JPH0138011Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は卵や菓子等食品類の包装容器として近
来多用されている、身の開口端面の一方辺縁と蓋
の開口端面の一方辺縁とが連続している合成樹脂
製のパツクを内容物詰め込み後に他方辺縁どおし
重ねて閉じるパツクシーラに関する。

（従来の技術） 内容物を詰め込んだ開蓋状態のパツクをベルト
コンベア上に載置して搬送し、搬送される開蓋状
態のパツクを蓋じめガイドで閉蓋状態とし、相当
接する他方辺縁どおしをベルトコンビアにそつて
配置したシール機構によつてシールするパツクシ
ーラは公知であり、この種のパツクシーラのシー
ル機構を超音波ホーンとアンビルとで構成したロ
ータリーシーラも開発されている。

卵パツクシーラを例にとつて従来シーラを第２
図ａおよびｂに従つて説明する。

第２図ａにおいて、１はベルトコンベア２上に
載置されてシール機構配設位置まで搬送されて来
た卵パツクであつて、当該位置に達する間に、身
１１ａの開口端面の一方辺縁とceで示される部分
でその一方辺縁が接続されている蓋１１ｂは図示
しない蓋じめガイドによつて開蓋状態から閉蓋状
態とされたうえ、ベルトコンベア２の所定上方に
支持部材３１で懸垂され重り３２で押圧力を調整
する押さえ板３の下面により閉蓋状態を維持し、
身１１ａおよび蓋１１ｂそれぞれの開口端面の他
方辺縁はseで示される如く相当接している。当該
卵パツク１の相当接した他方辺縁seをシールする
ロータリーシーラはベルトコンベア２上の卵パツ
ク１の当接他方辺縁（以下シール部という）se側
にそつて配置される図示しない回転駆動源によつ
て回転駆動される水平な回転軸４１に枢着されて
所定角速度で回動するアンビル４と、その下方位
置に先端を上向きとして配置される超音波ホーン
５とからなる。上記アンビル４の周面が最下降す
る位置はシール部seの上表面よりやや下方となる
如く、また上記超音波ホーン５の先細り先端面に
装着された接触子５１の端面はアンビル４の最下
降周面からシール部seの厚さより小さい微少間隙
を隔てる如く、かつ前記アンビル４の角速度は周
回動速度がベルトコンベア２の搬送速度に同調す
る如く、それぞれの諸元を設定してある。

ところで、ベルトコンベア２上を搬送される卵
パツク１のシール部seは、その到来を検知する検
知機構の出力信号によつて、例えば所定時素発振
動作となる超音波ホーン５の接触子５１と回転中
のアンビル４の周面とが相対向している微少間隙
（以下溶着部という）MZを通過する際に、接触
子５１によつてアンビル４の周面に押圧され、そ
の超音波エネルギーで発熱して溶着されることか
ら、シール部seが確実に上記溶着部MZを通過す
る如く搬送されなければならない。

これがため、従来パツクシーラでは第２図ａに
示すように、ベルトコンベア２のロータリーシー
ラ設置側に置かれている台６ａ上に、卵パツク１
の身１１ａの開口端面の高さよりも十分高さが高
いガイド板７′ａをベルトコンベア２の端縁より
やや離して搬送ラインに平行する如く直立配置
し、これによりシール部seが溶着部MZよりも外
方へはずれるのを規制するとともに、ベルトコン
ベア２の上記とは反対側端縁にそつて置かれてい
る台６ｂ上に、卵パツク１の身１１ａの開口端面
の高さよりも十分低い高さの、例えば棒材からな
るガイド棒７′ｂを、アンビル４および押さえ板
３１を省略した上面図である第２図ｂに示す如
く、ベルトコンベア２方向へ突出する弓形に形成
して配置し、ベルトコンベア２上を搬送される卵
パツク１に矢印Ａで示す進路変更を強制して、シ
ール部seの側線を第２図ａに見られるようにガイ
ド板７′ａに当接せしめ、これによりシール部se
がロータリーシーラの溶着部MZを通過するよう
にしている。

尚、卵パツク１の進路変更を強制するガイドと
して高さの低いガイド棒７′ｂを用いるのは、開
蓋状態でベルトコンベア２上に載置される卵パツ
ク１の載置時の邪魔にならないよう、かつ蓋じめ
ガイドを配置する関係から必然的に求められると
ころである。

（考案が解決しようとする問題点） 然るに、卵パツク１の身１１ａには卵である内
容物が詰め込まれて重くなつているうえ、ベルト
コンベア２の搬送面は粗面であるのでスベリ摩擦
抵抗が大きく、時にはガイド棒７′ｂ上に身１１
ａの底面近接側面が乗り上げたり、あるいは乗り
上げた側面が急に滑落したりして円滑な搬送がな
されず、シール部seの的確な溶着部MZ通過を確
実に保証し得なかつた。

また、衆知の如く卵の大きさに従つて卵パツク
のサイズが異なるので、異なるサイズごとにガイ
ド棒７′ｂの配設位置を移動したり、異なつた形
状のガイド棒７′ｂと交換したりせねばならず、
これに要する作業は煩雑であるとともに極めて細
かい配慮と作業時間を必要とした。

（考案の目的） 本考案は上述ロータリーシーラを用いたパツク
シーラの従来搬送ガイドに存する問題点を解消す
るためになされたもので、パツクのシール部の確
実なロータリーシーラ溶着部通過を保証するとと
もに、従来パツクシーラの搬送ガイドを簡素化す
る目的でなされたものである。

（考案の構成） 本考案の構成は、 (1) 身の開口端面の一方辺縁と蓋の開口端面の一
方辺縁とが連続している合成樹脂製のパツク
を、ベルトコンベアで搬送しつつ蓋じめガイド
によつて開蓋状態から閉蓋状態となすととも
に、閉蓋状態で相当接する身・蓋それぞれの他
方辺縁を発振中の超音波ホーンの接触子によつ
て回転中のアンビル周面に押圧して溶着シール
する装置において、 (2) 上記ベルトコンベア上を搬送中のパツクの相
当接する他方辺縁を上記超音波ホーンの接触子
とアンビルの周面とが相対向する間隙に導く搬
送ガイドを、ベルトコンベアの接触子配設側に
そつて設けたパツクの身の開口端面辺縁の高さ
よりも低い高さのガイド部材とするとともに、 (3) 当該ガイド部材のガイドラインを接触子配置
位置を含み搬送ラインと平行する仮想線に対し
て搬入側が所定角度で外方へ開となる如く設定
してある ことを特徴とするパツクシーラの搬送ガイドにあ
る。

（実施例） 本考案を第１図ａ〜ｃに示す実施例に従つてさ
らに詳述する。

図において１は卵パツク、２はベルトコンベ
ア、３，３１および３２はそれぞれ押さえ板、支
持部材および重り、４および４１はそれぞれアン
ビルおよび回転軸、５および５１は超音波ホーン
および接触子、６ａおよび６ｂそれぞれは台、ま
た８は蓋じめガイドであつて、前述従来装置と同
様である。しかし本考案では、ガイド構造が従来
装置と異なる。

即ち、従来装置で台６ｂ上に配置されていたガ
イド棒７′ｂが撤去されており、また台６ａ上に
配設されていた従来ガイド板７′ａの高さは卵パ
ツク１の身１１ａの開口端面辺縁の高さより十分
高く、かつベルトコンビア２の端縁からやや離間
して平行配置となつていたが、本考案では７とし
て示す如く、その高さは卵パツク１の身１１ａの
開口端面辺縁高さより低く設定され、かつその配
設は斜めである。当該ガイド板７の斜め配置はベ
ルトコンベア２の搬送ラインＬに平行な接触子５
１配置位置を含む仮想線L′に対して所定角度αだ
け搬入側が外方に開くガイドライン１として設定
される。上記所定角度αは実験搬送で最適角度が
選定されることとなる。

（考案の作用） 上記の本考案ガイド部材構成とすると、ベルト
コンベア２上を搬送される卵や菓子類等食品が身
１１ａに詰め込まれた合成樹脂製のパツク１は、
ベルトコンベア２上で以下に述べる如き挙動をす
る。これを第１図ｄを用いて説明する。

図において、位置イでベルトコンベア２上を矢
印搬送ラインＬに従つ直進する閉蓋状態とされた
パツク１は、位置ロに至ると斜行配設されている
ガイド板７上縁にそのシール部seの一部が覆い被
る状態となるとともに、当該パツク１の身１１ａ
の開口端面辺縁側面…第１図ｂにｆとして示す…
の搬送方向前方がガイド板７のガイド面７ｆに接
触する。この接触点ｐを搬入側ガイド板７の接触
子５１方向端端から僅少距離後方に設定しておけ
ば、上記接触によつてパツク１に所謂尻振り動作
…矢印Ｂを生じて、パツク１はガイドライン１に
添う姿勢をとり、ハとして示すように搬送ライン
Ｌに対して角度αだけ長手方向中心線−が斜
行したままベルトコンベア２上を直進する。この
状態においてパツク１のシール部seはベルトコン
ベア２の端縁に近接配置されているロータリーシ
ーラの溶着部MZ…アンビル４の周面と超音波ホ
ーン５の接触子５１との微少間隙…へと確実に導
かれ、相当接する辺縁が溶着シールされることと
なる。

（考案の効果） 本考案は開口端面に辺縁があつて、身と蓋との
辺縁を当接して溶着シールする合成樹脂製のパツ
クのパツクシーラに全て適用可能な搬送ガイドで
あつて、本考案を実施することにより、シール部
が確実に溶着されるとともに、パツクの巾方向サ
イズが如何に異なつても関係なく確実な溶着が可
能となり、しかも従来に比べてガイド機構が簡素
化されるなど、その齎される効果は甚大である。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ〜ｄはそれぞれ本考案を卵パツク用パ
ツクシーラに実施した図であつてａ要部斜視図、
ｂは一部断面正面図、ｃは一部省略平面図、ｄは
作用を説明するための平面図、第２図ａおよびｂ
はそれぞれ従来装置の一部断面正面図および一部
省略平面図である。 １……パツク、１１ａ，１１ｂ……身および
蓋、２……ベルトコンベア、４……アンビル、５
……超音波ホーン、５１……接触子、７……搬送
ガイド，ガイド部材、ce……パツクの連続する一
方辺縁、se……閉蓋状態で相当接するパツクの他
方辺縁、Ｌ……搬送ライン、L′……仮想線、１…
…ガイドライン、α……所定角度。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 身の開口端面の一方辺縁と蓋の開口端面の一方
   辺縁とが連続している合成樹脂製のパツクを、ベ
   ルトコンベアで搬送しつつ蓋じめガイドによつて
   開蓋状態から閉蓋状態となすとともに、閉蓋状態
   で相当接する身・蓋それぞれの他方辺縁を発振中
   の超音波ホーンの接触子によつて回転中のアンビ
   ル周面に押圧して溶着シールする装置において、
   上記ベルトコンベア上を搬送中のパツクの相当接
   する他方辺縁を上記超音波ホーンの接触子とアン
   ビルの周面とが相対向する間隙に導く搬送ガイド
   を、ベルトコンベアの接触子配設側にそつて設け
   たパツクの身の開口端面辺縁の高さよりも低い高
   さのガイド部材とするとともに、当該ガイド部材
   のガイドラインを接触子配置位置を含み搬送ライ
   ンと平行する仮想線に対して搬入側が所定角度で
   外方へ開となる如く設定してあることを特徴とす
   るパツクシーラの搬送ガイド。