JPH0128923Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、コンクリート製のポールやヒユー
ム管に用いる鉄筋篭の編成機において、編成径を
種々変化させるための拡縮装置に関するものであ
る。

コンクリートポールやヒユーム管に用いられる
鉄筋篭は、多数本の軸鉄筋を円状に配置し、その
外周に螺旋筋を巻回して各交点を溶接することに
より編成されるものである。

ところで、コンクリートポール用の鉄筋篭Ａは
第３図に示すように、軸鉄筋１群をテーパ状に配
置し、その外周に螺旋筋２を巻回して編成され、
またソケツト部分を備えたヒユーム管用の鉄筋篭
A′は、第４図に示すように、軸鉄筋１群の端部
に拡径させたソケツト部３を設けて編成される。

このため、上記のような鉄筋篭を編成する編成
機においては、軸鉄筋群を円状に配置する溶接部
分の構造を、編成センターに対して集合離反自在
とし、編成径の変更が自由に行なえる拡縮自在に
構成する必要がある。

従来の編成機における溶接部分の編成径を変更
させる拡縮装置としては、第１図に示すようなベ
ンダーコーン方式と、第２図のようなチエン方式
とが提案されている。

前者のベンダーコーン方式は、軸鉄筋１の移送
途中に立設された面板４に、多数のホルダー５を
放射状の配置で編成センターに対して集合離反が
自在となるように取付け、各ホルダー５群の外側
にリング状のスプリング６を外嵌し、ホルダー５
群に常時縮径方向の弾性を付与すると共に、面板
４の中央を進退動自在となるよう水平に貫通する
ベンダーロツド７の先端にベンダーコーン８を取
付け、ベンダーコーン８のテーパ部分を利用して
ホルダー５を面板４に沿つて摺動させるようにし
た構造であり、編成径の大きな変化はベンダーコ
ーンを各サイズ毎に取替えるものである。

しかし、上記のような構造は、各ホルダー５が
スプリング６によつて常時内側方向に引張られて
いるため、編成径が大きくなつた場合、スプリン
グ力も増大することになり、従つて拡径のための
駆動力も大きくなるという欠点がある。

また、ベンダーコーン８の動きと、その動きに
よつて面板４の面をスライドするホルダー５の動
きは直角方向になるため、構造的に摩擦摺動とす
るより方法はなく、この摩擦面での動力損失も大
きくなるという問題がある。

従来のチエン方式は、中空のアウタースリーブ
９を軸芯に沿つて進退動自在に貫通するベンダー
ロツド１０の先端にデイスタンスプレート１１が
取付けられ、アウタースリーブ９に摺動自在とな
るよう外嵌するデイスタンスプレート１２を前記
プレート１１と複数本のロツド１３で連結し、ア
ウタースリーブ９の外周に放射状の配置で突設し
たステー１４の先端にスプロケツト１５を取付
け、アウタースリーブ９の外周でステー１４の前
後にも各々スプロケツト１６と１７を取付け、一
端をデイスタンスプレート１１に連結したチエン
１８の途中を各スプロケツト１６と１５および１
７にわたつて順次掛架した後、他方の端部をデイ
スタンスプレード１２に結合し、ステー１４に沿
つて移動自在となるよう配置された軸鉄筋１のホ
ルダー１９を、チエン１８のスプロケツト１５と
１６間の位置と連結し、ベンダーロツド１０の進
退動によつてチエン１８を走行させてホルダー１
９群を縮径または拡径させるようにした構造であ
る。

このチエン方式は、ホルダー１９を移動させる
運動変換がすべて回転運動であるため、前者のベ
ンダーコーン方式にくらべ動力ロスが少なく直径
変更の際のベンダーコーンの取換えの作業を必要
としないという利点があるが、一本のチエンを用
い水平方向の力を直角方向に変化させるため、チ
エンの走行方向の変換に無理があり、ベンダーコ
ーン方式にくらべて少ないながら動力ロスが発生
するという問題があつた。

この考案は上記のようなチエン方式にあつた問
題点を解消するためになされたものであり、水平
方向の移動力を極めて簡単な機構で回転力に変換
し、ホルダー群の拡縮を動力ロスの発生なく行な
える編成径拡縮装置を提供することを目的とする
ものである。

この考案の構成は、面板に移動自在となるよう
取付けたホルダーをこのホルダーの移動方向に沿
つて配置したエンドレスチエンと連結し、面板を
水平方向に貫通する直線移動部材とエンドレスチ
エンを連動し、移動部材の直線運動をチエンの回
転運動に変換してホルダーを移動させるようにし
たものである。

以下、この考案の一実施例を添付図面の第５図
と第６図にもとづいて説明する。

第５図のように、鉄筋篭編成機における軸鉄筋
１群の移動途中に配置される面板２１は、軸鉄筋
１群の移動センターを中心とする放射状の配置を
もつて、軸鉄筋１と等しい数の長孔２２が設けら
れ、各長孔２２に軸鉄筋１を保持して円状に配置
するホルダー２３が該長孔２２の長手方向に沿つ
て移動自在となるように取付けられ、このホルダ
ー２３が軸鉄筋１と螺旋筋２を溶接するマイナス
側の電極になつている。

面板２１の前面で各長孔２２の内外両端部寄り
の位置にスプロケツト２４と２５が回動自在に面
板２１に取付けられ、両スプロケツト２４，２５
にわたつて掛架したエンドレスチエン２６の途中
が第６図のようにホルダー２３と連結され、各長
孔２２に平行するエンドレスチエン２６の走行で
ホルダー２３が長孔２２に沿つて移動するのであ
る。

前記面板２１の中央を水平に貫通するアウター
スリーブ２７内にスライドブツシユ２８で保持さ
れベンダーロツド２９が軸方向に進退動自在とな
るよう組込まれ、スリーブ２７から突出するロツ
ド２９の先端にデイスタンスプレート３０が固定
され、面板２１よりも後方位置のアウタースリー
ブ２７に摺動自在に外嵌挿されたデイスタンスプ
レート３１と前記プレート３０が面板２１を摺動
自在に貫通する複数本のロツド３２によつて連結
されている。

前後に対向連結されたデイスタンスプレート３
０と３１間には、ホルダー２３と等しい数の直線
移動部材３３が水平状態で架設され、ベンダーロ
ツド２９と一体に進退動するようになつている。

なお、ベンダーロツド２９は図示省略したが、
後端側に、油圧シリンダやモータの回転をラツク
とピニオンで直線運動に変換する進退駆動機が連
結されている。

上記直線移動部材３３は近接位置のエンドレス
チエン２６と連動手段を介して連動し、移動部材
３３の進退動を回転力に変換してチエン２６を走
行させ、ホルダー２３群の拡縮径を行なうように
なつている。

直線移動部材３３は図示の場合、チエンを使用
し、連動手段はこのチエンに噛合するスプロケツ
ト３４を用いた例であり、スプロケツト３４はエ
ンドレスチエン２６のスプロケツト２５と等しい
軸３５に取付けられ、チエンとスプロケツト３４
の噛合状態を保持するため、アウタースリーブ２
７の外面にチエン受部材３６が設けられている。

直線移動部材３３はラツクを用いるようにして
もよく、この場合連動手段にはピニオンが使用さ
れることになる。

なお、図示省略したが各ホルダー２３で支持し
た軸鉄筋１の外側に螺旋筋２が巻回され、螺旋筋
２の外周をプラス側の電極が摺動し、軸鉄筋１と
螺旋筋２の交点を順次溶接して行くものである。

この考案の編成径拡縮装置は上記のような構成
であり、先ず、ソケツト部を備えた鉄筋篭を編成
するには、ホルダー２３群をストレート部分の編
成径になるようセツトした状態で編成を行ない、
ソケツト部の成形時には、ベンダーロツド２９を
所要ストローク前進させる。

ベンダーロツド２９と一体に移動する直線移動
部材３３の水平方向の移動力がスプロケツト２５
の回転力に変換され、エンドレスチエン２６が第
５図時計方向に回動し、ホルダー２３群は拡散方
向に移動するため、軸鉄筋１は途中から外方に折
れ曲り、第４図に示すような鉄筋篭A′が編上が
る。

次にボール用の鉄筋篭を編成する場合は、編成
時における軸鉄筋１の移動に比例し、ベンダーロ
ツド２９を連続的に前進させればよく、編成進行
と共にホルダー２３群の配置径が拡大し、軸鉄筋
１群はテーパ状の配置になつて第３図のような鉄
筋篭Ａが編上がる。

以上のように、この考案によると面板に取付け
たエンドレスチエンの途中をホルダーに連結し、
面板を水平に貫通する直線移動部材の移動を回転
力に変換してチエンを回動させるようにしたの
で、移動部材の水平方向の移動力を極めて簡単な
構造で回転力に変換してホルダー群の拡開縮径を
行なうことができ、運動変換のための動力ロスが
ないため、小型の駆動機構を用いて編成径の変更
が行なえるようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の編成径拡縮装置を示す第１の例
の縦断正面図、第２図は同第２の例を示す縦断正
面図、第３図はテーパ鉄筋篭を示す正面図、第４
図はヒユーム管用鉄筋篭を示す正面図、第５図は
この考案に係る編成径拡縮装置の縦断正面図、第
６図は同上の縦断側面図、第７図は連動機構の要
部を拡大した縦断側面図である。 １……軸鉄筋、２……螺旋筋、２１……面板、
２２……長孔、２３……ホルダー、２４，２５，
３４……スプロケツト、２６……エンドレスチエ
ン、２９……ベンダーロツド、３３……直線移動
部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 軸鉄筋の移動途中に立設された面板に、放射
   状の配置で集合離反が自在となるよう取付けら
   れ、軸鉄筋を円状の配置に支持する多数のホル
   ダーと、各ホルダーの移動方向に沿つて設けら
   れ、一部をホルダーと接続し回動によりホルダ
   ーを移動させるエンドレスチエンを取付け、前
   記面板の中央部にこの面板を水平方向に貫通し
   長手方向への進退動が自在となる直線移動部材
   を設け、この移動部材の移動を回転力に変換す
   る連動手段を介して前記直線移動部材とエンド
   レスチエンを連動したことを特徴とする鉄筋篭
   編成機の編成径拡縮装置。 (2) 直線移動部材は、チエンを用いて形成されエ
   ンドレスチエンとの連動にスプロケツトを用い
   たことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項に記載の鉄筋篭編成機の編成径拡縮装置。 (3) 直線移動部材は、ラツクを用いて形成され、
   エンドレスチエンとの連動にピニオンを用いた
   ことを特徴とする鉄筋篭編成機の編成径拡縮装
   置。