺入
させることにより、ベースプレートＡをシリンダ
ーブロツク１０に接合固定する。次いで、今度は
そのベースプレートＡのネジ孔１８に対して、リ
ードバルブケースＣとキヤブプレートＢの両バカ
孔２５，３４を順次合致させた上、その両バカ孔
２５，３４からネジ孔１８へ別なボルト３６を螺
入させることにより、ベースプレートＡへリード
バルブケースＣとキヤブプレートＢとをやはり接
合固定するのである。

そうすれば、第７〜１１図から明白なように、
予じめリードバルブケースＣの嵌め付け口２７内
に嵌め込まれているリードバルブユニツトＵは、
そのリードバルブケースＣとキヤブプレートＢと
の相互間に挟持されることとなり、従い別個なビ
スなどにより固定することなく、その離脱から完
全に防止されるのであり、そのユニツト体Ｕとし
てリードバルブ２８を交換することが可能にな
る。尚、そのリードバルブケースＣのネジ孔２４
をインレツトマニホールド２０のバカ孔２３と合
致させて、やはりボルト３７によつて接続固定す
ること言うまでもない。

以上のように、本考案はリードバルブ取付け用
のキツトとして、ベースプレートＡとキヤブプレ
ートＢ並びにその両プレートＡ，Ｂの相互間へ介
挿セツトされるリードバルブケースＣとから成
り、そのベースプレートＡにはシリンダーブロツ
ク１０のネジ孔１６に対する取付けボルト３５の
挿通用バカ孔１７と、リードバルブケースＣの取
付け用となるネジ孔１８との２種を設ける一方、
キヤブプレートＢとリードバルブケースＣには、
ベースプレートＡの上記ネジ孔１８を合致連通し
て、別な取付けボルト３６の挿通用となるバカ孔
２５，３４を各々開口させているため、そのベー
スプレートＡにシリンダーブロツク１０のバカ孔
１６と適合するバカ孔１７を形成しておきさえす
れば、リードバルブ２８を容易にシリンダーブロ
ツク１０へ後付けすることができるのであり、そ
のネジ孔１６がシリンダーブロツク１０の各種に
より位相変化しても、これに対するベースプレー
トＡのみを交換すれば足りる。そのシリンダーブ
ロツク１０へ、リードバルブ取付け上の特別な加
工を加える必要がないのである。

同様なことは、インレツトマニホールド２０の
バカ孔２３が各種変化した場合についても言える
ことである。つまり、そのバカ孔２３がインレツ
トマニホールド２０の各種によつて位相変化して
も、これに対してはそのキヤブプレートＢのみの
交換により即応させることができる。

又、シリンダーブロツク１０の大きさを一定と
仮定した場合に、これに大きなリードバルブ２８
を取付けようとすればする程、その取付座面１２
が相対的に小さく限定されることとなつて、その
取付け不可能又は困難となる処、本考案ではベー
スプレートＡにその取付座面１２のネジ孔１６と
合致するバカ孔１７のほか、リードバルブケース
Ｃの取付け用となるネジ孔１８も開口形成されて
いるので、そのような不可能や困難もなく、リー
ドバルブ２８を容易に安定良く取付けることがで
き、そのリードバルブケースＣに大きな嵌め付け
口２７を制約なく開設して、これに大きなリード
バルブ２８を取付けることにより、その機関の出
力向上などを図れるのである。

しかも、そのリードバルブ２８は予じめのユニ
ツト体Ｕとして、ビスなどの固定具を用いること
なく、そのリードバルブケースＣとキヤブプレー
トＢとの相互間に挟持拘束されているにとどまる
構成のため、その交換作業を極めて能率良く行な
える効果も達成され、実益大である。

【図面の簡単な説明】

第１〜３図はシリンダーブロツクの平面図、正
面図並びに背面図、第４〜６図はベースプレー
ト、キヤブプレート並びにリードバルブケースの
各正面図、第７図はそのリードバルブの取付け使
用状態を示す側断面図、第８，９図は第７図の８
−８線並びに９−９線に沿う各断面図、第１０，
１１図は第９図の１０−１０線並びに１１−１１
線に沿う一部切欠の各断面図である。 Ａ……ベースプレート、Ｂ……キヤブプレー
ト、Ｃ……リードバルブケース、Ｕ……リードバ
ルブユニツト、１０……シリンダーブロツク、１
１……吸気口、１４……排気口、１６，１８，２
４……ネジ孔、１７，２３，２５，３４……バカ
孔、２０……インレツトマニホールド、１９，２
６……連通口、２７……嵌め付け口、２８……リ
ードバルブ、２９……ユニツト枠、３５，３６，
３７……取付けボルト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シリンダーブロツク１０へリードバルブ２８を
   取付けるためのキツトとして、ベースプレートＡ
   とキヤブプレートＢ並びにその両プレートＡ，Ｂ
   の相互間へ介挿セツトされるリードバルブケース
   Ｃとから成り、 そのベースプレートＡにはシリンダーブロツク
   １０のネジ孔１６に対する取付けボルト３５の挿
   通用バカ孔１７と、リードバルブケースＣの取付
   け用となるネジ孔１８との２種を設ける一方、 キヤブプレートＢとリードバルブケースＣに
   は、ベースプレートＡの上記ネジ孔１８と合致連
   通して、別な取付けボルト３６の挿通用となるバ
   カ孔２５，３４を各々開口させると共に、 上記リードバルブケースＣ内へ着脱自在に嵌め
   付けたリードバルブユニツトＵを、そのリードバ
   ルブケースＣとキヤブプレートＢとの相互によつ
   て、離脱不能に挟持したことを特徴とするリード
   バルブ取付け用キツト。