JPH0128055Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は２重底の構造をもつ箱、ことに菓子
用ないしおもちや用の箱に関するものであり、更
に詳しくはこれを手に持つて観客にさとられない
ようにしながら指を箱の中へさしこみ又はさしこ
まないことにより、内容物を収容している内箱を
引き出し又は引き出さないようにして、恰も内容
物が忽然と消え又は現われるような手品ができる
箱にかかわるものである。

この種手品用箱は従来から全くなかつた訳では
ない。たとえばUSP2127，412は、収容されてい
る物品を移動させるための構造とし、物品の消
失・現出をはかるものである。これに対し、本案
では物品の移動はさせず、一見、全く同一の箱の
引出し動作によつて内容物の消失・現出のトリツ
クができるものである。

お菓子の需要者である年少者・幼児において
は、遊ぶことと食べることが最大の関心事であ
り、これらを通して知能・健康両面において健全
な成長が期待できるものであるが、本案のものは
その両方を充足させることのできるものである。
以下に、本案の構成を添付の図面を参照しながら
説明する。

本案箱は外箱Ａ、中間箱Ｂ及び内箱Ｃとよりな
り、菓子やおもちやの収容用として利用できる。
もつとも内箱Ｃには貫通孔３０ないし切込片３８
を設ける都合上、これによつて生じる開口面積よ
り小さな物は外部へ洩れ出るおそれがあり収容不
適である。箱材質は通常のものに異らず、たとえ
ば紙やプラスチツクであるが、以下は説明の便宜
上紙製箱について説明することとする。

外箱Ａ用ブランク（ブランクとは、製箱用原紙
をいう。以下おなじ）は、底板１１、後板１２、
天板１３、前板１４、貼付舌片１５、折り込み片
１６、左側板１７及びさしこみ片１８とよりな
る。（第１図）。

もつとも、左側板１７とさしこみ片１８及び折
込片１６とはこれを省略してもよい。底板１１に
はその左端縁に左側板１７を、下端縁に貼付舌片
１５を、上端縁に後板１２を及び右端縁に折り込
み片１６とを夫々折線を介して連設してあり、か
つその左端縁近くに貫通孔１０を穿設してある。
この場合、貫通孔１０は指挿入可能程度の大きさ
のものとし、その形状は特定ではないがたとえば
円形のものとする。また、さしこみ片１８は左側
板１７の左端縁に、天板１３は後板１２の上端縁
に、さらに前板１４は天板１３の上端縁に、夫々
折線を介して連設してある。

上記の各板・片間は勿論折り曲げ可能とし（な
お、このことは後述する中間箱Ｂと内箱Ｃにおい
ても同じ）、前板１４・後板１２及び貼付舌片１
５の夫々の右端は切欠いてこれを切欠部１９とす
る。

中間箱Ｂ用ブランクは、底板２１、後板２２、
前板２３、右側板２４、折り込み片２５、２個の
貼付舌片２６及び３個の飾縁片２７とよりなり
（第２図）、外箱Ａと内箱Ｃとの間に挿入可能の寸
法のものとする。この場合、折り込み片２５と飾
縁片２７は必須ではなく、これを省略してもよ
い。底板２１の下端縁には前板２３を、右端縁に
は右側板２４を及び上端縁には後板２２を夫々折
線を介して連設し、底板２１の左端縁近くには外
箱Ａの底板１１に設けた貫通孔１０に一致する位
置に凸状折り込み片２５を設けると共にその位置
から左方へ前記貫通孔１０と同じ幅をもつて底板
２１の左端縁に至る（第２図）切り欠き部である
貫通部２０を設ける。飾縁片２７を設けるとき
は、これを後板２２の上端縁、右側板２４の右端
縁及び前板２３の下端縁に配し、貼付舌片２６は
後板２２の右端縁と前板２３の右端縁に配する。

全体の寸法は、外箱Ａの内側にすり合わせ収納
できる程度のものにする。

内箱Ｃ用ブランクは底板３１、後板３２、前板
３３、右側板３４、左側板３５、４個の貼付舌片
３６及び飾縁片３７とよりなる（第３図）が、こ
の場合も飾縁片３７のみは省略してもよい（第５
図及び第６図）。底板３１の左端縁に左側板３５
を、下端縁に前板３３を、右端縁に右側板３４を
及び上端縁に後板３２を夫々折線を介して連設
し、飾縁片３７は左側板３５の左端縁に、貼付舌
片３６は後板３２及び前板３３の左右両端縁に配
する（第３図）。外箱Ａの貫通孔１０に相応する
貫通孔３０は、貫通孔１０と同径・同大でもよい
し（第３図）、貫通孔１０相応部分を含みそれよ
り右方へ延長した貫通孔３０′としてもよいし
（第６図）又は貫通孔３０′部分を単に切り込んだ
切込片３８としてもよい（第５図）。

全体の寸法は、中間箱Ｂの内側にすり合わせ収
納できる程度のものにする。

これらのブランクをもつて製箱するのは格別な
手段による訳でない。外箱Ａについてはすべての
板・片を内側に順に折りこみ貼付舌片１５を前板
１４の内面に貼付し、中間箱Ｂについては切り込
み片２５を外側に折るの他はすべての板・片を内
側に折り曲げ貼付舌片２６を右側板２４の内側に
貼付し、内箱Ｃについてはすべての板・片を内側
に折り曲げた上貼付舌片３６を左側板３５及び右
側板３４に貼付すればよい。

得られた各箱Ａ、Ｂ及びＣを、内箱Ｃを中間箱
Ｂに載せ、それを外箱Ａに内挿したものが本案箱
である。

本案箱はトリツクプレーに使うことができる。
この箱にたとえばおもちやを入れ、左手で外箱を
持ち右手で外箱の切欠部１９に露出している中間
箱をつかみそのまゝ右へ抽き出せば、内箱Ｃは中
間箱Ｂの前板２３及び後板２２に挾持されて中間
箱Ｂと１体となつて、折り込み片２５が折り込み
片１６と係止しあうまでは抽き出すことができる
から、箱の中におもちやがは入つていることが視
認できる。この際、内箱Ｃの貫通孔３０，３０′
又は切込片３８が露出しない程度に抽き出すのが
肝心である。しかし、観る者にさとられないよう
にして外箱Ａの貫通孔１０に指を挿入して内側の
箱を抽き出そうとすると、内箱Ｃは貫通孔３０，
３０′又は切込片３８まで挿入された指によつて
移動できないこととなり、中間箱Ｂには貫通部２
０が設けてあるため挿入された指によつては箱の
移動が妨げられないから、結局、中間箱Ｂのみが
引き出されることになるから、内容物おもちやは
現われて来ず、看る者をして恰も忽然としておも
ちやが消え失せたかと思わせることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図……本案外箱Ａの１例の展開図、第２図
……本案中間箱Ｂの１例の展開図、第３図……本
案内箱Ｃの１例の展開図、第４図……第１図とは
異る本案外箱Ａの他の１例の展開図、第５図……
第３図とは異る本案内箱Ｃの他の１例の展開図、
第６図……第３図及び第５図とは異る本案内箱Ｃ
の他の１例の展開図。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前板、天板、後板、底板及び貼付舌片が順に連
   設してあり、これら各板・片を折り曲げた上、前
   板と貼付舌片とを貼付してなる角柱状鞘体であつ
   て、前板、後板及び貼付舌片の夫々の右端には切
   欠部を、底板左端寄りに指挿入可能な程度の大き
   さの貫通孔を夫々もつようにしてなる外箱と；後
   板、底板及び前板が順に連設してあり、底板の右
   方には右側板を、後板及び前板の右方には貼付舌
   片を設けてあり、各板・片を折り曲げた上、２個
   の貼付舌片を右側板に貼付してなるものであつ
   て、外箱の貫通孔と同径の幅をもつて底板左端ま
   で切欠いた貫通部をもつてなる中間箱と；後板、
   底板及び前板が順に連設してあり、後板及び前板
   の左右両端には貼付舌片を、底板の左右には夫々
   左側板及び右側板を設け、各板・片を折り曲げた
   上、貼付舌片を夫々右側板又は左側板に貼付して
   なる皿状外形をもつものであつて、外箱の貫通孔
   と一致する位置・大きさの乃至はさらにその幅で
   もつて左方へやや延長した位置を切欠いてなる貫
   通孔又はそれと同寸の切込片をもつものとした内
   箱とよりなり；かかる内箱の外側に中間箱を、中
   間箱の外側に外箱を、各貫通孔ないし貫通部が重
   なり合うように相互に装着してなる２重底の箱。