JPH0131257B2

JPH0131257B2 -

Info

Publication number: JPH0131257B2
Application number: JP22479A
Authority: JP
Inventors: Kyohei Fukuda; Soichi Sakurai; Masanobu Takada
Original assignee: Hitachi Ltd
Current assignee: Hitachi Ltd
Priority date: 1979-01-08
Filing date: 1979-01-08
Publication date: 1989-06-23
Also published as: JPS5593641A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は電磁集束形陰極線管、特に内蔵永久磁
石による電磁集束レンズを備えた電磁集束形陰極
線管に関するものである。

一般に、陰極線管の電子ビーム電磁手段として
は、静電集束方式と電磁集束方式の２種類があ
り、解像度の点においては、電磁集束方式のもの
が高い解像度が得られる。これは電磁集束レンズ
系では電子ビーム集束作用を行なうレンズ空間に
おいて、静電集束方式よりも高い電圧が印加でき
るため、電子相互の反撥による電子ビームの広が
りが小さく抑制されることに第１の原因がある。
また、第２の原因としては、レンズ作用を行なう
作用空間の電子ビーム進行方向距離を、電磁集束
方式の方が静電集束方式の場合よりも長くとれる
ため、球面、色収差を小さくできることにある。
しかしながら、このような利点を有する電磁集束
方式も従来は集束磁界発生用コイルを陰極線管の
外面に取り付けたり、コイル電流源が必要となつ
たりして重量や価格等を上昇させるなどの欠点を
有しているため、一部の陰極線管のみしか用いら
れていなかつた。しかしながら、このような問題
を解決するために、最近では電子銃電極系の一部
に電子ビームの通路に沿つて加速電極の作用を兼
ねた一対の集束磁性体を組み込み、集束磁界を効
率的に形成させることや、集束磁性体による磁界
形成効率の向上を利用して集束磁界を、管内に内
蔵した永久磁石によつて発生させることが提案さ
れている。

第１図、第２図、第３図、第４図は集束磁性体
と永久磁石とから構成される集束磁気回路を組込
んだ電磁集束形陰極線管の一例を示したものであ
り、第１図は陰極線管の要部断面図、第２図は第
１図の整磁用ヨークの横断面図、第３図はその縦
断面図、第４図はその側面図である。これらの図
において、１はバルブ、１ａは螢光面、２はカソ
ード、３は第１グリツド、４は第２グリツド、５
は第３グリツド、６は整磁用ヨーク、７は電子ビ
ーム通過孔、８は電子ビームの進行方向に着磁さ
れた永久磁石、９，１０，１１は電子ビーム、１
２は集束磁界分布、１３は漏洩磁界である。

このように構成された電磁集束形陰極線管にお
いて、カソード２から放出された電子は、カソー
ド２、第１グリツド３、第２グリツド４によつて
構成される三極レンズによつて集束作用を受けて
いわゆるクロスオーバを形成する。その後、約
20KV程度の高電圧が印加された第３グリツド５
によつて電子は一定の発散角を有して加速され、
永久磁石８と整磁用ヨーク６とによつて構成され
た集束磁気回路による集束磁界領域内に入る。こ
こで、この集束磁界領域は、永久磁石８により発
生した磁束が電子ビーム通過孔７を設けた整磁用
ヨーク６によつて吸収され、一対の整磁用ヨーク
の間隙部で管軸と平行のほぼ均一な集束磁界分布
１２となるため、この磁界分布１２のもとでは複
数の各電子ビーム９，１０，１１は理想的な集束
作用を受け、特に管軸上にないサイドビーム９，
１１に対して悪影響を与えることなく、この集束
磁界分布１２によるレンズ作用によつて上述した
クロスオーバの像点が螢光面１ａ上に得られる。
また、無偏向時においても各電子ビーム９，１
０，１１が螢光面１ａの中心附近に到達する。

しかしながら、上記構成による電磁集束形陰極
線管において、無偏向時の各電子ビーム９，１
０，１１は、螢光面１ａ上の一点には完全に集束
されない。これは、例えば、14インチ90度偏向の
カラーブラウン管の場合、各電子ビーム９，１
０，１１はそれぞれ約25mmずれている。これは永
久磁石８により発生した磁界が全て一対の整磁用
ヨーク６の間隙部に存在するのではなく、整磁用
ヨーク６に漏洩磁界１３が発生するとともに、こ
の漏洩磁界１３が各電子ビーム９，１０，１１に
対して均一でなく、特にサイドビーム９，１１に
対して管軸に垂直な動径方向成分が存在するため
である。また、この漏洩磁界１３は、偏向系にも
悪影響を及ぼし、画像の色ずれ、色むらの発生原
因となつていた。

したがつて本発明の目的は、上記従来の欠点を
除去するためになされたものであり、永久磁石と
整磁用ヨークとからなる磁気回路からの漏洩磁界
を低減させ、各電子ビームに対する電磁集束作用
を同等とするとともに、偏向磁界系に与える悪影
響を除去した電磁集束形陰極線管を提供すること
にある。

このような目的を達成するために本発明による
電磁集束形陰極線管は、整磁用ヨークの各電子ビ
ーム通過孔縁部に各電子ビームの中心軸と軸が一
致する軟強磁性材の円筒部を設けたものである。
以下図面を用いて本発明による電磁集束形陰極線
管について詳細に説明する。

第５図、第６図、第７図は本発明による電磁集
束形陰極線管、特に電磁集束作用空間に配置する
集束磁気回路の一実施例を示したものであり、第
５図は要部横断面図、第６図はその縦断面図、第
７図はその側面図であり、第１図〜第４図と同記
号は同一要素となるのでその説明は省略する。こ
れらの図において、１４は軟強磁性材により形成
された整磁用ヨークであり、この一対の整磁用ヨ
ーク１４は、電子ビーム９，１０，１１の通過孔
７をインライン状に設けた円板状の整磁用ヨーク
本体１４ａがそれぞれその通過孔７を電子ビーム
９，１０，１１の進行方向軸に一致させるように
して永久磁石８の両磁極面に密着配置され、かつ
この整磁用ヨーク本体１４ａの各電子ビーム通過
孔７の縁部から管軸方向に平行でかつ互いに離間
する方向に延在する円筒部１４ｂがそれぞれ独立
して一体的に設けられて構成されている。

このような構成によれば、永久磁石８からの磁
界の大部分は、一対の整磁用ヨーク１４の間隙部
に集束磁界分布１２として生じ、また漏洩磁界１
３は円筒部１４ｂ外面から外側に向うことにな
り、特にこの円筒部１４ｂの内側での漏洩磁界１
３は大幅に少なくなる。

第８図は集束磁気回路の管軸方向の磁界分布を
示したものであり、点線で示した特性は従来の
磁界分布を示し、実線で示した特性は本発明の
磁界分布を示したものである。また領域Ａは整磁
用ヨークの間隙部を示し、領域Ｂ、Ｃは漏洩磁界
発生領域を示し、特に領域Ｂは円筒部１４ｂの内
部領域、領域Ｃは磁気回路外領域を示したもので
ある。同図から明らかなように、漏洩磁界発生領
域Ｂ、Ｃにおいて、実線で示した本発明による漏
洩磁界分布領域が点線で示した従来の漏洩磁界分
布領域に対して約1/3程度と小さくなるため、漏
洩磁界発生領域における漏洩磁界が大幅に低減さ
れていることが判る。また、本発明による整磁用
ヨーク１４に漏洩磁界１３は、各電子ビーム用の
整磁用円筒部１４ｂ外面から発生するものであ
り、各電子ビーム９，１０，１１の中心軸に対し
て軸対称に近い分布となつている。したがつて、
この漏洩磁界１３によるレンズ作用は各電子ビー
ム９，１０，１１に独立に作用し、電子ビーム
９，１０，１１がレンズの周辺を通過することに
基ずくスタテイツクエンバーゼンスずれ、スポツ
ト径劣化等の悪影響はない。

以上説明したように本発明によれば、簡単な構
成で電子ビーム集束用磁気回路の漏洩磁界を低減
できるため、無偏向時においても各電子ビームを
螢光面の中心に集束させることができ、また偏向
系への影響も少なくなり、画面の色ずれ、色むら
の少ない電磁集束形陰極線管が得られる極めて優
れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電磁集束形陰極線管の一例を示
す要部横断面図、第２図、第３図、第４図は第１
図の集束磁気回路の要部横断面図、縦断面図、側
面図、第５図、第６図、第７図は本発明による電
磁集束形陰極線管に係わる集束磁気回路の一実施
例を示す要部横断面図、縦断面図、側面図、第８
図は集束磁気回路の管軸上位置に対する磁界分布
を示す特性図である。１……バルブ、１ａ……螢光面、２……カソー
ド、３……第１グリツド、４……第２グリツド、
５……第３グリツド、６……整磁用ヨーク、７…
…電子ビーム通過孔、８……永久磁石、９，１
０，１１……電子ビーム、１２……集束磁界分
布、１３……漏洩磁束、１４……整磁用ヨーク、
１４ａ……整磁用ヨーク本体、１４ｂ……円筒
部。

Claims

【特許請求の範囲】

１三電子ビーム通過孔を有する２枚の整磁用ヨ
ークを電子ビームの進行方向に着磁した永久磁石
の両磁極面に設けてなる電磁集束手段を陰極線管
ネツク部内に設けたマルチビーム電磁集束形陰極
線管において、前記三電子ビーム通過孔の縁部に
各電子ビームと中心軸を一致させかつ互いに離間
する方向に軟強磁性材からなる円筒部を設けたこ
とを特徴とする電磁集束形陰極線管。