JPH0137740Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、下水処理場水処理設備より発生する
汚泥を処理する加圧浮上濃縮装置に関する。

〔従来の技術〕

かかる加圧浮上濃縮装置は、１例として第２図
に示すような装置である。

図中２は浮上濃縮槽で、これには汚泥供給ポン
プ１を介して汚泥供給源（図示せず）が連結され
る。

この浮上濃縮槽２は、上部にフロス掻き取り機
３を、底部に沈殿汚泥掻寄せ機５をそれぞれ備え
ており、また補助槽としての分離液槽１８と槽２
の間に分離液流出弁４を設ける。図中８は脱気槽
撹拌機７を備えた脱気槽であり、前記フロス掻き
取り機３はこの脱気槽８に連結され、また、浮上
濃縮槽２の底部も沈殿汚泥ポンプ６を途中に介在
させて該脱気槽８と連結され、脱気槽８の浮出間
には濃縮汚泥移送ポンプ９を取りつけた。

一方、図中１２はコンプレツサー１３を連結す
る空気溶解タンクで、その流入側は前記分離液槽
１８と加圧ポンプ１０を介して連結され、流出側
は一次圧力調整弁１１を介して汚泥供給ポンプ１
と浮上濃縮槽２とを結ぶ配管途中へ連結される。

次に動作を説明すると、分離液の一部を加圧ポ
ンプ１０により引き抜き、空気溶解タンク１２へ
送る。空気溶解タンク１２内は、コンプレツサー
１３よりの加圧空気で満たされ、送り込まれた分
離液中へ加圧下で空気を溶解する。空気を溶解し
た分離液は一次圧力調整弁１１で減圧され、微細
気泡を発生する。この微細気泡を含んだ液は、汚
泥供給ポンプ１より送られた汚泥と混合され、汚
泥粒子に微細気泡を付着し、浮上濃縮槽２へ送ら
れ、微細気泡のもつ浮力で汚泥は浮上し、固液分
離が行われる。浮上した汚泥はフロス掻取機３で
掻きとられ、脱気槽８へ送られ、その脱気槽撹拌
機７で脱気されたのち、濃縮汚泥移送ポンプ９に
より、後段の工程へ送られる。また分離液は分離
液流出弁４を越流して、分離液槽１８から系外へ
排出される。

このような、加圧浮上濃縮槽２では濃縮汚泥、
分離液の他に沈殿汚泥が発生する。これは汚泥中
に含まれる無機分（砂等）など気泡の付着しない
ものが沈殿し槽２の底に堆積するもので放置した
場合、腐敗を招き分離液を悪化することがある。
このため、沈殿汚泥掻寄せ機５と沈殿汚泥ポンプ
６が設置され、定期的に沈殿汚泥を引き抜いてい
る。

なお、沈澱汚泥は脱気槽ではなく重力濃縮槽へ
送る場合もある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、前記のごとき沈殿汚泥の発生量はき
わめて少ないものであり、特に汚泥が余剰汚泥の
場合はほとんど出ることがない。従つて、沈殿汚
泥ポンプ６の運転は１日１回以下で稼動率は低
く、無駄が多い。

本考案の目的は前記従来例の不都合を解消し、
稼動率の悪い沈殿汚泥ポンプを不要として設備コ
ストダウンと小型化を実現できる加圧浮上濃縮装
置を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は前記目的を達成するため、汚泥粒子に
微細気泡を付着させ、微細気泡のもつ浮力で浮上
させた汚泥を収集排出する浮上濃縮槽の底部から
の配管を、第１の切換弁を介して脱気槽と濃縮汚
泥移送ポンプとの間の配管途中に合流させ、この
合流点の前段で脱気槽の流出側に第２の切換弁を
設け、また、濃縮汚泥移送ポンプの流出側配管を
分岐し、そのそれぞれに前記第１の切換弁と対と
なる第３の切換弁と前記第２の切換弁と対となる
第４の切換弁を設けたことを要旨とするものであ
る。

〔作用〕

本考案によれば、第１の切換弁と第３の切換弁
を閉じ、第２の切換弁と第４の切換弁を開けば、
濃縮汚泥移送ポンプの作用で脱水槽から濃縮汚泥
が第４の切換弁を介して一方の分岐管で移送され
る。また、第２の切換弁と第４の切換弁を閉じ、
第１の切換弁と第３の切換弁を開けば濃縮汚泥移
送ポンプは浮上濃縮槽の底部に作用し、沈殿汚泥
ポンプの代わりとしてここからの沈殿汚泥をもう
一つの分岐管により第３の切換弁を介して移送す
る。

〔実施例〕

以下、図面について本考案の実施例を詳細に説
明する。

第１図は本考案の加圧浮上濃縮装置の実施例を
示す配管説明図で、前記従来例を示す第２図と同
一構成要素には同一参照番号を付したものであ
る。

すなわち、図中１は汚泥供給ポンプ、２は浮上
濃縮槽、８は脱気槽、９は濃縮汚泥移送ポンプ、
１２は空気溶解タンクで、これら相互の結合及び
作用等については前記第２図で述べたので詳細説
明は省略する。

本考案は前記第２図における沈殿汚泥ポンプ６
を廃止して、浮上濃縮槽２の底部からの配管１９
を脱気槽８と濃縮汚泥移送ポンプ９との間を連結
する配管２０の途中に合流させ、該配管１９の途
中に第１の切換弁１４を設ける。

また、配管２０の前記配管１９との合流点との
前段で脱気槽８の流出側に第２の切換弁１５を設
け、さらに、濃縮汚泥移送ポンプ９の流出側配管
２１を２１ａ，２１ｂと分岐し、そのそれぞれに
第３の切換弁１６と、第４の切換弁１７を配設し
た。

これら切換弁は、弁１４と１６が対となり、弁
１５と１７とが対となるものである。

次に使用法及び動作について説明すると、通常
の使用法として濃縮汚泥を移送するには、切換弁
１５，１７を開き、切換弁１４，１６を閉じる。

浮上濃縮槽２では微細気泡が付着させられた汚
泥粒子が浮上させられ、フロス掻き取り機３で収
集され脱気槽８へ送られる。この脱気槽８の中で
脱気槽撹拌機７で脱気された汚泥は、切換弁１
５、濃縮汚泥移送ポンプ９、配管２１ｂの切換弁
１７を介して後段の工程へ送られる。

一方、槽２の底部の沈殿汚泥を移送するには、
切換弁１４，１６を開き、弁１５，１７を閉じ
る。沈殿汚泥掻寄せ機５で収集される砂等の無機
分沈殿汚泥は、濃縮汚泥移送ポンプ９の吸引力で
濃縮槽２の底部から配管１９へと送られ、弁１４
を介して配管２０へ入り、ポンプ９から配管２１
ａの弁１６を経て次の工程へ送られる。

なお、このように沈殿汚泥の移送を行う場合
は、濃縮汚泥のラインは使用できないが、その使
用頻度は極めて少ないので支障はない。また、こ
の沈殿汚泥の移送ラインの切換弁１４と１６は、
使用頻度が少ないので手動弁としてもよい。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案の加圧浮上濃縮装置は
濃縮汚泥移送ポンプにより沈殿汚泥ポンプの役割
を兼ねることで、該沈殿汚泥ポンプを省略でき、
設備のコストダウンを図れるとともに、ポンプ室
の設置スペースを狭くでき、装置全体の小型化を
実現できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の加圧浮上濃縮装置の実施例を
示す配管説明図、第２図は従来例を示す配管説明
図である。 １……汚泥供給ポンプ、２……浮上濃縮槽、３
……フロス掻き取り機、４……分離液流出弁、５
……沈殿汚泥掻寄せ機、６……沈殿汚泥ポンプ、
７……脱気槽撹拌機、８……脱気槽、９……濃縮
汚泥移送ポンプ、１０……加圧ポンプ、１１……
一次圧力調整弁、１２……空気溶解タンク、１３
……コンプレツサ、１４〜１７……切換弁、１８
……分離液槽、１９，２０，２１，２１ａ，２１
ｂ……配管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 汚泥粒子に微細気泡を付着させ、微細気泡のも
   つ浮力で浮上させた汚泥を収集排出する浮上濃縮
   槽の底部からの配管を、第１の切換弁を介して脱
   気槽と濃縮汚泥移送ポンプとの間の配管途中に合
   流させ、この合流点の前段で脱気槽の流出側に第
   ２の切換弁を設け、また、濃縮汚泥移送ポンプの
   流出側配管を分岐し、そのそれぞれに前記第１の
   切換弁と対となる第３の切換弁と前記第２の切換
   弁と対となる第４の切換弁とを設けたことを特徴
   とする加圧浮上濃縮装置。