JPH0141922Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はアクチユエータの急激な始動を防止す
るアクチユエータ制御装置に関する。

圧縮空気を用いるアクチユエータ制御装置にお
いて、たとえばシリンダを切換弁のオールポート
ブロツクの位置で長時間休止させると各作動室に
充満した圧縮空気が切換弁弁体の嵌合隙間等より
漏れ、圧力が略大気圧程度まで低下していわゆる
残圧が無い状態となる。残圧が無い状態からシリ
ンダを始動すると、排出側の作動室にはたとえ流
量制御弁を設けていても十分な背圧が生じないた
め、シリンダは急激に始動する。

従来、このような急激始動を防止する技術とし
ては実公昭52−1994号公報に示されるように、シ
リンダの始動に先立ち、排出側となる作動室へ圧
縮空気を充満するようにしたものがあるが、切換
弁操作が煩雑である等の欠点があつた。

本考案は、係る欠点を解消し、アクチユエータ
の始動時に、排出側となる作動室に残圧がある場
合と無い場合とで供給側となる作動室への圧縮空
気の供給流れを切換制御し、急激始動を防止する
ようにしたアクチユエータ制御装置を提供するも
のである。

このため本考案は、アクチユエータの区割形成
した各作動室と方向切換弁間を接続して圧縮空気
を給排する流路の一方に作動室からの排出空気を
絞り制御する流量制御弁を設置すると共に、他方
に前記流量制御弁の絞り前排気圧力に応じて作動
し作動室への圧縮空気の供給を微少絞りにより規
制される流れと規制されない流れとに切換制御す
る切換装置を設置し、切換装置は流量制御弁の絞
り前排気圧力が所定圧以下でのアクチユエータ始
動時に作動室への圧縮空気の供給を微少絞りによ
り規制するよう設けている。

以下、本考案の一実施例を図面によつて説明す
る。

第１図及び第２図は本考案に用いる切換装置Ｖ
の一実施例を示し、４は圧縮空気の入口５と出口
６とを有した弁本体で、該入口・出口間には弁座
７を有した通路８が設けてある。９は通路８を開
閉するポペツト弁体で、弁座７に着座する方向に
ばね１０で押圧されている。弁座７のポペツト弁
体９と反対側には通路８と同軸のシリンダ孔１
１、嵌合孔１２が段付状に連設されており、シリ
ンダ孔１１にはポペツト弁体９より大きい受圧面
積を有したピストン１３の大径部１３ａが、また
嵌合孔１２には先端近くに鍔１３ｃを有した小径
部がシール部材を介してそれぞれ摺動自在に嵌合
し、該ピストンの小径部先端はポペツト弁体９に
設けた凹部９ａに遊嵌すると共に前記鍔１３ｃが
該ポペツト弁体と当接している。１４は弁本体４
のシリンダ孔１１が開口する端面に固着した蓋部
材で、ピストン１３の大径部１３ａ側端面との間
にパイロツト孔１５によりパイロツト圧力が導入
されるパイロツト室１６を形成しており、一方シ
リンダ孔１１内で大径部１３ａのパイロツト室１
６と反対側に形成される室１７は大気開放されて
いる。さらに弁本体４には入口５と出口６間に連
通する短絡路１８が設けられており、該短絡路に
はニードル状の絞り弁１９が開度調整自在となる
よう弁本体４へ進退自在に螺着して設置されてい
る。２０は前記ばね１０の他端を受ける栓部材で
ある。

第３図はかかる切換装置Ｖを用いた本考案のア
クチユエータ制御装置の一実施例を示し、１は電
磁切換弁、２はアクチユエータとしてのシリン
ダ、３は流量制御弁である。シリンダ２は片ロツ
ド形から成り、内部へピストンを作動自在に嵌合
して作動室２ａ，２ｂを区割形成しており、前進
作動時にメータアウト制御による速度制御をはか
るべく各作動室２ａ，２ｂと電磁切換弁１の各ポ
ートＡ，Ｂ間を連通する流路のロツド側作動室２
ａに接続の流路に流量制御弁３を設置し、図示の
ピストン後退位置で休止され、始動の際には前進
作動するようになつている。切換装置Ｖは、シリ
ンダ２のヘツド側作動室２ｂに接続の流路に配置
し、入口５を電磁切換弁１のポートＡに出口６を
ヘツド側作動室２ｂにそれぞれ連通すると共に、
パイロツト室１６へシリンダ前進作動時の絞り前
排気圧力を導くよう流量制御弁３とロツド側作動
室２ａ間でパイロツト流路２１を分岐しパイロツ
ト孔１５に連通している。

次に作動を説明する。第３図の休止状態よりシ
リンダ２を始動するため、ポートＡに圧縮空気を
供給しポートＢを大気開放するよう電磁切換弁１
を左の切換位置に操作すると、圧縮空気は切換装
置Ｖを介してシリンダ２のヘツド側作動室２ｂへ
流入し、シリンダ２はピストンを前進させロツド
側作動室２ａの空気を流量制御弁３を介して排出
する。このとき、シリンダ２は作動室２ａに残圧
が無く略大気圧状態であると、切換装置Ｖのポペ
ツト弁体９はばね１０により閉じた状態で絞り弁
１９の絞り作用により供給空気量が、また作動室
２ａに十分な残圧があるとパイロツト流路２１を
介してパイロツト室１６へ流入しピストン１３に
作用の残圧による作用によつてポペツト９がばね
１０に抗して押し開かれ流量制御弁３の絞り作用
により排出空気量がそれぞれ制御され急激始動す
ることなく前進作動する。シリンダ２のピストン
が前進端に達し電磁切換弁１を右の切換位置に操
作すると、ロツド側作動室２ａへ供給される圧縮
空気の一部がパイロツト流路２１を介してパイロ
ツト室１６へ流入しポペツト９を押し開き、絞り
弁１９の作用を受けることなくシリンダ２は後退
作動する。

残圧が無い状態でシリンダ２を前進始動すると
き、たとえ流量制御弁３を絞り弁１９より絞つて
いても、流量制御弁３の絞り前排気圧力は十分上
昇せず、絞り効果はほとんど期待できないが、絞
り弁１９により作動室２ｂへの供給空気量が絞り
規制されて急激始動が防止される。そして、絞り
前排気圧力が流量制御弁３による十分な絞り効果
を得られる程度に上昇しない限りポペツト９は閉
じたままであり、シリンダ始動負荷が大きく変動
しても排気側に残圧が無ければ絞り弁１９の絞り
制御が良好に確保されて急激始動を防止する。

このように本考案によれば、アクチユエータの
区割形成した一方の作動室の空気を排出し他方の
作動室へ圧縮空気を供給することにより、排出空
気を絞り制御する流量制御弁の絞り前排気圧力に
応じて切換装置により圧縮空気の供給が微少絞り
により規制される流れと規制されない流れとに自
動的に切換えられ、簡単な弁操作でアクチユエー
タの急激始動を良好に防止することができ、しか
もアクチユエータ始動時の負荷変動による影響を
僅少にして安定したアクチユエータの作動制御が
できる等の特長を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案のアクチユエータ制御装置の一実
施例を示し、第１図は切換装置の断面図、第２図
は第１図の線−に沿う断面図、第３図はアク
チユエータ制御装置の回路図である。 ２…アクチユエータ、２ａ，２ｂ……作動室、
３……流量制御弁、２１……パイロツト流路、Ｖ
……切換装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部へピストンを作動自在に嵌合して作動室を
   区割形成したアクチユエータと、アクチユエータ
   の各作動室に接続して圧縮空気を給排しピストン
   の前後進作動と休止をする方向切換弁とを有し、
   アクチユエータの各作動室と方向切換弁間を接続
   して圧縮空気を給排する流路の一方に作動室から
   の排出空気を絞り制御する流量制御弁を設置する
   と共に、他方に前記流量制御弁の絞り前排気圧力
   に応じて作動し作動室への圧縮空気の供給を微少
   絞りにより規制される流れと規制されない流れと
   に切換制御する切換装置を設置し、切換装置は流
   量制御弁の絞り前排気圧力が所定圧以下でのアク
   チユエータ始動時に作動室への圧縮空気の供給を
   微少絞りにより規制するよう設けて成るアクチユ
   エータ制御装置。