JPH0139324B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は開口内部にアンダカツトを有する成形
品の成形型装置に関するものである。

従来より、開口内部にアンダカツトを有する成
形品の成形型装置としては、成形加工後の成形品
の抜き出し作業を容易にするため、成形品のアン
ダカツト面に密着した成形型を心金の先端側に移
動させながら成形型を縮径させて成形品の抜き出
しを行なうようにしたものが知られている。この
ものは、成形型と成形型を移動させるノツクアウ
トピンと成形型を縮径させる型寄せ部材とが一体
形成された構成となつているために、成形型それ
自体が大型化し成形品の加工精度を低下させてい
る。また、成形型の大型化に伴つて心金の軸方向
と成形型の移動方向とがなす揺動角が大きくなる
ため、成形品を抜き出すときに、成形型に大きな
曲げ力が作用するとともに、心金の軸方向に沿つ
た成形型の円滑な摺動が妨げられ心金と成形型と
の間にかじりが発生するという欠点を有してい
る。

本発明はこのような欠点を除去するもので、そ
の目的は、成形型を小型にし加工精度の向上を図
るとともに、心金と成形型との間に発生するかじ
りを防止するようにした開口内部にアンダカツト
を有する成形品の成形型装置を提供することにあ
る。

本発明の構成は、成形型と成形型を移動させる
ノツクアウトピンと成形型を縮径させる型寄せ部
材とを別個に形成し、ノツクアウトピンを心金の
軸方向と同方向に移動可能に配置してその先端を
成形型の裏面に当接するように設置するととも
に、この成形型の外側には型寄せ部材の一端部を
連結し、型寄せ部材の他端部にスライド板を連結
してこれをノツクアウトピンの移動方向と同方向
にスライド可能に配置させ、型寄せ部材を成形型
側に付勢し、かつ、この型寄せ部材が成形型側に
揺動可能となるよう型寄せ部材の他端部をスライ
ド板に支持させたことを特徴とする。

以下に等速ジヨイントの外輪の成形型装置に適
用した本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図、第２図は本発明の第１の実施例を示す
もので、１はダイセツトであつて、ダイセツト１
には心金２が固定されている。この心金２には、
その中心軸に近い側に第１のガイド孔３が形成さ
れ、遠い側に第２のガイド孔４が形成され、この
両ガイド孔３，４は心金２の軸方向と同方向に延
びている。心金２の先端部にはセンタ穴成形部５
が形成されている。

心金２の外周には成形型６が配設され、成形型
６は心金２の径方向と同方向に複数個分割されて
いる。成形型６の内周面には心金２のセンタ穴成
形部５に係合する係合面６ａが形成されている。
成形型６の外周面の形状は製品としての等速ジヨ
イントの外輪（以下、成形品という。）７を所定
形状に成形加工させるべく形成されている。成形
型６の下端にはノツクアウトピン８が設置されて
いる。ノツクアウトピン８は第１のガイド孔３に
嵌合されて心金２の軸方向と同方向に移動可能に
配置されている。このノツクアウトピン８は成形
品７を抜き出すとき駆動手段（図示せず。）を介
して上方に作動されるようになつている。

９は成形型６を縮径させるための型寄せ部材
で、型寄せ部材９の上端部はボルト（またはピ
ン）９ａによつて成形型６の外周下端部に連結さ
れている。型寄せ部材９の心金２に対し近い側の
面は略中央部から下端部に至り若干切欠かれてお
り、遠い側の面には凹部が形成され、この凹部に
は入子１０が嵌込まれている。入子１０と型寄せ
部材９との両者は第２のガイド孔４に嵌合されて
心金２の軸方向と同方向に移動可能に配置されて
いる。入子１０と型寄せ部材９との間にはバネ１
１が装着されており、このバネ１１によつて型寄
せ部材９は成形型６を縮径させる方向に付勢して
いる。

１２はスライド板で、スライド板１２はその一
側面がダイセツト１の一側面に近接臨んで心金２
の軸方向と同方向に移動可能に配置されている。
スライド板１２には球面軸受１３を介して型寄せ
部材９の下端が連結されており、型寄せ部材９は
球面軸受１３を揺動支点として成形型６側に揺動
可能に支持されている。１４は型寄せ部材９の下
端に固定された連結ボルトで、スライド板１２と
球面軸受１３とを順次その下方から遊嵌状態で貫
通している。１５は連結ボルト１４の頭部とスラ
イド板１２との間に装着されたバネで、スライド
板１２を弾性的に支持し型寄せ部材９の揺動を円
滑に行なわせる機能を有している。

次に上記構成の成形型装置の作用について説明
する。

成形品７を成形加工した後、この成形品７を抜
き出すときは、先ず、駆動手段を介してノツクア
ウトピン８が上方に移動する。すると、ノツクア
ウトピン８に連動して成形型６、型寄せ部材９、
入子１０およびスライド板１２が上方に移動す
る。然る後、型寄せ部材９と入子１０との間に装
着されたバネ１１が第２のガイド孔４の上部開口
面よりも上に位置するに至り、バネ１１の力によ
つて型寄せ部材９が球面軸受１３を揺動中心とし
て成形型６側に揺動し、ついで型寄せ部材９の揺
動に連動して成形型６が心金２側に変位し縮径す
る。第２図は成形型６が縮径した状態を示す。こ
のように成形型６が縮径することにより、成形型
６と成形品７との密着が解除され成形品７の抜き
出しが容易に行ない得るものとなる。なお、型寄
せ部材９が揺動する際、スライド板１２を弾性支
持するバネ１１によつて型寄せ部材９の揺動抵抗
が小さくなるように工夫されている。

本実施例によれば、成形型６とノツクアウトピ
ン８と型寄せ部材９とを別個に形成してこれらを
構成したので、成形型６それ自体が従来に較べて
小型になり成形品７の加工精度を向上させるもの
となる。心金２の軸方向と成形型６の移動方向と
がなす揺動角度が小さいので、心金２に対する成
形型６の摺動が円滑となつてかじりの発生が極力
防止されるとともに、その際、成形型６に作用す
る曲げ力も小さいものとなつている。

前記実施例においては、型寄せ部材を成形型側
に付勢する手段としてバネを使用して該バネを型
寄せ部材に内蔵する構成としたが、前記付勢手段
としてはバネの他に油圧シリンダ、空圧シリンダ
等を使用してもよく、その際、付勢手段は必ずし
も型寄せ部材に内蔵する構成に限定されず型寄せ
部材の外側に配設する構成としてもよい。

第３図は本発明の第２の実施例を示すもので、
前記第１の実施例と同一の構成要素には前記第１
の実施例と同一の符号を符してその説明を省略す
るものとし、このことは以下の第３、第４の実施
例についても同様とする。

本実施例の特徴は、入子１０の上端部に、型寄
せ部材９の凹部上面１６に摺接する回転ローラ１
７を設ける構成とすることにより、型寄せ部材９
の揺動抵抗をより小さくさせたところにある。な
お、型寄せ部材９の下端部は支持ピン１８を介し
てスライド板１２に揺動可能に支持されている。

第４図は本発明の第３の実施例を示すもので、
本実施例の特徴は、ダイセツト１の上部に外側か
らボルト１９を介してバツクアツプ部材２０を固
定し、バツクアツプ部材２０と型寄せ部材９との
間に、入子１０とこの入子１０を型寄せ部材９側
に付勢するバネ１１とを装着するとともに、入子
１０には型寄せ部材９の外側面に摺接する回転ロ
ーラ１７を設ける構成とすることにより、型寄せ
部材９の移動が一層円滑に行なわれるようにした
ところにある。

第５図は本発明の第４の実施例を示すもので、
本実施例の特徴は、成形型６とノツクアウトピン
８との間に受圧シリンダ２１を介装させる構成と
することにより、成形型６とノツクアウトピン８
との両者の当接面の損傷を防止するようにしたと
ころにある。

以上説明したように、本発明の成形型装置によ
るときは、成形型と該成形型を移動させるノツク
アウトピンと前記成形型を縮径させる型寄せ部材
との三者をそれぞれ別個に形成してこれらを配設
する構成としたので、成形型とそれ自体が小型化
し成形品の加工精度が向上するという効果を奏す
る。また、ノツクアウトピンを心金の軸方向と同
方向に移動するように配置したので、心金の軸方
向と成形型の移動方向とがなす揺動角度が小さく
なり、したがつて成形型に加わる曲げ力が小さく
なるばかりでなく、成形型の摺動が円滑になつて
心金と成形型との間に生じるかじりを極力防止す
るとともに、成形型の形状・材質の選定の自由度
が従来に較べて増大するという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１の実施例を示す半断面
図、第２図は第１図のものの成形品を抜き出す状
態のときを示す半断面図、第３図は本発明の第２
の実施例を示す要部半断面図、第４図は本発明の
第３の実施例を示す半断面図、第５図は本発明の
第４の実施例を示す半断面図である。 １……ダイセツト、２……心金、６……成形
型、８……ノツクアウトピン、９……型寄せ部
材、１１……バネ、１２……スライド板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ダイセツトに固定された心金の外周に複数個
   に分割した成形型を配設し、該成形型の裏面に先
   端が当接し、前記心金の軸方向と同方向に移動可
   能に配置したノツクアウトピンを設置するととも
   に、前記成形型には、該成形型の外側に配設した
   型寄せ部材の一端部を連結し、該型寄せ部材の他
   端部にスライド板を連結して該スライド板を前記
   ノツクアウトピンの移動方向と同方向にスライド
   可能に配置させ、前記片寄せ部材を前記成形型側
   に付勢し、かつ、前記片寄せ部材が前記成形型側
   に揺動可能となるよう前記型寄せ部材の他端部を
   前記スライド板に支持させたことを特徴とする開
   口内部にアンダカツトを有する成形品の成形型装
   置。