JPH0128187Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は梁型枠の止め金具装置に関するもので
ある。集合住宅等の建築に際し、コンクリート梁
を構築する場合には梁型枠の枠組が必要である。

第４図に従来の壁付き梁の枠組の一例を示す
と、壁枠Ａの上縁に底梁枠Ｂを搭載させて底梁枠
Ｂの下面をサポートＣで支持して枠組を行つてい
た。

ところが従来の枠組には次のような問題が存在
する。

〈イ〉 梁型枠内には鉄筋篭Ｄが配置されるため
枠内にセパレータもしくはフオームタイの使用
が困難となる。

［ロ］ 梁型枠の枠組を行うには多数のサポート
Ｃが使用されるが、枠組または解体の度に多数
のサポートの取り付け、取り外しを行わなけれ
ばならず多大な労力を必要とする。

［ハ］ 底梁枠Ｂだけをサポートで支持する構造
のため壁型枠Ａの上縁と底梁枠Ｂの下面の間に
間隙Ｅを発生する。

［ニ］ 型枠を解体する際に梁型枠が損傷しやす
い。

［ホ］ 梁背に合せて型枠を変更する必要がある
等の問題があつた。

本考案は以上のような問題を解決するためにな
されたもので、構造が簡単で、取り扱いおよび操
作性に優れた梁型枠の止め金具装置を提供する事
を目的とする。

すなわち本考案は水平の二枚の板、すなわち固
定板と昇降板を、一本の垂直ボルトで貫通し、下
方の型枠上に搭載する固定板はボルトに固定し、
上方の型枠下端を載置する昇降板はボルトに昇降
自在に取り付けた、梁型枠の止め金具装置に関す
るものである。

次に本考案の一実施例について説明するが、ま
ず各金具について説明する。

［イ］ 枠受け 枠受け１は下方の型枠、例えば壁型枠８の上面
に搭載して水平方向に配置された上方の型枠、例
えば梁型枠９を支持する目的のアングルである。

第２図に示すように枠受け１は底板１２と搭載
板１１の間を背板１３で連絡した断面コ字形のア
ングルであり、この枠受け１の搭載板１１を延長
して外側に曲折してつば１４を形成する。

底板１２は壁型枠８の枠幅とほぼ等しい幅に形
成し、その板面には壁型枠８の周面枠に開設され
た孔間隔と等しい間隔に貫通孔１５を開孔する。

［ロ］ 吊り金具 吊り金具２は下方の型枠、例えば壁型枠８の上
面に搭載して縦方向に配置された上方の型枠、例
えば梁型枠９を支承する目的の取り付け金具であ
る。

吊り金具２は第３図に示すように水平の二枚の
板、すなわち固定板４と昇降板５とを垂直に貫通
した吊りボルト３よりなる。

吊りボルト３は頭部にゴム製の緩衝体３１を有
し、周面にねじ山を刻設した長尺のボルトであ
る。

固定板４はこの吊りボルト３の頭部付近に貫通
して固定した平板である。

昇降板５は吊りボルト３のねじ部に昇降自在に
貫通して取り付けた平板である。

なお緩衝体としてゴムを使わず側方へ出入する
ネジやバネを使うこともできる。

固定板４の板面にはボルト孔４１を開孔する。

昇降板５の上面には吊りボルト３を内挿する短
筒５１を固定して取り付け、吊りボルト３に螺合
するナツト３２を回動する事によつて昇降板５の
昇降を調節出来るよう構成する。

さらに昇降板５の上面には係止体５２を突設す
る。

係止体５２は梁型枠を載置下した時に型枠の滑
りを防止するために突設するものであり、従つて
図示するような短棒を突設するほかに昇降板５の
端部を曲折したりＵクリツプを貫通させたりして
（図示せず）型枠の滑りを阻止する事も可能であ
る。

要は、昇降板に梁型枠下端の位置を規制できる
機能を付与してあれば良い。

次に使用方法について説明する。

［イ］ 枠受け、吊り金具の取り付け 壁型枠の枠組を終了した後、壁型枠の上面に前
記構造の枠受け１を搭載する。

このとき枠受け１は底板１２を壁型枠の上面に
接触させ、背板１３を型枠の一部を構成するよう
パネル面に合せて設置する。

枠受け１を搭載したら吊り金具２の固定板４を
底板１２に搭載し、ボルト孔４１、貫通孔１５お
よび壁型枠の各孔を合せ、既存のＵクリップを貫
通させて固定し吊り金具２を垂下させる。

［ロ］ 水平梁型枠の枠組 枠受け１の搭載面には角材６を介して水平梁枠
７を載置する。従つて枠受け１の搭載板１１との
間隔が大きい場合には、間隔に応じた厚さの角材
６を使用する。

その結果水平梁枠７は角材６と枠受け１を介し
て壁型枠８に支持される。

［ハ］ 側面梁型枠の枠組 次に昇降板５の一端を壁型枠８に接触させて他
端の板面に垂直に配置した側面型枠９を搭載す
る。

側面型枠９を搭載する際、昇降板５に突出する
係止体５２を型枠の枠面の孔内に貫通させ、吊り
ボルト３に螺合するナツト３２を締め上げて昇降
板５を上昇させ側面型枠９を固定する。

ナツト３２を締め上げる際、吊り金具２が壁型
枠８に固定されているため十分反力が得られる。

側面型枠９の下端を固定したことにより、水平
梁枠７はその両端を挟持され従つて従来のような
フオームタイ等の挟持用金具を使用する必要はな
く、また水平梁枠７を直接壁型枠８が支承するの
でサポートを使用して支承する必要もない。

このようにして枠組された枠内に鉄筋篭を搬入
する。

側面型枠９間には挟持用の金具が存在しないの
で鉄筋篭の設置が簡単である。

［ニ］ コンクリートの打設 従来と同様に枠内にコンクリートを打設する。

打設されたコンクリートは側面型枠９を押し広
げようと作用するが、側面型枠９の両端がそれぞ
れ確実に固定されているためその力に抗する事は
なく、さらにこの押し拡がろうとする力は昇降板
５から吊りボルト３を経て壁型枠８に伝達され
る。

［ホ］ 型枠の解体 養成期間の経過後、吊りボルト３に螺合するナ
ツト３２を緩め昇降板５を下降させる。

側面型枠９の底枠から昇降板５の係止体５２を
外して側面型枠を除去する。

次にＵグリツプを外して吊り金具２、枠受け
１、角材および水平梁型枠を順次解体していく。

本考案は以上説明したようになるから次のよう
な効果を期待することができる。

〈イ〉 単純な形状に曲折して形成した枠受けと
吊り金具を組み合せて使用するだけで十分な枠
組ができる。

従つてセパレータもしくはフオームタイは梁
の枠組作業においては使用する必要がなく作業
性が向上する。

〈ロ〉 側面型枠および水平型枠に作用する荷重
はすべて壁型枠に伝達される。従つてサポート
等の支承具はまつたく使用としない。

〈ハ〉 吊り金具の昇降板を昇降自在に構成した
ので梁型枠のレベルの調整が容易にできる。

〈ニ〉 従つて梁背が変化した場合でも確実に対
応できる。

〈ホ〉 枠受けおよび吊り金具の操作方法は簡単
であり、さらにフオームタイやセパレータを使
用しないので梁型枠の組み立て、分解が簡単で
ある。

〈ヘ〉 梁型枠と壁型枠の間に空隙間隙を発生さ
せないので躯体の精度が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図：本考案に係る一実施例説明図、第２
図：枠受けの説明図、第３図：使用状態の説明
図、第４図：従来例の説明図。 １：枠受け、２：吊り金具、３：吊りボルト、
４：固定板、５：昇降板、７：水平梁枠。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 壁型枠に載置して、壁型枠の上方外側に位置す
   る梁型枠の位置規制と支持をする梁型枠の吊り金
   具装置であつて、 吊りボルトの上部に壁型枠の上端掛止用の固定
   板を固定し、 吊りボルトの下部に、前記固定板と平行な昇降
   板を嵌挿して昇降自在に設け、 前記昇降板に梁型枠下端の位置規制用端部を形
   成した、 梁型枠の止め金具装置。