JPH0127814Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は野球やソフトボール等に使用するバツ
トの改良に関するものである。

従来の技術 従来より野球用バツトやソフトボール用バツト
としては木製が主流で、近年になつて、金属製や
繊維強化プラスチツクス製のバツトが使用される
ようになつた。木製バツトの場合、折れやはがれ
が出やすく、削る量が多くなり、特に細いグリツ
プ付近に節があつたり木目乱れがあると打球した
とき折れ易い欠点があり、金属バツトの場合は折
れ難いが、打球時の衝撃が手に伝わり易く、芯を
はずして打球した場合、衝撃や乱振動が手首や肘
に伝わり、傷害を起こすことがあつた。

考案が解決しようとする問題点 そこで、本考案はこれらの欠点に鑑み、天然資
源の無駄使いを少なくし、折れにくく、しかも打
球時の衝撃及び振動が伝わりにくい耐久力に富む
バツトを供給する目的でなされたものである。

問題点を解決するための手段 本考案の構成を説明すると、第１図乃至第２図
に示すように、バツト本体の打球部２とグリツプ
部３及び中間部５が異種材料で形成されているバ
ツト１であつて、グリツプ部３及び中間部５が軽
合金パイプ８で、打球部２の外殻が繊維強化プラ
スチツクス６からなり、その内部に発泡合成樹脂
を充填して芯部７を形成し、打球部２と軽合金パ
イプ８とを接着補助材９を介在させて接合したこ
とを特徴とするバツト１である。

繊維強化プラスチツクスの強化繊維としては、
ガラス繊維・カーボン繊維・アラミド繊維・ボロ
ン繊維・シリコンカーバイド繊維等のほか金属繊
維又はこられの複合からなる強化繊維等も適宜使
用可等である。プラスチツクスとしては、エポキ
シ等の熱硬化性樹脂や、ナイロン・ABS・ポリ
カーボネイト・ポリエチレンテレフタレート・ポ
リブチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂が使
用可能である。

なお、中間部の軽合金パイプとしては、アルミ
ニウム合金、マグネシウム合金、チタニウム合金
等からなるパイプの使用が可能であるが、加工
性・コストの点で、アルミニウム合金パイプが好
ましい。

作 用 以上のように構成したバツトは、打球部２の外
殻が繊維強化プラスチツクス６より成り、その内
部を発泡合成樹脂から成る芯部７に形成したた
め、打球時の衝撃を吸収し、グリツプ側への振動
を減衰する作用を奏し、グリツプ部及び中間部が
軽合金パイプから成るため、可撓性と曲げ強度が
高くなり、折れにくい。

また、打球部２と軽合金パイプ８との接合部４
に接着補助材９を介在せしめて接合してあるた
め、該接合部は強化されて節の作用を奏し、撓み
剛性が生じる。

実施例 以下、その他の実施例を示す。

前述の実施例の他に、第３図に示すように打球
部２の外殻を形成する繊維強化プラスチツクス６
の内側の芯部７を強化繊維により補強した発泡合
成樹脂にした場合は打球時の衝撃による芯部の崩
れを防止し、打球部の圧縮強度を高め打球の飛距
離を増大せしめる作用を奏する。

また、第４図に示すように、打球部２の外殻を
形成する繊維強化プラスチツクス６の肉厚を変化
させることにより、打球部の強度分布を自由に調
節できるものである。

また、第５図に示すように、バツト全長にわた
つて発泡合成樹脂の芯部７をロービング等の強化
繊維により補強した場合、接合部４の接合力が増
強し、振動減衰性の優れたバツトが形成できる。

特に、第６図乃至第８図に示すように打球部２
と軽合金パイプ８の接合部４に、ゴム又は同効質
の弾性材やフイルム接着剤［旭コンポジツト(株)商
品名 REDUX609］等の接着補助材９を介在さ
せる事により、接合部４の接合強度を高めるだけ
でなく、接合部４が節を形成するので、介在させ
る接着補助材９の材質を変えることにより、バツ
トの撓み剛性を任意に調節可能となり、バツター
の好みに対応して剛性の高いもの、低いものとい
つた具合に、自在に設計することができる。

なお、グリツプエンドは、弾性ゴムからなるグ
リツプのすべり止めと一体に形成したり、あるい
は別体成形したグリツプエンドをグリツプ部末端
に螺着・嵌着等任意手段によつて固着するもので
ある。

効 果 以上のように、本考案は打球部の外殻が繊維強
化プラスチツクス６で、その内部を発泡合成樹脂
の芯部７にし、グリツプ部及び中間部が軽合金パ
イプ８から成り、接合部４に接着補助材９を介在
させて接合したバツトで、次の効果を有する。

まず第１に、グリツプ部３及び中間部５を軽合
金パイプ８にすることにより、曲げ強度が非常に
高くなり、グリツプ部における折れや割れが減少
し耐久力が向上する効果を有する。

さらに、打球部２の外殻を繊維強化プラスチツ
クス６で形成した事により、反発係数が高く、打
球の飛距離が増大し、しかも発泡合成樹脂の芯部
７により振動減衰性が良好となる。また、打球部
外殻の繊維強化プラスチツクス６の肉厚、繊維密
度や、芯部７の発泡合成樹脂の発泡倍率等を変化
させることによつて重量、重心位置、慣性モーメ
ント等調節が自在となり、設計の自由度が格段に
向上する。特に、打球部２と軽合金パイプ８との
接合部４に接着補助材９を介在させて接合したた
め、接合強度が増題すると同時に撓み剛性が増加
して鋭い打球が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るバツトを示す正面図、第
２図は第１図におけるＡ−Ａ断面図、第３図及び
第４図は本考案に係る打球部の実施例を示す断面
図、第５図は第１図におけるＡ−Ａ断面図、第６
図は本考案に係る実施例の要部切欠図、第７図及
び第８図は第６図に示す〇印部位の拡大断面図で
ある。 １……バツト、２……打球部、３……グリツプ
部、４……接合部、５……中間部、６……繊維強
化プラスチツクス、７……芯部、８……軽合金パ
イプ、９……接着補助材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 打球部の外殻を繊維強化プラスチツクスで形成
   し、その内部に発泡合成樹脂を充填して芯部を形
   成し、グリツプ部及びグリツプ部から延長して打
   球部に接合する中間部を軽合金パイプとし、接合
   する部位に接着補助材を介在させて接合したこと
   を特徴とするバツト。