JPH0128332Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、配電用引込線の家屋側引留めに使用
される、引込線引留め金具の安全ワツシヤに関す
るものである。

配電用引込線を、家屋に引留める場合は、従来
第２図に示すような、頭部２がリング状、あるい
は、小判形環状のコーチスクリユー１を木造家屋
のモルタル塗りの壁１１に螺入して、その頭部２
にバインドレスがいし等の絶縁物を介して、引込
線は引留められていた。

ところがモルタル塗りの壁１１等の場合被螺入
部の引留め強度は、内部構造を外部から透視でき
ないので、確認することが困難である。

そしてモルタル塗壁１１の下板１４には、支持
強度の弱いものや、螺入部がたまたま下板１４の
端部等に当たつた場合においては、引留め強度が
充分に得られない。

そのため螺入したコーチスクリユー１に、引込
線を引留めるべく、緊張した場合、コーチスクリ
ユー１が抜け、その際、モルタルも共に剥離して
家屋を損傷せしめる等の不都合があつた。

また、引留め強度が充分でない場合は、使用中
に風圧などによりコーチスクリユー１が抜けて、
引込線が落下し、公衆感電に至る心配等があつ
た。

本考案は、このような不都合を除去すべく開発
したもので、第１図、第３図、第４図にしめすよ
うに、金属ワツシヤ３とゴムパツキン４からなる
防水ワツシヤにおいて、その中心孔５に掛止する
鍔７を、胴部６に有し、その胴部６の下部外側に
突起部８を有する樹脂等からなるカラー９を、中
心孔に押入することにより、その突起部８をゴム
パツキン４内に食い込ませて、鍔７と突起部８に
より、ワツシヤ３とゴムパツキン４を一体化せし
めるとともに、鍔７を、カラー９内に挿通された
コーチスクリユー１の螺入圧力が所定値以上にな
つた時、胴部６から破断分離せしめて、被螺入部
の支持強度を、検出できるようにした構造のもの
である。

なお、ワツシヤ３とゴムパツキン４は、第１図
に示すように椀を伏せた形状、または第３図に示
すようにフラツト形状、あるいは第４図に示すよ
うに中央部分がフラツトで、縁部分を折り曲げた
形状など、何れの形状のワツシヤ３とゴムパツキ
ン４をも、一体の安全ワツシヤとすることができ
るものである。

また、ゴムパツキン４の下部を第４図、第５図
に示すような同心円溝１０を設けた形状のものに
も、その中心孔にカラー９を押入することによ
り、容易に安全ワツシヤとすることができるもの
である。

本願の安全ワツシヤを使用するには、第１図に
示すように、重ねたワツシヤー３とゴムパツキン
４の中心孔５に、カラー９を押入して一体化して
安全ワツシヤとした後、そのカラー９に第２図に
示すように、コーチスクリユー１を挿通した後、
コーチスクリユー１を家屋の壁に、ねじ込む。

コーチスクリユー１の螺部分１３が下板１４内
にねじ込まれると、コーチスクリユー１の鍔１２
が第１図の樹脂カラー９の胴部６を押さえ込むこ
ととなる。

この時、樹脂カラー９の鍔７の厚さや材質を、
予め所定の強度、例えば引込線の引張荷重は電線
の太さや恒長によつて異なるが、概ね60Kg以内で
あり、これに風圧などを考慮して、百数拾Kgで鍔
７が胴部６から破断分離するように調整して製作
しておけば、 家屋の下板１４が百数拾Kg以上の引張り強度に
耐える場合は、第１図に示すような本考案の安全
ワツシヤは、コーチスクリユー１のねじ込みに従
い、コーチスクリユー１の鍔１２により胴部６は
下方に押圧され、ワツシヤ３とカラー９の鍔７の
間にせん断力が加わる。

そして、百数拾Kg以上の力が加わると、終に鍔
７の付け根で鍔７は胴部６から破断分離し、胴部
６は第２図に示すように、鍔７と面一になるま
で、ゴムパツキン４内に食い込む。この時点でコ
ーチスクリユー１のねじ込みを止める。

このようにして、コーチスクリユー１の、家屋
の下板１４への引止め強度は、百数拾Kg以上であ
ることが確認できる。

次に、もし下板１４の強度が百数拾Kg以下の場
合は、コーチスクリユー１をねじ込んでも、カラ
ー９の鍔７と胴部６の付根は破断することなく、
コーチスクリユー１の螺部１３と下板１４の螺合
は破損して空転することとなり、鍔７と胴部６の
付根は破断されないので、胴部６は鍔７より突出
したままでいるため、容易に家屋側のコーチスク
リユー１の保持強度が所定値以下であることが確
認できる。

このようにして、コーチスクリユー１のねじ込
みと同時に、被螺入部の引止強度が検出できるの
で、家屋の破損を防止できるとともに、使用中に
コーチスクリユー１ガ抜けて、引込線が落下し、
公衆感電等不慮の災害を、防止できるものであ
る。

また第４図、第５図に示すようにゴムパツキン
４に同心円形溝１０を設けたものを使用すれば、
壁１１との密着をより良くし、防水効果の良い安
全ワツシヤとすることができる。

以上のように本考案の安全ワツシヤは、総ゆる
種類のワツシヤー３とゴムパツキン４をカラー９
で一体化して、安全ワツシヤとして使用できるほ
か、コーチスクリユー１に挿通使用して、家屋の
支持部分の支持強度の確認が容易にできるもので
ある。

しかも構造も簡単で、経済的であり、使用の際
にワツシヤ３とコムパツキン４は、カラー９で一
体化されているので、高所作業等においても、部
品が落下することなく、作業も容易である。

また、鍔１２を有しないコーチスクリユーの場
合においても、予めコーチスクリユー１に所要長
のスリーブを挿通しておき、その下部に本考案の
安全ワツシヤを挿通して使用すれば、スリーブの
上部は頭部２に支持されるため、スリーブの下部
はコーチスクリユー１の鍔１２と同じ働きをする
ので、鍔１２を有しないコーチスクリユー１の場
合においても、鍔１２を有するものと同様に使用
することができる等、多くの特徴を有するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図、第３図、第４図は本考案の安全ワツシ
ヤの例示説明用断面図、第５図はゴムパツキンの
同心円溝説明図、第２図は本考案の使用例の一部
断面説明図。 １はコーチスクリユー、２は同頭部、３はワツ
シヤ、４はゴムパツキン、５はワツシヤの中心
孔、６はカラー９の胴部、７はカラー９の鍔、８
はカラー９の突起部、９はカラー、１０はゴムパ
ツキンの同心円溝、１１は壁、１２はコーチスク
リユー１の鍔、１３はコーチスクリユー９の螺
部、１４は下板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ワツシヤとゴムパツキンからなる防水ワツシヤ
   において、ワツシヤの中心孔に掛止する鍔を、胴
   部に有し、その胴部の下部外側に突起部を有する
   樹脂等からなるカラーを、中心孔に押入すること
   により、その突起部をゴムパツキン内に食い込ま
   せて、ワツシヤとゴムパツキンを一体化せしめる
   とともに、鍔を、カラー内に挿通されたコーチス
   クリユーの螺入圧力が所定値以上になつた時、胴
   部から破断分離せしめて、被螺入部の支持強度を
   検出できるようにした構造を特徴とする安全ワツ
   シヤ。