JPH0131541Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、リヤシート後方に後向きのサブリヤ
シートを備えた自動車のシート装置に関するもの
である。

（従来技術） リヤシート後方に後向きのサブリヤシートを設
けた自動車のシート装置は、実開昭57−12056号
公報に見られる如く既に知られているが、公知の
後向きサブリヤシートはリヤフロアに対して固定
的に据付けられており、シート高さを調節するこ
とが不可能な構造となつている。しかも、自動車
の構造上リヤシート着座面よりサブリヤシート着
座面の方が一般に高くなつているのが普通である
ため、サブリヤシートの乗員のヘツドクリアラン
スを十分確保できない場合が生じ、居住性に問題
があつた。

（考案の目的） 本考案は、上記問題に鑑みてなされたもので、
その目的は、サブリヤシートの上下高さを調節可
能ならしめて、乗員の座高に適合せしめんとする
ことにある。

（考案の構成） 本考案は、リヤシート後方のキツクアツプした
リヤフロアに、下方に窪んだ凹部を形成し、該凹
部の上部に、シートクツシヨンとシートバツクと
からなる後向きのサブリヤシートを配置した自動
車において、該サブリヤシートのシートクツシヨ
ン下面両側に、前端部に係合部を有するシートフ
レームを設け且つ該シートフレームの後端部に
は、下端を前記凹部底面に回動自在に取付けられ
たシート脚の上端を回動自在に取付けるととも
に、前記凹部の両側壁には、前記係合部を係止す
べき複数の係止部を上下方向に形成して、サブリ
ヤシートのシートクツシヨンの高さを上下に調節
可能ならしめるようにしたことを特徴としてい
る。

（実施例） 以下、添付の図面を参照して、本考案の実施例
にかかる自動車のシート装置を説明する。

自動車の車室内には、第１図図示の如く、フロ
ントシート１、リヤシート２およびサブリヤシー
ト３が設けられている。

フロントシート１およびリヤシート２は共に前
向きとされ、サブリヤシート３は後向きとされて
いる。

前記リヤシート２の後方には、キツクアツプし
たリヤフロア４が設けられ、該リヤフロア４に
は、下方に窪んだ凹部５が形成されている。そし
て、前記サブリヤシート３はこの凹部５の前側上
部に配置され、シートクツシヨン３ａとシートバ
ツク３ｂとをリクライニング部材６を介して結合
して構成されている。なお、前記凹部５の深さ
は、サブリヤシート３を第４図図示の如く折り畳
んだ状態で格納し得るように設計されている。符
号７はその状態において凹部５の前側上部を覆う
カバー板である。

前記サブリヤシート３のシートクツシヨン３ａ
下面両側にはシートフレーム８，８がそれぞれ設
けられており、該シートフレーム８，８の前端部
には、下向きの切欠穴形状を呈する係合部９，９
がそれぞれ形成されている。

一方、前記凹部５の両側壁１０，１０にはガイ
ドフレーム１１，１１がそれぞれ設けられてお
り、該各ガイドフレーム１１には前記係合部９を
係止すべき複数のピン状の係止部１３，１３……
が後向きに傾斜した上下方向配列にて突設されて
いる。つまり、シートフレーム８の係合部９をガ
イドフレーム１１の係止部１３，１３……の一つ
に係止せしめることによつて、サブリヤシートシ
ートクツシヨン３ａの前部が支持されるのであ
る。

この係止部１３は係合部９への係合状態におい
て第３図図示の如く、シートフレーム８にピン１
４で回動自在に枢支されたロツクレバー１５でロ
ツクされるようになつている。このロツクレバー
１５は、スプリング１６によつてロツク解除方向
に付勢されつつ、シートフレーム８にピン１７で
回動自在に枢支された係止片１８によつてロツク
解除方向への作動を規制されている。符号１９は
係止片１８をロツクレバー１５と係合する方向に
付勢するスプリングである。そして、前記係止片
１８の一端には、シートフレーム８にピン２０で
回動自在に枢支されたロツク解除レバー２１の一
端が連結されている。しかして、該ロツク解除レ
バー２１を下方に押し下げると、係止片１８が上
方に弧回動して、ロツクレバー１５に対する規制
力が解除され、ロツクレバー１５はスプリング１
６の付勢力によつてロツク解除方向に作動せしめ
られる。従つて、係止部１３に対するロツクが解
除される。

更に、前記各シートフレーム８の後端部には、
シート脚２２の上端が軸２３によつて回動自在に
取付けられており、該シート脚２２の下端は、前
記凹部５底面にてガイドフレーム１１下端に軸２
４によつて回動自在に取付けられている。つま
り、サブリヤシートシートクツシヨン３ａの後部
はシート脚２２によつて支持されているのであ
る。

かかる構成において、第１図実線状態のサブリ
ヤシート３のロツク解除レバー２１を下方に押し
下げて、係止部１３に対するロツクを解除し、シ
ートフレーム８の係合部９を鎖線図示の如く次段
の係止部１３に係止すると、サブリヤシート３の
シート高さを低くすることができる。従つて、シ
ートフレーム８の係合部９を係止部１３，１３…
…の一つに選択的に係止せしめることによつて、
乗員Ｍの座高に応じてサブリヤシート３のシート
高さを調節することができる。この時、係止部１
３，１３……の配列が後方傾斜とされているの
で、シートクツシヨン３ａを下げるに従つて、シ
ートクツシヨン３ａの後端を持ち上げるようにセ
ツトでき、乗員Ｍの脚とのフイツト感が向上す
る。

なお図面中、符号１２はバツクドアを示してい
る。

（考案の効果） 叙上の如く、本考案によれば、リヤシート後方
配置した後向きのサブリヤシートのシートクツシ
ヨンのシート高さを上下調節可能となしたので、
乗員の座高に最適なシート高さを得ることがで
き、ヘツドクリアランスの確保による居住性の向
上を図ることができるという実用的な効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例にかかる自動車のシー
ト装置の側面図、第２図は第１図のＡ−Ａ断面
図、第３図は第１図のＢ部詳細図、第４図は第１
図のシート装置の格納状態を示す要部側面図であ
る。 ２……リヤシート、３……サブリヤシート、３
ａ……サブリヤシートのシートクツシヨン、３ｂ
……サブリヤシートのシートバツク、４……リヤ
フロア、５……凹部、８……シートフレーム、９
……係合部、１０……側壁、１３……係止部、２
２……シート脚。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リヤシート後方のキツクアツプしたリヤフロア
   には、下方に窪んだ凹部が形成され、該凹部の上
   部には、シートクツシヨンとシートバツクとから
   なる後向きのサブリヤシートが配置されており、
   該サブリヤシートのシートクツシヨン下面両側に
   は、前端部に係合部を有するシートフレームが設
   けられ、該シートフレームの後端部には、下端を
   前記凹部底面に回動自在に取付けられたシート脚
   の上端が回動自在に取付けられていて、前記凹部
   の両側壁には、前記係合部を係止すべき複数の係
   止部が上下方向に形成されていることを特徴とす
   る自動車のシート装置。