JPH01319217A - 開閉機器の消弧室 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、外部磁界を用いて接触子間化発生したアー
クを駆動して消弧に到らしめる開閉機器の消弧室の構造
に関する。

〔従来の技術〕

この種の開閉機器として代表的なものに電気鉄道の変電
所に用いられる直流高速度遮断器がある。

第６図にその基本構成と消弧原理とを示す。遮断器の閉
路状態では電流は通電導体３の＋側から接触子４を通っ
て通電導体３の一体へ流れていく。

接触子４が開離すると接触子間にアークが発生し、接触
子を含む通電径路中の１紙面の上下方向の径路を流れる
電流から電磁力を受けてアークは上方へ駆動されていく
。このときのアークの様子を符号７ａで示す。遮断電流
が大きいと、アークはアークホーン５へ移り７ｂのよう
になる。このアークホーン５は、平行に対向して消弧室
を構成する２枚の絶縁板２ａの間に通人字状に配された
。たとえば黄銅材からなる帯状の金属板であり、アーク
とともに電流径路の一部を構成してアーク足点を上方へ
銹導しアークの伸長を促進する役目を果たす。アークは
最終的には両絶縁板２の間に配されて両絶縁板の間隔片
を兼ねる絶縁板６によりさらに伸ばされ、アークは７ｃ
のようになる。このようにアークが伸びるとアーク電圧
が上昇し、直流清新の場合、アーク電圧が電源電圧を超
えると消弧に到る。

〔発明が解決しようとする課題〕

このような消弧方式における問題点は次の通りである。

すなわち、大電流遮断の場合にはアークＩこ大きな電磁
力が働き、アークは伸びるが、小電流遮断の場合には電
磁力が小さく、アークが伸びず、遮断不能になる場合が
あった。この対策として、ここには特に図示しないが、
接触子と機械的に連動するピストンを接触子の近くに配
し、接触子の開離と同時にピストンを動かしてシリンダ
内の空気をアークに吹き付けるものがあるが、このよう
な機構を消弧室に付加したａ断器は４遺が複雑でありた
。このため、第７図に示すように、永久磁石８を絶縁板
２のそれぞれ外側の面に取り付けてアークを横切る磁界
を作り、フレミング左手の法則によりアークを上方へ駆
動するようにしたものがあるが、第８図に示すように、
絶縁板２の対向空間内の磁界の向きが上方へ行くと逆転
してしまう。このため、アークは対向空間内のある位置
までは上方へ駆動されて伸ばされるが、この位置をすぎ
ようとするとアークに下向きの力が働き、結局アークは
この位置に停滞してしまう。すなわち、小電流遮断時に
遮断不能領域が生じる問題点があった。

この発明の呂的は、簡単な構造で消弧に必要なアークの
全移動空間に同じ向きの磁界をつくり遮断性能が向上す
る開閉機器の消弧室構造を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

上記課題を解決するために、この発明によれば、平行に
対向する２個の絶縁板のそれぞれ外側の面に消弧に必要
なアークの全移動空間をカバーする広さを有する１強磁
性材からなる金属板を密着状態に固設するとともに、該
金属板のそれぞれ外側の面に永久磁石の磁極面を密着さ
ぞまたは永久磁石を該金属板近傍の適宜の位置に設置し
て強磁性材からなる磁路を介し、該金属板にそれぞれ永
久磁石のそれぞれ一方の磁極面を形成させるものとする
。

〔作用〕

開閉機器の消弧室をこのように構成することにより、消
弧室絶縁板の外側の面番こ密着状態に固設された金属板
はそれぞれ永久磁石の磁極面を構成するから、このａ１
磁極の対向空間内の磁束は向きがすべて同じになり、し
かも金属板は消弧に必要なアークの全移動空間をカバー
する広さを有するから、アークはこの広さの範囲、下向
きの力を受けることなく伸びることができ、確実に消弧
される。また、この消弧室は従来の消弧室に対し金属板
と永久磁石とを付加しただけであるから、従来のように
、接触子と機械的に連動するピストンを配して消弧を確
実ならしめたものと比較して構造が著しく簡単であり、
また経済的にも有利となる。

〔実施例〕

第１図に本発明の第１の実施例を示す。平行に対向して
消弧室２を構成する絶縁板２ａの外側の面に、消弧に必
要なアークの全移動空間をカバーする広さを有する１強
磁性材からなる金属板１１を、これよりやや広い絶縁板
１２を介して密着状態に固設している。ここで、絶縁板
１２を介する理由は、消弧室２の大きさが、従来と同じ
く、アークが第６図７Ｃのように凹凸の形状を繰返しな
から消弧室外方まで伸びても凸部相互間で短絡を生ずる
ことなく確実に消弧できる範囲で小さく形成されており
、このため、消弧室外方へ伸びたアークにより消弧室上
方の空気が加熱されて絶縁が低下し、アークが金属板１
１に移行して流れ、消弧不能となるおそれがあるためで
ある。

このようにして消弧室の絶縁板２ａの外側の面に密着状
態に固設された金属板１１の外側の面には永久磁石８が
、それぞれ異なる極性の磁極面を密着させて固設され、
これにより、それぞれの金属板が面積の゛広い、永久磁
石の両磁極面として、対向空間内に同じ向きの磁束を形
成している。この構成では、第２図に示されるように、
それぞれの永久磁石の反金属板側磁極の間にも磁束９が
生じ、かつこの磁束の向きは金属板の対向空間内の磁束
と反対であるが、金属板外周縁のさらに外側を通る磁束
であり、消弧を妨げることはない。図中、符号１０は接
触子４の閉成状態において接触子を流れる電流の向きを
示しており、前記永久磁石８はこの向きの電流に対し、
上向きの電磁力が作用するよう薔こ金属板１１に取り付
けられている。なお、第３図は第１図（ｂ）を上方から
みた平面図である。

第４図に本発明の第２の実施例を示す。この実施例は第
１図における永久磁石８の反金属板側磁極同志を強磁性
材からなる磁路１３を介して磁気的に接続したものであ
る。このように両永久磁石の間に磁路を付加することに
より、２個の永久磁石を直列に含む磁路中空気中の磁路
は金属板の対向空間のみとなるから、第２図のように磁
束９が通る長い空気中磁路を有する場合と比較して磁路
の磁気抵抗が大幅に小さくなり、同じ強さの永久磁石を
用いた場合、金属板対向空間内の磁束密度は顕著に大き
くなる。また、磁路１３はアークホーン５の背面側にあ
り、アークによって加熱されない。

清浄な空気中に配されるから、消弧室２からさほど大き
い絶縁距離を保つ必要がなく、従りて遮断器の大型化を
もたらすことなく速断可能な小電流領域をさらに広げる
ことが容易に可能となる。

第５図に本発明の第３の実施例を示す。ここで、同図（
ａ）は遮断器の側面図、伽）は平面図である。この実施
例は永久磁石１ｍにより本発明の消弧室を構成する場合
の例を示す。軸方向ｌこ長い棒状の永久磁石１５を、金
属板１１の外−の面に固設されアークホーン５の背面側
へ延びる１強磁性材からなる板状の磁路１６の間番こ密
に介装し、たとえばステンレス鋼の長い通しのボルトを
用いて磁路と永久磁石とを締結する。消弧室をこのよう
に構成すれば、第４図に示す第２の実施例の場合とほぼ
同一の消弧型寸法で永久磁石８の２個分よりもさらに強
い永久磁石を用いることができ、速断可能な小電流領域
をさらに広げることができる。

〔発明の効果〕

以上に述べたように、本発明によれば、平行に対向する
２個の絶縁板の周縁近傍に接触子が配され電流遮断時に
接触子間に生じたアークを磁界の作用により前記絶縁板
の対向空間内方へ駆動して消弧に到らしめる開閉機器の
消弧室において、平行に対向する２個の絶縁板のそれぞ
れ外側の面に消弧に必要なアークの全移動空間をカバー
する広さを有する１強磁性材からなる金属板を密着状態
に固設するとともに、該金属板のそれぞれ外側の面に永
久磁石の磁極面を密着させまたは永久磁石を該金属板近
傍の適宜の位置に設置して強磁性材からなる磁路を介し
、該金属板にそれぞれ永久磁石のそれぞれ一方の磁極面
を形成させたので、消゛弧に必要なアークの全移動空間
には同じ向きの磁界のみが存在し、アークの伸びを妨げ
る磁界が存在じないから、アークに作用する磁気駆動力
の小さい小電流領域において、アークを消弧に必要な長
さまで伸ばしうる強さの磁界を金属板の対向空間内に生
せしめる強さの永久磁石を用いさえすれば、対象とする
最小電流以上の全電流領域の電流遮断が確実に行われる
ことになる。しかも、この消弧性能の向上は、金属板と
永久磁石と、必要によりたとえば強磁性材として鋼板か
らなる簡単な磁路とを従来の消弧室に付加するのみで可
能となり、従来のように、接触子と連動する空気ピスト
ンのような複雑な機構を用いないから、経済的負担も小
さいという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例による消弧室構造を有する開
閉機器の外形図であって、（ａ）は側面図。 （ｂ）は正面図である。第２図は第１図に示す消弧室構
造における磁力線の分布と向きとを示す磁力線図、第３
図は第１図に示す、第１の実施例による消弧室構造の、
別の実施例との対比を容易ならしめるための平面図、第
４図は第２の実施例による消弧室構造を示す平面図、第
５図は第３の実施例による消弧室構造を示すものであっ
て、（ａ）は側面図、（ｂ）は平面図である。第６図は
第１の従来例として直流高速度遮断器の基本構成と消弧
原理とを示す説明図、第７図は第２の従来例による消弧
室構造を有する開閉機器の外形図であって、（ａ＞は側
面図、（ｂ）は正面図である。第８図は第７図に示す消
弧室構造における磁力線の分布と向きとを示す磁力線図
である。 ２・・・消弧室、２ａ・・・絶縁板、４・・・接触子、
８．１５・・・永久磁石、１１・・・金属板。 第１図 第２図 第３図　　　　第４図 第５図 第６図 第７図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １）平行に対向する２個の絶縁板の周縁近傍に接触子が
   配され電流遮断時に接触子間に生じたアークを磁界の作
   用により前記絶縁板の対向空間内方へ駆動して消弧に到
   らしめる開閉機器の消弧室において、前記平行に対向す
   る２個の絶縁板のそれぞれ外側の面に消弧に必要なアー
   クの全移動空間をカバーする広さを有する、強磁性材か
   らなる金属板を密着状態に固設するとともに、該金属板
   のそれぞれ外側の面に永久磁石の磁極面を密着させまた
   は永久磁石を該金属板近傍の適宜の位置に設置して強磁
   性材からなる磁路を介し、該金属板にそれぞれ永久磁石
   のそれぞれ一方の磁極面を形成させたことを特徴とする
   開閉機器の消弧室。