JPH0130038B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、断水することなく、三重構造管に分
岐継手を接続できる方法に関する。

近年、老朽化した既設管の補強あるいは補修を
目的として、鋳鉄管、鋼管等の既設管内にポリエ
チレン樹脂、塩化ビニル樹脂等からなる合成樹脂
管を挿通し、既設管と合成樹脂管との間にセメン
トミルク、モルタル等の充填材を注入する配管施
工が行われている。そして、従来この種三重構造
管から分岐管を取出す場合、例えば第３図に示す
ように、既設管１１、充填層１２及び合成樹脂管
１３からなる三重構造管１の管壁に接続穴を穿設
し、この穴に分岐管２′をねじ込んで接続すると
共に、分岐管２′をサドル３′に螺合させ、このサ
ドル内面と管１の外面との間にパツキング４を介
在させて水密性を保持していた。

しかしながら前記接続操作には、三重構造管内
の流水を一時的に止めて行う必要があり、断水が
許されてない給水地域にあつては分岐管の取出し
が行えなかつた。

また、前記接続構造にあつては、三重構造管１
内の流水が内部圧力によつて充填層１２内ににじ
み出し、既設管１１を腐蝕させることによつて、
パツキング４による水密性を低下させ、漏水の原
因ともなつていた。

本発明は、かかる従来欠点を解消したものであ
つて、断水することなく分岐配管が行えると共
に、漏水の発生する虞れの全くない、分岐継手の
接続方法を提供するものである。

以下、本発明を図面にて詳細に説明する。

第１図及び第２図は、本発明の工程を示す部分
断面図であつて、図中１は三重構造管、２は分岐
サドル、３は分岐断手、４はパツキング、５は穿
孔ドリル、６はパツキングである。

三重構造管１は、鋳鉄管、鋼管等の既設管１１
内に合成樹脂管１３を挿通し、既設管１１と合成
樹脂管１３との間にセメントミルク、モルタル等
を注入して固化させた充填層１２からなる構造を
有する。分岐サドル２は、分岐部２１とサドル部
２２とからなり、分岐部２１と接合したサドル部
内面にはパツキング収納部２２１が設けられてい
る。２２２は断水コツクである。

分岐継手３は、前記分岐部２１内に挿通できる
外径を有し、その外周面にはねじ３３が設けられ
ている。このねじ３３には、鍔付短管３５と回動
自在に係合した袋ナツト３４が螺合している。ま
た、この分岐継手３は一端に継手部３１を有し、
他端先端部に末広がりのテーパ面３６が設けら
れ、このテーパ面３６にパツキング６が装着され
ている。３２は断水コツクである。

次に、本発明の接続工程を図面に従つて説明す
る。

まず、第１図に示すように、分岐管の取出しを
行う三重構造管１の所定位置に分岐サドル２を跨
がらせて固定する。

この固定手段は特に限定されるものでなく、第
１図に示すように同形状のサドルフランジ７を用
いて固定する方法、あるいは第３図に従来例で示
したようにＵ字形ボルトを用いて固定する等その
他種々の手段をとることができる。この時、パツ
キング収納部２２１内にパツキング４を嵌め込ん
でおく。

次いで、分岐サドル２内に穿孔ドリル５を遊嵌
させ、該穿孔ドリル５を回転させつつ三重構造管
１の管壁に接続穴を穿設する。即ち、穿孔ドリル
５を水密、かつ回転可能に保持する袋ナツト５１
を分岐部２１の先端にねじ込んで固定し、回転駆
動装置（図示せず）に接続した穿孔ドリル５を回
転させて穿設するものである。この時、断水コツ
ク２２２は開放状態にある。しかして、穿孔ドリ
ル５の先端部が管壁を貫通したときに、穿孔ドリ
ル５を上方に持ち上げ、断水コツク２２２の上方
にきたとき断水コツク２２２を閉塞し、袋ナツト
５１を取外すと共に穿孔ドリルを上方に持ち上げ
て取外す。この時、断水コツク２２２が、分岐部
２１を閉塞しているので、三重構造管１内の流水
が漏水することはない。

次に、第２図に示すように、分岐サドル２内に
分岐継手３を挿通させて接続する。この接続操作
は、まず分岐継手３の先端部付近に袋ナツト３４
を螺合せ、テーパ面３６にパツキング６を装着
し、この状態で鍔付短管３５を分岐部２１の先端
にねじ込んで固定する。この時、断水コツク３２
を閉塞しておく。次いで、断水コツク２２２を開
放し、袋ナツト３４を回転させて分岐継手３を下
降させつつ、その先端部を接続穴に挿入し、パツ
キング６の先端部が三重構造管の円周面より若干
突出したときに停止する。しかる後、袋ナツト３
４を逆回転させ、分岐継手３を若干上方に持上げ
て分岐サドル２に固定する。この分岐継手３の上
方移動によりパツキング６はテーパ面３６に沿つ
て移動すると共に拡径し、その外周面が合成樹脂
管の穴壁に密接して、水密性が確実に保持され
る。この様にして三重構造管１に分岐継手３を接
続した後、継手部３１に被接続管を接合して分岐
配管が完了する。

以上詳細した如く、本発明の接続方法は三重構
造管内の流水を一時的に断水することなく、分岐
管の取出しが行えるので、実用上頗る利用価値の
高いものである。また、この分岐継手の接続構造
は、最内層の合成樹脂管とパツキングを介して接
続するので水密性が確実に保持され従来のように
内圧によつてにじみ出した漏水によつて、鋳鉄
管、鋼管等の既設管が腐蝕されて水密性が低下す
る虞れも全くない。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本発明の接続工程を示す部
分断面図、第３図は従来例を示す横断面図であ
る。 １……三重構造管、１１……既設管、１２……
充填層、１３……合成樹脂管、２……分岐サド
ル、２１……分岐部、２２……サドル部、３……
分岐継手、３６……テーパ面、４……パツキン
グ、５……穿孔ドリル、６……パツキング。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 鋳鉄管、鋼管等の既設管内に合成樹脂管が挿
   通され、前記既設管と合成樹脂管との間にセメン
   トミルク、モルタル等の充填層が設けられてなる
   三重構造管に分岐継手を接続するにあたり、次の
   ａ〜ｄの各工程からなることを特徴とする三重構
   造管に分岐継手を接続する方法。 ａ まず、分岐部とサドル部とが接合した構成か
   らなる分岐サドルのサドル部を前記既設管の外
   周面に固設し、 ｂ 前記分岐部の先端に穿孔ドリルを取付け、該
   分岐部に内蔵されている断水コツクを開放して
   分岐部内に遊嵌させた穿孔ドリルを回転させて
   三重構造管の管壁を貫通する接続穴を設け、 ｃ 穿孔ドリルを上方に持上げ、断水コツクを閉
   塞してから該穿孔ドリルを分岐サドルから取外
   し、 ｄ 次いで前記分岐部の先端に断水コツクを内蔵
   した分岐継手を取付けて前記断水コツクを閉塞
   し、分岐部の断水コツクを解放して分岐継手の
   先端部を前記接続穴に挿入してから若干引戻す
   ことによつて、該分岐継手の先端部に設けた末
   広がりのテーパ面に予め装着しておいたパツキ
   ングを合成樹脂管の穴壁に密接させること、