JPH0142545Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は例えば自動車のドアの内面に張る合成
樹脂で成形した化粧板（通称ドアライニング）の
ように、片面の略中央に膨出部を持つたパネル状
の部品を収容して遠隔地に輸送するのに用いる梱
包箱に関するものである。

上記パネル状部品はそのまま重ねると、膨出部
の出つ張り分だけ相互の間隔が開いて箱の容積の
割には収容枚数が少なくて不経済である。パネル
状部品を表面に傷が付かないように発泡ウレタン
シートでくるむと、なおさら厚くなつて収容枚数
が減る。

また上記膨出部を有するパネル状部品を梱包箱
に積重ねて収容すると、その膨出部あるいは膨出
部が当る個所を傷めるおそれがあり、長距離の輸
送には不向きである。

本考案は、片面の略中央に膨出部を有するパネ
ル状部品を梱包箱に収容した場合の上記の問題点
を解決すると共に、箱に対するパネル状部品の出
し入れを容易にすることを目的とする。

すなわち図面に示すように、片面の略中央に膨
出部Ａを持つたパネル状部品Ｐを収容する梱包箱
１において、対応する側面１Ａ，１Ｂの内側に沿
つてそれぞれ上下２本のレール部材２，３を水平
且つ平行に配置し、その上下のレール部材２，３
の間隔Ｇを、２枚のパネル状部品Ｐ，Ｐの膨出側
を膨出部Ａ，Ａどうし当らないように上下にずら
して重ね合せた場合の両パネル状部品Ｐ，Ｐ相互
の段差Ｈと略等しくし、中央部でパネル状部品Ｐ
を吊下的に支持し両端をレール部材２，３に受け
させる支持部材４を備えた構成を要旨とする。

実施例の梱包箱１の底板５は薄鋼板あるいは木
板等の板張りを示すが、すのこ状に形成すること
もある。そして底面にはフオークリフトトラツク
による荷役に備えて滑材６が取付けられている。

第３図に示すように底板５の四隅に柱枠７を立
て、その上端に天面を構成する方形枠８が固着さ
れている。箱１の四側面には筋交材９、天面には
横材１０が入る。

レール部材２，３はその両端を柱枠７に直接ま
たは補助部材を介して固着し、必要により中間部
を補助柱で支持することもある。

支持部材４は管で形成し、吊持したパネル状部
品Ｐの横ずれ防止ストツパ４Ａおよびスペーサ４
Ｂを両端部に備えている。

天面および一方の妻面を開けた状態において、
上辺の折曲縁Ｂの内側に支持部材４を通したパネ
ル状部品Ｐを１枚、その膨出部Ａを内側に向けて
支持部材４の両端を上段のレール部材２，２に掛
け、箱１の他方の妻面に接する位置に置く。

次いで次のパネル状部品Ｐ１を上記先に入れた
パネル状部品Ｐと膨出部Ａ，Ａどうし向き合うよ
うにして、支持部材４の両端を下段のレール部材
３，３に掛け、先のパネル状部品Ｐに重ね合せ
る。

次のパネル状部品Ｐ２は、上記下段のレール部
材３，３に吊下支持させたパネル状部品Ｐ１と背
中合せにして上段のレール部材２，２に吊下支持
させる。

そして次のパネル状部品Ｐ３は、上記パネル状
部品Ｐ２と膨出部どうし向き合せて下段のレール
部材３，３に吊下支持させる。

以上の要領で、多数枚のパネル状部品Ｐ，Ｐ
１，Ｐ２，Ｐ３……を、膨出側を互いに向き合せ
て上段レール部材２および下段レール部材３に、
支持部材４を介して交互に吊下支持させるもの
で、向い合う膨出部Ａ，Ａが上下食違つて並ぶ。
スペーサ４Ｂはレールの方向に互いに接して支持
部材４の移動を止め、パネル状部品どうしの圧接
を防いでいる。

上記実施例は支持部材４の移動防止を、それ自
体に備えたスペーサ４Ｂによつて行つているが、
第４図に示すように左右のレール部材２，２に上
下に貫通した穴２Ａを一定間隔で設け、これに支
持部材４の両端のＬ字形折曲げ部４Ｃをはめて位
置決めすることもできる。

第１図のように箱１を深くしておくと、上段レ
ール部材２，２および下段レール部材３，３にそ
れぞれ吊下支持されたパネル状部品Ｐ，Ｐ１，Ｐ
２，Ｐ３……の下辺どうしの間隙に、底板５の上
に立てた別のパネル状部品P′の上辺を挟ませるこ
とにより、上中下３段に並べることができる。

以上のようにして箱一杯にパネル状部品を収容
し終つたならば天面および妻面を閉じ、天面およ
び四側面にボール紙・薄鋼板あるいは合成樹脂板
を張る。または上記材料で一体に作つた底なしの
箱体１１を上からかぶせるなどして密封する。な
お柱と方形枠と筋交等のみから成る透かし箱の場
合もある。Ｆはパネル状部品Ｐをくるんだ保護フ
イルムであるが、部品Ｐの種類によつては使用し
ない場合もある。

本考案梱包箱は上記の構成であるから、片面に
膨出部Ａを有するパネル状部品Ｐが、膨出部どう
し上下食違つて向き合つた状態で重なり合い、パ
ネル状部品相互の間隔がほとんど無くて収容枚数
が増加する効果がある。

またパネル状部品は箱に吊下的に支持されてい
るため、パネル状部品相互に荷重が掛かることが
なくて、長距離輸送に耐え、パネル表面の損傷防
止に有効である。さらにパネル状部品の箱に対す
る出し入れが容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案梱包箱のパネル状部品を収容し
た状態の縦断側面図、第２図は縦断正面図、第３
図は箱の一部切欠斜視図、第４図は他の実施例の
斜視図。 １は梱包箱、１Ａ，１Ｂは箱の対応側面、２は
上段のレール部材、３は下段のレール部材、４は
支持部材、Ｐはパネル状部品、Ａは膨出部、Ｇは
上下のレール部材の間隔、Ｈは隣り合うパネル状
部品相互の段差。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 片面の略中央に膨出部を持つたパネル状部品を
   収容する梱包箱において、対応する側面の内側に
   沿つてそれぞれ上下２本のレール部材を水平且つ
   平行に配置し、その上下のレール部材の間隔を、
   ２枚のパネル状部品の膨出側を膨出部どうし当ら
   ないように上下にずらして重ね合せた場合の両パ
   ネル状部品相互の段差と略等しくし、中央部でパ
   ネル状部品を吊下的に支持し両端をレール部材に
   受けさせる支持部材を備えたパネル状部品輸送用
   梱包箱。