JPH0138446Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は温度調節器の動作で圧縮機と送風用フ
アンモータの両方を制御、すなわち運転・停止で
きる機能（以下エコノミーモードと呼ぶ）と温度
調節器の動作で圧縮機のみの制御（以下レギユラ
ーモードと呼ぶ）を、切換えスイツチで任意に選
択できる制御機能を持つた一体型空気調和機にお
いて、前記エコノミーモード運転時、温度調節器
が開となつた時、圧縮機の停止と同時に、送風用
フアンモータも停止となる為、高圧側と低圧側の
冷媒が圧力バランスをして室内熱交換器が、通常
の運転時に比べ温度が高くなることによつて、温
度調節器の感温部へ影響をおよぼし、復帰が早ま
ることを防止する温度調節器の感温部の遮熱構造
に関するものである。

従来例の構成とその問題点 エコノミーモード、レギユラーモードいずれか
の機能を選択できる一体型空気調和機の概要構成
図を第１図に示す。温度調節器の感温部ａは、室
内空気取入口ｄと室内側熱交換器ｃとの間、すな
わち室内空気流路中に、感温部支持片ｂによつて
固定されている。

第２図は前記感温部ａと感温部支持片ｂの室内
側熱交換器ｃへの取付詳細図である。

感温部ａの設置位置は室内側熱交換器ｃの前方
に位置し、直接に面している。運転をレギユラー
モードで行つた場合は、温度調節器の動作に対し
て、圧縮機が運転又は停止を行うのみで送風用フ
アンモータｅには連動していないので、フアンｆ
は回りぱなしで、室内空気流ｇも常に循環してお
り、室内側熱交換器ｃの感温部ａへの輻射の影響
は全くなく、室内空気温度と感温部ａの温度は、
ほぼ同じである。

しかし、エコノミーモードで運転の場合は、温
度調節器の動作で、圧縮機と送風用フアンモータ
ｅが同時に動作し、運転及び停止を同時に行うよ
うになる。この場合フアンｃが停止するので室内
空気流ｇはなくなり、感温部ａは室内熱交換器ｃ
の温度を輻射で受け易くなる。また、一体型空気
調和機は、分離型空気調和機に比べ、高圧高温の
室外熱交換器ｈと低圧低温の室内熱交換器を結ぶ
管路が短いことにより、圧力バランスが短時間に
行なわれ、また温度損失も少ない為、室内側熱交
換器ｃは急激に温度が上昇してくる。また、温度
調節器も電子式が多く、感温部ａの感度は非常に
優れており、周囲の温度に敏感に追従し易くなつ
ている。このような結果より温度調節器の動作温
度は、室内温度で動作するのではなく、室内側熱
交換器ｃより発散される輻射熱を感知し、この温
度で動作するようになり、圧縮機がすぐに復帰し
運転状態となる。運転状態になつても室内の温度
は未だ低い状態である為、すぐに再び温度調節器
は動作を行い、再度、圧縮機と送風用フアンモー
タｅの運転を停止さす。第３図はこの状態の感温
部ａの温度変化と、圧縮機の運転・停止周期を表
わした実験値のグラフで、実線はエコノミーモー
ド運転、破線はレギユラーモード運転である。

このように温度調節器は、室内温度で動作する
のでなく、冷凍サイクルの室内側熱交換器ｃの温
度による輻射熱で動作を行うという原因となつて
いた。

考案の目的 本考案は前記の問題を解決するもので、温度調
節器の動作が室内側熱交換器温度による輻射熱の
影響を受けず、正しい室内空気温度を感知して動
作することを目的の一つとするものである。

考案の構成 この目的を達成する為に本考案は、室内熱交換
器に温度調節器の感温部を固定する支持片を組み
込み、この支持片の一部に、前記感温部と室内熱
交換器との間に位置する遮熱板を設け、この遮熱
板の形状を、中心に向つて周囲より、ある傾きを
もつて高くするものである。このように構成する
と、温度調節器の感温部は、室内熱交換器の輻射
熱温度に影響されることがなく、室内空気温度に
近い温度でもつて動作を行う。

実施例の説明 以下、本考案をその一実施例を示す第４図にお
いて説明する。なお、一体型空気調和機の構成は
第１図と同じなので、これにしたがい説明する。
１は室内側熱交換器である。２は温度調節器の感
温部、３は感温部２を室内熱交換器１上に固定す
る支持片である。この支持片３の１部に室内熱交
換器１と平行になるように延出させた遮熱板４を
形成させ、その位置は感温部２と室内熱交換器１
との間に位置するように構成されている。さらに
この遮熱板４は室内熱交換器１側より中心に向つ
て感温部２側へ突出する傾斜４ａをもたせ、その
中心部には、感温部２の径より大きな窪み５をも
つている。感温部２のリード線６は支持片３で室
内熱交換器１上に容易に動かないよう固定され、
感温部２は遮熱板４の窪み５に位置するよう固定
される。

このように構成すると、エコノミーモードに設
定して運転した場合、温度調節器の動作により送
風用フアンモータｅが停止しても、温度調節器の
感温部２は、遮熱板４によつて室内熱交換器１の
輻射熱温度に影響されることがなく、室内空気温
度に近い温度でもつて動作を行う。

又前記遮熱板は、室内熱交換器１側より感温部
２の位置する方向へ向つて高くなる傾斜をもつて
いることにより、室内空気流は、渦等を起すこと
がなく、送風用フアンモータが運転されている時
や、レギユラーモードで設定して運転する時でも
空気流に影響を及ぼさない。

第５図は本考案の遮熱板を取り付けた場合の感
温部の温度変化と圧縮機の運転・停止周期を表わ
した実験値のグラフで、実線はエコノミーモード
運転、破線はレギユラーモード運転である。この
グラフより明らかなように、遮熱板を設けると、
エコノミーモード運転時に室内熱交換器１よりの
輻射熱を防止することができ、温度調節器が、室
内空気とほぼ同じ温度で動作していることがわか
る。

考案の効果 以上の説明から明らかなように本考案における
空気調和機の温度調節器の感温部遮熱構造は、温
度調節器の開、閉によつて圧縮機及び送風用フア
ンの両方を連動させて停止又は運転を行う制御機
能を有し、温度調節器の感温部と室内熱交換器と
の間に平行になるように遮熱板を設け、この遮熱
板を熱交換器側より感温部側に高くなる傾斜をつ
けたもので、温度調節器が動作して、圧縮機と送
風用フアンモータが停止しても、高圧高温の室外
熱交換器より、低圧低温の室内熱交換器への冷媒
の流入による室内熱交換器の温度上昇による輻射
熱の影響を受けず、又室内空気流の妨げになつ
て、渦等を発生させることなく、室内空気温度に
ほぼ等しい温度を感知し、温度調節器を動作させ
る等の効果を生じる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一体型空気調和機の断面図、第２図は
従来の温度調節器感温部の取付構造拡大斜視図、
第３図は従来の温度調節器の感温部の温度状態実
験値のグラフ、第４図は本考案の一実施例の温度
調節器感温部の取付構造の拡大斜視図、第５図は
本考案の一実施例の温度調節器の感温部の温度状
態実験値のグラフである。 １……室内熱交換器、２……感温部、４……遮
熱板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 温度調節器の開、閉にて圧縮機及び送風用フア
   ンの両方を連動させて、停止、運転を行う制御機
   能を持ち、かつ前面に吸込口及び吹出口を設けた
   空気調和機本体内を仕切り板にて室内外に仕切つ
   て、前記吸込口の後方に室内側熱交換器を設け、
   この室内側熱交換器の後方に室内フアンとケーシ
   ングを設け、吸込口から室内熱交換器に至る吸込
   空気流路に前記温度調節器の感温部を配設し、前
   記感温部と室内熱交換器の間に、フアン停止時の
   室内熱交換器よりの輻射熱を防ぐ遮熱板を設ける
   とともに、この遮熱板に、前記感温部に相対向す
   る部分より外周へ向け室内熱交換器へ近づくにし
   たがい低くなる傾斜をつけた空気調和機の温度調
   節器遮熱装置。