JPH0134840Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 この考案は避雷器素子を内蔵した箱形高圧カツ
トアウトに関するものである。

目 的 この考案の目的は避雷器素子の支持構造を簡単
にして、箱形の高圧カツトアウトに避雷器素子を
組付ける際にその組付けを簡単に行うことがで
き、又、避雷器素子を収納するための収納凹部の
気密を容易に行うことができ、さらにヒユーズ筒
の取換作業等においてもその作業を安全に行うこ
とができる避雷器素子を内蔵した高圧カツトアウ
トを提供することにある。

実施例 以下、この考案を具体化した一実施例を図面に
従つて説明すると、箱形の本体碍子１内には隔壁
２により上下に一対電源側電極室３及び負荷側電
極室４が区画形成されている。同電源側及び負荷
側の電極室３，４内には各固定電極５，６ととも
に各消弧室７，８がそれぞれ固設されるととも
に、その各固定電極５，６には電源側及び負荷側
の線路に対して接続される端子がそれぞれ設けら
れている。

前記本体碍子１の腹側には蓋体碍子９が開閉自
在に軸着され、その蓋体碍子９の内側には前記各
固定電極５，６に対応して突設された電源側及び
負荷側の接触刃１０，１１を有するヒユーズ筒１
２が取り換え可能に装着されている。

本体碍子１の背側下部には本体碍子１の背面に
沿つて負荷側の電極室４と直交させる方向に避雷
器素子収納凹部１３が形成されている。そして、
同素子収納凹部１３の内端には前記負荷側電極室
４に連通する透孔１４が形成されている。

前記負荷側固定電極６を負荷側電極室４に固定
する支持金具１５はその基端部が電極室４の底部
に接着剤１６にて固定されるとともに先端部が同
じく電極室４の底部に接着剤１７にて固定される
導体片１８の一端に接続されている。同導体片１
８の他端は前記接着剤１６部を介して透孔１４に
対応するように延出され、その先端部にはネジ孔
１８ａが設けられている。なお、１９は前記透孔
１４に対応する負荷側電極室４の最深の底部に嵌
入された弾性を有する規制部材であつて、前記支
持金具１５及び消弧室８の基端を接着剤１６固定
する際にその接着個所を規制するようになつてお
り、同セメンチング１６により埋殺される。

収納凹部１３には充電側電極２０が透孔１４を
介しながら前記導体片１８の他端に螺合により電
気的に接続されるとともに支持固定される避雷器
素子２１が収納され、避雷器素子２１と収納凹部
１３間に形成される間隙には避雷器素子２１を収
納した後ウレタン樹脂等の充填剤２２が注入され
て気密を保持し得るようになつている。

避雷器素子２１について説明すると、避雷器素
子２１は酸化亜鉛ZnOを主体に数種の金属酸化物
を微量添加して焼成された、無続流特性にすぐれ
た非直線抵抗素子２３を端面環状に形成して複数
個を互いに積層し、且つ、その中心孔２３ａに対
し一端がアース側電極２４に固着された合成樹脂
製の絶縁棒２５を挿通し、絶縁棒２５の他端を充
電側電極２０にピン２６着することにより両電極
２０，２４間が支持されるとともに両電極２０，
２４にて非直線抵抗素子２３が直接挾着されてい
る。従つて、両端の非直線抵抗素子２３は両電極
２０，２４にそれぞれ電気的に接続されている。

なお、充電側電極２０には前記導体片１８先端
部に設けたネジ孔１８ａに螺合可能なネジ部２０
ａが設けられ、一方、アース側電極２４の外周に
は後記するキヤツプ状の放電電極２８と螺合可能
なネジ部２４ａが設けられている。そして、非直
線抵抗素子２３をシリコンゴム等のコーテイング
部材によりコーテイングを行つた後、全体を熱硬
化性エポキシ樹脂にて絶縁モールド２７加工する
ことにより避雷器素子２１が形成されている。

従つて、避雷器素子２１は導体片１８に螺合し
た際に、確実に収納凹部１３内にて収納固定され
る。

前記収納凹部１３の開口端１３ａより外方に配
置される前記避雷器素子２１のアース側電極２４
はその外周にキヤツプ状の放電電極２８が螺合さ
れており、又、前記収納凹部１３の開口端１３ａ
外周には同開口端１３ａを覆うように放電電極２
８外周に密嵌される絶縁性の保護キヤツプ２９が
水密を保持しながら、エポキシ樹脂等の接着剤に
て接着されている。

本体碍子１の背面には腕金３０に対してカツト
アウトを支持する支持金具３１が固定され、支持
金具３１の先端部には接地金具３２が一体に形成
されている。接地金具３２の先端部は避雷器素子
２１の放電電極２８に対し保護キヤツプ２９の中
央に設けた透孔３３を介して所定の放電ギヤツプ
を以て対向配置されるように本体碍子１の背面よ
り延出されている。

さて、上記のように構成されたカツトアウトは
雷サージがカツトアウトに侵入しても避雷器素子
２１により放電電極２８、接地金具３２、及び支
持金具３１を介して放電するので、カツトアウト
自身の破損は勿論、カツトアウトの負荷側に接続
される変圧器等の配電機器を雷サージから保護す
る。

又、避雷器素子２１の本体碍子１への取付けは
その充電側電極２０のネジ部２０ａを透孔１４を
介して導体片１８先端部のネジ孔１８ａに螺合す
るだけでよいので簡単に行うことができるととも
に電気的接続も同時に行われるためその組付作業
は簡便なものとなる。

又、避雷器素子２１は充電側電極２０及びアー
ス側電極２４間が非直線抵抗素子２３の中心孔２
３ａに挿通される絶縁棒２５にて支持される構造
となつているため非直線抵抗素子２３の組付時の
心出が容易に行ない得るとともに支持構造を簡易
なものにすることができる。そして、避雷器素子
２１は絶縁モールド２７されているので収納凹部
１３の開口端１３ａにおける避雷器素子２１のた
めの気密は厳密にする必要がなく製作を簡単に行
うことができる。

又、本体碍子１内部との気密は避雷器素子２１
が一体的に形成されているため避雷器素子２１を
収納凹部１３に収納固定された際、避雷器素子２
１と収納凹部１３間に形成される間隙に充填剤２
２を注入するだけで容易に行うことができる。さ
らに避雷器素子２１の放電電極２８は保護キヤツ
プ２９により直接に外部に露出しないため、ヒユ
ーズ筒１２の取換作業時や、カツトアウトの腕金
３０に対する取付時にも安全である。

効 果 以上詳述したようにこの考案は、各非直線抵抗
素子が絶縁棒両端に固着された充電側電極及びア
ース側電極により強固に直接挾着されているの
で、積層された非直線抵抗素子に対して外部から
ばね力を加える必要がなく加圧ばね部材と収納凹
部の加圧ばねスペースを省略することができ、し
かも避雷器素子を小型化することができ、また充
電側電極、非直線抵抗素子及びアース側電極の外
周面を絶縁モールド加工して避雷器素子を一体形
成しているので避雷器素子の気密は充分に保持さ
れ、しかも一体形成された避雷器素子の充電側電
極には導体片先端部のネジ孔と螺合可能なネジ部
が設けられているので避雷器素子を本体碍子に取
付ける際には、避雷器素子の充電側電極を導体片
に螺合するだけで両者は同時に電気的にも接続で
きるので組付け作業が容易であり、さらに避雷器
素子は収納凹部内において、充填剤及び放電金具
により気密保持されているので、保護キヤツプの
透孔から雨水等が入つても避雷器素子が支障を受
けることがなく、また放電電極は保護キヤツプに
より直接に外部に露出しないのでヒユーズ筒の取
換作業等も安全に行なうことができるという優れ
た効果を奏し、産業利用上優れた考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を具体化した一実施例を示す
断面図、第２図は同じく避雷器素子の部分断面図
である。 １……本体碍子、３……電源側電極室、４……
負荷側電極室、５，６……固定電極、７，８……
消弧室、９……蓋体碍子、１２……ヒユーズ筒、
１３……避雷器素子収納凹部、１３ａ……開口
端、１４……透孔、１８……導体片、１８ａ……
ネジ孔、２０……充電側電極、２０ａ……ネジ
部、２１……避雷器素子、２２……充填剤、２３
……非直線抵抗素子、２３ａ……中心孔、２４ａ
……アース側電極ネジ部、２４……アース側電
極、２５……絶縁棒、２８……放電電極、２９…
…保護キヤツプ、３２……接地金具、３３……透
孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 上下に一対の電極室３，４を設け、同電極室
   ３，４に固定電極５，６及び消弧室７，８を内装
   した本体碍子１に対し、ヒユーズ筒１２を内側に
   備えた蓋体碍子９を開閉自在に軸着してなる高圧
   カツトアウトにおいて、 前記本体碍子１の背面に沿つて前記下部の電極
   室４とは直交する方向に避雷器素子収納凹部１３
   を形成し、同避雷器素子収納凹部１３の内端には
   前記下部の電極室４に連通する透孔１４を穿設す
   るとともに、同透孔１４内には前記下部の固定電
   極６から先端部にネジ孔１８ａを設けた導体片１
   ８を延出させ、 一方、それぞれ中心孔２３ａを有する非直線抵
   抗素子２３を複数個互いに積層するとともに前記
   中心孔２３ａに絶縁棒２５を挿通し、同絶縁棒２
   ５の各端部に対してアース側電極２４及び充電電
   極２０をそれぞれ固着して両電極２４，２０によ
   り前記非直線抵抗素子２３を直接挾着し、さらに
   充電側電極２０にネジ部２０ａを設けるとともに
   同充電側電極２０、非直線抵抗素子２３及びアー
   ス側電極２４の外周面を絶縁モールド加工するこ
   とにより避雷器素子２１を一体形成し、 前記収納凹部１３に避雷器素子２３を収納する
   にあたり前記導体片１８のネジ孔１８ａに対し前
   記透孔１４を貫通する避雷器素子２１の充電側電
   極２０のネジ部２０ａを螺合させることによつ
   て、導体片１８及び充電側電極２０を電気的に接
   続するとともに避雷器素子２１を前記収納凹部１
   ３内に収納固定し、避雷器素子２１及び収納凹部
   １３間の間隙には充填剤２２を注入するととも
   に、避雷器素子２１のアース側電極２４の外周に
   はキヤツプ状の放電電極２８を水密を保持しなが
   ら取着し、 さらに、前記収納凹部１３の開口端１３ａを絶
   縁保護キヤツプ２９にて覆い、同保護キヤツプ２
   ９の中央に設けた透孔３３に対応して本体碍子１
   背面より延出した接地金具３２の端部を前記放電
   電極２８に対し、所定の放電ギヤツプを以つて対
   向配置したことを特徴とする避雷器素子内蔵の高
   圧カツトアウト。