JPH0134579B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、主として畑を移動自在な本体と、こ
の本体に担持された作物収穫手段よりなる、畝状
に並んだ作物を掻き集めるための作物掻集装置に
関する。

このような作物掻集装置は、例えば、作物の梱
包を作る梱包機ないしプレスの如きの作物処理機
械と度々組合せて使われている。この作物処理機
械と組合せて使うに当つては、作物の流れないし
機械の巾は、作物の流れの嵩にむらが出る、即
ち、梱包の大きさが異つてしまうのを避けるとと
もに、掻集手段が効率よく稼動し得るようにする
ために、出来るだけ均一であるのが重要である。

従つて、本発明は、本体の移動方向に対する作
物掻集手段の前方に、作物を前記作物掻集手段の
巾一杯に均一に広げるための被駆動部材を設けた
ことを特徴とするものである。

本発明の一実施例においては、被駆動部材、即
ち、拡散部材は、少くとも１本の下方に延在する
棒状体に形成されていて、横方へ往復稼動するよ
うにしても良い。

また、別の実施例としては、拡散部材を横軸を
中心に回転自在とし、その拡散部材に、螺旋に沿
つて配置された作物係合機素を設けるようにして
も良い。

以後、添付図面を参照しながら本発明の実施例
に詳述する。

第１図と第２図とは本発明の第一実施例に係わ
るものであつて、作物掻集装置の前面図と側面図
を夫々示すものである。これらの図面に示された
作物掻集装置は、本体１よりなり、この本体１に
回転駆動されるスパイク３が設けられた掻集機２
が配置されている。本体１は、畑において第２図
にて矢印P1にて示した方向に移動自在である。
掻集機２の前方に配置されているものは拡散部材
４であつて、この拡散部材４は、頂端が水平ピン
６により枢支された２本の下方に延在する棒状体
５で構成されている。水平ピン６は、本体１に固
着させたピン８を中心に回転するように支持され
た揺動アーム７の自由端に取り付けられている。
この揺動アーム７には、連結棒１１を連結するた
めのピン１０を受承する複数の穴９が穿孔されて
いる。連結棒１１の他端は、中心から互いに異つ
た距離だけ隔てて穿孔された複数の孔１３を有
し、かつ、移動方向P1と平行に延在した駆動シ
ヤフト１５によりベルトないしチエーン等の駆動
力伝達部材１４を介して回転されるデイスク１２
に連結されている。

拡散部材４の棒状体５は、矢印P1の方向に引
きずられる。第２図に示すように、この棒状体５
は、第２図にて実線にて示した位置から後方へ、
更に後方へとまわることは出来ないが、後方へと
弾性力に抗してわずかだけ屈曲し得る。更に後方
へまわることが出来ないのは、棒状体に固着させ
た係止部材１６が揺動アーム７の係止板１７に当
接するからである。

しかしながら、このような構成でも、棒状体５
は、第２図において点線１８にて示した位置ま
で、前方へまわることが出来る。このようにして
あるのは、装置が後方へ移動する時に棒状体、即
ち、拡散部材が破損するのを防ぐことが出来る。

第１図と第２図とに示した装置は下記の如く作
用するものである。

装置が方向P1に向つて前進している間、機素
１３，１４，１５よりなる駆動機構により、揺動
アーム７が矢印P2に沿つて揺動させられる。そ
れ故、棒状体５は、移動方向P1に対して直交す
る方向に往復運動を行う。そこで、畝状に集めら
れている作物の列Ｚに近ずくと、棒状体５は揺動
しながら作物を矢印P3の方向へと、そして、例
えば、拡散部材４の両側において本体１に配置し
たゴム製の側エプロン１８の方へと拡散する。こ
のように、作物の山は、掻集機２の巾一杯、均一
に広げられるのである。

第３図は本発明の第二実施例に係わるものであ
つて、この実施例においては、拡散部材４は、本
体１に回転自在に支持された被駆動ローラ２０で
構成されている。このローラ２０には、螺旋歯車
ないしスクリユー形状の作物係合ないし作物拡散
手段２１が設けられている。第３図においては、
手段は連続した螺旋状壁として図示されている
が、この壁は棒状部材とおきかえることが出来る
のは言うまでもない。図面から明らかなように、
ローラ２０を正確な方向へ回転させることによ
り、列Ｚをなしている作物を矢印P3の方向へと
両側に拡げることが出来る。また、この実施例に
おいても、両側において可撓性エプロン１８が本
体１に取り付けられている。掻集機２としては第
一実施例について説明したのと同一構成であつて
も良い。

第４図に示した実施例においては、拡散部材４
は、下方に延在する棒状体５を支持するスリーブ
４０よりなり、このスリーブ４０は、本体に固定
した支持棒４１に装架されていて、矢印P4に沿
つて往復摺動するように構成されいる。この往復
摺動は、移動方向P4に沿つて延在する回転軸を
有する回転デイスク４２と、デイスク４２とスリ
ーブ４０とを連結する連結棒４３よりなる駆動機
構によつて行なわれる。即ち、この駆動機構は、
デイスク４２が矢印の方向へ回転すると、スリー
ブ４０が支持棒４１に沿つて矢印P4の方向へ往
復移動するように構成されている。

第５図に示した実施例においては、シヤフト５
１は本体１に回転自在に支持されていて、矢印
P5の方へ回転するようになつている。このシヤ
フト５１には斜板５２がシヤフト５１と共に回転
するように装架されている。この斜板５２は、シ
ヤフト５１の回転に伴つて、実線の状態から点線
の状態へと揺動しつつ回転する。斜板５２の円周
部は、棒状体５を支持している保持用スリーブ５
３に形成された溝状の凹所に嵌合されている。こ
のスリーブ５３のためのガイド（図示せず）によ
り、デイスク５２が揺動しつつ回転すると、スリ
ーブ５３は往復摺動するのは明らかである。

第６図に、本発明による作物拡散装置を備えた
作物梱包機の実施例を示す。

第６図に示した梱包機は、主として、複動式ラ
ム６２を保持した水平梱包室６１よりなり、この
梱包室６１は、接地走行用車輪６４と、トラクタ
ーないし類似の車両と連結するための連結レバー
６５とを有する本体６３により担持されている。
装置はトラクターにより矢印P6に沿つて畑で移
動させられる。

ラム６２は、供給口６６を横切つて放出口６７
まで移動自在であり、このために、梱包室６１の
後方において、その両側に駆動機構が配置されて
いる。各駆動機構は、流体圧作動式ラム６８と、
自由端がラム６２と連結された押圧体７０に連結
されているピストン棒６９よりなる。押圧体７０
は、ラム６８の両側において延在し、かつ、ラム
６２の耳部に固定されている２本の中空ビームで
構成されている。

ラム６２の耳部は、梱包室６１の側壁に穿孔し
たスロツトを貫通している。

ピストン棒６９と反対側のシリンダー６８の端
部は、連結棒７１を介して、梱包室６１の、上方
に枢動自在な後壁７２の枢支点に連結されてい
る。

後壁７２は、ロツクボルト７３により、閉塞押
圧位置にロツクすることが出来る。

供給口６６は、閉塞部材ないしフラツプ７４で
閉じることが出来る。このフラツプ７４は、ラム
６２の移動方向と直交し、かつ、放出口６６の開
口面と平行に延在するシヤフト７５を中心に36゜
にわたつて回転し得るようになつている。

補助室ないし補助空間７６は、供給口６６と連
通しており、第６図の右側に示したこの補助室７
６の入口は、この補助室がなすほぼ円形扇状の形
状に対して接線方向に向いている。

入口には、前述の形式の作物掻集機７７が設け
られている。この作物掻集機７７は、地面から作
物を掻き集めて、補助室７６へと搬送する作用を
なすものである。押出し部材７８は、作物を更に
深く補助室７６へと押し込むものであつて、長円
形の軌跡を描いて移動するようになつているの
で、これらの押出し部材７８の下端は図面に示し
た閉塞軌跡を描く。

掻集機７７の前方には、例えば、第１図に示し
た如くの拡散部材が配置されている。

下方に延在している棒状体５は、列Ｚをなして
いる作物の山を掻集機７７の前方で均一に拡散さ
せるので、作物は巾一杯均一に広げられた状態
で、補助室７６を経て梱包室６１につめ込まれ
る。梱包室６１にて梱包された、点線Ｂにて示す
作物は、均一な嵩につめこまれている。

上記のように、本発明は、掻集機の前方で、作
物の山が掻集機の巾一杯に、均一に広げられるよ
うになつているから、梱包体の大きさがほぼ同じ
になるとともに、掻集機が効率よく稼動し得るよ
うになる。

本発明は前述の実施例に限定されるものではな
く、例えば、エプロン１８は、合成樹脂製エプロ
ン以外の形状に構成することが出来る。

更に、５つの棒状体を隣り合つて配置すること
も出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図と第２図とは、本発明の第一実施例によ
る装置の前面図と側面図、第３図は、第二実施例
による装置の前面図、第４図と第５図とは、拡散
部材の駆動機構の変形例を示す説明図、第６図
は、本発明を実施した装置を有する作物梱包機の
一部断面側面図。 １……本体、２……掻集機、４……拡散部材、
５……棒状体、２０……拡散ローラ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 畑を横切つて移動するようになつている本体
   と、この本体に担持されている作物掻集手段とよ
   りなる作物掻集装置において、前記本体の移動方
   向に対する前記作物掻集手段の前方に、作物を前
   記作物掻集手段の巾一杯に均一に広げるための被
   駆動部材を設けたことを特徴とする作物掻集装
   置。 ２ 特許請求の範囲第１項に記載のものであつ
   て、前記被駆動部材は、前記移動方向に対して直
   交する方向に往復稼動するようになつていること
   を特徴とする作物掻集装置。 ３ 特許請求の範囲第１項または第２項に記載の
   ものであつて、前記被駆動部材は、少なくとも１
   本の下方に延在する拡散棒よりなることを特徴と
   する作物掻集装置。 ４ 特許請求の範囲第３項に記載したものであつ
   て、棒状の被駆動部材は、下方に延在した状態を
   呈す位置から、前方かつ上方へと揺動し得るよう
   になつていることを特徴とする作物掻集装置。 ５ 特許請求の範囲第１項から第４項のいづれか
   に記載のものであつて、前記被駆動部材は、前記
   本体の移動方向に引きずられることを特徴とする
   作物掻集装置。 ６ 特許請求の範囲第１項に記載のものであつ
   て、前記被駆動部材は、横軸を中心に回転自在で
   あるとともに、スクリユーコンベヤーの形をした
   作物係合機素が設けられていることを特徴とする
   作物掻集装置。 ７ 特許請求の範囲第１項から第６項のいづれか
   に記載のものであつて、前記被駆動部材の両側に
   おいて、作物保持機素を前記本体に設けたことを
   特徴とする作物掻集装置。 ８ 特許請求の範囲第７項に記載のものであつ
   て、前記作物保持機素は、可撓性エプロンで構成
   されていることを特徴とする作物掻集装置。 ９ 特許請求の範囲第１項から第８項のいづれか
   に記載のものであつて、前記作物掻集手段は、複
   数の回転されるスパイクよりなることを特徴とす
   る作物掻集装置。