JPH01304603A - 屈曲素子 - Google Patents

屈曲素子

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JPH01304603A
JPH01304603A JP63132649A JP13264988A JPH01304603A JP H01304603 A JPH01304603 A JP H01304603A JP 63132649 A JP63132649 A JP 63132649A JP 13264988 A JP13264988 A JP 13264988A JP H01304603 A JPH01304603 A JP H01304603A
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JP
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polymer
electrode
conductive polymer
bending
film
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Application number
JP63132649A
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English (en)
Inventor
Satoshi Yuasa
聡 湯浅
Yoshinori Tomita
佳紀 富田
Masanori Sakuranaga
桜永 昌徳
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Thermally Actuated Switches (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電気入力に応じて屈曲する高分子素子に関す
る。
(従来の技術〕 従来より、電気入力に応じて屈曲する素子としては、バ
イメタル、形状記憶合金、ピエゾ素子などが知られてい
る。
バイメタルは、熱膨張係数の異なる二種類の金属の薄膜
を張り合わせた構成を有し、温度変化により屈曲する。
したがって、バイメタル自体に電流を流して抵抗加熱す
る方法等を用いることにより、電流入力により屈曲させ
ることができる。
形状記憶合金は、冷時には比較的柔らかい状態で容易に
たわむが、加熱時には結晶相の変態により初めの形状に
復帰する性質を有する合金である。したがって、形状記
憶合金自体に電流を流して抵抗加熱する方法等を用いる
ことににより、電流入力により屈曲させることができる
ピエゾ素子は、電界を加えられると電歪が生じて変形す
る素子である。したがって、電圧印加により屈曲させる
ことができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述したような従来の屈曲素子は、いずれも無機材料よ
り構成されるので、比重が大きい、剛性率が高いなどの
特徴を有している。したがって、例えば生体の運動機能
を補助する装置、生体に接して触覚等を介して信号伝達
する装置の出力部などの用途のように、比重が小さく、
柔軟であることが必要とされる用途に用いるには適して
いなかった。
そこで、近年、材料の含有液体中のpHの変化に応じて
筋肉類似の力学特性を示す軽量の有機高分子、いわゆる
メカノケミカル材料と一般に称される材料(特開昭52
−28482号公報等)を利用して、屈曲素子を構成す
る提案がなされている。
そのような提案としては、例えば、メカノケミカル材料
と金属電極とを、電解液の中に浸漬し、金属電極に電気
入力することによって、電解液を介してメカノケミカル
材料の内部に部分的な電解質イオンの不均一分布を形成
し、その分布に応じた膨潤度の差により屈曲させる方法
が提案されている(特開昭61−4731号公報など)
しかしながら、本発明者らの知見によれば、この方法は
、電解液溶媒の電気分解を伴う事、メカノケミカル材料
の内部に、素子が屈曲できるような局所的イオン分布を
形成しなければならない事などに起因して、耐久性、駆
動応答速度、屈曲状態の制御などの点において十分では
なかった。
本発明は、そのような課題を解決するためになされたも
のであり、その目的は、比重が小さく、柔軟な高分子素
子であり、かつ駆動応答速度が比較的速く、屈曲状態の
制御が容易な屈曲素子を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、イオン解離性架橋高分子フィルムの一方の面
に導電性高分子層が形成されていることを特徴とする屈
曲素子である。
本発明の屈曲素子は、無機材料から構成される従来の屈
曲素子とは異なり、素子全体あるいは素子の主要部が存
機高分子材料(イオン解離性架橋高分子、導電性高分子
)により構成されるので、比重が小さく、かつ柔軟な屈
曲素子である。
また、本発明の屈曲素子は、導電性高分子が液体を介す
ることなく直接にイオン解離性高分子(メカノケミカル
材料)に接触しているので、電気入力の伝達速度も比較
的速い。また、電気入力による材料内部の−様なイオン
濃度変化により、体積変化(膨溜、収縮)するメカノケ
ミカル材料と、はとんど体積変化しない導電性高分子と
の、その体積変化の差によって屈曲させることができる
ので、館記特開昭61−4731号公報などに記載され
ているようなメカノケミカル材料の内部に局所的イオン
分布を形成する必要が有る方法よりも、屈曲状態の制御
が容易である。
また、本発明の屈曲素子は、イオン解離性高分子と大き
く異なる特性(弾性率、剛性など)を有する金属を、そ
の構成要素(電極など)として必ずしも用いる必要が無
く、上記特性が近似する導電性高分子を単独の電極とし
て用いることもできるので、繰り返し屈曲させても破壊
し難い、耐久性の優れた素子を提供することもできる。
なお、イオン解離性高分子フィルムと金属電極板とを直
接接合し屈曲素子として使用すると、その屈曲の際に、
上記高分子が電極から剥離してしまう傾向が強いが、本
発明の屈曲素子は、その間に、双方(上記高分子、上記
電極)との密着性に優れる導電性高分子を介在させ得る
ので、そのような剥離が少ない素子である。
以下、本発明の屈曲素子の一態様を示す第1図を参照し
つつ、本発明の詳細な説明する。
第1図に示す屈曲素子は、イオン解離性架橋高分子1、
導電性高分子2、電極3、絶縁層4が順次積層された構
成の屈曲素子である。
まず、本発明の屈曲素子の上記各構成要素1〜4につい
て説明する。
本発明でいう「イオン解離性架橋高分子1」とは、その
分子構造の一部に、例えばカルボキシル基、アミン基、
スルホン酸基等のイオン解離性の官能基を有する高分子
を意味する。
このイオン解離性架橋高分子1を特定の液体で膨潤させ
、その液体の例えば水素イオン濃度、金属イオン濃度な
どのイオン濃度を変化させると、そのイオン濃度の変化
に応じて高分子を膨潤または収縮させることができる。
なお、その膨潤、収縮の原理については後述する。
すなわち、この高分子1は、材料の含有液体中のイオン
濃度の変化に応じて筋肉類似の力学特性を示す軽量の有
機高分子、いわゆるメカノケミカル材料と一般に称され
る材料(特開昭52−28482号公報等)として知ら
れている。
本発明においては、以上のような特性を有する高分子1
であれば、どのような高分子でも用いることができる。
特に「イオン解離性架橋高分子1」として、イオン解離
性の官能基としてカルボキシル基を有する高分子を好適
に用いることができる。
なお、上記好適な高分子(イオン解離性の官能基として
カルボキシル基を有する高分子)の合成法としては、例
えば下記(a)および(b)の方法などがある。
(a)アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸などの重
合性モノマーを用いて高重合して合成する方法。
(bJカルボン酸銹導体の官能基(例えばアミド基、ニ
トリル基、エステル基等)を有する高分子を加水分解等
の方法で処理する方法。
[イオン解離性架橋高分子1」のフィルムの厚さは、あ
まり厚過ぎると、電気入力から屈曲するまでの応答時間
が長くなってしまう。一方、あまり薄過ぎると、屈曲に
必要な力がフィルムから発生しない。したがって、その
ような点を考慮しつつ、その厚さを選定すればよい。そ
の最適な厚さは、使用材料、使用用途などに応じて異な
るが、25μm〜2mm程度であることが望ましい。
以上説明したような「イオン解離性架橋高分子l」に含
有させる液体には、電解質を高誘電率溶媒に溶解させた
電解質溶液を用いればよい、その電解質としては、例え
ば、臭化リチウム、塩化リチウム、臭化ナトリウム、塩
化ナトリウム、硫酸ナトリウム、トルエンスルホン酸ナ
トリウム、エタンスルホン酸ナトリウム、プロパンスル
ホン酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、臭化カリウム、
塩化カリウム、硫酸カリウム、トルエンスルホン酸カリ
ウム、エタンスルホン酸カリウム、プロパンスルホン酸
カリウムなどの中性塩;例えば、塩酸、硫酸、過塩素酸
、トルエンスルホン酸などの酸を用いることができる。
一方、高誘電率溶媒としては、一般には水が使用可能で
あるが、他の溶媒、例えば、メタノール、エタノールな
どのプロトン性溶媒;例えば、プロピレンカーボネート
、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの
非プロトン性極性溶媒を単独でもしくは混合して使用す
ることができる。
「導電性高分子2」は、イオン解離性架橋高分子1が含
有する液体との間で、十分な量のイオンを可逆的に授受
することにより、その高分子1を膨潤または収縮させて
、素子の屈曲に必要な力を生じさせることが可能であり
、かつ素子の屈曲の際に十分な可撓性を示す高分子であ
れば、どのような導電性高分子も用いることができる。
特に「導電性高分子2」として、芳香族化合物を酸化的
に重合して形成した導電性高分子を好適に用いることが
できる。
上記好適な高分子(芳香族化合物を酸化的に重合して形
成した導電性高分子)における芳香族化合物としては、
例えばビロール、N−フェニルビロール、N−メチルピ
ロール、アニリン、アニシジン、トルイジン、0−アミ
ノフェノール、チオフェン、アズレン等を挙げることが
できる。それらの中で特に好適なのは、素中素化合物、
芳香族アミン化合物である。
上記好適な高分子(芳香族化合物を酸化的に重合して形
成した導電性高分子)における酸化的重合は、例えば、
前記芳香族化合物と電解質とを含む極性溶媒中に一対の
電・極を浸漬し、電流を通じることにより行なう、いわ
ゆる陽極酸化による電解重合法などが好ましい。
その電解重合に用いる電解質としては、例えば、硫酸イ
オン、硝酸イオン、トルエンスルホン酸イオン等の陰イ
オンを有する酸または塩、もしくはそれらの混合物など
を挙げることができる。
また、その電解重合に用いる極性溶媒とじては、例えば
、水、アルコール、アセトニトリル、ジメチルホルムア
ミドまたはプロピレンカーボネート等、もしくはそれら
の混合溶媒等を挙げることができる。
なお、第1図に示した態様においては、導電性高分子2
がイオン解離性架橋高分子1に一様に積層された構成を
示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電
気人力に応じた所望の屈曲が可能であれば、例えば部分
的に、あるいは不均一に積層されたものであってもよい
本発明の屈曲素子においては、以上説明した「イオン解
離性架橋高分子1」および「導電性高分子2−」が必須
構成要素である。
「@、電極」は、導電性高分子2に一様に電流を供給す
るために用いるものである。導電性高分子2の導電率が
十分に高い場合には、導電性高分子2の一端に導線を接
続する、すなわち導電性高分子2自体を電極とすればよ
いので、電極3は必ずしも必要ではない。
電極3に用いることのできる材料としては、電気化学的
に安定であり、素子の屈曲の障害とならない程度の可撓
性等の特性を有し、かつ導電性高分子2との密着性が十
分であることが望ましい。
具体的には、例えばカーボン繊維布、金の薄膜などが好
適である。
「絶縁層4」は、通電により導電性高分子2より放出さ
れるイオンが直接または電極3を透過して電解液に漏洩
する事を防ぎ、全ての放出イオンをイオン解離性架橋高
分子1に有効に作用させるものである。したがって、そ
のようなイオンの漏洩が問題にならない場合には必要で
はない。
「絶縁層4」として用いることのできる材料としては、
適度な絶縁性を示し、かつ素子の屈曲の障害とならない
程度の可撓性等の特性を有するものであれば、どのよう
なものでもよく、例えばポリイミド、ポリエステル、シ
リコン樹脂等の高分子を好適に挙げることができ、可撓
性等の点からその厚さは 100.以下であることが望
ましい。
本発明の屈曲素子は、以上説明したように「イオン解離
性架橋高分子1」および「導電性高分子2」を必須構成
要素とし、「電極3」や「絶縁層4」などを必要に応じ
て備えた素子である。このような構造に特徴が有る本発
明は、その製造方法により限定されるものではない。
ただし、下記特定の製造方法を採用することによって、
「イオン解離性架橋高分子1」と「導電性高分子2」と
の密着性に非常に優れ、かつ「導電性高分子2」の成膜
性や耐久性に非常に優れた本発明の屈曲素子を得ること
ができる。以下、そのような製造方法の一例について説
明する。
まず、導電性高分子2の好適な形成用材料として先に述
べたような芳香族化合物と電解質とを゛  含む極性溶
媒溶液を、「イオン解離性架橋高分子1」の単体に対し
て含浸させ、膨潤した状態にする。
次いで、その膨潤した「イオン解離性架橋高分子1」の
所望の面に金属等の第1の電極を接し、その対極として
他の面に第2の電極を接しあるいは前記極性溶媒溶液を
間に介して第2の電極を配置し、第1の電極を陽極とし
て電流を流す。すると、膨潤した「高分子l」の中に含
浸されている導電性高分子2の形成用材料が電解重合し
、「高分子1」の中の第1の電極側に「導電性高分子2
」が形成される。
その電解重合の際には、導電性高分子が例えばフィブリ
ル状(@小知繊維状)等に成長して導電性高分子の層を
形成するので、「イオン解離性架橋高分子1」に対して
非常に強く結着された「導電性高分子2」が形成される
したかって、特に、以上のような方法で製造した本発明
の屈曲素子は、繰り返し屈曲させても破壊し難い、耐久
性の非常に優れた素子である。
また、更には、成膜性が一般に劣る導電性高分子を用い
ても、良好に成膜して本発明の屈曲素子を製造できる方
法でもある。
また、更には、以上のような製造方法において、導電性
高分子がフィブリル状に成長するのであれば、r高分子
1」と「導電性高分子2」との接触面積が増加するので
、駆動応答速度の更なる向上が実現できる。
また、更には、以上のような製造方法において、電解重
合の際に、r高分子層」に接触させて使用した第1の電
極を、そのまま本発明の構成要素(第1図に示した電極
3等)として使用すれば、その「電極3」に対して非常
に強く結着された「導電性高分子2」となる。
なお、以上のような製造方法において、導電性高分子が
自由に成長することが妨げられないように、イオン解離
性高分子は、前記極性溶媒溶液を自重の2倍以上吸収し
膨潤していることが望ましい、一方、30倍以上の溶液
を含んで膨潤することは、「イオン解離性架橋高分子1
」が脆くなり、機械的強度の低下を招くので望ましくな
い。
先に述べたように、「イオン解離性架橋高分子1」の合
成方法としては、前記(b)のような、所望の官能基の
誘導体を有する高分子を加水分解等の方法で処理する方
法がある。そのような方法で「高分子1」を合成する場
合には、誘導体を処理する面に、上述したようなフィブ
リル状等に導電性高分子を成長させる電解重合を行なう
こともできる。つまり、上述したような電解重合の説明
中の「イオン解離性架橋高分子1」を「イオン解離性架
橋高分子1を合成する為の処理を施す前の高分子材料」
と読み代えることができる。
以上、本発明の屈曲素子の好ましい製造方法の一例を説
明したが、本発明の素子は、このような方法により製造
されたものに限定されるものではなく、例えば、あらか
じめ作製した「導電性高分子2」の上に、「イオン解離
性架橋高分子1」を単量体からの重合やプレポリマーか
らの架橋等の反応により生成させることにより固着させ
る方法などを用いてもよい。
以上説明したような本発明の屈曲素子は、例えば電解液
に浸漬する等してイオン架橋性高分子1を膨lAさせ、
電気入力を加えれば、所望の屈曲が可能である。その際
の屈曲状態は、例えば電気入力の量、各高分子1.2の
形状、材質などにより制御することができる。
なお、本発明者らは、メカノケミカル材料の駆動の際の
電解液の電気分解に起因する気泡の発生の問題を解決す
ることを目的とし、可逆電池として形成されたセル内に
メカノケミカル材料を浸漬し、該電池を充電または放電
することにより、その電池の電解液内のイオン濃度を変
化させて、メカノケミカル材料を膨憫または収縮させる
新規な方法を先に出願した(特開昭62−196324
号公報)。
本発明の屈曲素子の駆動に対しても、上記の駆動方法を
用いれば、気泡の発生の無い駆動が可能である。
以下、本発明の素子の屈曲のメカニズムについての説明
する。
本発明の屈曲素子において、導電性高分子を陽極として
通電すると、その導電性高分子に、陰イオンのドーピン
グおよび/または陽イオンの脱ドーピングが起こる。逆
に陰極とlノて用いると、陽イオンのドーピングおよび
/または陰イオンの脱ドーピングが起こり、この過程は
可逆的である。
したがって、通電により、導電性高分子層に接するイオ
ン解離性高分子の中に含まれる液体中のイオン組成が変
化し、イオン解離性架橋高分子が有するイオン解離性官
能基の解離度が変化し、架橋高分子の膨潤度が変わる。
その膨潤度の変化により、導電性高分子層との間に歪み
が生じて本発明の素子全体が屈曲するのである。
特に、導電性高分子層の形成に、芳香族アミン類を使用
した場合、この高分子層は、電解反応において、水素イ
オンを他のイオンに優先してドープ/脱ドープする傾向
があり、液体中のpHを約3〜6の範囲で効率良く変え
ることが認められる。この時、特にカルボキシル基を有
するイオン解離性架橋高分子を用いると屈曲が顕著であ
る。
すなわち、導電性高分子層を陽極として電流を流すと、
水素イオンの脱ドーピングが優先的に起こり、液体のp
Hが低下し、カルボキシル基の解離度の低下をもたらし
、架橋高分子全体の膨張度が低下するため、水素子は架
橋高分子面を内側にして屈曲する。逆方向に電流を流す
と、以上と逆の現象が起こる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明の屈曲素子は、以下のよう
な効果を有する。
(イ)素子全体あるいは素子の主要部が有機高分子材料
により構成されるので、比重が小さく、かつ柔軟である
(ロ)導電性高分子が直接にイオン解踵性高分子に接触
しているので、電気入力の伝達速度も比較的速い。また
、屈曲状態の制御も容易である。
(ハ)繰り返し屈曲させても破壊し難く、耐久性に優れ
る。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
実施例1 以下のようにして、第1図に示すような本発明の屈曲素
子を作製した。
まず、厚さ25μm、 50X7Omm長方形状のポリ
エステルフィルム(絶hAN4)の上に、蒸着により約
5OA厚の金膜(電極3)を形成した。
次いで、以下の組成の水溶液を、金膜(電極3)に数滴
滴下した。
・アクリルアミド          3重量%・N、
N−ジメチルアクリルアミド  2重量%・リボフラビ
ン          0.001重量%次いで、上記
水溶液を滴下した金ll1(電極3)に、 100μm
のスペーサを介して、40mmX 60mm長方形状の
カバーガラスをかぶせ、水平に保ちつつ、上方30cm
の距離から蛍光ランプにより可視光を25分間照射して
、上記水溶液中の成分を架橋重合させた。
次いで、カバーガラスを取り除き、生成した架橋高分子
層をそのまま風乾し、乾燥後、ポリエステルフィルム(
絶縁層4)、金膜(電極3)および上記架橋高分子層が
順次積層されて成るその積層フィルムを2 mmX 1
eaun長方形状に切断した。
次いで、アニシジン1.2重量%、硫酸3重量%の水溶
液の中に、上記切断した積層フィルムを浸漬し、上記架
橋高分子を膨潤させた。
次いで、上記積層フィルムの一端から約3mmの部分に
被覆している架橋高分子層を除去することによって、そ
の部分の金膜(電極3)を露出させた。
次いで、その露出させた部分の金膜(電極3)を、定電
流源の正出力側に接続し、負出力側を30mmX 20
non四方の白金電極に接続した。
上記アニシジン硫酸水溶液中において、60μAの電流
で10分間電解重合を行ない、上記架橋高分子層の電極
3に接する部分から「導電性高分子2」を成長させた。
次いで、電流の方向を逆にして60μA、1分間通電し
、「導電性高分子2」を一部還元した。
次いで、これを2%の水酸化カリウム、15%の水を含
むメタノール溶液に4時間浸漬し、導電性高分子2が一
部形成された前記架橋高分子を加水分解してイオン解離
性を付与することにより「イオン解離性架橋高分子1」
を形成した。
以上のようにして作製した本発明の屈曲素子を、 1,
5重量%硫酸カリウム水溶液に浸漬して平衡させ、同溶
液中に白金電極(対極)を浸漬した。金膜(電極3)を
陰極として通電すると、ポリエステルフィルム(絶縁層
4)側を内側にして直ちに屈曲し、一方、金膜(電極3
)を陽極として通電すると、逆方向へ屈曲することが確
かめられた。
実施例2 以下のようにして、第1図に示すような本発明の屈曲素
子を作製した。
まず、実施例1と同様にしてポリエステルフィルム(絶
縁層4)の上に、金膜(電極3)を形成した。
次いで、以下の組成のアルコール溶液を、45℃にて重
合してポリマー溶液を得た。
・N、N−ジメチルアクリルアミド  5重量%・N−
メチロールアクリルアミド   1重量%・スチレンス
ルホン酸       0.2重量%・アゾビスイソブ
チロニトリル    0.1重量%次いで、上述のよう
にして得たポリマー溶液を、金膜(電極3)の上に、約
200−の膜厚にキャストし、 120℃にて5時間真
空乾燥して、架橋高分子層を形成した。
次いで、ポリエステルフィルム(絶縁層4)、金膜(電
極3)および上記架橋高分子層を順次積層して成るその
積層フィルムを5 ff1ax 30mm長方形状に切
断した。
次いで、アニリン1重量%、硫酸3重量%の水溶液の中
に、上記切断した積層フィルムを浸漬し、上記架橋高分
子を膨潤させた。
次いで、上記積層フィルムの一端から約511II11
の部分に被覆している架橋高分子層を除去することによ
って、その部分の金膜(電極3)を露出させた。
次いで、上記アニリン硫酸水溶液中において、電流値を
2.5m Aとする以外は、以下、実施例1と同様にし
て電解重合を行ない「導電性高分子2」を形成し、それ
を一部還元し、加水分解して「イオン解離性架橋高分子
1」を形成した。
以上のようにして作製した本発明の屈曲素子を1.5重
量%硫酸ナトリウム−0,05重量%硫酸水溶液に浸漬
して平衡させた。
次いで、上記硫酸ナトリウム−硫酸水溶液8111を取
り出し、ガラス容器(底面10mmX 25mm、高さ
40mm )に入れ、上記作製した本発明の屈曲素子を
金膜(電極3)の露出部を液面上に、他の部分が液面下
になるようにして、上記水溶液につり下げた。
上記水溶液中に、lOmmx 45mm長方形状の白金
電極を対極として浸漬し、通電することにより、金を陰
極として通電すると、本実施例の屈曲素子はポリエステ
ルフィルム(絶縁層4)側を内側にして直ちに屈曲し、
一方、金を陽極とすると、逆方向へ屈曲することが確か
められた。
表−1に、素子先端の導電前の位置からの、通電時の移
動距離の測定値と通電電気量との関係を示す。
表−1 本発明の屈曲素子の先端の移動距離は、通電後2分間は
ど変動する。表−1に示した値は、4分後の測定値であ
る。なお、4分以降の経時的変化は、はとんど認められ
なかった。以上の結果のように、本実施例の屈曲素子に
おいては、積算した通電電気量に応じた屈曲を観測する
ことができた。
実施例3 40mmX 60mm長方形状の二枚のガラス板を1[
!1I11の間隔をあけて保持し、三方をパラフィンで
固めることによりて容器とした。
次いで、以下の組成の水溶液を、上記容器に満たした。
・アクリルアミド          7重量%・リボ
フラビン          0.001重量%次いで
、上記容器内の水溶液に光照射を25分間行ない、架橋
高分子フィルムとした後、ガラス中からこのフィルムを
取り出し、その片面に厚さ約4μmの金箔を付着させた
次いで、実施例2と同様のアニリン−硫酸溶液の中に、
そのフィルムを浸漬し、白金板を対向電極として、4m
A、70分間通電し、導電性高分子を形成し、次いで、
4mA、10分間逆方向の電流を流して還元反応を行な
った。
次いで、実施例1と同様にして加水分解を行ないイオン
解離性架橋高分子を形成した。
以上のようにして作製した本発明の屈曲素子も、実施例
1.2と同様に、硫酸カリウムあるいは硫酸ナトリウム
水溶液中において、通電により屈曲した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の屈曲素子の一態様を示す断面図であ
る。 1・・・イオン解離性架橋高分子 2・・・導電性高分子 3・・・電極 4・・・絶縁層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)イオン解離性架橋高分子フィルムの一方の面に導
    電性高分子層が形成されていることを特徴とする屈曲素
    子。
  2. (2)前記導電性高分子が、芳香族化合物の酸化的重合
    体より成る高分子である請求項1記載の屈曲素子。
  3. (3)前記芳香族化合物が、芳香族一級アミンである請
    求項2記載の屈曲素子。
  4. (4)前記イオン解離性架橋高分子が、その分子構造中
    にカルボキシル基を有する請求項1〜3のいずれか記載
    の屈曲素子。
JP63132649A 1988-06-01 1988-06-01 屈曲素子 Pending JPH01304603A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1239151A1 (de) * 2001-03-05 2002-09-11 Abb Research Ltd. Aktuator

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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