JPH0135810Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ガス管、水道管、電力線や通信線の
埋設管路などの主として地中に埋設された管路に
対し、補修又は補強の目的で内張りを施す際に使
用する引き取り装置に関するものである。

前記管路に内張りを施す方法として、柔軟な筒
状の内張り材を裏返しながら管路内に挿通すると
同時に、裏返つた内張り材を流体圧力によつて管
路内面に接着するという方法が最近特に注目され
ている。この方法は、柔軟な筒状の内張り材１の
内面に予め接着剤を塗布すると共にその内張り材
１の全長に亘つて紐状長尺物２を挿通しておく。
而してこの内張り材１を収納容器３から引き出
し、圧力容器４を貫通させ、さらに誘導管５内を
通し、内張り材１の先端を誘導管５と管路６との
間に環状に固定すると共に紐状長尺物２を管路６
内を通し、引き取り装置７に接続する。この状態
で圧力容器４内に圧力流体を送入すると、内張り
材１の環状固定部分が加圧され、管路内に押し込
まれて折り返し部分８が形成される。而して引き
取り装置７を駆動して紐状長尺物２を引張ると、
内張り材１は折り返し部分８において順次裏返さ
れ、折り返し部分８は管路６内を前進する。そし
て内張り材１はその全長に亘つて裏返され、前記
接着剤を介して管路６の内面に接着されるのであ
る。

而して本考案はこの方法において使用するのに
適した引き取り装置を提供することを目的とする
ものである。ここで、使用される引き取り装置７
においては、内張り材１の裏返しをスムーズに進
行させる為にできるだけ引き取り速度の変化の少
ないものが好ましいが、その引き取り力によつて
紐状長尺物２に過度に大きい力が作用すると内張
り材１が損傷したりして不都合が生じる。

本考案はこれらの事情に鑑み、前述の如き管路
の内張り工事において使用するのに最も適した引
き取り装置を提供するものである。

而して本考案は、台板と、該台板に対して揺動
自在に支持されたレバーと、該レバーに対して回
転自在に軸支されたリールと、該リールを回転駆
動する駆動装置と、前記レバーの前上部及び前記
台板の前端部に設けられたガイドローラーと、台
板に設けられたガイドローラーに取りつけられた
速度検知装置と、該ガイドローラーの前方に設け
られたトラバース装置と、前記レバーの後下部と
前記台板との間にそれぞれ介在せしめられたスプ
リング及び荷重検知装置と、前記速度検知装置及
び荷重検知装置で測定した回転速度及び荷重によ
り前記駆動装置の駆動速度を電気的に調節する回
路とよりなるものである。

本発明の一実施例を第２図及び第３図について
説明すると、１０は台板であつてその中央部に支
持フレーム１１が固定されている。該支持フレー
ム１１の上部の軸受１２には、リール１３がシヤ
フト１４により回転自在に支持されており、駆動
装置１５のモーター１６によつて減速機１７、ス
プロケツト１８ａ，１８ｂ、チエーン１９を介し
て駆動される。リール１３の両側部には、レバー
２０ａ，２０ｂが前記軸１４を支点として揺動し
得るよう設けられている。該レバー２０ａ，２０
ｂは、リール１３の前上方から後下方にかけて延
びており、前上端にはレバー２０ａ，２０ｂ間に
ガイドローラー２１が回転自在に取りつけられて
いる。又レバー２０ａ，２０ｂの後下端間にはバ
ー２２が懸架され、該バー２２と台板１０との間
には荷重検知装置２３が介在せしめられ、又レバ
ー２０ａ，２０ｂの後下端と台板１０との間には
スプリング２４が介在せしめられていて、前記荷
重検知装置２３に過度の荷重が加わるのを防止し
ている。

台板１０の前端には相対向する一対の側板２５
ａ，２５ｂが固定されており、該側板２５ａ，２
５ｂ間にはガイドローラー２６が回転自在に軸支
されている。そして該ガイドローラー２６の一端
には、速度検知装置（図示せず）が取りつけら
れ、ガイドローラー２６の回転速度を検知するよ
うになつている。

ガイドローラー２６の前方には、トラバース装
置２７が設けられている。トラバース装置は、第
４図及び第５図に示すようなものであつて、前記
側板２５ａ，２５ｂ間にスクリユーバー２８及び
その上下にスライドバー２９，３０が平行に懸架
されており、スクリユーバー２８は駆動モーター
（図示せず）により回転せしめられるようになつ
ている。トラバース装置２７はその一側部にスラ
イド板３１が設けられ、ブツシユ３２及び雌ねじ
ブツシユ３３によりそれぞれスライドバー２９及
びスクリユーバー２８に嵌合している。３４はス
リーブであつてスライドバー３０に摺動自在に嵌
合され、且つその一端は前記スライド板３１に嵌
合されている。該スリーブ３４には両端部に一対
のローラー３５ａ，３５ｂが、それぞれクランプ
３６ａ，３６ｂによつて取りつけられている。而
して駆動モーターによりスクリユーバー２８を回
転させると、トラバース装置２７はスクリユーバ
ー２８のねじによつて送られ、スライドバー２
９，３０に添つて右（又は左）方向へ移動する。
そしてそれが右（又は左）の端まで移動すると、
そこで駆動モーターの回転が逆転し、スクリユー
バー２８は逆に回転してトラバース装置２７は左
（又は右）方向に移動するようになつており、こ
れによつてトラバース装置２７は左右に往復する
のである。

このトラバース装置２７には、防汚フイルム供
給装置３７が取りつけられている。前記スリーブ
３４の両端部に取りつけられたフレーム３８の両
側に、それぞれ前方へ延びる一対のアーム３９，
４０が設けられ、その先端に柔軟なプラスチツク
のフイルム４１ａ，４１ｂをコイル状に巻いたロ
ール４２ａ，４２ｂが回転自在に取りつけられて
いる。フレーム３８の下部には脚４３が取りつけ
られ、該脚４３の先端には転輪４４が取りつけら
れており、前記台板１０の前端縁に固定されたレ
ール４５上を転動するようになつている。

本考案においては、荷重検知装置２３及び速度
検知装置からの信号を駆動装置１５にフイードバ
ツクし、駆動速度を電気的に調節するようになつ
ており、切換えスイツチにより荷重が一定となる
ようにする定荷重モードと、紐状長尺物２の引き
取り速度が一定となる定速モードとを選択できる
ようになつている。

而して、本考案の引き取り装置を使用して紐状
長尺物２を引き取つて管路に内張りする方法を説
明すると、内張り材１に挿通された紐状長尺物２
は、管路６内を通り、その先端は引き取り装置の
前方からロール４２ａ，４２ｂ間を通り、防汚フ
イルム４１ａ，４１ｂで挾まれ、該防汚フイルム
と共にローラー３５ａ，３５ｂ間を通り、ガイド
ローラー２６，２１に掛け亘され、リール１３の
外周に巻回される。そして駆動装置１５を駆動
し、リール１３を回転させ、紐状長尺物２を引き
取るのである。第１図の内張り工事においては、
引き取り装置は定荷重モードで運転するのが適当
である。定荷重モードにおいて紐状長尺物２に加
わる荷重が増加すると、ガイドローラー２１に下
向きの力が加わり、レバー２０ａ，２０ｂは軸１
４を支点として反時計方向に揺動する。これによ
つて荷重検知装置２３に内張り力が作用してその
荷重を検出し、駆動装置１５にフイードバツクさ
れ、リール１３の回転速度は低減される。リール
の回転速度が減少することにより紐状長尺物に加
わる荷重が減少すると、レバー２０ａ，２０ｂ
は、スプリング２４により時計方向に揺動せしめ
られ、荷重検知装置２３に加わる荷重が減少し、
リール１３の回転速度は増加される。

内張り工程においては、管路６に屈曲があると
内張り材の裏返しに要する力が増すのであるが、
このような場合にも引き取り速度を若干減少させ
ることによつて過度に大きな荷重が加わるのを防
止し、内張り材１や紐状長尺物２が損傷すること
はない。又、一般に内張り材の反転の初期と末期
には荷重が小さく、中期には大きな荷重を要する
のであるが、その工程の進行に伴つて設定荷重を
変更することにより、引き取り速度の変動の幅を
小さくすることが好ましい。

又、内張り工事に当つては、その前後にクリー
ニングや検査等の作業を要し、この際にも管路６
内を通して紐状長尺物を引張ることが必要である
が、この時は定速モードで行うのが良い。

第７図は本考案の他の実施例を示すものであつ
て、レバー２０ａ，２０ｂはその中央下部におい
て台板１０上の軸受４６に揺動自在に支持されて
おり、該レバー２０ａ，２０ｂの中央にリール１
３が回転自在に軸支されている。この例において
は、レバー２０ａ，２０ｂはリール１３と共に揺
動することになる。

本考案においては、防汚フイルム供給装置３７
は必須のものではないが、引き取られた紐状長尺
物２が内張り材１内に塗布された接着剤にまみれ
ていると、その接着剤がリール１３等に付着して
固化し除去できなくなるので、このような場合に
は防汚フイルム供給装置３７を設け、紐状長尺物
２を防汚フイルムで包んで引き取るようにするの
が良い。

本考案によれば、速度検知装置と荷重検知装置
２３とにより測定されるリール１３の回転速度及
び引き取り荷重が、リール１３を回転駆動する駆
動装置１５にフイードバツクされ、その駆動速度
を調節するようになつているので、内張り材１を
裏返しながら管路６に挿通して内張りする作業に
おいては、荷重検知装置からの信号により駆動速
度をコントロールして、紐状長尺物２を一定荷重
において引き取ることができ、管路６に屈曲部等
があつても、引き取り速度を若干増減させること
により、過度に大きな荷重が加わるのを防止する
ことができる。また内張り材の裏返しの進行に伴
い、荷重検知装置の設定荷重を調節することによ
り、引き取り速度の変動幅を小さくすることも可
能である。

さらに、管路のクリーニングや検査等の作業に
おいては、速度検知装置からの信号で駆動速度を
コントロールすることにより、紐状長尺物の引き
取り速度を一定の速度で行うことができ、効率良
く作業を行うことができるのである。

従つて、本考案によれば、単に内張り材の反転
挿通の作業のみならず、管路の内張り工事の全体
において使用する引き取り装置として使用するこ
とができ、この工事を効率良く行うことができる
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の装置の使用状態を示す概念
図である。第２図及び第３図は本考案の実施例の
側面図及び正面図である。第４図及び第５図は防
汚フイルム供給装置を除くトラバース装置の正面
図及び−断面図であり、第６図はトラバース
装置及び防汚フイルム供給装置を示す−断面
図である。第７図は本考案の他の実施例の側面図
である。 １０……台板、１３……リール、１５……駆動
装置、２０ａ，２０ｂ……レバー、２１，２６…
…ガイドローラー、２４……スプリング、２３…
…荷重検知装置、２７……トラバース装置、３７
……防汚フイルム供給装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 台板１０と、該台板に対して揺動自在に支持さ
   れたレバー２０ａ，２０ｂと、該レバーに対して
   回転自在に軸支されたリール１３と、該リールを
   回転駆動する駆動装置１５と、前記レバーの前上
   部及び前記台板の前端部に設けられたガイドロー
   ラー２１，２６と、台板に設けられたガイドロー
   ラー２６に取りつけられた速度検知装置と、該ガ
   イドローラー２６の前方に設けられたトラバース
   装置２７と、前記レバーの後下部と前記台板との
   間にそれぞれ介在せしめられたスプリング２４及
   び荷重検知装置２３と、前記速度検知装置及び荷
   重検知装置で測定した回転速度及び荷重により前
   記駆動装置の駆動速度を電気的に調節する回路と
   よりなる管路内張り用引き取り装置。