JPH0137750Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は底を有する外胴内にイオン交換樹脂
層と、上記外胴の上端を塞ぐ蓋から外に突出した
原水入口と純水出口を備えた集散水機構とを設
け、原水入口から供給した原水を陰イオン交換樹
脂と陽イオン交換樹脂を混合したイオン交換樹脂
層中を通水させて処理し、純水として純水出口か
ら流出させる純水装置に関する。

（従来例） 第４〜６図は夫々従来の純水装置で、１は外
胴、２はイオン交換樹脂層、３は蓋、４は原水入
口、５は純水出口、４′と５′は上記各口４と５を
上端に有し、蓋３を上下方向に貫通して保持され
た散水筒と集水筒を示し、集水筒５′の下端には
集水用のストレーナ６が設けてある。尚、散水筒
４′の下端はイオン交換樹脂層２の上面レベルよ
りも少し上に位置し、そこには流下する原水を拡
散させる拡散板７を取付けてある。

（考案が解決しようとする問題点） 第４図の集水筒５′、集水ストレーナ６による
集水効果は良好であるが、集水筒は塩ビ管であ
り、ストレーナ６はその下端で膨らんでいるた
め、イオン交換樹脂層２を充填した外胴１内に水
を張つて上から集水筒を樹脂層２中に装填する際
に樹脂が分離しやすい問題点がある。

又、第５図のものも、第４図と同様な問題点を
有するが、イオン交換樹脂層の層高を第４図のも
のより低くしてその点は幾らか改善されている。
しかし、イオン交換樹脂の層高が低いので原水の
供給流量が小さいと短絡流Ａが生じて樹脂の利用
効率は低下し、原水の完全処理を期し難い。

第６図は集水管の下端部を尖鋭にし装填し易く
なつているが、こうすると集水用ストレーナ６は
尖鋭部の上に設けることになるため樹脂層の底部
に死角ができ、樹脂の利用効率は低下する。

（問題点を解決するための手段） そこで本考案は純水装置の集散機構を、下端が
開放し、下端部の回りに通水口を有し、上記下端
を外胴の底に上から当接した筒で構成したことを
特徴とする。

（作用） 本案の集散水機構は開放した下端をイオン交換
樹脂層中に埋込んで装填する。

又、外胴の内周と筒の外周の間の筒形空間と、
筒の内部とは筒の下端部の回りの通水口を介して
連通し、原水は上記筒形空間（又は筒の内部）を
下降し、通水口を通り抜けて筒の内部（又は筒形
空間）を上昇する際にイオン交換樹脂層で処理さ
れる。

（実施例） 第１，２図と、第３図の各実施例において、１
１は外胴、１２はイオン交換樹脂層、１３は蓋、
１４は原水入口、１４′は散水筒、１５は純水出
口、１５′は集水筒、１６は集散水機構を構成す
る下端が開放した筒を示す。

この筒１６の直径は外筒１１の内径よりも小
で、下端を外胴１１の底に当接して設置したと
き、外胴の内周との間に筒形空間１７を形成す
る。

筒１６は蓋１３の下面から垂下して上端を蓋に
より塞がれている。そして、この実施例では下端
の回りに上向きの切込みを設けて通水口１９とし
ているが、下端から僅か上に離して回りに孔を開
設し通水口１９とすることもできる。

そして、筒内の上部に劃壁２０を設けて上室２
１と下室２２に仕切り、そして前記集水筒１５′
は蓋１３と上室２１に貫通し、下端を劃壁２０の
孔の回りに連結して下室２２と連通し、又、散水
筒１４′は蓋１３を貫通して上室２１と連通し、
上室の下端部、つまり劃壁２０の直上の筒１６の
回りには孔を開設して散水孔２３とする。

上記劃壁２０は好ましくは図示の如く円錐形に
し、散水筒１４′を通じ上室２１内に供給される
原水を散水孔２３…から筒状空間１７に均一に流
下できる様にする。又、この劃壁２０の設置レベ
ルは外胴内に充填されたイオン交換樹脂層１２の
上面よりも上にし、下室２２の上方内部には上記
樹脂層１２の上面レベルに合わせてストレーナ２
４を固定して置くことが好ましい。尚、実施例で
は散水筒下部に劃壁２０により上室２１を形成す
ると共に、筒１６に散水孔を設けたものである
が、散水筒１４′は実施例の様に円筒と一体化せ
ず、従来例の様に単独で設けてもよい。

前記した上室２１、下室２２、集、散水筒１
４′，１５′を備えた筒１６は外胴１１内にイオン
交換樹脂層１２を充填後、開放した下端から樹脂
層１２中に押込み、下端を外胴１１の底に当接し
て設置する。尚、この状態で蓋１３は外胴１１の
頂部口を密閉する。原水入口１４から原水を供給
すると、原水は散水筒１４′、上室２１、散水孔
２３を通つて筒形空間１７に出、筒形空間中のイ
オン交換樹脂層１２中を下降し、次いで通水口１
９から筒１６内の下室２２の樹脂層１２中を上昇
し、その間に処理されて純水となり、ストレーナ
２４、集水筒１５′を経て純水出口１５に出る。
尚、ストレーナ２４は純水出口１５に得られる純
水中にイオン交換樹脂粒が混入するのを防止す
る。

第３図の実施例が、第１，２図の実施例と相違
するのは蓋１３の外胴１１に対する取付けかたで
ある。

第１，２図の実施例では外胴１１の頂部口の内
周には雌ネジがあり、蓋１３は上記雌ネジに螺合
する雄ネジを小径な下半部外周に備えている。従
つて、筒１６をイオン交換樹脂層１２中に埋込
み、最後に蓋１３を回してネジ係合させて装填す
る。これに対し第３図の実施例の外胴は上端に外
周に張出した鍔を有し、蓋１３の周縁部は上記鍔
の上に重なる。従つて、外胴の鍔と蓋の周縁部を
重合状態に挟圧部材２５で挟み付ける。このため
筒１６の装填はイオン交換樹脂層中に埋込むだけ
でよい。

上述した両実施例はいずれも筒状空間１７の樹
脂層中に下向流で通水し、筒１６の下室２２中の
樹脂層中に上向流で通水して原水を純水に処理し
たが、勿論その逆に筒の下室２２中の樹脂層に下
向流、筒状空間１７中の樹脂層に上向流で通水し
ても処理が行える。この場合はストレーナ２４を
筒状空間１７中の樹脂層の上面に設ける。

（考案の効果） 本考案により集散水機構を外胴内に装填する
際、イオン交換樹脂を充填した外胴内に水を張ら
ないで装填することができ、混合樹脂の分離の心
配が無いと共に、流動変動に対して流れの短絡が
生ぜず、イオン交換樹脂の全量を有効に利用でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の断面図、第２図は
同上に使用した集散水機構の筒の斜視図、第３図
は本考案の他の一実施例の断面図、第４図、第５
図、第６図は夫々従来の装置の断面図で、図中、
１１は外胴、１２はイオン交換樹脂層、１３は
蓋、１４は原水入口、１５は純水出口、１６は集
散水機構を構成する筒を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 底を有する外胴内にイオン交換樹脂層と、上記
   外胴の上端を塞ぐ蓋から外に突出した原水入口と
   純水出口を備えた集散水機構とを設けた純水装置
   において 上記集散水機構に下端が開放し、下端部の回り
   に通水口を備えた筒を設けたことを特徴とする純
   水装置。