JPH0140865Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は脚を有する被包装物を底部緩衝体を使
用して梱包する梱包体の改良に関する。

〔考案の技術的背景〕

従来より、脚を有する被包装物例えば洗濯機を
梱包するに当つては、その脚に合う孔を有する通
常発泡スチロール製の底部緩衝体を用い、その孔
に上記脚を収容せしめて洗濯機全体を底部緩衝体
上に載置し、その上から段ボール製等の包装箱を
被せ、更にバンドを掛けて該包装箱及び底部緩衝
体を縛るという構成を採つている。

〔背景技術の問題点〕

上記従来のものの場合、落下時等の衝撃から洗
濯機を保護するために底部緩衝体の孔底部分に厚
みのある底壁を設けなければならず、その分該底
部緩衝体に使用する材料が増してコスト高となる
問題点があつた。又、同様の目的から底部緩衝体
の高さを大きくする様にしたものもあるが、それ
でも底部緩衝体に使用する材料が増して同様にコ
スト高となり、しかもこの場合には梱包体全体の
高さが増して運賃まで高くなり兼ねない問題点が
あつた。

〔考案の目的〕

本考案は上記従来の問題点を解決すべくなされ
たものであり、従つてその目的は、底部緩衝体に
少ない材料しか使用せず且つ全体の大形化等の衝
撃も招くことなくして落下時等の衝撃から被包装
物を確実に保護し得る極めて実用的な梱包体を提
供するにある。

〔考案の概要〕

本考案は、バンドを包装箱から底部緩衝体へ
夫々該底部緩衝体の屈曲片部に位置を合わせて掛
け且つその屈曲片部を前記脚の下方へ回り込ませ
るまで強く締めて前記包装箱及び底部緩衝体を緊
縛する様にし、その中で上記脚の下方に回り込ま
せた屈曲片部すなわち底部緩衝体の一部で落下時
等の衝撃に対し被包装物の保護を図る様にしたこ
とを特徴とするものである。

〔考案の実施例〕

以下本考案の一実施例につき図面を参照して説
明するに、まず第１図において、１は底板であ
り、２は包装箱、３はバンドである。而して底板
１は詳細には段ボール等にて第２図に示す様な扁
平な矩形箱状に作製したもので、その四隅部近傍
には夫々被包装物例えば第５図に示す様な洗濯機
４の脚５に位置を合せて二条ずつの切込み６を形
設している。そして７は斯様な底板１の四隅部に
夫々収納配設した底部緩衝体で、何れも発泡スチ
ロールなど緩衝材から成り、第３図に示す如くそ
の上面部には前記洗濯機４の底角部に合う段部８
を、又、該段部８の略中央から下方へは脚５を収
容し得る大きさの上下に貫通する孔９を夫々形設
し、更に夫々の外方側であつて且つ前記底板１の
切込み６と合致する側壁部には該切込み６と同様
の切込み１０を上記孔９まで到達させて形設して
いる。７ａは切込み１０でもつてその切込み１０
間に形成した屈曲片部であり、孔９の内下部へ屈
曲せしめ得るようになつている。

そこで、上記底部緩衝体７には夫々孔９に洗濯
機４の脚５を収容せしめて段部８上に該洗濯機４
を載置せしめ、次いで例えば段ボール製の前記包
装箱２を洗濯機４に被せて該洗濯機４を覆い、そ
の後その包装箱２から底板１（底部緩衝体７）へ
と例えばプラスチツク製の前記バンド３を掛け
る。さて、このときバンド３は第４図に示す様に
底板１の各切込み６間、換言すれば底部緩衝体７
の各切込み１０間であつてすなわち屈曲片部７ａ
に夫々位置を合わせて掛け、この状態にて上記包
装箱２と底板１（底部緩衝体７）とを緊縛すべく
該バンド３を強く締める。すると、それによつて
上記底板１の各切込み６間及び底部緩衝体７の各
屈曲片部７ａは夫々第５図に示す如く孔９の内下
部へ屈曲されて脚５の下方へ回り込まされる。而
して斯様に底部緩衝体７の屈曲片部７ａが脚５の
下方へ回り込まされれば、落下時等の衝撃に対し
てはその回り込んだ底部緩衝体７の屈曲片部７ａ
が脚５延いては洗濯機４の保護をする緩衝作用を
奏するもので、これにより該脚５を収容した孔９
の底部部分に従来の如き厚みのある底壁を設ける
必要がなくなり、又、底部緩衝体７の高さを大き
くする必要もなくなつて、該緩衝体７に使用する
材料の節減を図り得るものであり、同時に全体の
大形化防止等も図ることができる。そして一方、
通常時においても底部緩衝体７は段部８によつて
洗濯機４を支持することに加え上述の回り込んだ
屈曲片部７ａの基部７ｂによつて脚５を支持する
という様にもなることから、洗濯機４の支持が一
段と確実となり、その上、その底部緩衝体７の屈
曲片部７ａはバンド３の締付けにより脚５の突出
長に応じた位置から変形されるので、洗濯機４の
種類に応じた該脚５の突出長の違いにも自然に対
応することができ便利ならしめ得る。

尚、上記実施例では被包装物として洗濯機４を
例示したが、それに限られるものではなく他の機
器にも同様に適用できるものであり、又、底板１
も必ずしも必要なものではない。

その他、本考案は上記し且つ図面に示した実施
例にのみ限定されるものではなく、要旨を逸脱し
ない範囲内で適宜変更して実施し得る。

〔考案の効果〕

以上にて明らかな様に本考案は、脚を有する被
包装物を包装する梱包体にあつて、上下に貫通す
る孔を有すると共にこの孔の内下部へ屈曲せしめ
得るように形成された屈曲片部を有しその孔に前
記被包装物の脚を収容せしめて該被包装物を載置
せしめる底部緩衝体と、前記被包装物を覆う包装
箱と、この包装箱から前記底部緩衝体へと夫々前
記屈曲片部に位置を合わせて掛けられ且つその屈
曲片部を前記孔の内下部へ屈曲させて前記被包装
物の脚の下方へ回り込ませるまで強く締められ前
記包装箱及び底部緩衝体を緊縛したバンドとを具
備して成ることを特徴とするものにて、これによ
り底部緩衝体に少ない材料しか使用せず且つ全体
の大形化等も招くことなくして落下時等の衝撃か
ら被包装物を確実に保護し得、又、被包装物の支
持を一段と確実にでき、その上脚の突出長の違い
にも自然に対応できるなど、種々の優れた実用的
効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示したものにて、第
１図は全体の外観斜視図、第２図は底板と底部緩
衝体との分解斜視図、第３図は底部緩衝体単体の
拡大斜視図、第４図は第１図部の拡大斜視図、
第５図は第４図の−線断面図である。 図中、２は包装箱、３はバンド、４は洗濯機
（被包装物）、５は脚、７は底部緩衝体、７ａは屈
曲片部、９は孔である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 脚を有する被包装物を包装するものであつて、
   上下に貫通する孔を有すると共にこの孔の内下部
   へ屈曲せしめ得るように形成された屈曲片部を有
   しその孔に前記被包装物の脚を収容せしめて該被
   包装物を載置せしめる底部緩衝体と、前記被包装
   物を覆う包装箱と、この包装箱から前記底部緩衝
   体へと夫々前記屈曲片部に位置を合わせて掛けら
   れ且つその屈曲片部を前記孔の内下部へ屈曲させ
   て前記被包装物の脚の下方へ回り込ませるまで強
   く締められ前記包装箱及び底部緩衝体を緊縛した
   バンドとを具備して成る梱包体。