JPH0137049Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は建造物の屋根の面葺構造、特に横葺屋
根の面葺構造に関する。

（従来技術） 従来から体育館その他の建造物の屋根部を面屋
根部を面葺施工する場合、例えば実開昭57−
27013号公報や第１図に示すように母屋１上に断
面〓形の金属製垂木２を固定し、各垂木２間に金
属板３を差し渡し、該金属板３上に木毛板等の断
熱板４を配置し、さらに各垂木２上に金属製屋根
材５を敷設したものが存する。

ところで、垂木には金属製屋根材自体の重量の
ほかに屋根材上を歩行する人間の重量、積雪によ
る荷重負荷等がかかるので、高い強度が要求され
る。しかし高強度の金属材を〓形に成形加工する
には大型の設備が必要となるので、地方都市の工
場では加工しにくく、結局高い費用を支払つて上
述のような成形材を購入しなければならない。し
たがつて、材料費が製造コストに占める割合が大
きくなつてしまう欠点があつた。

（考案の目的） 本考案は上記に鑑みて成立したものであり、安
価な断面方形の角筒状の垂木本体と一対のＴ型ジ
ヨイナーとによつて安価で十分な強度の垂木を形
成し、これによつて建造物の屋根の面葺施工を行
なうことができる建造物の屋根の面葺構造を提供
することを目的とする。

（目的を達成するための手段） 上記目的を達成するため、本考案に係る建造物
の屋根の面葺構造は、建造物の屋根部に横方向に
並設された複数のＣ形鋼からなる母屋と、該母屋
上に縦方向に平行に止着された複数の垂木と、隣
り合う垂木間に支持された断熱板と、上記垂木上
に横方向に支持された屋根材とを備えるととも
に、上記垂木は、起立縁の下端両側から外側に張
出し縁を張出し形成することにより断面倒立Ｔ字
形に形成してなる一対の金属製Ｔ型ジヨイナーを
断面方形の角筒状垂木本体の両側に配設し、且つ
Ｔ型ジヨイナーの起立縁と一方の張出し縁とをそ
れぞれ上記垂木の両側面と下面とに当接して固定
することによつて形成するとともに、上記断熱板
の端部を上記隣り合う垂木において互いに向き合
う他方の張出し縁上に支持させたことを特徴とす
る。

（考案の効果） 以上の構成により、垂木は、それ自体にそれほ
どの強度を要求されない角筒状の垂木本体と、金
属板材の折曲げ成形によつて簡単に形成すること
ができるＴ形ジヨイナーとから構成されるので、
上記垂木を得るのに大型の成形設備を必要としな
い。このため、上記構成の垂木を安価に製造する
ことができ、面葺施工の費用を低く抑えることが
できる。

（実施例） 以下、本考案の建造物の屋根の面葺構造を図面
に基づいて説明する。

第２図ａは本考案の建造物の屋根の面葺構造の
一実施例を示すもので、体育館その他の建造物の
屋根部に横方向に並設された複数のＣ形鋼からな
る母屋１１と、該母屋１１上に縦方向に平行に止
着された複数の垂木１０と、隣り合う垂木１０間
に支持された断熱板１５と、上記垂木１０上に横
方向に支持された屋根材１４とを備えるものであ
る。

ところで、上記垂木１０は、起立縁１２ａの下
端両側から外側に張出し縁１２ｂ，１２ｃを張出
し形成することにより断面倒立Ｔ字形に形成して
なる一対の金属製Ｔ型ジヨイナー１２を断面方形
の角筒状垂木本体１３の両側に配設し、且つＴ形
ジヨイナー１２の起立縁１２ａと一方の張出し縁
１２ｃとをそれぞれ上記垂木１０の両側面と下面
とに当接して固定することによつて形成されてい
る。なお、一対のＴ型ジヨイナー１２は母屋１１
上にスポツト溶接等によつて固定され、垂木本体
１３を補強する。

そして、上記断熱板１５の端部は上記隣り合う
垂木１０において互いに向き合う他方の張出し縁
１２ｂ上に支持されている。

次に、屋根材１４は、それぞれ第２図ｂに示す
ように一枚の金属板から成り、その先端部には係
止部１６、中央部には傾斜面１７、後端部には被
係止部１８を有する。係止部１６は上部水平面１
６ａと、中央部に半円形凹部１６ｃを備え且つ下
方に直角に屈曲した屈曲部１６ｂと、該屈曲部下
端から後方へ水平に突出するとともに先端に折曲
げ部１６ｅを有する差込み部１６ｆとを備える。
これに対し、被係止部１８は、傾斜面１７の下部
後端から水平に連続する下部水平面１８ａと、該
水平面１８ａの後端部に続く折返し部１８ｂと、
中央に半円形凹部１８ｅを有して上方に直角に屈
曲した屈曲部１８ｃと、該屈曲部１８ｃの上端か
ら後方へ延びた傾斜部１８ｇと、下部水平面１８
ｈを有する。

なお、前方の屋根材１４の被係止部１６の上部
水平面１６ａの下面との間に例えば第２図ａに示
すようなバツク補強材１９を介在させることによ
り、上方からの押圧力に対する抗力が向上する。

次に、第４図ａは本考案の他の実施例に係る面
葺構造体を示し、第２図と同一部分は同一符号で
示し、重複した構造の説明は省略する。第２図の
ものとは相違する点は屋根材の形状で、屋根材１
４は第４図ｂに示すような係止部２０と被係止部
２１を有し、一方の屋根材１４の係止部２０とそ
れに接続する別の屋根材１４の被係止部２１は相
互に係合し合う。符号２２は吊子であり、図示の
ように屋根材１４の被係止部２１に一端を掛止め
るとともに、他端部は吊子２２を介して垂木１０
上に固定される。

以上の構成において、垂木１０は、それ自体に
それほどの強度を要求されない角筒状の垂木本体
１３と、金属板材の折曲げ成形によつて簡単に形
成することができるＴ形ジヨイナー１２とから構
成されるので、上記垂木を得るのに大形の成形設
備を必要としない。このため、安価で十分な強度
を有する垂木を製造することができ、面葺施工の
費用を低く抑えることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の面葺構造の構成説明図、第２図
ａ，ｂは本考案の建造物の面葺構造の一実施例の
構成説明図及び屋根材の連結構造の説明図、第３
図は第２図ａの面葺構造の断面図、第４図ａ，ｂ
は本考案の他の実施例に係る面葺構造の構成説明
図及び屋根材の連結構造の説明図である。 符号１……母屋、３……金属板、４……断熱
板、５……屋根材、１０……垂木、１１……Ｃ形
鋼、１２……Ｔ型ジヨイナー、１３……垂木本
体、１４……屋根材、１５……断熱板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 建造物の屋根部に横方向に並設された複数のＣ
   形鋼からなる母屋と、該母屋上に縦方向に平行に
   止着された複数の垂木と、隣り合う垂木間に支持
   された断熱板と、上記垂木上に横方向に支持され
   た屋根材とを備えるとともに、上記垂木は、起立
   縁の下端両側から外側に張出し縁を張出し形成す
   ることにより断面倒立Ｔ字形に形成してなる一対
   の金属製Ｔ型ジヨイナーを断面方形の角筒状垂木
   本体の両側に配設し、且つＴ型ジヨイナーの起立
   縁と一方の張出し縁とをそれぞれ上記垂木の両側
   面と下面とに当接して固定することによつて形成
   するとともに、上記断熱板の端部を上記隣り合う
   垂木において互いに向き合う他方の張出し縁上に
   支持させたことを特徴とする建造物の屋根の面葺
   構造。