JPH0138669B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、紙質シートの表面に印刷模様を有
し、且つこの模様上に透明フイルムを重ねて一体
化した、ブツクジヤケツトや折畳み地図の表紙、
ポスター類（以下表紙類という）、特にこのよう
な表紙類の裏面にポケツトを設ける製造方法に関
するものである。

本や折畳み地図を保護するのに透明合成樹脂シ
ートを使用し、この合成樹脂シートはその一端又
は両端に折返し部を作り折返し部の一側縁又は両
側縁を対向し重なり合う側縁と溶着して折返し部
によりポケツトを形成しこのポケツトに本の表紙
の側端や折畳んだ地図を挿入するようにしたもの
がある。

ところでシートが紙質でその表面に美麗な印刷
模様を施し、この模様面を透明なフイルムをラミ
ネートしたものの裏面にポケツトを設ける場合に
は、紙質シートの裏面にポケツトとなすべき合成
樹脂フイルムを重ねて側縁を紙シートに接着する
ことになるが、形成されるポケツトが容易に剥離
してしまうおそれがある。

この発明は表面に印刷模様を有し且つこの模様
面を透明フイルムで保護された紙質シートからな
る表紙類の裏面にポケツトを形成する方法の前記
問題点を解決したもので、その目的とするところ
はポケツトが取れてしまうおそれのないようにす
るにある。

この発明の構成は、紙質シートの表面に形成さ
れた印刷模様を保護する透明フイルム層を紙シー
トの一端から延長突出させてこれを裏面側に折返
し、折返したフイルムの側縁を表側のフイルム層
と溶着するのである。

以下この発明の実施例を図面に基いて説明すれ
ば、Ａは本発明の方法によつて得られた表紙類の
一例の、折畳み地図用表紙を示し、１は紙質シー
トであり表面に印刷模様が形成されているがこの
模様は図示を省略した。

印刷模様部は透明なフイルム２で保護されてい
る。３はフイルム２を紙質シートに固定するため
の接着剤の層である。

紙質シートの裏面にはその一端にポケツト４が
形成してある。

次にこの表紙の製造方法の一例を説明する。

紙質シート１に重ねられるフイルム２は例えば
厚みが80μ程度で、塩化ビニル樹脂の如き熱可塑
性合成樹脂とし、両側縁ａが紙質シート１の両側
から２〜３mm突出するようにその巾が設定してあ
り、又紙質シートの一端から、形成すべきポケツ
ト４の深さに等しい長さ延長させてある。接着剤
層３はフイルム２と溶着し紙質シートにも接着性
を有する合成樹脂系としてこれを予め紙質シート
に塗布し、要すれば前記接着剤の塗布前に紙質シ
ートに、紙質シートと合成樹脂系接着剤とも接着
性のある接着剤を予め塗布する。

紙質シート１とフイルム２との接着一体化は熱
プレスロール間を通過させる。熱プレスロールに
よる加熱温度はフイルムが軟化する程度にとどめ
て加熱状態で加圧し溶着一体化させる。

次にフイルムの紙質シートの一端に延長突出し
ている部分ｂを紙質シートの裏面に折返して再度
フイルムの軟化温度に加熱されたプレスロール間
を通過させて紙質シート１の両側から突出し重な
り合つているフイルム縁ａを溶着一体化させる。

紙質シートの側縁から一部突出するフイルム縁
ａは一方側縁のみとすることもできる。

又表紙類がブツクジヤケツトの場合はポケツト
を両端に設けることもある。

紙質シートとフイルムの溶着一体化は所定巾に
設定したエンドレスフイルム上に所定の間隔を置
いて、接着剤を塗布した紙質シートを載置しプレ
スロールを通過させるようにすることもでき、こ
の場合はプレスロールを通過したところでフイル
ムを、紙質シートの一端に一致する部分で切断す
る。

重なり合うフイルム縁ａを溶着一体化した後、
重なり合わない一重の突出縁は切除してもよい。
図示の表紙Ａは前記一重の突出縁を切除して示し
ている。

この発明は上記したようなもので、この製造方
法は紙質シートの印刷模様を保護する透明なフイ
ルムが、その巾を紙質シートの側縁から僅かに突
出させ得る巾としてあり、又、横方向の長さを紙
質シートの一端又は両端に延長突出する長さとし
ておき、フイルムを熱可塑性合成樹脂からなるも
のとし、紙質シートの表面に塗布する接着剤も熱
可塑性合成樹脂系として紙質シートとフイルムを
重ね合わせてフイルムの軟化温度で加熱加圧する
ことによりフイルムに伸縮が生じず美麗なフイル
ム層を形成することができ、フイルムの折返し部
両側縁の重なり合う部分もフイルムの軟化温度で
加熱加圧するのでポケツトも美麗に仕上がり、且
つポケツトとなすためのフイルムの重なり縁は溶
着であり、ポケツトを形成する溶着しないフイル
ム部分は、表面層のフイルムを折返した一連のも
のであると相俊つて、従来の、別のフイルムを重
ねてポケツトにしたものに見られるようなポケツ
トが取れてしまう不都合がないという効果があ
る。

また、この発明の製造方法によれば、フイルム
の上下方向と横方向の長さを紙質シートより大き
くするだけでよく、他にフイルムや紙質シートに
特別の加工を施す必要がないので、製造が極めて
簡単に行なえる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の方法によつて得られた表紙類
の一例の折畳み地図用表紙の正面図、第２図は同
上の背面図、第３図は同上の一部切欠拡大断面図
である。 Ａ……表紙、１……紙質シート、２……フイル
ム、ｂ……延長突出部分、ａ……フイルム縁、３
……接着剤層、４……ポケツト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 紙質シートの印刷模様を施した面に、熱可塑
   性合成樹脂系接着剤を塗布してその上に透明な熱
   可塑性合成樹脂フイルムを重ね、その紙質シート
   とフイルムをフイルムの軟化温度に加熱且つ加圧
   して両者を一体化し、前記フイルムの上下方向の
   両側縁を紙質シートの上下方向の両側縁より僅か
   に突出させると共に、フイルムの横方向の端縁を
   紙質シートの横方向の一端縁又は両端縁から所要
   長さ延長させ、上記延長部分を紙質シートの裏面
   側に折返し、この折返し部の上下方向の側縁を紙
   質シートの側縁から突出するフイルム側縁と加熱
   加圧により一体化することを特徴とする表紙類の
   製造方法。