JPH0132951B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、医用分析機器、例えば血清中のタ
ンパク濃度測定等に用いられる生化学分析機器の
ターンテーブル装置に関するものである。

分子光散乱分析法や比色分析法による生化学分
析機器は、同一光軸上に配置された光源および受
光検出器と、複数のキユベツトを光源からの照射
光線を横切る高さ位置において同心的に担持する
ターンテーブルとを備え、ターンテーブルを回転
させて試料入りキユベツトの各々に試薬を分注し
たのち測光部において光線を照射してその散乱光
もしくは透過光からタンパク濃度を測定するよう
にしている。この場合、ターンテーブルには、一
度に大体60本程度のキユベツトがセツトできるよ
うになされているが、従来のターンテーブルは分
析機器内に一体的に組込まれているため、血清室
から１ロツト単位でキユベツトを持出してきて、
その都度分析現場においてキユベツトの入替作業
をしなければならない。したがつて、その入替作
業にかなりの時間と労力が費されることになり、
多数の検体を迅速に処理することに支障をきたし
ていた。また、入替作業を自動的に行なう最近の
装置は構造的に複雑で価格も非常に高い。

この発明は、上記した従来装置の欠点に鑑みな
されたもので、その目的は、ターンテーブルを分
析機器本体に対して着脱自在な構成とし、複数の
ターンテーブルを選択的に用いることにより、多
数の試料を迅速に処理することができるようにし
た医用分析機器のターンテーブル装置を提供する
ことにある。

以下、この発明の実施例を添付図面を参照して
詳細に説明する。

第１図を参照すると、このターンテーブル装置
は、回転駆動体１と、この回転駆動体１により回
転させられるターンテーブル２と、このターンテ
ーブル２と回転駆動体１との間にあつて、両者を
着脱自在に連結する連結手段３とを備えている。

回転駆動体１は、図示しないモータに連結され
ている駆動軸４により一方向クラツチ５を介して
駆動される駆動メンバ６を有し、この駆動メンバ
６にはターンテーブル２を支承するための円盤状
に形成された支承メンバ７が取付けられている。
なお、この支承メンバ７には、ターンテーブル２
をセツト位置に案内するための１つのガイドピン
８と、ターンテーブル２を駆動メンバ６に対して
同心的に位置決めするための心出しガイド９とが
設けられている。この図面では、心出しガイド９
は１つしか示されていないが、実際には120度の
間隔をもつて３箇所に配置されている。

ターンテーブル２は、支承メンバ７上に被嵌さ
れるように形成された円盤体からなる。この円盤
体は、前記したガイドピン８と心出しガイド９の
各々と協働するガイド孔１０，１１を有し、か
つ、その周縁部には、キユベツト１２が抜差し自
在に装着される複数（約60個）のキユベツト取付
穴１３が設けられている。この場合、ターンテー
ブル２は、その中央部に取付けられたグリツプ１
４を有し、このグリツプ１４には、連結手段３の
一方を構成する雄部材１５が形成されている。す
なわち、雄部材１５は、ターンテーブル２の回転
軸線上において上下方向に移動可能に設けられた
ロツク解除スペーサ１６と、このスペーサ１６の
まわりに所定の間隔をもつて同心的に形成された
フツク部材１７とを備えている。ロツク解除スペ
ーサ１６は、下方に向つて収斂するテーパ面１８
を有する円柱体からなり、これはグリツプ１４内
に設けられている操作釦１９を介して上下に動か
されるようになつている。なお、操作釦１９は、
グリツプ１４に内蔵されているバネ２０により上
方へ付勢されている。フツク部材１７は、下方に
突出するように形成された円筒体からなり、その
外周壁の下端には、外側に張出している段部２１
と、この段部２１から下方に向つて収斂するテー
パ面２２とが設けられている。これに対して、連
結手段３の他方を構成する雌部材２３は、駆動メ
ンバ６に形成されている有底円筒状の凹部２４内
に配置されている。雌部材２３は、第２図におい
ては便宜的に１対しか示されていないが、実際に
は90度の間隔をもつて放射状に配置された２対の
ロツクメンバ２５を備えている。ロツクメンバ２
５は、上辺が開放されたコ字形フレームからな
り、その一辺２６にはロツク解除スペーサ１６の
テーパ面１８と協働するテーパ面２７が形成され
ており、また、他辺２８にはフツク部材１７のテ
ーパ面２２と協働するテーパ面２９および段部２
１と係合可能な爪３０が設けられている。そし
て、このロツクメンバ２５の各々は、扇形をなす
４つの保持板３１の間に形成された通路３２内に
おいて放射方向に移動可能に設けられており、常
態においては凹部２４を画定している円筒壁３３
との間に設けられている板バネ３４により中心方
向に付勢されている。また、第３図に示されてい
るように、ロツクメンバ２５の底辺３５には、保
持板３１，３１によつて押えられるように形成さ
れた断面逆Ｔ字形のフランジ３６が設けられてお
り、これにより、ロツクメンバ２５が通路３２内
から上方へ抜け出ないようになされている。この
ようにして、ロツクメンバ２５の各々は、保持板
３１を介してベースプレート３７上に取付けられ
るのであるが、この場合、それらの間にはスペー
サプレート３８が介在される。このスペーサプレ
ート３８は、前記通路３２の各々に対応する部分
に小孔３９を有し、この小孔３９を介してベアリ
ング４０（第１図参照）を保持している。これに
より、ロツクメンバ２５は通路３２内において軽
快に移動することができる。

また、このターンテーブル装置は、円筒壁に沿
つて上下動可能に取付けられた押上げリング４１
を有し、この押上げリング４１は、その上に載置
されるターンテーブル２に作用するようにスプリ
ング４２により上方に付勢されている。なお、こ
の押上げリング４１は、円筒壁３３の上端に形成
されているストツパ４３により上方へ抜出ないよ
うにされている。

次に、ターンテーブル２の着脱動作について説
明する。第１図には、ターンテーブル２と回転駆
動体１とが相互に連結されている状態が示されて
いるが、操作釦１９を介してロツク解除スペーサ
１６を下方に押下げると、ロツクメンバ２５の
各々はスペーサ１６のテーパ面１８と協働するテ
ーパ面２７を介して板バネ３４に抗して放射方向
外側に強制的に移動する。これにより、ロツクメ
ンバ２５の爪３０とフツク部材１７の段部２１と
の係合が解除されるため、ターンテーブル２はス
プリング４２で付勢されている押上げリング４１
により若干上方に持上げられ、回転駆動体１から
分離される。したがつて、このターンテーブル２
はそのグリツプ１４を介して自由に持運ばれるよ
うになり、例えば血清室等においてキユベツト１
２の入替作業を行なうことができる。新らたなキ
ユベツト１２が装着されたターンテーブル２を回
転駆動体１に取付けるには、第２図に示す如く、
そのターンテーブル２を駆動メンバ６に向けて単
に押込むことにより達成される。すなわち、ガイ
ドピン８と心出しガイド９のそれぞれにそれらに
対応するガイド孔１０，１１を嵌合させてターン
テーブル２の初期位置を設定したのち、ターンテ
ーブル２を押上げリング４１の押上げ力に抗して
下方に押込むと、ロツクメンバ２５の各々はフツ
ク部材１７のテーパ面２２と協働するテーパ面２
９を介して板バネ３４に抗して一旦放射方向外側
に移動するが、テーパ面２９がテーパ面２２を乗
り越えた時点で板バネ３４により再び内側に押戻
され、これにより爪３０が段部２１と係合し、第
１図の如く、ターンテーブル２は駆動メンバ６に
しつかりと連結されることになる。なお、この実
施例では、ロツク解除スペーサ１６は操作釦１９
を介してバネ２０により上方に付勢されるように
なつているが、場合によつてはバネ２０を省略し
てロツク解除スペーサ１６を上下方向にフリーに
しておいてもよい。

上記した実施例の説明から明らかなように、こ
の発明によれば、きわめて簡単な操作によつてタ
ーンテーブルを回転駆動体に対して着脱すること
ができ、したがつて、予備のターンテーブルを用
意してそれらを交代的に使用することにより、キ
ユベツトの入替え作業能率が改善され、多数の試
料を迅速に処理することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明にかかるターンテーブル装置
を示した縦断面図、第２図はその要部を摘示した
分解斜視図、第３図は第２図の―線に沿つた
断面図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 駆動手段に連結された回転駆動部と、周辺に
   環状に配列された複数のキユベツト装着部を有す
   る円盤状のターンテーブル部と、該ターンテーブ
   ル部と前記回転駆動部とを着脱自在に連結する連
   結手段と、該連結手段を鎖錠する鎖錠手段と、そ
   の鎖錠を解除する釈放手段とを備えてなる医用分
   析機器のターンテーブル装置において、 前記連結手段は、前記ターンテーブル部と前記
   回転駆動部との一方に設けられた雄部材と、他方
   に設けられた雌部材とからなり、前記雄部材は、
   前記ターンテーブル部の回転軸線上において上下
   に移動可能に設けられたロツク解除スペーサと、
   該スペーサのまわりにこれと所定の間隔をもつて
   同心的に配置されたフツクとを有し、前記雌部材
   は、前記ロツク解除スペーサと協働するテーパ面
   と前記フツクと協働する爪とが形成された複数の
   ロツクメンバであつて、前記回転軸線を中心とし
   て放射状に移動可能に設けられたものと、前記ロ
   ツクメンバを前記回転軸線に向けて付勢する弾発
   手段とを有し、前記ロツク解除スペーサは、その
   下動により前記テーパ面を介して前記ロツクメン
   バを外側に移動させて前記フツクと爪との係合を
   解離させることを特徴とする医用分析機器のター
   ンテーブル装置。 ２ 特許請求の範囲１において、前記雌部材は、
   前記ロツクメンバの各々を移動可能に案内するた
   めの扇形に形成された複数の保持板を有し、これ
   らの保持板は、放射状の案内通路を形成するよう
   に所定の間隔をもつて同心的に配設されているこ
   とを特徴とする医用分析機器のターンテーブル装
   置。 ３ 特許請求の範囲１または２において、前記雌
   部材は、前記ロツクメンバの下方に配設されたス
   ペーサプレートを有し、該スペーサプレートは前
   記ロツクメンバと対応する部分に保持されたベア
   リングを備えていることを特徴とする医用分析機
   器のターンテーブル装置。