JPH0134050Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本案は、給油ボイラー等から排気される廃煙が
有する熱エネルギーを利用して、熱交換を行わし
めるように形成された廃熱交換器の改良に関する
ものである。

（従来技術とその問題点） 従来この種の廃熱交換器には、例えば第４図に
図示されるものがあつた。即ちこの廃熱交換器
は、給水口１ａと排湯口１ｂとが形成された貯湯
タンク１内に、廃煙を矢示の如く流通させる煙案
内管２が設けられ、この煙案内管２の内部には上
記の貯湯タンク１に開口連通してこの貯湯タンク
１内の湯水を流通させ、熱交換を行なわせる例え
ばドラム状の吸熱部３が、煙案内管２の上下方向
に複数配設されたものである。

しかしながらこの廃熱交換器では、上記の吸熱
部３が、図示される如く夫々何れも同じ表面積の
大きさに形成されていた。従つて煙案内管２内を
上昇する廃煙は、先ず煙案内管２の給煙筒２ａに
最も近い吸熱部３ａで、その熱エネルギーを最も
吸収され、その結果この吸熱部３ａの熱交換率
は、上層に配設された他の吸熱部３ｂ，３ｃに比
べて異常に高くなつたものである。その為従来の
廃熱交換器を使用用すると、これら各吸熱部間に
熱交換率の不均衡を生じさせたから、長期間の使
用によつて最下段の吸熱部３ａから順次消耗劣化
し、吸熱部３の耐久性の面で不均衡を発生させ
た。

又従来の廃熱交換器では、吸熱部等に付着した
塵煤を除去する為には、装置を分解して行う必要
があつたから、その作業に手間ひまがかかるとい
う不利益を有していた。

更に従来の廃熱交換器では、吸熱部３の外面等
に発生する水滴が、煙案内管２の底面部に形成さ
れた給煙筒２ａを介して、給湯ボイラーの煙道に
流入することが多分にあり、その結果この水滴に
よつて廃煙の熱エネルギーが奪われてしまうとい
う問題点があつた。

（考案の目的） 本案は、従来の廃熱交換器が有するこのような
問題点を一掃しようとして提案されたものであ
る。

従つて本案の目的は、各吸熱部の熱交換率及び
その消耗劣化の度合をその配設位置にかかわらず
均等化させて吸熱部の耐久性を向上させるだけで
はなく、煙案内管や吸熱部外面に付着する塵煤を
容易且つ迅速に除去でき、更には煙案内管内に発
生する上記の水滴が給煙筒を介して給湯ボイラー
の煙道に流入することのないように形成された廃
熱交換器を提供することにある。

（考案の構成） 本案は、上記の目的を達成する為に、次のよう
な構成を採るものである。

即ち本案は、給水口と排湯口とが夫々形成され
た貯湯タンク内に、給煙筒及び排煙筒が夫々所定
個所に形成された煙案内管が設けられ、該煙案内
管の内部には上記貯湯タンクに開口された開口部
を有する吸熱部が煙案内管の上下方向に複数配設
された廃熱交換器において、上記貯湯タンクには
上記煙案内管内を外部から点検掃除する為に一端
がこの煙案内管内に開口されると共に他端が貯湯
タンクの外部に突出された筒体と、この筒体の突
出端を閉塞する蓋体とで形成された点検掃除用部
が少なくとも１個形成され、又上記煙案内管の内
部底面にはこの煙案内管に開口する給煙筒の上方
開口部を囲繞して止水壁が形成されると共に煙案
内管内で発生した水滴を外部に排水する為の排水
口が設けられ、更に上記吸熱部が煙案内管の下方
に配設されるものほど表面積が小さく形成された
ものである。

実施例 以下、本案の構成を添付図面に示す好適な一実
施例に従つて説明する。

第１図において、１は貯湯タンクである。この
貯湯タンク１には、タンク内に給水する為の給水
口１ａがその下部に形成されていると共にその上
部には熱交換によつて生じた湯を排出する為の排
湯口１ｂが夫々形成されている。

２は、上記の貯湯タンク１内に設けられた煙案
内管である。この煙案内管２の底面には、給湯ボ
イラーから排気された廃煙を、煙案内管２内に供
給する為の給煙筒２ａが形成され、又該煙案内管
２の上面には廃煙を煙突に排気案内する為の排煙
筒２ｂが貯湯タンク１の上方に突出して形成され
ている。

３は、上記煙案内管２の内部の上下方向に複数
配設された夫々大きさの異る吸熱部である。この
吸熱部３は、この実施例では第２図等に図示され
る如く円盤状のドラムで形成されている。吸熱部
３の例えば線対称位置には、貯湯タンク１内の湯
水が吸熱部３と貯湯タンク１内とを自由に流出入
するよう、貯湯タンク１に開口する開口部７が
夫々形成されている。

又吸熱部３は、その配設位置の如何にかかわら
ず、いずれも一定の熱交換率が得られるように煙
案内管２の下方、即ち給煙筒２ａの上方開口部２
ｃに最も近い位置に配設されるものほど、その表
面積が小さく形成されている。尚この実施例で
は、吸熱部３の径を違えることによつてその表面
積が変えられ、このように形成された吸熱部３が
煙案内管２内に、同心状に配設されているもので
ある。

４は、煙案内管２の内面や、又吸熱部３の外面
に付着する塵煤を、所望時に外部から点検掃除す
る為に上記の貯湯タンク１に少なくとも１個形成
された点検掃除用部である。この点検掃除用部４
は、一端が煙案内管２内に開口されると共に他端
が貯湯タンク１の外部に突出された筒体４ａと、
この筒体４ａの突出端を閉塞する蓋体４ｂとで形
成されている。尚この点検掃除用部４は、この実
施例では上記の貯湯タンク１の上下方向に、一列
状に複数配設され、又排煙筒２ｂの所定個所にも
１個形成されているものである。

５は、上記の煙案内管２内で発生した水滴が上
記の給煙筒２ａを介して給湯ボイラーの煙道に流
入することのないように、煙案内管２の内部底面
に形成された止水壁である。該止水壁５は、給煙
筒２ａの上方開口部２ｃを囲繞して形成されてい
る。

又６は、上記の水滴を外部に排水する為に上記
煙案内管２の内部底面に設けられた排水口であ
る。

尚８は、貯湯タンク１の上部に形成された安全
弁であり、又９は貯湯タンク１内の空気を抜く為
に貯湯タンク１の上部に形成された空気抜き部で
ある。

又１０は、吸熱部３の外面に形成された吸熱フ
インであり、１１は煙案内管２の外周に形成され
た伝熱フインである。

次に本案廃熱交換器の作用を説明する。

先ず、給水口１ａから貯湯タンク１内に給水さ
れた被熱交換媒体としての水は、給湯ボイラーか
ら排気された廃煙が、煙案内管２内を上昇するの
に伴つて、煙案内管２の下方に配設された吸熱部
３内の水から順次熱交換が行なわれていく。而し
て廃煙は、上記の如く煙案内管２内を単に上昇す
るのみであり、この場合本案では上段の吸熱部３
ほどその表面積が大きくなるよう吸熱部３が逆ピ
ラミツド状に配設されているから、熱交換の割合
は各吸熱部３でほぼ均等に行なわれるものであ
る。尚熱交換された湯水は、貯湯タンク１の上部
に形成された排湯口１ｂから排出され、その後例
えば給湯ボイラーに還元されるものである。

次に煙案内管２内や又吸熱部３の外面に付着し
た塵煤を除去する場合には、作業者は、上記の点
検掃除用部４の蓋体４ｂをはずした後、筒体４ａ
を介して煙案内管２内に、例えば放水することに
よつて行なうものである。

又本案では、煙案内管２内に発生する水滴は、
上記の排水口６を介して外部に排出されるもので
ある。

尚煙案内管２内を洗浄作業する場合、汚水が給
煙筒２ａの上方開口部２ｃを介して給湯ボイラー
の煙道に逆流するのを防止する為、本案では、こ
の汚水排出用の開閉蓋２ｄが、第３図に図示され
る如く、例えば給煙筒２ａの下部に形成されると
良いものである。

以上の処において、本案では、上記の吸熱部３
の形状、配設間隔、又その配設個数等は任意であ
り、要は各吸熱部３の熱交換の割合が均等になる
よう適宜選定されるので良いものである。

（考案の効果） 本案は、このように吸熱部が煙案内管の下方に
配設されるものほど、その表面積が小さく形成さ
れ、又煙案内管内を外部から掃除できるように点
検掃除用部が貯湯タンクに設けられ、更に煙案内
管の内部底面に止水壁及び排水口が形成されたも
のである。

従つて本案の廃熱交換器を使用すれば、各吸熱
部の熱交換率及びその消耗劣化の度合を、その配
設位置にかかわらず均等化できる結果、吸熱部の
耐久性を向上でき、又煙案内管の内面や吸熱部の
外面に付着する塵煤を容易且つ迅速に除去できる
という実用上優れた効果を奏するものである。

又本案では、上記の止水壁及び排水口によつて
煙案内管内に発生する水滴が、上記の給煙筒を介
して給湯ボイラーの煙道に流入するのを防止で
き、従つて廃煙の熱エネルギーが水滴によつて損
なわれることなく、その全てを活用する事ができ
るという利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案廃熱交換器の好適な一実施例を示
す一部を切欠した縦断面図、第２図は第１図の
−線における断面図、第３図は本案廃熱交換器
の設営例を示す説明図、第４図は従来の廃熱交換
器を示す縦断面図である。 図中、１は貯湯タンク、１ａは給水口、１ｂは
排湯口、２は煙案内管、２ａは給煙筒、２ｂは排
煙筒、２ｃは上方開口部、３は吸熱部、４は点検
掃除用部、４ａは筒体、４ｂは蓋体、５は止水
壁、６は排水口、７は開口部を夫々示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 給水口と排湯口とが夫々形成された貯湯タンク
   内に、給煙筒及び排煙筒が夫々所定個所に形成さ
   れた煙案内管が設けられ、該煙案内管の内部には
   上記貯湯タンクに開口された開口部を有する吸熱
   部が煙案内管の上下方向に複数配設された廃熱交
   換器において、上記貯湯タンクには上記煙案内管
   内を外部から点検掃除する為に一端がこの煙案内
   管内に開口されると共に他端が貯湯タンクの外部
   に突出された筒体と、この筒体の突出端を閉塞す
   る蓋体とで形成された点検掃除用部が少なくとも
   １個形成され、又上記煙案内管の内部底面にはこ
   の煙案内管に開口する給煙筒の上方開口部を囲繞
   して止水壁が形成されると共に煙案内管内で発生
   した水滴を外部に排水する為の排水口が設けら
   れ、更に上記吸熱部が煙案内管の下方に配設され
   るものほど表面積が小さく形成された廃熱交換
   器。