JPH0141992Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、特に、自動車の排気管系統に施こ
される螺旋管を用いた排気管等に使用できる螺旋
管の連結金具の強化構造に関する。

従来、自動車の排気管系統の適当箇所に、振動
吸収および透過音減少のため第１図に示すような
螺旋管１の両端内周部にパイプ状の連結金具２を
嵌入させてこれらを全周溶接することにより固定
してなる排気管が接続されていた。

ところが、この排気管を製作するには、溶接性
向上のため、前記螺旋管１の両端を多大の切断時
間をかけてそのリード角に沿つて切断するリード
切りＸおよびその長手方向に沿つて切断するタテ
切りＹ（第１図参照）とすることが必要であり、
また全周溶接してシール構造にすることから多大
の溶接時間を要する上、その溶接に熟練が必要で
あり、しかもこのようにして製作された排気管の
溶接部の安定性が乏しい等の欠点があつた。

そこで、この考案は、このような溶接部をなく
して容易、かつ品質良く製作できる螺旋管の連結
金具の強化を提供し、前記欠点に対処したもので
ある。

以下この考案の具体的な実施例を図面を参照し
て説明する。

第２図はこの考案に係る螺旋管の連結金具の強
化構造の一実施例を実施した排気管を示し、この
排気管は螺旋管１、連結金具２等からなる。

螺旋管１は、一層からなる螺旋管もしくは薄金
属条帯を波形条７に成形し、この波形の山および
谷は順次大きさを変えて重層にしたときに各山お
よび各谷が同形状になるようにし、この波形条７
を螺旋状に一山づつずらせて巻重ねてなる多層式
螺旋管（第６，７図参照）からなるものが用いら
れ、適当長さでその長手方向に直交するように直
角切断されてなるものである。

連結金具２は、金属性パイプからなり、その一
端内周部は前記螺旋管１の山部１ａと嵌合する嵌
合部２ａとなり、この嵌合部２ａに長方形の貫通
状穴部２ｂが穿設されてなるものである。

そして、この嵌合部２ａに螺旋管１を嵌合させ
るのであるが、エアー洩れを確実に防ぐ必要があ
る場合には山部１ａに耐熱シーラ等のシール材３
を塗布等して、あるいは、連結金具２を紋り形成
することによつて山部１ａと連結金具２の嵌合部
２ａを密着してもよい。

この場合の穴部２ｂ位置を、螺旋管１の谷部１
ｂと連結金具２の嵌合部２ａとで形成される螺旋
トンネル状通路４の一部が通るよう嵌合させてお
くことが必要である。

そして、この通路４を遮断するように、この穴
部２ｂ位置で適宜シール固定手段５が施こされ
る。

その具体的手段としては、第２図のように谷部
１ｂに嵌合するセキ板６をこの穴部２ｂ上下両側
位置で嵌合させてロー付け等をしてシール兼固定
をする手段、あるいは第４図のように連結金具２
に穴部２ｂを形成するとき前述のセキ板６と同形
状となるように切曲げて穴部２ｂとセキ板６′を
同時に同一体にて形成し、このセキ板６′をロー
付けしてシール兼固定する手段等が考えられる。

第５図は同じくこの考案の他の実施例を示し、
連結金具２は、パイプ状リング一端部内周面に螺
旋管１外端部と螺合可能な雌螺合部２a′を形成す
るとともに、この螺合部２a′適所に第一実施例と
同じく穴部２ｂを形成したものを用いる。

そして、これに、螺旋管１を螺合する等して組
付けるのであるが、その組付け方は第一実施例と
同様である。

以上の構成についての説明についても明らかな
ようにこの考案によると、従来のように螺旋管１
端部をリード切り、タテ切りすることなく直角切
断でよいことから、容易に切断でき、その分工数
の低減が図れるとともに、その端部で、従来のよ
うに全周溶接することなく簡単な嵌合もしくは螺
着等による取付けとしているから、略々溶接工程
がなくなつた分だけ工数の低減が図れる上、螺旋
管１への熱影響もなくなり、品質が極めて安定す
る。

また、エアー洩れを防止するためにシール材３
を介在して、もしくは連結金具２を紋つて山部１
ａと嵌合面２ａを密着するとともに、螺旋トンネ
ル状通路４は穴部２ｂにて適宜シール固定手段に
よりシール兼固定できることから、内部を通過す
る気体の洩れも全くなくシール性を確実なものと
すると同時に螺旋管１と連結金具２を強固に固定
できる等種々の優れた実用上諸効果が期待でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の排気管の構造を示す要部破断正
面図、第２図はこの考案に係る螺旋管の連結金具
の強化構造の一実施例を実施した排気管を示す要
部破断正面図、第３図、第４図は適宜シール固定
手段を示す拡大斜視図、第５図はこの考案の他の
実施例を示す一部破断要部正面図、第６図は多層
式螺旋管の波形条の斜視図、第７図は同螺旋管の
一部破断側面図である。 符号、１…螺旋管、２…連結金具、１ｂ…谷
部、２ａ…嵌合部、２a′…雌螺合部、２ｂ…穴
部、４…螺旋トンネル状通路、５…適宜シール固
定手段、６，６′…セキ板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 螺旋管１外端部と螺合可能な雌螺合部２a′も
   しくは嵌合可能な嵌合部２ａを形成するととも
   に、上記雌螺合部２a′もしくは嵌合部２ａ位置
   適所に貫通状穴部２ｂを形成した連結金具２
   を、適当長さの螺旋管１端部外周部に取付け、
   上記螺旋管谷部１ｂと連結金具２の雌螺合部２
   a′もしくは嵌合部２ａとで形成される螺旋トン
   ネル状通路を４を、上記穴部２ｂ位置で螺旋管
   谷部１ｂに嵌合する連結金具２と一体の切り曲
   げたセキ板６′、もしくは別体のセキ板６を嵌
   合させ、ロー付けし、シールかつ固定してなる
   螺旋管の連結金具の強化構造。 ２ 前記螺旋管１が薄金層条体を波形条７に形成
   し、この波形の山および谷は順次大きさを変え
   て重層したときに各山および各谷が同形状にな
   るようにし、この波形条７を螺旋状に一山づつ
   ずらせて巻重ねてなる多層式螺旋管である実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の螺旋管の連結
   金具の強化構造。