JPH0134181B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は配電盤を据付ける場合に最適な運搬台
車に関する。

［従来技術及び発明が解決しようとする課題］ 一般的に配電盤を運搬して据付ける場所に配置
させるための運搬手段としては、配電盤をコロ、
ローラーコンベアー等で移動させるようになつて
いる。しかしこれらのコロ、ローラーコンベアー
は配電盤を持ち上げた後にこれらの配電盤の下へ
挿入する必要があり、据付位置ではこれらを再び
引き抜く必要がある。またコロ、ローラーベアリ
ングの回転により運搬を行うが、運搬中の方向転
換が困難である。特にこれらの運搬手段では重心
が高く、床面積の小さいものは運搬時に安定性を
欠く欠点がある。

また本発明者は独自に配電盤をポリエチレン薄
板へ搭載して運搬する手段や、門形吊耳部を用い
たエアーパレツト式運搬手段も用いている。しか
しポリエチレン薄板を用いる場合には方向転換は
容易であるが前記コロ、ローラーベアリングを用
いた場合と同様の欠点を有している。更にエアー
パレツト式の運搬手段では、配電盤の上部を吊り
上げるための移動時に不安定となる問題はなく、
またコロを用いた場合のように所定位置に運搬後
これを引き抜く必要はないが、建設現場のように
床面に凹凸の多い場所ではエアーパレツト使用条
件の整備に手間がかかり実用的でない。

また本発明者は既に俯仰可能な吊り上げブーム
を有した運搬台車を提案しているが、この運搬台
車は小型の配電盤に特に効果的であり、大型の配
電盤運搬には適していない。

本発明は上記事実を考慮し、天井が低く、狭い
場所でも使用することができ、かつ大型の配電盤
等の被運搬物にも適用可能な運搬台車を得ること
が目的である。

［課題を解決するための手段］ 本発明に係る運搬台車は、吊り上げブームを俯
仰可能に軸支する台車本体を一対互いに対向して
配置すると共に、台車本体の各々から先端に車輪
を有する一対の伸縮腕を両台車本体間で伸縮自在
に突出させ、更に両吊り上げブーム間を吊りビー
ムで連結した構成となつている。

［作用］ 上記構成の運搬台車にあつては、伸縮腕を収縮
した状態で台車本体を被運搬物の両側に配置し、
被運搬物を吊りビームで吊り上げた後に伸縮腕を
伸長させて、この伸縮腕上に被運搬物を載置して
運搬することができると共に、吊り上げブームの
俯仰角度の調節により吊りビームの高さ及び台車
本体間の距離が可能となる。

［実施例］ 本発明を配電盤運搬台車として用いた実施例に
ついて説明する。

第１図〜第４図に示されるごとく第１実施例に
係る配電盤運搬台車は伸縮腕１４，１６が取付け
られた台車１０１，１０２を備えている。

まず台車１０１について第１図を参照して説明
する。台車１０２も台車１０１と同一の構成であ
る。台車本体１２は平面形状が略コ字状とされて
おり、このコ字状の中央部付近に吊り上げブーム
１８の基部が軸支されて俯仰可能となつている。

このブーム１８は台車本体１２との間に取りつ
けられた油圧シリンダ２８の駆動力で俯仰角度が
調整される。

また伸縮腕１４，１６は台車本体１２に対して
伸縮可能とされており、この伸縮腕１４，１６の
先端部へそれぞれ軸支された車輪３０及び台車本
体１２の略中央部へそれぞれ軸支された車輪３２
によつて台車本体１２が接地されるようになつて
いる。この車輪３０，３２は垂直軸回りにも回転
可能であり、必要に応じてその回転を機械的にロ
ツクできるようになつている。なお、伸縮腕１
４，１６の台車本体１２に対する相対移動は手
動、油圧、電動等を利用することができる。

この実施例では台車１０１，１０２を用いて大
型の配電盤２４１を運搬するようになつている。

これらの台車１０１，１０２はそれぞれ伸縮腕
１４，１６の先端部が結合手段３６で互いに連結
できるようになつている。またブーム１８の先端
部間には吊りビーム３８が取付けられている。こ
の吊りビーム３８には適宜間隔をおいて配置され
た油圧ジヤツキ４０、吊天秤４２が取りつけられ
ており、これらの吊天秤４２が配電盤２４１の吊
耳部２６へ係止されるようになつている。また各
台車１０１，１０２の吊り上げブーム１８と吊り
ビーム３８との連結角度を固定するためにブー
ム、ビーム連結材４４が設けられている。この連
結材４４は、ブーム１８の俯仰角に応じて伸縮で
きるようになつている。

また油圧ジヤツキ４０、油圧シリンダ２８は同
一の油圧ポンプの油圧を用いることができ、必要
に応じてこの油圧を弁の切換えによつて伸縮腕１
４，１６の伸縮用駆動力として用いることもでき
る。

このように構成された第１実施例の作用を説明
する。

台車１０１，１０２の伸縮腕１４，１６をそれ
ぞれ伸縮させて第２，３図に鎖線で示される車輪
３０の状態とし、これによつて台車１０１，１０
２を第１図に示されるごとく門形状とする。この
台車１０１，１０２を大型の配電盤２４１を囲う
状態で配電盤２４１の周囲へ配置する。

この状態で吊りビーム３８の油圧ジヤツキ４０
によつて吊天秤４２を介して、または油圧ジヤツ
キ２８を駆動してブーム１８を回動して配電盤２
４１を吊り上げる。

この場合のブーム仰角は、配電盤２４１と干渉
することなく、かつ伸縮腕１４，１６を縮めた場
合を想定し、ブーム１８の先端部の吊り荷荷重点
重心が伸縮腕１４，１６及び台車本体１２の車輪
３０，３２の中間にくるようにして吊り上げ時に
不安定にならないようにする。

配電盤２４１が伸縮腕１４，１６よりも若干上
方に吊り上げられた状態で、伸縮腕１４，１６を
再び伸長させ、この後に配電盤２４１を降下すれ
ば、配電盤２４１は伸縮腕１４，１６上へ載置さ
れるので安定して運搬することができる。

台車１０１，１０２を据付位置まで配置した後
には上記と逆の作動により配電盤を据付ける。

このように本実施例では台車１０１，１０２を
吊りビームで連結することにより、大型の配電盤
２４１を運搬することができ、特に配電盤２４１
の幅寸法が台車１０１，１０２の台車本体１２に
おける両脚部間寸法よりも大きな場合にも運搬可
能となる。

次に第５，６図には本発明の第２実施例が示さ
れている。

第５図に示されるごとくこの実施例では既に配
置された、又は据付中で配電盤２４２，２４３を
既に据付けて配電盤２４４を据付ける状態が示さ
れており、特に配電盤２４４を配電盤２４３へ密
着して取り付ける場合の実施例である。

この配電盤２４４の幅寸法は台車本体１２の開
口部寸法よりも小さいが、奥行き、すなわち第５
図左右方向寸法が大きく一台の運搬台車では運搬
不可能な状態である。

従つてこの実施例でも二台の台車１０１，１０
２を連結して用いており、伸縮腕１４，１６が伸
縮自在であるため、これらの伸縮腕を収縮させて
配電盤２４４との干渉を回避しつつ配電盤２４３
へ密着して取り付け可能となつている。

なお上記各実施例に加えて、台車本体１２の伸
縮腕取り付け部分、すなわち両脚部間寸法を伸縮
可能としたり、ブーム１８の長さをそれぞれ伸縮
可能としてもよい。

［発明の効果］ 以上説明したごとく、本発明に係る運搬台車で
は、吊り上げブームを俯仰可能に軸支すると共に
一対の伸縮腕を突出させて伸縮可能とした台車本
体を吊りビームで２台連結しているので、天井が
低く狭い場所でも移動可能であり大型の配電盤を
も運搬可能とすることができる、という優れた効
果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例の運搬台車の斜視図、
第２図は第１実施例の骨組み構造を示す正面図、
第３図は第２図の平面図、第４図は第２図の右側
面図、第５図は本発明の第２実施例を示す平面
図、第６図は第２実施例の正面図である。 １２……台車本体、１４，１６……伸縮腕、１
８……吊り上げブーム、３８……吊りビーム、１
０１，１０２……台車、２４１……配電盤。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 吊り上げブームを俯仰可能に軸支する台車本
   体を一対互いに対向して配置すると共に、台車本
   体の各々から先端に車輪を有する一対の伸縮腕を
   両台車本体間で伸縮自在に突出させ、更に両吊り
   上げブーム間を吊りビームで連結したことを特徴
   とする運搬台車。