JPH0136160Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 使用前の核燃料集合体は、貯蔵庫に林立する長
い筒状のラツクに受入れられるが、貯蔵庫内のラ
ツクは空気中に置かれ、核燃料体の損傷する惧れ
あるいは盗難にあう惧れがあるので、これを防止
するためにラツクには蓋が設けられている。

第１図及び第２図は従来の核燃料集合体の貯蔵
設備を示し、貯蔵庫ａ内に林立された核燃料集合
体を個別に受入れる10個前後のラツクｂが１枚の
鋼板製の蓋ｃで被覆され、締付ボルトｄを介して
歩廊ｅ等に固着されて盗難防止あるいは破壊行為
からの防護を図つている。

従つて核燃料集合体を点検、或いは取出す場合
には、先ず締付ボルトｄを取外し、蓋ｃをクレン
等の揚重設備で持上げて他の場所に置いておく必
要がある。

このように蓋ｃを他の場所に移すことにより始
めて核燃料集合体の所在が確認でき、且つ核燃料
集合体を炉心等の他の場所に移すことができる。
従つて核燃料集合体は１体宛持運ばれるのにもか
かわらず、蓋１個を取外すと10体前後の蓋が露出
してしまい、その分重量物を誤つて落した場合の
核燃料集合体の損傷確率が必然的に上がる。また
前記蓋ｃの開閉にはボルトｄを解緊し且つクレー
ンで揚重しなければならず、多大の手間と時間と
を要する。

また前記鋼板製の蓋ｃは重厚長大なものが使用
され、容易に開口することができないようにされ
ていた。このように蓋ｃを重厚長大にすることは
核物質の盗難防止には有効であるが、定期巡回監
視の度にクレン等を用いて蓋を開放しなければな
らず、多くの労力と時間とを費すので経済性が悪
いばかりでなく、蓋開放の頻度が増大する分だけ
核燃料集合体の損傷頻度が増大するため好ましく
なかつた。

本案はこのような欠点を除去するために提案さ
れたもので、核燃料集合体を個別に受入れる長い
筒状のラツクの林立された貯蔵庫の上部に、同貯
蔵庫を閉塞する歩廊を架設し、同歩廊における前
記各ラツクの直上に配設された開口部に、軽量で
強靭性を有する透明合成樹脂製蓋片を開閉自在、
且つ着脱自在に装着してなることを特徴とする核
燃料集合体の貯蔵設備に係るものである。

本案においては、核燃料集合体を個別に受入れ
る長い筒状のラツクの林立された貯蔵庫の上部
に、同貯蔵庫を閉塞する歩廊を架設し、同歩廊に
おける前記各ラツクの直上に配設された開口部
に、蓋片が開閉自在に装架されているので、同蓋
片が軽量の合成樹脂製蓋片より構成されているこ
とと相俟つて、蓋片１個当りの重量が軽く従来に
おけるような揚重装置を必要とせずに、人力によ
つて容易に開閉蓋操作ができ、蓋の開閉に要する
時間を短縮できる。

また本案においては１個の核燃料集合体の吊時
において、残余のラツクが閉蓋されているので、
蓋を強靭性を有する合成樹脂より構成したことと
相俟つて、重量物落下等に伴なうラツク内の核燃
料集合体の損傷を防止しうるものである。

更に前記蓋片は透明の合成樹脂製で内部透視が
可能なように構成されているので、その都度開蓋
することなくラツク内の核燃料集合体の点検が可
能となる。更にまた前記蓋片はラツクに対して着
脱自在に装着されているので、同蓋片を取外すこ
とによつて、ラツクに対する核燃料集合体の出入
が容易になり、また前記蓋片には鍵が設けられて
いるので盗難を防止できる等、本案は多くの利点
を有するものである。

以下本案を図示の実施例について説明する。

第３図及び第４図において、１は貯蔵庫２内に
林立された、核燃料集合体を個別に受入れる長い
筒状のラツクで、その下端は貯蔵庫２底面にベー
スプレート３を介して基礎ボルト４によつて支持
され、その上端近傍を貯蔵庫２内に横架され、ア
ンカー金物５で貯蔵庫周壁に碇着された架構６に
支持されている。

同架構６上に支柱７を介して歩廊８が支承され
同歩廊８における前記各ラツク１の直上に設けら
れた開口部に蓋片９が配設されている。図中１０
は歩廊８を貯蔵庫２に碇着するアンカー金物であ
る。

前記したように歩廊８に各ラツク１毎に区分配
設された蓋９は１辺の長さが約380mmの正方形状
の無色透明な合成樹脂より構成されており、例え
ば破損したとき破片が飛散してラツク内に落下す
ることのないように、また誤つてあるいは故意に
衝撃を与えて変形させても容易に割れない、強度
的に十分に信頼性のある強靭な合成樹脂であつ
て、防弾ガラスとしても実績のあるレキサンシー
ト（商品名：米国ゼネラルエレクトリツク社製品
でポリカーボネート樹脂）より構成されている。

前記蓋片９は人力で開閉できる軽量な蓋片に形
成され、第５図に示すように歩廊８におけるラツ
ク１直上の正方形状開口部の一辺に蝶番１１を介
して開閉自在に取付けられ、同蝶番１１の配設さ
れた辺の対向辺に沿つて蓋片９を開口部に錠止す
る鍵１２及び把手１３が取付けられ、更に鍵取付
部分の小ねじ、またはボルト、若しくはナツト等
を廻り止め溶接することによつて、一般汎用工具
では開放できないようになつていて、盗難防止及
び破壊防止を図つている。なお図示の実施例にお
いて、部分Ａ及びＤにおける蓋片９には把手１３
及び２個の鍵１２が取付けられ、部分Ｂ及びＣに
おいては、２個の把手１３付鍵１２が配設されて
いる。なお図中１４は前記開口部の枠片、１５は
同枠片１４と蓋片９との間に介装されたパツキン
である。

また核燃料集合体をラツク１に出入する際、邪
魔にならないように蓋９は枠片１４から取外すこ
とができるようになつている。このため蝶番１１
は第７図に示す中開き蝶番か、第８図に示す抜差
し蝶番が使用される。前記蝶番、鍵、把手、把手
付き鍵は何れも市販品でよい。

図示の実施例においては前記したように蓋片９
が透明であるので、点検の際に開蓋することなく
ラツク１内の核燃料集合体を点検でき、蓋片９は
軽量、小型であるので開閉操作はクレンや工具を
一切使用することなく歩廊８から人力で個別に行
なうことができ、更に枠片１４から蓋片９を取外
した場合、同蓋片９を一人で持運ぶことができ
る。

また図示の実施例においては蓋片９の厚さを約
12mmとして、何れの鍵１２、把手１３もこの中に
埋込んで、蓋片９上に突起物が突起することのな
いようにし、この上を人が歩けるようにするもの
である。なお図中１６，１７はナツト、１８は取
付金具、１９は取付ボルト、２０は回り止めワイ
ヤ、２１は回り止め溶接部である。

第１１図は本案の他の実施例を示し、第５図の
実施例に示す蝶番の代りに鍵１２と把手１３を取
付けた場合を示し、また把手付き鍵を取付けても
よい。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は夫々従来の核燃料集合体の
貯蔵設備の平面図並に縦断面図、第３図及び第４
図は夫々本案に係る核燃料集合体の貯蔵設備の一
実施例を示す平面図並に縦断面図、第５図及び第
６図は夫々その蓋片取付部分の平面図並に縦断面
図、第７図及び第８図は夫々本案に使用される蝶
番の分解図、第９図及び第１０図は夫々蓋片にお
ける鍵並に把手取付部の縦断面図、第１１図は蓋
片取付部分の他の実施例を示す平面図である。 １…ラツク、２…貯蔵庫、８…歩廊、９…蓋
片、１１…蝶番、１２…鍵。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 核燃料集合体を個別に受入れる長い筒状のラツ
   クの林立された貯蔵庫の上部に、同貯蔵庫を閉塞
   する歩廊を架設し、同歩廊における前記各ラツク
   の直上に配設された開口部に、軽量で強靭性を有
   する透明合成樹脂製の鍵付き蓋片を開閉自在、且
   つ着脱自在に装着してなることを特徴とする核燃
   料集合体の貯蔵設備。