JPH0131908B2 - - Google Patents
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Landscapes
- Medical Preparation Storing Or Oral Administration Devices (AREA)
- Infusion, Injection, And Reservoir Apparatuses (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
技術分野
本発明は輸液装置に関する。
従来技術
抗癌剤、インシユリン、ヘパリン等の注射剤
や、高カロリー輸液剤、リンゲル液等の輸液剤な
どの薬剤溶液を直接体内に注入するために、輸液
チユーブを連結した容器を具える輸液装置が汎用
されている。 このような輸液装置において、その容器中に充
填される注射剤、輸液剤等の薬剤溶液としては、
市販のものを用いるが、市販の薬剤溶液は、その
濃度が規定されており、又、容器中に充填される
薬剤溶液の濃度は、患者の疾患度に応じた処方に
より個々に変更する必要がある。このため、輸液
装置の容器中に薬剤溶液を注入充填するにあたつ
ては、患者ごとに、薬剤溶液の濃度を所定値に調
整したのち、これを容器中に注入充填しなければ
ならないことが多い。 このように薬剤溶液を注入充填する場合、通常
は、病院内のクリーンベンチ内で、薬剤の希釈作
業を行い、これを容器中に注入充填している。し
かし、クリーンベンチといえども、その除菌状態
に対し安心を抱くわけにはいかず、又作業を行う
作業者の手の保菌状態によつても、薬剤溶液が菌
に汚染される可能性がある。 特に、最近、抗癌剤、インシユリン、ヘパリン
等の輸液においては、その長期微量注入が実施さ
れ、輸液装置を携行しつつ長期間に亘り持続的に
輸液を行うことが多くなつている。そして、この
ような場合には、患者ごとに処方が異なること
や、薬剤を希釈したときの安定性、失活等の問題
から、家庭内等で、患者自身が医者の処方に従い
輸液剤の希釈を行い、これを補充充填する必要が
ある。しかし、このようなときには、薬剤溶液を
無菌状態で容器中に補充充填することは非常に難
しい。そして、充填に際しわずかでも微生物が混
入すると、これが長期間に亘る輸液に際し容器内
で増殖し、人体の抗菌力以上となつて人体内に侵
入するおそれがあり、非常に危険である。 これに対し、薬剤溶液を容器中に注入充填する
にあたり、薬剤溶液注入手段、例えば注射器の刺
通針とシリンジ間に、実質的に微生物を通さない
材を有するフイルター部材を連結し、この材
を介し、薬剤溶液を容器中に注入充填することも
考えられる。しかし、このような場合には、クリ
ーンベンチ等の限定された場所以外で、又作業者
の高度なテクニツクを要することなく、無菌状態
で薬剤溶液を注入充填することはできない。注入
装置にフイルター部材を連結すれば、非除菌状態
下で薬剤を希釈する際に混入する微生物が容器内
に侵入することは阻止できるが、非除菌状態で
は、容器注入部入口外面および注入手段先端、例
えば刺通針先端がともに汚染されており、薬剤溶
液の注入充填に際し、汚染された両者を連結した
とき、微生物が容器内に侵入する可能性があるか
らである。 他方、従来、輸液装置として、容器内の排出口
直前に、実質的に微生物を通さない材を有する
フイルター部材を設け(特開昭53−137595号公
報)たり、輸液チユーブの流路中に、実質的に微
生物を通さない材を有するフイルター部材を挿
入(実公昭52−38069号公報)したりするものが、
知られている。そして、このような構成からなる
輸液装置では、非除菌状態で薬剤溶液を注入充填
し、充填された薬剤溶液中に微生物が混入したと
しても、微生物の人体内への侵入は阻止される。 しかし、このような装置では、薬剤溶液中への
微生物の混入は阻止できず充填された薬剤溶液中
に一旦微生物が混入すると、微生物は、その生活
老廃物として、いわゆるパイロジエン物質を生成
する。そして、このパイロジエン物質は、特に長
期間に亘り輸液を行うようなとき急激に増大し、
その人体内への侵入は、上記のように配置された
材では阻止できず、パイロジエン物質が人体内
へ侵入すると、患者にとつてきわめて危険な状態
が招来する。 発明の目的 本発明はこのような実状に鑑みなされたもので
あつて、所定の薬剤溶液を容器中に注入充填する
にあたり、薬剤溶液を無菌状態で注入できる輸液
装置を提供することをその第1の目的とする。第
2の目的は、注入充填をクリーンベンチ等の限定
された除菌状態下の場所で行う必要がなく、又そ
の際高度のテクニツクを必要としないで安全に薬
剤溶液の充填ができる輸液装置を提供することに
ある。第3の目的は、非除菌状態下で薬剤を希釈
し、これを注入充填しても、微生物の混入はもと
より、微生物の生活老廃物の人体への侵入も阻止
できる輸液装置を提供することにある。本発明の
その他の目的は以下の記載から自づと明らかにな
るであろう。 本発明者はこのような目的につき鋭意検討を繰
返した結果、本発明をなすに至つたものである。 すなわち本発明は、薬剤溶液を注入し充填しう
る軟質容器と、当該容器に輸液チユーブの一端が
連結され、その他端に穿刺用構造体または穿刺用
構造体を接続できる機構をもつ輸液チユーブとを
具える輸液装置において、前記容器、あるいは前
記輸液チユーブから分岐して、実質的に微生物を
通さない材を有するフイルター部材を連結し、
当該フイルター部材には注入口を付し、当該注入
口から上記材を通して薬剤溶液を注入充填でき
るように構成してなり、前記穿刺用構造体または
穿刺用構造体を接続できる機構の先端露出部を覆
い、当該穿刺用構造体または穿刺用構造体を接続
できる機構の先端部に嵌着するプロテクタを具
え、当該先端部およびプロテクタの嵌着結合部を
水密に保持してなり、しかも装置内部が実質的に
無菌状態であることを特徴とする輸液装置であ
る。 なお、上記したような本発明の目的は、注入口
を付したフイルター部材を、容器に直接、または
輸液チユーブから分岐して、それと一体的に連結
するという本発明の構成によつてのみ実現するも
のである。これに対し、上記したように、フイル
ター部材を容器内の排出口直前や、輸液チユーブ
流路内に設けたり、あるいは薬剤溶液注入手段内
にフイルター部材を連結したりしても、このよう
な目的は実現しない。このような事実は、後記実
験例からも明白になるであろう。従つて、このよ
うな従来例から、あるいはこれら従来例を組み合
わせたとしても、これらにより本発明が推考可能
となるものではない。 発明の具体的構成 以下、本発明の具体的構成について詳細に説明
する。 本発明の輸液装置は、例えば第1図、第2図に
示されるように、容器1と、輸液チユーブ2と、
穿刺用構造体3またはそれを接続できる機構とを
順次一体的に接続してなる。 容器1は、薬剤溶液を注入し充填しうるもので
ある。容器1としては、種々の材質から形成する
ことができるが、このうち、可撓性バツグ、就
中、軟質の可撓性バツグとすることが好ましい。
軟質のバツクを用いると、無菌状態での薬剤溶液
の注入充填を容易に行うことができる。又、その
充填容量、形状等は使用用途に従い適宜決定すれ
ばよい。 このような容器1には、輸液チユーブ2がその
一端を連結されて、一体的に接続される。この場
合、輸液チユーブ2を介して、容器1内に予め注
入充填された薬剤溶液を、患者の静脈中等に、輸
液注入するには、落差を用いても、注入用ポンプ
を用いて行つてもよい。従つて、輸液チユーブ2
は、全体が通常のチユーブ材質から形成されてい
ても、その一部または全部が、ポンプチユーブと
して使用できる強靭な弾性をもつ材質から形成さ
れていてもよい。すなわち、チユーブ2は、軟質
ポリ塩化ビニル、ラテツクス、シリコーン樹脂、
エチレン・酢酸ビニル共重合体等からそれ自体一
体的に形成しても、あるいはこれらを組合せ接合
して形成しても、いずれでもよい。 なお、本発明においては、このような輸液チユ
ーブ2の中間、あるいはチユーブ2と容器1との
間には、輸液セツト、あるいは場合によつては輸
血セツト等において用いられる構造体、例えば点
滴筒、各種コネクター部などを挿入介在させてお
くこともできる。 又、容器1と輸液チユーブ2との連結は、公知
のいずれの方法によつてもよい。 このような輸液チユーブ2の他端には、穿刺用
構造体または穿刺用構造体を接続できる機構が一
体的に接続される。 穿刺用構造体としては、一般に、静脈、筋肉あ
るいは皮下に穿刺しうる穿刺針を具えたものであ
ればよい。例えば、図示の場合には、穿刺用構造
体3は、穿刺針31とハブ32を具え、更に、穿
刺針31先端露出部を覆い、ハブ32先端に嵌着
するプロテクタ33を具え、ハブ32およびプロ
テクタ33の嵌着部外表面を水密に保持せしめ、
装置内部の滅菌状態を維持するとともに、ハブ3
2後端をチユーブ2に接続してなる構造とされて
いる。この場合、ハブ32およびプロテクタ33
の外表面を水密に保持するには、当該領域に疎水
性皮膜を形成し、しかも、使用直前にプロテクタ
をハブからはずす際に、この皮膜が破断可能なよ
うにすればよく、このような皮膜は公知の方法に
従い形成することができる。 又、穿刺用構造体を接続できる機構としては、
チユーブ2他端に、ルアーチツプを一体的に形成
したり、刺通針が刺通可能な弾性栓を設けたりす
る等、上記に説明したような穿刺用構造体を直接
または間接的に接続できる公知の機構いずれであ
つてもよい。 このような前提の下で、本発明においては、第
1図に示されるように容器1に直接、あるいは第
2図に示されるように、輸液チユーブ2から分岐
して、実質的に微生物を通さない材を有するフ
イルター部材5を連結する。 このフイルター部材5に内蔵される材51
は、実質的に微生物を通さない孔径をもつもので
あるが、その平均孔径が0.45μ以下であることが
好ましい。ここに、0.45μ以下の孔径をもつとは、
日本薬局法の一般試験法に定める無菌試験法およ
び衛生試験法注解に基づき、セラチア・マルセツ
センス菌(Serratia marcescens、東京大学応用
微生物研究所株ナンバーIAM1223)を1ml中1
×105〜1×107個含む液10mlを過して、同菌を
実質的に通さないものである。 この場合、シユドモナス・デミヌユータ菌
(Pseudomonas diminuta、同上IAM1513)を同
様な試験法で実質的に通さない、0.22μ以下の平
均孔径であるとより好ましい結果をうる。 なお、材51は、一般に、酢酸セルロース、
ニトロセルロース、ポリカーボネート、塩ビ−ウ
レタン共重合体等から形成されるメンブランフイ
ルターとすればよい。 このような材51を内蔵するフイルター部材
5には、注入口57が付され、この注入口57か
ら、フイルター部材5中に内蔵される材51を
通して薬剤溶液が注入充填できるように構成す
る。 従つて、このような限りにおいて、フイルター
部材5の構造形状は、公知の種々のメンブランフ
イルターの中から選択すればよく、又過有効面
積等は、容器1の容積等から適宜決定すればよ
い。 また、図示では注入口57は、いわゆるルアー
テーパーを有するルアーチツプとして形成されて
いるが、この他、フイルター部材5入口に弾性栓
を設け、この弾性栓に注入手段の刺通針が刺通可
能にする等、注入手段と連結接合しうる公知の構
造いずれであつてもよい。 更に、フイルター部材5は、上記のように、容
器に直接に、あるいはチユーブから分岐して設け
られるものであるが、このフイルター部材5の
材51を介して薬剤溶液を注入充填した後、患者
への輸液時にフイルター部材5がじやまになるよ
うなときには、容器1とフイルター部材5間、あ
るいはチユーブ2分岐部におけるフイルター部材
5直前の位置にて、高周波シール等によつてシー
ルした後に、フイルター部材5を切り離すか、当
該位置に適当な接続機構を設け、この接続機構を
脱離して、フイルター部材5を切り離すこともで
きる。 なお、容器1、あるいは輸液チユーブ2の分岐
部にフイルター部材5を一体的に連結するには、
通常の態様で行えばよいが、特に、容器1にフイ
ルター部材5を直接連結するときには、輸液チユ
ーブ2の連結部と、フイルター部材5の連結部と
を、ともに容器1、特に可撓性バツグの同方向に
設け、容器1内の空気の排出を容易にすることが
好ましい。 以上詳述してきたような本発明の輸液装置は、
その各構成要素を一体的に接続した後、その内部
が実質的に無菌状態を維持するようにされる。無
菌状態にするための滅菌法としては、公知のオー
トクレーブ滅菌やエチレン・オキサイドガス滅菌
やγ−線滅菌を用いればよい。そして、無菌状態
にあるか否かは、公知の方法で容易に検証するこ
とができる。 なお、このような滅菌を行い、その滅菌状態を
維持するには、装置全体を包材中に収納して滅菌
する他、上記において説明したように、穿刺構造
体3を穿刺針31を具えるものとし、穿刺針31
のハブ32に水密にプロテクタ33を嵌着し、穿
刺針31からの菌の侵入を阻止するように構成し
てこれを滅菌することもできる。 発明の具体的作用効果 以上詳述してきた本発明の輸液装置は、抗癌
剤、インシユリン、ヘパリン等の各種注射剤や、
高カロリー輸液剤、リンゲル液等の各種輸液剤な
どの薬剤溶液を、直接静脈、筋肉、皮下等から体
内に注入するために用いられる。 本発明の輸液装置を用いて輸液を行うには、先
ず使用に先立ち、必要に応じ薬剤溶液を所定の濃
度に調整する。次いで、この所定量をフイルター
部材5の注入口57を介し、材51を通して容
器1中に注入充填する。次いで、チユーブ2他端
の穿刺用構造体3を患者に穿刺するか、チユーブ
2他端に直接または間接的に穿刺用構造体を接続
し、これを患者に穿刺する。そして、落差を利用
したり、注入ポンプを用い、容器1中の薬剤溶液
を患者に輸液注入する。 この場合、薬剤溶液の容器への注入充填にあた
つては、薬剤溶液の希釈を行う場所に関する制限
は解消し、又その注入充填もクリーンベンチ等の
特殊な除菌状態下の場所で行う必要はなく、例え
ば一般家庭内で、薬剤の希釈と、薬剤溶液の充填
とを行うことができる。微生物が存在する状況の
中で、このような装作を行つても、微生物の混入
はフイルター部材によつて有効に阻止されるとと
もに、注入充填直前に希釈作業を行えば、微生物
の生活老廃物の侵入も防止されるからである。そ
して、このように簡易な作業で薬剤溶液の滅菌充
填が行われる結果、薬剤溶液を長期に亘り持続的
に輸液注入する場合でも、患者身体内への微生物
およびその老廃物の侵入は阻止され、きわめて安
全である。又、このような効果は、装置と一体的
に設けたフイルター部材によつて実現するもので
あり、薬剤溶液の注入充填には何ら高度なテクニ
ツクは必要としない。 従つて、本発明の輸液装置は、患者自らが、医
者の処方に従い、家庭内で薬剤を希釈し、これを
補充充填し、装置を携行しつつ長期間持続的に輸
液を行うような場合において、きわめて有用であ
る。 なお、後記実験例からも明白なように、容器1
内部や、輸液チユーブ2流路内にフイルター部材
を設けるのみの構成や、注入手段とフイルター部
材を連結して、薬剤溶液を充填するような構成で
は、このような効果は実現しない。 本発明者は、本発明の効果を確認するため種々
実験を行つた。以下にその1例を示す。 実験例 本発明に従い、容器1に、酢酸セルロースメン
ブランフイルター(平均孔径0.45μ)を材51
とするフイルター部材5を設けて、第1図に示さ
れるような本発明の輸液装置Aを3個作製した。 これとは別に比較のため、第3図に示されるよ
うに、輸液チユーブ2の流路中に上記と同様の
材51を有するフイルター部材5を挿入して、そ
の他は上記と同様に、比較用輸液装置Bを3個作
製した。 更に比較のため、第4図に示されるような、フ
イルター部材5を全く設けない他は、上記と同様
にして、比較用輸液装置Cを3個作製した。 次いで、これら3種の輸液装置をエチレンオキ
サイドガス滅菌した。 一方、3%アミノ酸注射液500mlを充填してな
るガラスビンのゴム栓にセラチア・マルセツサン
ス菌を1ml中1×106個含む溶液を1ml塗布して
おいた。このガラスビン中に、ゴム栓を刺通し
て、注射器により20mlのインシユリン(100単
位/ml)溶液を注入し、これをよく混和して、一
定濃度とした。 次いで、別の滅菌済の注射器を用い、再度ゴム
栓を刺通して、ガラスビン中の内容液を採取し、
事務室内(非除菌空気中)で、上記装置Aについ
ては、注射器の刺通針をはずし、フイルター部材
5のルアーチツプ注入口57から、3個の容器1
に、それぞれ50ml注入充填した。又装置B3個に
ついては、同じ事務室内で、上記注射器の刺通針
を容器1の注入口に設けたゴム栓17に刺通し、
3個の容器1内に、それぞれ50ml注入充填した。
更に、装置C3個については、注射器の刺通針と
シリンジ間に0.45μ孔径のフイルター部材5′を挿
入連結して、上記装置Bと同様にそれぞれ50mlの
注入充填を行つた。注入後、これらを3日間30〜
32℃にて、放置した後、各装置A〜Cにつき各々
3個(計9個)の穿刺針31から、薬剤溶液を無
菌的に採取した。 これとは別に、装置A,Bのフイルター部材5
および装置Cに連結するフイルター部材5′の
材の平均孔径を0.22μにかえ、又、菌をシユード
モナス・デミニユータに変えて、装置A〜Cにつ
き、前記と全く同様の操作を行つた。 以上のようにして得られた計36種の採取液につ
き、日本薬局法一般試験法に定める発熱性物質試
験法および無菌試験法に基づいて試験を行つた。
結果を下記表1および表2に示す。表中、−は陰
性、+は陽性であることを示すが、陽性結果培地
の菌の同定は行つていない。
や、高カロリー輸液剤、リンゲル液等の輸液剤な
どの薬剤溶液を直接体内に注入するために、輸液
チユーブを連結した容器を具える輸液装置が汎用
されている。 このような輸液装置において、その容器中に充
填される注射剤、輸液剤等の薬剤溶液としては、
市販のものを用いるが、市販の薬剤溶液は、その
濃度が規定されており、又、容器中に充填される
薬剤溶液の濃度は、患者の疾患度に応じた処方に
より個々に変更する必要がある。このため、輸液
装置の容器中に薬剤溶液を注入充填するにあたつ
ては、患者ごとに、薬剤溶液の濃度を所定値に調
整したのち、これを容器中に注入充填しなければ
ならないことが多い。 このように薬剤溶液を注入充填する場合、通常
は、病院内のクリーンベンチ内で、薬剤の希釈作
業を行い、これを容器中に注入充填している。し
かし、クリーンベンチといえども、その除菌状態
に対し安心を抱くわけにはいかず、又作業を行う
作業者の手の保菌状態によつても、薬剤溶液が菌
に汚染される可能性がある。 特に、最近、抗癌剤、インシユリン、ヘパリン
等の輸液においては、その長期微量注入が実施さ
れ、輸液装置を携行しつつ長期間に亘り持続的に
輸液を行うことが多くなつている。そして、この
ような場合には、患者ごとに処方が異なること
や、薬剤を希釈したときの安定性、失活等の問題
から、家庭内等で、患者自身が医者の処方に従い
輸液剤の希釈を行い、これを補充充填する必要が
ある。しかし、このようなときには、薬剤溶液を
無菌状態で容器中に補充充填することは非常に難
しい。そして、充填に際しわずかでも微生物が混
入すると、これが長期間に亘る輸液に際し容器内
で増殖し、人体の抗菌力以上となつて人体内に侵
入するおそれがあり、非常に危険である。 これに対し、薬剤溶液を容器中に注入充填する
にあたり、薬剤溶液注入手段、例えば注射器の刺
通針とシリンジ間に、実質的に微生物を通さない
材を有するフイルター部材を連結し、この材
を介し、薬剤溶液を容器中に注入充填することも
考えられる。しかし、このような場合には、クリ
ーンベンチ等の限定された場所以外で、又作業者
の高度なテクニツクを要することなく、無菌状態
で薬剤溶液を注入充填することはできない。注入
装置にフイルター部材を連結すれば、非除菌状態
下で薬剤を希釈する際に混入する微生物が容器内
に侵入することは阻止できるが、非除菌状態で
は、容器注入部入口外面および注入手段先端、例
えば刺通針先端がともに汚染されており、薬剤溶
液の注入充填に際し、汚染された両者を連結した
とき、微生物が容器内に侵入する可能性があるか
らである。 他方、従来、輸液装置として、容器内の排出口
直前に、実質的に微生物を通さない材を有する
フイルター部材を設け(特開昭53−137595号公
報)たり、輸液チユーブの流路中に、実質的に微
生物を通さない材を有するフイルター部材を挿
入(実公昭52−38069号公報)したりするものが、
知られている。そして、このような構成からなる
輸液装置では、非除菌状態で薬剤溶液を注入充填
し、充填された薬剤溶液中に微生物が混入したと
しても、微生物の人体内への侵入は阻止される。 しかし、このような装置では、薬剤溶液中への
微生物の混入は阻止できず充填された薬剤溶液中
に一旦微生物が混入すると、微生物は、その生活
老廃物として、いわゆるパイロジエン物質を生成
する。そして、このパイロジエン物質は、特に長
期間に亘り輸液を行うようなとき急激に増大し、
その人体内への侵入は、上記のように配置された
材では阻止できず、パイロジエン物質が人体内
へ侵入すると、患者にとつてきわめて危険な状態
が招来する。 発明の目的 本発明はこのような実状に鑑みなされたもので
あつて、所定の薬剤溶液を容器中に注入充填する
にあたり、薬剤溶液を無菌状態で注入できる輸液
装置を提供することをその第1の目的とする。第
2の目的は、注入充填をクリーンベンチ等の限定
された除菌状態下の場所で行う必要がなく、又そ
の際高度のテクニツクを必要としないで安全に薬
剤溶液の充填ができる輸液装置を提供することに
ある。第3の目的は、非除菌状態下で薬剤を希釈
し、これを注入充填しても、微生物の混入はもと
より、微生物の生活老廃物の人体への侵入も阻止
できる輸液装置を提供することにある。本発明の
その他の目的は以下の記載から自づと明らかにな
るであろう。 本発明者はこのような目的につき鋭意検討を繰
返した結果、本発明をなすに至つたものである。 すなわち本発明は、薬剤溶液を注入し充填しう
る軟質容器と、当該容器に輸液チユーブの一端が
連結され、その他端に穿刺用構造体または穿刺用
構造体を接続できる機構をもつ輸液チユーブとを
具える輸液装置において、前記容器、あるいは前
記輸液チユーブから分岐して、実質的に微生物を
通さない材を有するフイルター部材を連結し、
当該フイルター部材には注入口を付し、当該注入
口から上記材を通して薬剤溶液を注入充填でき
るように構成してなり、前記穿刺用構造体または
穿刺用構造体を接続できる機構の先端露出部を覆
い、当該穿刺用構造体または穿刺用構造体を接続
できる機構の先端部に嵌着するプロテクタを具
え、当該先端部およびプロテクタの嵌着結合部を
水密に保持してなり、しかも装置内部が実質的に
無菌状態であることを特徴とする輸液装置であ
る。 なお、上記したような本発明の目的は、注入口
を付したフイルター部材を、容器に直接、または
輸液チユーブから分岐して、それと一体的に連結
するという本発明の構成によつてのみ実現するも
のである。これに対し、上記したように、フイル
ター部材を容器内の排出口直前や、輸液チユーブ
流路内に設けたり、あるいは薬剤溶液注入手段内
にフイルター部材を連結したりしても、このよう
な目的は実現しない。このような事実は、後記実
験例からも明白になるであろう。従つて、このよ
うな従来例から、あるいはこれら従来例を組み合
わせたとしても、これらにより本発明が推考可能
となるものではない。 発明の具体的構成 以下、本発明の具体的構成について詳細に説明
する。 本発明の輸液装置は、例えば第1図、第2図に
示されるように、容器1と、輸液チユーブ2と、
穿刺用構造体3またはそれを接続できる機構とを
順次一体的に接続してなる。 容器1は、薬剤溶液を注入し充填しうるもので
ある。容器1としては、種々の材質から形成する
ことができるが、このうち、可撓性バツグ、就
中、軟質の可撓性バツグとすることが好ましい。
軟質のバツクを用いると、無菌状態での薬剤溶液
の注入充填を容易に行うことができる。又、その
充填容量、形状等は使用用途に従い適宜決定すれ
ばよい。 このような容器1には、輸液チユーブ2がその
一端を連結されて、一体的に接続される。この場
合、輸液チユーブ2を介して、容器1内に予め注
入充填された薬剤溶液を、患者の静脈中等に、輸
液注入するには、落差を用いても、注入用ポンプ
を用いて行つてもよい。従つて、輸液チユーブ2
は、全体が通常のチユーブ材質から形成されてい
ても、その一部または全部が、ポンプチユーブと
して使用できる強靭な弾性をもつ材質から形成さ
れていてもよい。すなわち、チユーブ2は、軟質
ポリ塩化ビニル、ラテツクス、シリコーン樹脂、
エチレン・酢酸ビニル共重合体等からそれ自体一
体的に形成しても、あるいはこれらを組合せ接合
して形成しても、いずれでもよい。 なお、本発明においては、このような輸液チユ
ーブ2の中間、あるいはチユーブ2と容器1との
間には、輸液セツト、あるいは場合によつては輸
血セツト等において用いられる構造体、例えば点
滴筒、各種コネクター部などを挿入介在させてお
くこともできる。 又、容器1と輸液チユーブ2との連結は、公知
のいずれの方法によつてもよい。 このような輸液チユーブ2の他端には、穿刺用
構造体または穿刺用構造体を接続できる機構が一
体的に接続される。 穿刺用構造体としては、一般に、静脈、筋肉あ
るいは皮下に穿刺しうる穿刺針を具えたものであ
ればよい。例えば、図示の場合には、穿刺用構造
体3は、穿刺針31とハブ32を具え、更に、穿
刺針31先端露出部を覆い、ハブ32先端に嵌着
するプロテクタ33を具え、ハブ32およびプロ
テクタ33の嵌着部外表面を水密に保持せしめ、
装置内部の滅菌状態を維持するとともに、ハブ3
2後端をチユーブ2に接続してなる構造とされて
いる。この場合、ハブ32およびプロテクタ33
の外表面を水密に保持するには、当該領域に疎水
性皮膜を形成し、しかも、使用直前にプロテクタ
をハブからはずす際に、この皮膜が破断可能なよ
うにすればよく、このような皮膜は公知の方法に
従い形成することができる。 又、穿刺用構造体を接続できる機構としては、
チユーブ2他端に、ルアーチツプを一体的に形成
したり、刺通針が刺通可能な弾性栓を設けたりす
る等、上記に説明したような穿刺用構造体を直接
または間接的に接続できる公知の機構いずれであ
つてもよい。 このような前提の下で、本発明においては、第
1図に示されるように容器1に直接、あるいは第
2図に示されるように、輸液チユーブ2から分岐
して、実質的に微生物を通さない材を有するフ
イルター部材5を連結する。 このフイルター部材5に内蔵される材51
は、実質的に微生物を通さない孔径をもつもので
あるが、その平均孔径が0.45μ以下であることが
好ましい。ここに、0.45μ以下の孔径をもつとは、
日本薬局法の一般試験法に定める無菌試験法およ
び衛生試験法注解に基づき、セラチア・マルセツ
センス菌(Serratia marcescens、東京大学応用
微生物研究所株ナンバーIAM1223)を1ml中1
×105〜1×107個含む液10mlを過して、同菌を
実質的に通さないものである。 この場合、シユドモナス・デミヌユータ菌
(Pseudomonas diminuta、同上IAM1513)を同
様な試験法で実質的に通さない、0.22μ以下の平
均孔径であるとより好ましい結果をうる。 なお、材51は、一般に、酢酸セルロース、
ニトロセルロース、ポリカーボネート、塩ビ−ウ
レタン共重合体等から形成されるメンブランフイ
ルターとすればよい。 このような材51を内蔵するフイルター部材
5には、注入口57が付され、この注入口57か
ら、フイルター部材5中に内蔵される材51を
通して薬剤溶液が注入充填できるように構成す
る。 従つて、このような限りにおいて、フイルター
部材5の構造形状は、公知の種々のメンブランフ
イルターの中から選択すればよく、又過有効面
積等は、容器1の容積等から適宜決定すればよ
い。 また、図示では注入口57は、いわゆるルアー
テーパーを有するルアーチツプとして形成されて
いるが、この他、フイルター部材5入口に弾性栓
を設け、この弾性栓に注入手段の刺通針が刺通可
能にする等、注入手段と連結接合しうる公知の構
造いずれであつてもよい。 更に、フイルター部材5は、上記のように、容
器に直接に、あるいはチユーブから分岐して設け
られるものであるが、このフイルター部材5の
材51を介して薬剤溶液を注入充填した後、患者
への輸液時にフイルター部材5がじやまになるよ
うなときには、容器1とフイルター部材5間、あ
るいはチユーブ2分岐部におけるフイルター部材
5直前の位置にて、高周波シール等によつてシー
ルした後に、フイルター部材5を切り離すか、当
該位置に適当な接続機構を設け、この接続機構を
脱離して、フイルター部材5を切り離すこともで
きる。 なお、容器1、あるいは輸液チユーブ2の分岐
部にフイルター部材5を一体的に連結するには、
通常の態様で行えばよいが、特に、容器1にフイ
ルター部材5を直接連結するときには、輸液チユ
ーブ2の連結部と、フイルター部材5の連結部と
を、ともに容器1、特に可撓性バツグの同方向に
設け、容器1内の空気の排出を容易にすることが
好ましい。 以上詳述してきたような本発明の輸液装置は、
その各構成要素を一体的に接続した後、その内部
が実質的に無菌状態を維持するようにされる。無
菌状態にするための滅菌法としては、公知のオー
トクレーブ滅菌やエチレン・オキサイドガス滅菌
やγ−線滅菌を用いればよい。そして、無菌状態
にあるか否かは、公知の方法で容易に検証するこ
とができる。 なお、このような滅菌を行い、その滅菌状態を
維持するには、装置全体を包材中に収納して滅菌
する他、上記において説明したように、穿刺構造
体3を穿刺針31を具えるものとし、穿刺針31
のハブ32に水密にプロテクタ33を嵌着し、穿
刺針31からの菌の侵入を阻止するように構成し
てこれを滅菌することもできる。 発明の具体的作用効果 以上詳述してきた本発明の輸液装置は、抗癌
剤、インシユリン、ヘパリン等の各種注射剤や、
高カロリー輸液剤、リンゲル液等の各種輸液剤な
どの薬剤溶液を、直接静脈、筋肉、皮下等から体
内に注入するために用いられる。 本発明の輸液装置を用いて輸液を行うには、先
ず使用に先立ち、必要に応じ薬剤溶液を所定の濃
度に調整する。次いで、この所定量をフイルター
部材5の注入口57を介し、材51を通して容
器1中に注入充填する。次いで、チユーブ2他端
の穿刺用構造体3を患者に穿刺するか、チユーブ
2他端に直接または間接的に穿刺用構造体を接続
し、これを患者に穿刺する。そして、落差を利用
したり、注入ポンプを用い、容器1中の薬剤溶液
を患者に輸液注入する。 この場合、薬剤溶液の容器への注入充填にあた
つては、薬剤溶液の希釈を行う場所に関する制限
は解消し、又その注入充填もクリーンベンチ等の
特殊な除菌状態下の場所で行う必要はなく、例え
ば一般家庭内で、薬剤の希釈と、薬剤溶液の充填
とを行うことができる。微生物が存在する状況の
中で、このような装作を行つても、微生物の混入
はフイルター部材によつて有効に阻止されるとと
もに、注入充填直前に希釈作業を行えば、微生物
の生活老廃物の侵入も防止されるからである。そ
して、このように簡易な作業で薬剤溶液の滅菌充
填が行われる結果、薬剤溶液を長期に亘り持続的
に輸液注入する場合でも、患者身体内への微生物
およびその老廃物の侵入は阻止され、きわめて安
全である。又、このような効果は、装置と一体的
に設けたフイルター部材によつて実現するもので
あり、薬剤溶液の注入充填には何ら高度なテクニ
ツクは必要としない。 従つて、本発明の輸液装置は、患者自らが、医
者の処方に従い、家庭内で薬剤を希釈し、これを
補充充填し、装置を携行しつつ長期間持続的に輸
液を行うような場合において、きわめて有用であ
る。 なお、後記実験例からも明白なように、容器1
内部や、輸液チユーブ2流路内にフイルター部材
を設けるのみの構成や、注入手段とフイルター部
材を連結して、薬剤溶液を充填するような構成で
は、このような効果は実現しない。 本発明者は、本発明の効果を確認するため種々
実験を行つた。以下にその1例を示す。 実験例 本発明に従い、容器1に、酢酸セルロースメン
ブランフイルター(平均孔径0.45μ)を材51
とするフイルター部材5を設けて、第1図に示さ
れるような本発明の輸液装置Aを3個作製した。 これとは別に比較のため、第3図に示されるよ
うに、輸液チユーブ2の流路中に上記と同様の
材51を有するフイルター部材5を挿入して、そ
の他は上記と同様に、比較用輸液装置Bを3個作
製した。 更に比較のため、第4図に示されるような、フ
イルター部材5を全く設けない他は、上記と同様
にして、比較用輸液装置Cを3個作製した。 次いで、これら3種の輸液装置をエチレンオキ
サイドガス滅菌した。 一方、3%アミノ酸注射液500mlを充填してな
るガラスビンのゴム栓にセラチア・マルセツサン
ス菌を1ml中1×106個含む溶液を1ml塗布して
おいた。このガラスビン中に、ゴム栓を刺通し
て、注射器により20mlのインシユリン(100単
位/ml)溶液を注入し、これをよく混和して、一
定濃度とした。 次いで、別の滅菌済の注射器を用い、再度ゴム
栓を刺通して、ガラスビン中の内容液を採取し、
事務室内(非除菌空気中)で、上記装置Aについ
ては、注射器の刺通針をはずし、フイルター部材
5のルアーチツプ注入口57から、3個の容器1
に、それぞれ50ml注入充填した。又装置B3個に
ついては、同じ事務室内で、上記注射器の刺通針
を容器1の注入口に設けたゴム栓17に刺通し、
3個の容器1内に、それぞれ50ml注入充填した。
更に、装置C3個については、注射器の刺通針と
シリンジ間に0.45μ孔径のフイルター部材5′を挿
入連結して、上記装置Bと同様にそれぞれ50mlの
注入充填を行つた。注入後、これらを3日間30〜
32℃にて、放置した後、各装置A〜Cにつき各々
3個(計9個)の穿刺針31から、薬剤溶液を無
菌的に採取した。 これとは別に、装置A,Bのフイルター部材5
および装置Cに連結するフイルター部材5′の
材の平均孔径を0.22μにかえ、又、菌をシユード
モナス・デミニユータに変えて、装置A〜Cにつ
き、前記と全く同様の操作を行つた。 以上のようにして得られた計36種の採取液につ
き、日本薬局法一般試験法に定める発熱性物質試
験法および無菌試験法に基づいて試験を行つた。
結果を下記表1および表2に示す。表中、−は陰
性、+は陽性であることを示すが、陽性結果培地
の菌の同定は行つていない。
【表】
A 〓
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 薬剤溶液を注入し充填しうる軟質容器と、当
該容器に輸液チユーブの一端が連結され、その他
端に穿刺用構造体または穿刺用構造体を接続でき
る機構をもつ輸液チユーブとを具える輸液装置に
おいて、前記容器、あるいは前記輸液チユーブか
ら分岐して、実質的に微生物を通さない材を有
するフイルター部材を連結し、当該フイルター部
材には注入口を付し、当該注入口から上記材を
通して薬剤溶液が注入充填できるように構成して
なり、前記穿刺用構造体または穿刺用構造体を接
続できる機構の先端露出部を覆い、当該穿刺用構
造体または穿刺用構造体を接続できる機構の先端
部に嵌着するプロテクタを具え、当該先端部およ
びプロテクタの嵌着結合部を水密に保持してな
り、しかも装置内部が実質的に無菌状態であるこ
とを特徴とする輸液装置。 2 材の平均孔径が0.45μ以下である特許請求
の範囲第1項記載の輸液装置。 3 材の平均孔径が0.22μ以下である特許請求
の範囲第2項記載の輸液装置。 4 容器が可撓性バツクである特許請求の範囲第
1項〜第3項のいずれかに記載の輸液装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP56023999A JPS57139350A (en) | 1981-02-20 | 1981-02-20 | Liquid transfusion apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP56023999A JPS57139350A (en) | 1981-02-20 | 1981-02-20 | Liquid transfusion apparatus |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS57139350A JPS57139350A (en) | 1982-08-28 |
JPH0131908B2 true JPH0131908B2 (ja) | 1989-06-28 |
Family
ID=12126269
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP56023999A Granted JPS57139350A (en) | 1981-02-20 | 1981-02-20 | Liquid transfusion apparatus |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS57139350A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6030234U (ja) * | 1983-08-08 | 1985-03-01 | テルモ株式会社 | 輸液装置 |
JPS6040067A (ja) * | 1983-08-15 | 1985-03-02 | テルモ株式会社 | 医療用容器 |
JPH119658A (ja) * | 1997-06-19 | 1999-01-19 | Q P Corp | プラスチック容器のコネクター |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5238069U (ja) * | 1975-09-10 | 1977-03-17 |
-
1981
- 1981-02-20 JP JP56023999A patent/JPS57139350A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5238069U (ja) * | 1975-09-10 | 1977-03-17 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS57139350A (en) | 1982-08-28 |
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