JPH0138958Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は組立ライン装置に関し、更に詳しく
は通電機構を備えた組立ラインの改良に関する。

電気製品の生産において、生産ラインより送ら
れる製品は周波数、電圧の電気条件の種類毎に分
けられてストツクラインに送られ、そのストツク
ラインに集つた製品毎に各種の電気条件を調節し
て通電をしているのが一般的である。

従つて、生産される製品が多種小量になればス
トツクラインはその数だけ必要となり、生産作業
にロスが多いものである。

本考案は上述したような従来の事情に鑑み案出
したもので、パレツトの搬送路上に周波数の異な
つた二種類（50サイクル、60サイクル）の給電装
置を設置し、他方、搬送されるパレツト側に給電
装置と対応接触する集電装置を設けると共に、そ
の集電電源をパレツト上の製品の電気条件に切替
え調整するトランス、切替スイツチ及び製品のプ
ラグ又はコードを接続するコンセント、ターミナ
ル等を設け、電気条件の異なつた製品を混ぜてラ
インに流し、エージング等の通電作業の出来る組
立ライン装置を提供せんとするものである。

斯る目的を達成する本考案の組立ライン装置
は、架台上に、パレツト搬送手段と、周波数の異
なる二種類の給電装置を平行に配置し、搬送手段
上を移動するパレツトは基板と、該基板の上方に
回転可能に設けた載板とで構成し、基板下面には
上記給電装置と水平方向で対応接触する集電装置
を取付けると共に、給電装置と集電装置は内・外
対称的に配置し、更に該載板には上記二種類の給
電装置からの給電を選択的に切り替える周波数切
替スイツチと、パレツトに載置される製品の電源
コードを接続するコンセントを設けたことを要旨
とするものである。

本考案の組立ライン装置におけるパレツトの搬
送手段は、エンドレスに駆動するローラチエーン
との摩擦係合力で搬送する方法、或いはエンドレ
スに駆動するチエーン等にパレツトを引掛け係止
して強制的に搬送する手段等何れでも良いもので
ある。

搬送手段と平行して設置される給電装置は、電
線の一側周面を長手方向に沿つて露出させ、他の
周面は絶縁カバーで被覆した直線棒状のもので、
架台上に固着した取付枠にハンガーを介して支持
されている。

又、直線棒状の給電装置は周波数の異なつた二
種類、即ち50サイクル用と60サイクル用の２本が
設けられ、それらは搬送手段の内側又は外側に平
行に設置される。

搬送手段によつて移送されるパレツトは基板
と、その基板に回転可能に取付けられた載板とで
構成され、基板下面には給電装置の50サイクル用
と60サイクル用の電線に水平方向で対応接触する
集電装置が垂下固着してあり、載板には集電装置
で集電した電源電圧をパレツト上の製品の電気条
件に変電するトランス、切替スイツチ、周波数切
替スイツチ及び通電するため製品側のプラグを差
込むコンセント或いはコードを接続するためのタ
ーミナルが設けられている。

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図は正面図で、Ａは所定の高さを有し、且
所望の幅を有して直線状に配置した架台で、その
架台Ａ上面の幅方向の左右側縁に沿つて搬送手段
Ｂ，B′を設置すると共に、左右の搬送手段Ｂ，
B′の内側には50サイクルの給電装置Ｃと60サイ
クルの給電装置C′を平行に設置する。

搬送手段Ｂ，B′は架台Ａ上に固着したフレー
ム１，１′と、そのフレーム１，１′に嵌着固定し
たレール２，２′と、そのレール２，２′上をエン
ドレスで駆動するローラチエーン３，３′とによ
つて構成し、ローラチエーン３，３′上に載乗さ
れるパレツトＤが移動するローラチエーン３，
３′のローラとの摩擦係合力で搬送されるように
なつている。

50サイクルの給電装置Ｃと60サイクルの給電装
置C′は、夫々上下方向に所定の間隔をおいた２本
の電線４，４′，５，５′の周面一部を露出させ、
絶縁カバー６，６′，７，７′で被覆して形成した
もので、それらを架台Ａ上に間隔をおいて起立固
着した取付枠８，８′にハンガー９，９′を介して
平行に支持張設する。

搬送手段Ｂ，B′に載乗するパレツトＤは、基
板１０と、その基板１０の中心部に固着した受筒
１１に嵌合した回転軸１２によつて回転可能に支
持した載板１３とから成り、載板１３の下面には
該載板の回転動を安定良く行なわしめるための複
数個のゴム車輪１４を垂下固着する。

又、基板１０上面には受筒１１を中心として環
状板１５を固着すると共に、その環状板１５上端
に間隔をおいて複数個所に略Ｖ字形の切欠凹部３
２を形成し、他方載板１３の下面には前記環状板
１５と対応する位置に節度部材１６を取付ける。

節度部材１６は、載板１３の下面に固着した支
持板１７と、その支持板１７に対し上下回動可能
に軸支した腕杆１８と、腕杆１８の先端に取付け
たローラ１９とで構成され、腕杆１８はその後端
をスプリングで上方に引つ張り、ローラ１９側が
下方に付勢され、それによつて載板１３を回動さ
せた時ローラ１９が環状板１５の切欠凹部３２に
嵌合し、所定の個所で回動が止まるようにしてあ
る。

基板１０の下面には給電装置Ｃ，C′と水平方向
で対応接触する集電装置Ｅ，E′を垂下固着すると
共に、その集電装置Ｅ，E′は給電装置Ｃ，C′の内
側に位置させて対称的に配置する。尚、給電装置
Ｃ，C′と集電装置Ｅ，E′の位置関係は図示の形態
に限らず、逆の形態、即ち給電装置Ｃ，C′の外側
に集電装置Ｅ，E′を夫々対称的に配置してもよい
ものである。

上記集電装置Ｅ，E′は基板１０の下面に垂下固
着した取付台２０，２０′に絶縁板２１，２１′を
固着し、その絶縁板２１，２１′に給電装置Ｃ，
C′の電線４，４′，５，５′と接触する接触突片２
２，２２′，２３，２３′を固着突設したもので、
接触突片２２，２２′，２３，２３′は載板１３に
固着したトランス２４にコード（図示省略）で接
続する。

載板１３にはトランス２４の他に、周波数切替
スイツチ２５、電圧切替スイツチ２６100V用コ
ンセント２７、200V用コンセント２８、ターミ
ナル２９、表示ランプ３０を取付け、パレツトＤ
上に載せられた製品の電気条件に合わせて周波
数、電圧を切替え調整し、製品側のプラグをコン
セントに差し込み接続することによつて通電を行
なうことが出来るようになつている。

図中、３１はパレツトＤの基板１０の前後に取
付けた衝撃吸収バンパーである。

以上の如く構成した組立ライン装置は、50サイ
クルの給電装置Ｃと60サイクルの給電装置C′に
夫々200Vの電気を流し、搬送手段Ｂ，B′に渉つ
てパレツトＤを載せると共に、パレツトＤの基板
１０に垂下固着した集電装置Ｅ，E′を給電装置
Ｃ，C′に接触させて搬送する。

従つて、パレツトＤに載せられた製品の電気条
件に合わせてパレツトＤ上の電圧切替スイツチ２
６及び周波数切替スイツチ２５を操作して調整セ
ツトし、次いで製品側のプラグを所望のコンセン
ト２７又は２８に差し込み接続することにより通
電を行なうことが出来るものである。

本考案の組立ライン装置は以上の如き構造とし
たものであるから、パレツト上に載せられた製品
の電気条件に合わせてパレツトに設けられた周波
数切替スイツチを切替調整することにより通電を
行なうことが出来る。

従つて、搬送手段上を移動する複数台のパレツ
トに電気条件の異なる製品を混ぜて流すことが出
来るものである。

依つて、今日のような多種小量の生産システム
に適した合理的な組立ライン装置を提供すること
が出来る。

又、給電装置と集電装置の接触を水平方向で且
つ内・外対称的に配置して行なうため、接触部に
は上下方向の力が作用せず、パレツトの位置精度
を正確に保持することが出来る。しかも、パレツ
トの重さが集電装置に直接かからないため、集電
子の圧接力を容易に設定できると共に、集電子が
破損しにくく、長期使用にも十分耐え得るもので
ある。更に、水平方向での接触であるため、接触
部分に埃が溜まることがなく、集電性能を長期に
渉つて維持することができる。又、給電装置と集
電装置は内・外対称的に配置されていることによ
り、左右の接触部に働く力は相殺され、安定した
接触状態を維持できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は正面
図、第２図は同平面図、第３図は要部の拡大正面
図で一部を切欠して示す。第４図はパレツトの拡
大平面図である。 Ａ：架台、Ｂ，B′：搬送手段、Ｃ，C′：給電装
置、Ｄ：パレツト、Ｅ，E′：集電装置、１０：パ
レツトの基板、１３：パレツトの載板、２４：ト
ランス、２５：周波数切替スイツチ、２６：電圧
切替スイツチ、２７，２８：コンセント。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 架台上に、パレツト搬送手段と、周波数の異な
   る二種類の給電装置を平行に配置し、搬送手段上
   を移動するパレツトは基板と、該基板の上方に回
   転可能に設けた載板とで構成し、基板下面には上
   記給電装置と水平方向で対応接触する集電装置を
   取付けると共に、給電装置と集電装置は内・外対
   称的に配置し、更に該載板には上記二種類の給電
   装置からの給電を選択的に切り替える周波数切替
   スイツチと、パレツトに載置される製品の電源コ
   ードを接続するコンセントを設けたことを特徴と
   する組立ライン装置。