JPH0142735Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はガスレンジの１つのコンロ部を覆うた
めのアルミ箔で形成されたガスレンジ用マツトに
関するものである。

（従来の技術） ガスレンジのコンロ部が煮たき物の煮汁によつ
て汚れるのを防止するための軽便な手段として、
中央部にバーナ露出用の円形開口部を備えた丸い
皿状のアルミマツトが広く一般に使用されてい
る。また、バーナ部を除くコンロ部とガスレンジ
上面とを覆うようにしたガスレンジ用マツトも提
案されている。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、従来の上記マツトは、コンロ部が円
形又は正方形状のものに対応した形状となつてお
り、かつバーナに対する点火を受皿のバーナ用開
口の下方から行うようにしたものに対応したもの
であつた。しかしながら、最近コンロ部が長方形
状で、しかも受皿外周部の立上がり壁に形成した
開口から受皿の上方でバーナに点火する様にした
ものが開発されている。そのため、従来のガスレ
ンジ用マツトでは形状的に対応できないばかりで
なくマツトに点火用の開口をあける必要があり、
その際アルミニウム箔の切断縁で指を切つたり、
適正に開口できずに点火ミスが多発するなどの問
題が生じている。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、従来のこのような問題点を解消する
ためになされたもので、中央部にバーナ露出用の
円形開口部を形成し、その外周に底面が円形開口
部より下方に位置する汁受用の環状凹部を形成
し、この環状凹部の外側周壁の上端から外方に略
長方形枠状の水平面を形成し、前記水平面の一方
の長辺に沿う前記外側周壁の長手方向中央部に、
他の部分より大きな傾斜角を有し底面側が外方に
膨出する膨出部を形成し、この膨出部に横長の点
火用長孔を形成したガスレンジ用マツトを提供す
るものである。

（作用） かかる構成によると、長方形状のコンロ部にす
つきりと納まるため、コンロ部に合わせて大きく
変形させる手間を必要とせず、かつ体裁もよい。
また適正な位置に予め点火用長孔が開口されてい
るのでマツトを設置するだけでその点火用長孔を
通してバーナへの点火が可能であり、特にマツト
の外側周壁に膨出部を形成しこの膨出部における
傾斜角の大きい面に点火用長孔を形成しているの
で、点火用開口を比較的小さくしてもマツトが邪
魔になつて点火ミスを生じるというようなことが
なく確実に点火できると共に点火用長孔から煮汁
などが下方へ流出する可能性が少なくなる。ま
た、膨出部以外の部分は傾斜を緩やかにできて受
皿の種類による寸法差を容易に吸収することがで
きる。

（実施例） 次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。第１図乃第２図ａ，ｂにおいて、１は厚さが
20〜60μのアルミニウム箔からなるガスレンジ用
マツトであつて、全体形状は略長方形状で中央部
にバーナ露出用の円形開口部２が形成されてい
る。この円形開口部２の外周には、その底面３ａ
が円形開口部の上端開口縁２ａより下方に位置す
る環状凹部３が形成されている。環状凹部３の内
側周壁３ｂは傾斜面と水平面を交互に配置した緩
やかな傾斜状に形成され、外側周壁３ｃは平面形
状が略長方形状でかつ傾斜面を組合わせて緩やか
な傾斜状に形成されており、その上部に略長方形
枠状の五徳載置面４が形成されている。この五徳
載置面４は前記円形開口部２より上方に位置して
おり、その外周縁に長方形状のレンジ台上面を覆
う上面板部５が連設されている。６ａ，６ｂ，７
ａ，７ｂは上面板部５の四周に折り曲げ線８を介
して連設されたフラツプ部で、レンジ台上面の大
きさに応じて折り曲げ、もしくは広げる様に構成
されている。さらに、上面板部５の短辺側に連設
されたフラツプ部７ａ，７ｂには延長フラツプ部
９ａ，９ｂが折り曲げ線１０を介して連設されて
いる。前記フラツプ部６ａ，６ｂ及び延長フラツ
プ部９ａ，９ｂの外側縁には縁巻き１１が施さ
れ、また前記円形開口部２の上端開口縁２ａも縁
巻き１２が施されている。

前記五徳載置面４の一方の長辺に沿う前記外側
周壁３ｃの長手方向中央部に、適当な長さに亙つ
て他の部分より大きな傾斜角を有し底面側が外方
に膨出する膨出部１３が形成され、この膨出部１
３の側壁面に横長の点火用長孔１４が形成されて
いる。

以上の構成において、第３図ａ，ｂに示す様
に、外周部の立ち上がり壁に点火用の開口１６を
形成した標準的なコンロ部の受皿１５に、このガ
スレンジ用マツト１を載置すると、受皿１５の開
口１６と点火用長孔１４が丁度対向した状態で、
受皿１５の外周枠部１７上面に上面板部５が当接
支持される。また、受皿１５のバーナ開口１８に
ガスレンジ用マツト１の円形開口部２が近接外嵌
すると共に、環状凹部３の底面３ａも受皿１５の
底面に当接又は近接している。このように、受皿
１５の点火用開口１６とガスレンジ用マツト１の
点火用長孔１４とが丁度対向しているため、バー
ナ（図示せず）に対して開口１６から点火する際
にガスレンジ用マツト１が邪魔になつて点火ミス
を生ずる虞はない。

また、受皿１５の種類が変わつた場合も、第４
図や第５図に示すように、同一のガスレンジ用マ
ツト１をそのまま用いることができる。例えば、
第４図ａ，ｂの場合は、受皿１５のバーナ開口１
８に対して若干間隔をあけてガスレンジ用マツト
１の円形開口部２が外嵌し、受皿１５に形成され
た五徳載置用段部１９上方に五徳載置面４及び上
面板部５が位置するので、これらを五徳２０にて
段部１９に押し付けて若干変形させることにより
受皿１５に沿わせて設置することができる。さら
に第５図ａ，ｂに示す受皿１５の場合は、受皿１
５の上端縁２１とコンロ部上面にわたつて五徳２
０を設置することにより、ガスレンジ用マツト１
を仮想線で示す自然状態から実線で示す状態に強
制的に変形させることにより設置することができ
る。このとき、内側周壁３ｂ及び外側周壁３ｃを
傾斜面や水平面の組合わせによる緩やかな傾斜状
となしているので、容易にしかも見苦しい皺を生
じずに変形させることができ、美感上優れてい
る。なお、第５図ａ，ｂの受皿１５には点火用開
口１６は設けられていないが、このような場合に
も用い得ることは言うまでもない。

第６図ａ，ｂ，ｃは、厚さが20〜25μのアルミ
ニウム箔からなるガスレンジ用マツト３１を示
す。このガスレンジ用マツト３１は、薄いアルミ
ニウム箔からなるため、縁巻きや折り曲げ線及び
コンロ部上面を覆う上面板部は設けられていな
い。環状凹部３３の外側周壁３３ｃは単一の傾斜
壁にて形成され、その上端から外方に細巾の鍔状
の水平面３４が突設されている。また内側周壁３
３ｂは緩やかな傾斜壁の内周から狭巾の水平面が
延出され、その内周縁にてバーナ用の円形開口部
３２が形成されている。このガスレンジ用マツト
３１においても外側周壁３３ｃに膨出部３５が形
成されて点火用長孔３６が穿設されている。

（考案の効果） 本考案のガスレンジ用マツトによると、以上の
説明から明らかなように、バーナ露出用の円形開
口部外周に形成した環状凹部の外周部が略長方形
状となつているので、長方形状のコンロ部にすつ
きりと納まり、ガスレンジ用マツトを大きく変形
させることなく設置できると共に体裁もよい。し
かも、適正な位置に予め点火用長孔を形成してあ
るので、受皿に形成された点火用開口から受皿上
面側でバーナに点火する際にこのガスレンジ用マ
ツトが邪魔になることがなく、またガスレンジ用
マツトに後で穴をあける場合のように適確な穴位
置がわからず、適当に穴をあけることによりマツ
トの一部が点火の邪魔になつて点火ミスを生ずる
などの問題も生じない。さらに、膨出部を形成し
てこの膨出部における傾斜角の大きい面に点火用
長孔を形成しているので、点火用開口を大きくし
なくてもマツトの一部が邪魔になつて点火ミスを
生ずるというようなことがなく、確実に点火する
ことができると共に、点火用長孔から煮汁等が下
方へ流出するのを防止できる。一方、膨出部以外
の環状凹部の周壁は傾斜角を緩やかにできるた
め、受皿の種類による寸法差を容易に吸収するこ
とができる等、実用上大なる効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は本考案の一実施例を示し、第
１図は平面図、第２図ａは第１図のＡ−Ａ断面
図、第２図ｂは第１図のＢ−Ｂ断面図、第３図、
第４図、第５図は各々コンロ部の各種受皿への設
置状態を示し、各図ａは第２図ａに対応する断面
図、各図ｂは第２図ｂに対応する断面図、第６図
は他の実施例を示し、同ａは平面図、同ｂは同ａ
のＣ−Ｃ断面図、同ｃは同ａのＤ−Ｄ断面図であ
る。 １……ガスレンジ用マツト、２，３２……円形
開口部、３，３３……環状凹部、３ａ，３３ａ…
…底面、３ｂ，３３ｂ……内側周壁、３ｃ，３３
ｃ……外側周壁、４……五徳載置面、（水平面）、
５……上面板部（水平面）、１３，３５……膨出
部、１４，３６……点火用長孔、３４……水平
面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中央部にバーナ露出用の円形開口部を形成し、
   その外周に底面が円形開口部より下方に位置する
   汁受用の環状凹部を形成し、この環状凹部の外側
   周壁の上端から外方に略長方形枠状の水平面を形
   成し、前記水平面の一方の長辺に沿う前記外側周
   壁の長手方向中央部に、他の部分より大きな傾斜
   角を有し底面側が膨出する膨出部を形成し、この
   膨出部に横長の点火用長孔を形成したことを特徴
   とするガスレンジ用マツト。