JPH0139582B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は複写装置、フアクシミリ、静電プリン
ターなどの静電記録装置に用いる磁気ブラシ現像
装置に関する。

従来例の構成とその問題点 従来の磁気ブラシ現像装置は、トナーとキヤリ
ア等の数ミクロンないし数十ミクロンの粉体を撹
拌混合して摩擦帯電させるため、磁気ブラシ現像
装置内ではトナーやキヤリアが浮遊するのが常態
であつた。ところが磁気ブラシを形成する現像ロ
ールが回転すると、現像ロール表面の空気が現像
ロールの層流として流れ、感光体表面に向かう風
を生じさせる。感光体表面に対向する磁気ブラシ
現像装置の部分は開口部として、現像ロールで感
光体表面を摺擦するので、開口部からトナーやキ
ヤリアの浮遊する空気が漏出し、静電記録装置内
部を汚損してしまうという欠点があつた。

また、穂立ち規制部材はトナーやキヤリアの浮
遊する雰囲気中にあるので、穂立ち規制部材の表
面に時間とともにわずかづつトナーやキヤリアが
付着して堆積し、特に穂立ち規制部材を現像ロー
ルの上方に配置した磁気ブラシ現像装置では堆積
したトナーやキヤリアが塊状のまま脱落して現像
ロールの上に落下し、現像ロールの回転によつて
感光体に向けてトナーやキヤリアの塊を運び、感
光体に衝突させて、機械的に付着させ、画像とし
ては黒点状の汚れのある画像を形成してしまうと
いう欠点があつた。

第１図は従来例を具体的に示したものは、１は
感光ドラム、２は磁気ブラシ現像装置の筐体、３
は現像ロールで筐体２内に回転自在に支承され、
図示されない駆動手段によつて矢印Ａ方向へ回転
駆動される。４は穂立ち規制部材であつて、現像
ロール３と所定の間隔をあけて筐体２に固設して
ある。

筐体２内で現像ロール３を回転すると、現像ロ
ール３の表面では穂立ち規制部材４によつて現像
剤の穂立ち高さ規制後、感光ドラム１の表面に到
るまで現像ロール３は表面近くの空気を層流とし
て運び、矢印Ｂに示す気流を生じる。ところが現
像ロール３の表面が感光ドラム１に摺擦すると、
層流として矢印Ｂの如く流れてきた気流は停止さ
せられるので、圧力が高まり、圧力の低い部分へ
新たな気流を生じる。新たな気流は矢印Ｃのよう
に上方へ立ちのぼつた後、筐体２の外部へ漏れる
ものや矢印Ｄのように穂立ち規制部材４の方へ戻
つていくものがある。矢印Ｃの流れは磁気ブラシ
現像装置から漏出することで静電記録装置内を汚
し、矢印Ｄの流れは穂立ち規制部材４の表面にト
ナーやキヤリアの堆積層５や、筐体２の内壁にも
堆積層５′を生ぜしめ、堆積層５，５′は時々剥
離、脱落して現像ロール３上へ落下し、脱落，落
下したトナーやキヤリアの塊が現像ロール３の回
転で感光ドラム１の表面に運ばれ、黒点状の不良
画像部分を形成すると云つた欠点を有していた。

発明の目的 本発明は上記従来例の欠点を除去し、磁気ブラ
シ現像装置からのトナーやキヤリアの飛散を防止
するとともに、穂立ち規制部材にトナーやキヤリ
アを堆積させず、現像ロール上にトナーやキヤリ
アを塊として落下させないように構成した磁気ブ
ラシ現像装置を提供することを目的とする。

発明の構成 本発明は上記目的を達成するために現像ロール
の現像剤の穂立ち高さを規制する穂立ち規制部材
の現像ロール表面近傍より感光体に向かうにつれ
て現像ロール表面から離れるように、なお、かつ
感光体近傍では感光体表面に沿うように気流案内
板を配設して構成したものである。

実施例の説明 以下、本発明の実施例を図示の実施例に基づい
て詳述する。第２図は本発明の一実施例に係る磁
気ブラシ現像装置の要部断面図である。同図にお
いて、１は感光ドラム、２は筐体、３は現像ロー
ルで、内部に複数の磁石６を有し、非磁性のスリ
ーブ７を回転自在に支承したものである。現像ロ
ール３のスリーブ７は図示していない駆動手段に
よつて矢印Ａ方向へ回転駆動される。４は穂立ち
高さ規制部材であつて、現像ロール３と所定の間
隔をあけて筐体２に固設している。８は気流案内
板であつて、ビス９によつて前記穂立ち規制部材
４に取り付けてある。

気流案内板８は穂立ち規制部材４が現像ロール
３に吸着する現像剤１０の量すなわち穂立ち高さ
を規制する部分の近傍から感光ドラム１に向かう
につれて現像ロール３の表面から離れるように構
成するとともに、感光ドラム１の近傍では、0.3
mmないし0.5mmの最小間隔をもつて感光ドラム１
の表面に沿うように設けている。

筐体２内で現像ロール３のスリーブ７を回転さ
せると、現像ロール３の表面に現像ロール３の内
部の磁石６の磁力によつて吸着された現像剤１０
は穂立ち規制部材４によつて所定量に規制され
る。現像ロール３の表面では穂立ち規制後、感光
ドラム１の表面に到達するまで表面近くの空気を
層流として流し、矢印Ｅに示す気流をおこす。現
像ロール３の表面が感光ドラム１に摺擦すると、
層流として矢印Ｅの如く流れてきた気流は停止さ
れるので圧力が高まり、圧力の低い部分へ新たな
気流となつて流れるのであるが、感光ドラム１の
表面には前述の如く気流案内板が0.3mmないし0.5
mmという狭い間隔をあけて沿つて設けられている
ので、狭い間隔を空気が漏出しようとしても感光
ドラム１の回転によつて押し戻されてしまうの
で、矢印Ｆの如く気流案内板８の内壁に沿つて立
ち上がり、矢印Ｇの如く穂立ち規制部材４に戻る
流れとなる。ところが、気流案内板８と現像ロー
ル３の間隔は感光ドラム１に近い方が広く、穂立
ち規制部材４に近い方が狭くなつているので、矢
印Ｇのように流れてきても、穂立ち規制部材４に
到達する前に矢印Ｅに示す気流の影響を受けて矢
印Ｈの如く向きをかえて矢印Ｅと合流し、矢印
Ｅ，Ｆ，Ｇ，Ｈ，Ｅという循環流をおこす。この
循環流の流速は現像ロール３の周速にほぼ等し
く、循環流のおこる空間は実質的に気流案内板８
と現像ロール３で形成される閉空間であるので、
トナーやキヤリアの浮遊する空気が閉空間内で循
環する。循環流の流速が現像ロール３の周速にほ
ぼ等しいため、気流案内板８の内壁にトナーやキ
ヤリアが付着したり堆積することができにくくな
つている。また、穂立ち規制部材４にまでトナー
やキヤリアの浮遊する空気が戻らなくなつてい
る。

なお、上記実施例では気流案内板と筐体を別部
品として説明したが、両者を一体として構成して
も同様の効果が得られることはもちろんである。

第３図は本発明の他の実施例を示すもので、第
２図と同一部分には同一の符号を付している。第
３図では、気流案内板８を筐体２の一部として構
成している。１１はゴムシートで気流案内板８の
外壁に貼着し、感光ドラム１の表面に対向させた
もので、感光ドラム１の寿命により交換する際
に、気流案内板８と近接させすぎた時、感光体ド
ラム１の表面を傷つけない保護の役目を果させて
いる。

発明の効果 以上に説明したように、本発明によれば、気流
案内板によつて現像ロールの回転でひきおこされ
る空気の流れを規制して気流案内板と現像ロール
で構成される閉空間内で循環させることにより、
磁気ブラシ現像装置内のトナーやキヤリアの浮遊
する空気を漏出させず、静電記録装置内部を清浄
に保てる利点がある。

また、本発明によれば、気流案内板の内壁及び
穂立ち規制部材の表面にトナーやキヤリアが付
着、堆積する量はきわめて少なく、従来例のよう
に塊として剥離脱落して、現像ロールによつて感
光ドラム表面へ運ばれ黒点状の不良画像部を形成
することがないという利点を有する。

また、現像ロールの回転によつて生じる空気の
流れを制御する本発明の構成は、安価にかつ簡単
な構造で量産的に実現できる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の磁気ブラシ現像装置の要部断面
図、第２図は本発明の一実施例の要部断面図、第
３図は本発明の他の実施例の要部断面図を示す。 １……感光ドラム、２……筐体、３……現像ロ
ール、４……穂立ち規制部材、８……気流案内
板、１１……ゴムシート。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 現像ロールと、気流案内板と、穂立ち規制部
   材とを有し、前記現像ロールの現像剤の穂先ちを
   規制する前記穂立ち規制部材の現像ロール表面近
   傍より感光体に向かうにつれて現像ロール表面か
   ら離れるように、かつ、感光体近傍では感光体表
   面に沿うように前記気流案内板を配設したことを
   特徴とする磁気ブラシ現像装置。 ２ 感光体に沿う気流案内板の表面に弾性体を貼
   着したことを特徴とする特許請求の範囲第１項記
   載の磁気ブラシ現像装置。 ３ 気流案内板と筐体を一体的に構成したことを
   特徴とする特許請求の範囲第１項記載の磁気ブラ
   シ現像装置。