JPH0133937Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の属する技術分野〕 この考案は、廃タイヤを乾留ガス化し、この乾
留ガスを燃焼装置で燃焼して、キルン、乾燥機、
金属熔触炉、ボイラ等のエネルギー源として有効
利用する廃タイヤ乾留ガス化燃焼装置に関し、特
に、乾留缶内の廃タイヤレベルを検出し、この検
出信号に基づいて廃タイヤの投入量を制御するこ
とにより、乾留缶内の廃タイヤのレベルを所定範
囲に維持して乾留ガス発生量の変動を少なくする
ものである。

〔従来技術とその問題点〕

廃タイヤは、一般に用途がないため焼却処分さ
れており、この処理のため、廃タイヤを乾留缶で
乾留ガス化して燃焼装置用燃料とし、乾留残渣
は、焼却炉で焼却してエネルギー源として利用す
る廃タイヤ乾留ガス化燃焼装置が用いられてい
る。かかる装置において、乾留缶は、乾留ガス化
反応を安定させ、爆発の危険を防止するため、運
転中気密保持を必要とする。

ところが、従来の廃タイヤ乾留ガス化燃焼装置
では、廃タイヤを乾留缶へ気密を保持しつつ連続
的に投入することができないため、乾留缶内の廃
タイヤ量を所定レベルに維持することができず、
従つて、乾留ガス発生量の変動が大きく、燃焼装
置への燃料の供給が不安定となり、燃焼装置の円
滑な操業を阻害していた。

〔考案の目的〕

この考案は、廃タイヤ乾留ガス化燃焼装置にお
けるかかる問題を解決するものである。

而して、この考案の目的は、乾留缶の気密を保
持しつつ、連続的に廃タイヤを投入することので
きる廃タイヤ乾留ガス化燃焼装置を提供するにあ
り、また、この考案の目的は、乾留缶内の廃タイ
ヤを所定のレベルに維持することのできる廃タイ
ヤ乾留ガス化燃焼装置を提供するにあり、更に、
この考案の目的は、乾留ガスの発生量の変動を少
なくし、燃焼装置へ安定して燃料を供給すること
のできる廃タイヤ乾留ガス化燃焼装置を提供する
にある。

〔考案の要点〕

この考案は、廃タイヤを乾留ガス化し燃焼装置
用の燃料とする乾留缶と、該乾留缶の乾留残渣を
焼却する焼却炉と、廃タイヤを乾留缶へ輸送する
コンベヤとを備えた廃タイヤ乾留ガス化装置にお
いて、廃タイヤをコンベヤへ供給する定量フイー
ダと、コンベヤで輸送された廃タイヤを乾留缶へ
投入する水封投入機と、乾留缶内の廃タイヤのレ
ベルを検出し予設定されたレベルと比較して定量
フイーダの制御信号を出力するレベル指示調節計
とを設けたことを特徴とするものであつて、この
水封投入機は、常時気密を保持しながら、廃タイ
ヤを乾留缶内へ連続的に投入することができる。
そこで、レベル指示調節計によつて、乾留缶内の
廃タイヤレベルを連続的に検出し、予め設定され
たレベルと比較して定量フイーダの制御信号を出
力する。この制御信号で定量フイーダが駆動され
るため、廃タイヤの乾留缶への投入量が適正に制
御され、乾留缶内の廃タイヤのレベルは、所定範
囲に維持される。廃タイヤのレベルが変動しない
ため、乾留ガスの発生量の変動も少なく、燃焼装
置へ安定して燃料が供給される。

〔考案の実施例〕

以下、図示する実施例に基づいてこの考案を説
明する。

第１図は、この考案の一実施例である廃タイヤ
乾留ガス化燃焼装置の構成を示す系統図である。
この装置では、ホツパ１から廃タイヤチツプを定
量的に切出し、コンベヤ２へ供給する定量フイー
ダ３が設けられている。コンベヤ２は、廃タイヤ
チツプを乾留缶４へ輸送するものであり、このコ
ンベヤ２の排出端と乾留缶４の投入口５との間に
は、水封投入機６が設けられている。水封投入機
６は、第２図に示すように、コンベヤ２からの廃
タイヤチツプを受入れる受入口７と、乾留缶４の
投入口５へ接続される投入シユート８とを備えた
ケーシング９内に、掻上げシヨベル１０を取付け
たロータ１１が横軸１２で支承されており、ケー
シング９の下部に水を貯留して水槽部１３を形成
することにより、受入口７と投入シユート８との
間の気密を保持した状態で廃タイヤチツプを乾留
缶４へ投入することができる。

乾留缶４には、投入された廃タイヤチツプを堆
積させ乾留を行なう振動ロストル１４が設けられ
ており、この振動ロストル１４の下には、乾留残
渣を排出する残渣排出コンベヤ１５が設置されて
いる。振動ロストル１４と乾留缶４の底部１６に
は、乾留送風機１７からの乾訳用送風管１８が接
続されており、乾留缶４の上部には、乾留ガスを
燃焼装置１９へ供給する乾留ガスダクト２０が接
続されている。乾留ガスダクト２０の途中には、
除座器２１が設けられている。残渣排出コンベヤ
１５は、終端に気密排出バルブを備えたスクリユ
ーコンベヤであり、鉄片分離器２２を有する分離
シユート２３を介して、乾留残渣を焼却する焼却
炉２４と、鉄片貯留箱２５とへ接続されている。

焼却炉２４の下端には、焼却灰を系外へ排出す
る焼却灰排出コンベヤ２６が設置されている。焼
却炉２４の上部には、焼却炉用送風機２７から焼
却炉２４へ送られる焼却炉用送風管２８内の空気
を予熱する熱交換器２９が設けられており、この
熱交換器２９には、焼却炉２４の排ガスをキルン
３０へ送る排ガスダクト３１が接続されている。
この排ガスダクト３１は、経路の一部が乾留ガス
ダクト２０を保温するようになつている。

燃焼装置１９は、キルン３０に取付けられてい
る、乾留ガスとオイルとの混焼可能なバーナであ
り、この燃焼装置１９には、乾留ガスダクト２０
と、オイルポンプ３２と、燃焼用送風機３３から
の燃焼用送風管３４が接続されている。

乾留用送風管１８には、流量指示調節計３５と
流量制御弁３６とが設けられており、この流量指
示調節計３５は、乾留用送風管１８の流量を検出
して予め設定された設定流量とを比較し、流量制
御弁３６への制御信号を出力することにより流量
を調節することができる。

キルン３０には、温度指示調節計３７が設けら
れ、流量指示調節計３５に接続されており、この
温度指示調節計３７は、キルン３０内の温度を検
出して予め設定された設定温度と比較し、流量指
示調節計３５へ設定流量の増減を指示する信号を
出力する。キルン内の温度が設定温度より低下す
ると、設定流量を増加させる出力信号が流量指示
調節計３５へ送られて、乾留用送風管１８の流量
を増加させるため、乾留缶のガス発生が増加し、
燃焼装置１９へ供給量が増加し、キルン３０内の
温度を上昇させることができる。

また、乾留缶４には、レベル指示調節計３８を
設けて定量フイーダ３の駆動部３９に接続してお
り、このレベル指示調節計３８は、乾留缶４内の
廃タイヤチツプのレベルを検出し、予設定された
レベルを比較し、定量フイーダ３の駆動部３９へ
制御信号を出力する。従つて、廃タイヤのレベル
が下限設定レベルより低下すると、定量フイーダ
３を起動して廃タイヤチツプを乾留缶４へ供給
し、廃タイヤのレベルが上限設定レベルを超える
と定量フイーダ３を停止して供給を中止する起動
停止制御や、定量フイーダ３の速度を調整して供
給量を増減させる、流量制御を行なうことができ
る。この廃タイヤチツプの供給は、水封投入機６
を介し、気密を保持して行なわれるため、乾留缶
４内の反応に悪影響を与えることなく、いつでも
行なうことが可能である。

〔考案の効果〕 上述の如く、この考案によれば、乾留缶の気密
を保持しつついつでも連続的に廃タイヤを投入す
ることができ、乾留缶内の廃タイヤを常に所定の
レベルに維持することが可能であるため、乾留ガ
スの発生量の変動を少なくし、燃焼装置へ安定し
て燃料を供給することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の一実施例である廃タイヤ
乾留ガス化燃焼装置の構成を示す系統図、第２図
は、水封投入機の構成を示す縦断面図である。 図中、２はコンベヤ、３は定量フイーダ、４は
乾留缶、６は水封投入機、１９は燃焼装置、２４
は焼却炉、３８はレベル指示調節計である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 廃タイヤを乾留ガス化し燃焼装置用の燃料とす
   る乾留缶と、該乾留缶の乾留残渣を焼却する焼却
   炉と、廃タイヤを乾留缶へ輸送するコンベヤとを
   備えた廃タイヤ乾留ガス化燃焼装置において、廃
   タイヤをコンベヤへ供給する定量フイーダと、コ
   ンベヤで輸送された廃タイヤを乾留缶へ投入する
   水封投入機と、乾留缶内の廃タイヤのレベルを検
   出し予設定されたレベルと比較して定量フイーダ
   の制御信号を出力するレベル指示調節計とを設け
   たことを特徴とする廃タイヤ乾留ガス化燃焼装
   置。