JPH0130436Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、スリツプシート搬送装置に関するも
のである。

〔従来の技術〕

品物を荷積みする場合、木製のパレツトの上に
荷積みするのが一般的であるが、この他に、適度
の弾性を有する合成樹脂製のスリツプシートの上
に荷積みすることがある。

そして、スリツプシートを搬送する場合、コン
ベヤあるいはプツシヤ等の通常の搬送手段で搬送
する他に、移動自在のバキユームカツプを用いて
搬送することも可能で、諸条件により適当な搬送
手段を選定していた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、スリツプシートは、品物を載せた状
態でその縁部を掴まれて、引摺られたり、品物の
下部から引抜かれたりするので、掴み易くするた
めに縁部が斜め上方に折曲されているが、個々の
スリツプシートの縁部の折曲角度や弾性は、それ
ぞれのスリツプシートの使用回数や使用状態によ
つて異なつている。

したがつて、スリツプシートをコンベヤで搬送
した後に、荷積み装置の荷積み位置等の所定位置
に位置決めする場合、ストツパを用いても、位置
決めが不正確で、そして、搬送ストロークが定ま
つたプツシヤでスリツプシートを搬送しても、同
様に位置決めが不正確であつた。

そのため、スリツプシートをコンベヤあるいは
プツシヤ等の通常の搬送手段で搬送した後に所定
位置に正確に位置決めする場合、搬送手段の他
に、ストツパ以外のなんらかの位置決め手段を設
けなければならなかつた。

なお、スリツプシートの搬送は搬送ストローク
が定まつたバキユームカツプを用い、位置決めは
予めバキユームカツプの吸着前に行なつておくこ
とも考えられるが、この方法の場合も、ストツパ
以外のなんらかの位置決め手段をスリツプシート
を吸着する位置に設けなければならず、しかも、
荷積み装置の荷積み位置にスリツプシートを搬送
して位置決めするような場合では、品物を荷積み
するための様々な機構が荷積み位置の上部にある
ので、ここにバキユームカツプの移動機構を設け
ることが困難で、現実的でない。

本考案は、このような点に鑑み成されたもの
で、スリツプシートを、簡単な機構で、搬送して
正確に位置決めできるようすることを目的とする
ものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案のスリツプシート搬送装置は、スリツプ
シートＳの搬送路１８に沿つて移動するたとえば
横継ぎ枠２２等の移動体と、この移動体に上下動
自在に設けられ下降時に上記スリツプシートＳの
端部Ｓ１を上方から平坦状に押えるたとえば押え
板２３等の押え体と、この押え体の下部に設けら
れ上記移動体の移動時に上記スリツプシートＳの
端部Ｓ１を押動するたとえば複数の押動片２６等
の押動体と、上記搬送路１８に沿つて設けられ上
記押え体と係合し上記移動体の移動初期に押え体
を上記スリツプシートＳの端部Ｓ１に下降させる
ガイドレール２９とを具備したことを特徴とする
ものである。

〔作用〕

本考案のスリツプシート搬送装置は、押え板２
３等の押え体でスリツプシートＳの折曲された端
部Ｓ１を平坦状に押えた状態で、押動片２６等の
押動体でスリツプシートＳを押動搬送し、これに
よつて、どのスリツプシートＳも同じ条件で所定
の位置に搬送するものである。

〔実施例〕

本考案の実施例を図面を参照して説明する。

第１図は荷積み装置を示し、１はローラコンベ
ヤから成る荷積み物搬出コンベヤで、このコンベ
ヤ１は、その基端部が荷積み位置２に配設され、
この荷積み位置２でパレツトＰ上あるいはスリツ
プシートＳ上に荷積みされた袋詰めの品物Ｂを、
パレツトＰあるいはスリツプシートＳとともにそ
の先端部に搬出する。なお、図示しないが、荷積
み位置２及びその周囲の上部には荷積み装置の主
要部が設けられている。

そして、３はパレツト収納供給装置で、このパ
レツト収納供給装置３は、チエーンコンベヤから
成るパレツト搬入コンベヤ４を介して上記荷積み
物搬出コンベヤ１の基端部に一直線状に接続さ
れ、このコンベヤ４を介して荷積み位置２にパレ
ツトＰを１枚ずつ供給する。

また、５はスリツプシートステーシヨンで、こ
のスリツプシートステーシヨン５との間に合紙ス
テーシヨン６を挟んでスリツプシート搬送装置７
の基端部が配設されているとともに、この搬送装
置７の先端部が上記荷積み物搬出コンベヤ１の基
端部つまり荷積み位置２の一側に直角状に接続さ
れ、さらに、各ステーシヨン５，６及び搬送装置
７の基端部の上部に沿つてスリツプシートＳ及び
合紙Ｋの移載装置８が配設され、この移載装置８
がスリツプシートＳ及び合紙Ｋを各ステーシヨン
５，６から１枚ずつ搬送装置７の基端部に移載
し、搬送装置７がこのスリツプシートＳ及び合紙
Ｋを荷積み位置２に供給する。

以下に上記スリツプシートＳ等の供給に関する
部分を具体的に説明する。

第２図に示すように、上記スリツプシートステ
ーシヨン５及び合紙ステーシヨン６は、それぞれ
ローラコンベヤ１１，１２上に設けられ、パレツ
トＰ上に積重したスリツプシートＳ及び合紙Ｋが
支持される。そして、とくに合紙ステーシヨン６
のローラコンベヤ１２は、第１図に示したよう
に、ステーシヨン６の一側に延設され、ここに合
紙待機ステーシヨン１３が設けられている。

第２図ないし第５図に示すように、上記スリツ
プシート搬送装置７は、モータ１５によつて正逆
駆動される複数たとえば５本の無端状の搬送チエ
ーン１６を備えたチエーンコンベヤ１７を有し、
このコンベヤ１７の搬送路１８の合紙ステーシヨ
ン６側の基端部に、スリツプシートＳの支持台１
９が、各チエーン１６の側方に位置して各チエー
ン１６の搬送面より僅かに高くして設けられてい
る。

そして、上記コンベヤ１７の各チエーン１６上
に移動体としての横継ぎ枠２２が取付けられ、こ
の横継ぎ枠２２の上部に押え体としての押え板２
３が回動自在に軸支されて、その上下動自在の押
え部２４が横継ぎ枠２２の前部に突出し、この押
え部２４の下部に上記各支持台１９間の間隙２５
に対応して４つの押動体としての押動片２６が取
付けられている。

また、上記各支持台１９間の各間隙２５のうち
の外側方に位置した２つの間隙２５の下方に対応
して、一対のガイドレール２９が上記コンベヤ１
７の搬送路１８の下部に沿つて配設され、この各
ガイドレール２９の上面に係合する一対のコロ３
０が上記押え板２３の下部にロツド３１を介して
軸支されている。

なお、上記コンベヤ１７の搬送路１８の基端部
一側に固定のガイド３３が設けられているととも
に、他側にエヤシリンダ３４により固定のガイド
３３に進退する可動のガイド３５が設けられてい
る。

第２図に示すように、上記移載装置８は、レー
ル３８に沿つてモータ３９により上記各ステーシ
ヨン５，６及び搬送装置７の基端部の上部を移動
する移動枠４０を有し、この移動枠４０の下部に
エヤシリンダ４１により上下動する昇降枠４２が
設けられ、この昇降枠４２の下部に６つのバキユ
ームカツプ４３が設けられている。

次に、動作を説明する。

まず、第２図に示すように、移載装置８の移動
枠４０がモータ３９によりレール３８に沿つてス
リツプシートステーシヨン５の上方に移動した状
態で、その昇降枠４２がエヤシリンダ４１により
下降し、その６つのバキユームカツプ４３が最上
部のスリツプシートＳに当接してこれを吸着し、
昇降枠４２がエヤシリンダ４１により上昇し、そ
の後、移動枠４０がモータ３９によりレール３８
に沿つてスリツプシート搬送装置７の基端部の支
持台１９の上方に移動し、昇降枠４２が下降し、
バキユームカツプ４３がスリツプシートＳを解放
してこれを支持台１９上に降ろす。

ついで、同様にして、移動枠４０が合紙ステー
シヨン６の上方に移動し、その昇降枠４２が下降
し、各バキユームカツプ４３が最上部の合紙Ｋに
当接してこれを吸着し、昇降枠４２が上昇し、そ
の後、移動枠４０がスリツプシート搬送装置７の
基端部の支持台１９の上方に移動し、昇降枠４２
が下降し、バキユームカツプ４３が合紙Ｋを解放
してこれを支持台１９上のスリツプシートＳの上
に降ろす。

なお、合紙Ｋを降ろすと、昇降枠４２が上昇す
るとともに、移動枠４０がスリツプシートステー
シヨン５の上方に移動、移載装置８は待機状態と
なる。

ついで、第３図ないし第５図に示すように、ガ
イド３５がエヤシリンダ３４によりガイド３３に
向かつて前進し、支持台１９上のスリツプシート
Ｓ及び合紙Ｋを搬送路１８の幅方向から位置決め
し、この状態で、モータ１５によりコンベヤ１７
の各搬送チエーン１６が第４図において反時計方
向に同期的に回行し、横継ぎ枠２２がチエーン１
６とともにスリツプシート搬送装置７の基端部か
ら先端部すなわち荷積み位置２に向かつて移動す
る。

そして、この横継ぎ枠２２の移動にともなつ
て、移動の初期に各ガイドレール２９とコロ３０
の係合により押え板２３が自重で下降し、その押
え部２４が支持台１９上のスリツプシートＳの端
部Ｓ１の上面に係合してこの端部Ｓ１を平坦状に
押えるとともに、その各押動片２６がスリツプシ
ートＳの端部Ｓ１の端面に係合してこの端部Ｓ１
を押動し、押え部２４がスリツプシートＳの端部
Ｓ１を平坦状に押えたままの状態で、各押動片２
６がスリツプシートＳを支持台１９上から各搬送
チエーン１６上に移載し、この各チエーン１６及
び各押動片２６がスリツプシートＳを上記荷積み
物搬出コンベヤ１の荷積み位置２に搬送する。

したがつて、どのスリツプシートＳも、その端
部Ｓ１の折曲角度が同じにされた状態で、荷積み
位置２に搬送されるので、横継ぎ枠２２の移動ス
トロークを決めておけば、どのスリツプシートＳ
も、全く同じ位置に搬送され、各スリツプシート
Ｓを正確に荷積み位置２に位置決めできる。

そして、スリツプシートＳを荷積み位置２に搬
送すると、モータ１５によりコンベヤ１７の各搬
送チエーン１６が第４図において時計方向に同期
的に回行して横継ぎ枠２２がチエーン１６ととも
にスリツプシート搬送装置７の先端部から基端部
に向かつて移動し、ガイド３５もエヤシリンダ３
４によりガイド３３と反対の方向に後退し、スリ
ツプシート搬送装置７は待機状態となる。

また、押え板２３から解放されたスリツプシー
トＳの端部Ｓ１は、その弾性により、元の折曲状
態に戻る。

なお、押え板２３によるスリツプシートＳの端
部Ｓ１の押圧状態は、必ずしも完全に平坦である
必要はなく、要は個々のスリツプシートＳの端部
Ｓ１の折曲角度を同じにできればよいので、適当
に折曲した状態でよく、かえつて、強く押え過ぎ
ると、押動片２６がスリツプシートＳの端部Ｓ１
に当接しなくなつたり、スリツプシート搬送装置
７が待機状態に戻る際に、スリツプシートＳも押
え板２３とともに戻つてしまう可能性もある。

また、この実施例では、スリツプシートＳ上に
合紙Ｋを載せているが、この目的は、品物Ｂを荷
積みしたスリツプシートＳを、プツシユプルタイ
プのフオークリフトで、トラツクの荷台等に移載
し、スリツプシートＳの端部Ｓ１を掴んで、スリ
ツプシートＳだけを引抜く際に、最下段の品物Ｂ
が破損するのを防止するためである。

〔考案の効果〕

上述したように、本考案によれば、端部が上方
に折曲されたスリツプシートを搬送する際に、こ
の端部を押え体で平坦状に押えた状態で、押動体
でスリツプシートを押動搬送するので、どのスリ
ツプシートもその端部の折曲状態を同じにして搬
送することができ、したがつて、搬送ストローク
を決めておけば、どのスリツプシートも正確に同
じ位置に搬送して位置決めできる。そして、押え
体は、移動体に上下動自在に設けられ、移動体の
移動初期にガイドレールとの係合によりスリツプ
シートの端部に下降して平坦状に押えるので、押
え体の上下動用の駆動源を特に設ける必要がな
く、構造も簡単にできる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図は荷積み
装置の平面図、第２図はそのスリツプシートステ
ーシヨンからスリツプシート搬送装置にかけての
部分の側面図、第３図ないし第５図はそれぞれそ
のスリツプシート搬送装置部分の平面図、側面図
及び縦断面図である。 Ｓ……スリツプシート、Ｓ１……スリツプシー
トＳの端部、７……スリツプシート搬送装置、１
８……スリツプシートＳの搬送路、２２……移動
体としての横継ぎ枠、２３……押え体としての押
え板、２６……押動体としての押動片、２９……
ガイドレール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スリツプシートの搬送路に沿つて移動する移動
   体と、この移動体に上下動自在に設けられ下降時
   に上記スリツプシートの端部を上方から平坦状に
   押える押え体と、この押え体の下部に設けられ上
   記移動体の移動時に上記スリツプシートの端部を
   押動する押動体と、上記搬送路に沿つて設けられ
   上記押え体と係合し上記移動体の移動初期に押え
   体を上記スリツプシートの端部に下降させるガイ
   ドレールとを具備したことを特徴とするスリツプ
   シート搬送装置。