JPH0127561Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は密閉型蓄電池、特に密閉型鉛蓄電池に
おける安全弁装置の改良に関するものである。

従来技術 従来の密閉型蓄電池の安全弁装置は第１図に示
す如く、電池蓋１に設けた排気口２にねじ形式の
安全弁体３を取付け、その外周にこれを囲む保護
筒４を設けた構造をなし、蓄電池に異常が発生し
た場合電池内圧が上昇し軟質ゴム等からなる環状
の安全弁３ａの作動値以上に上昇すると、安全弁
が作動して、図中矢印に示す如くガスは外部へ排
出され、電池の破損等を防止し、電池内圧が、安
全弁の作動値以下になると安全弁はもとの通常の
閉塞状態にもどるように作動する。

しかしながら、従来のものは、電池本体とは別
に、安全弁装置を作成し、電槽蓋の上部等に取付
けるため、その組立工数が増加するとともに、安
全弁装置の占める体積が大きくなり、電池外部へ
膨出するため、電池の体積効率が悪くなり、電池
の小型化を図る障害となつていた。

また、密閉アルカリ蓄電池に多く適用されてい
る安全弁装置の如く、電槽蓋に端子を兼ねるキヤ
ツプを溶着して弁室を形成し、この弁室内に弁体
等を組込んで安全弁を構成したものもあるが、や
はり、電槽の外部に安全弁装置部分が膨出し、電
池の小型化には好ましくない。特に、偏平型電池
に適用するのは困難であつた。

考案の目的 本考案は上述した欠点を解消すべくなされたも
ので、安全弁構造を簡単且つ小型にして、安全弁
装置の体積効率を小さくして電池の小型化を図る
ことを目的とする。

考案の構成 本考案は上述した目的を達成すべくなされたも
ので、次のように構成される。すなわち、本考案
は、電槽と、発電要素と、、弁体とからなる密閉
型蓄電池であつて、前記電槽は、第一の樹脂体と
第二の樹脂体とを有しており、前記第一の樹脂体
と前記第二の樹脂体とは、接合面で接合され、且
つ発電要素収納部を形成しており、前記第一の樹
脂体は、前記接合面に、凹所を有しており、前記
凹所は、円弧状の内側側壁を有し、且つ前記電槽
の外側に開放しており、前記側壁は、その中央部
に、連通孔２０を有しており、前記連通孔は、前
記電槽内部と連通するものであり、前記第二の樹
脂体は、前記接合面に、突出壁を有しており、前
記突出壁は、ガス抜孔を有し、且つ前記側壁と対
向して前記凹所を施蓋しており、前記突出壁と前
記凹所とは、弁室を構成しており、前記弁体は、
円筒状チユーブからなり、弾性変形するものであ
つて、且つ前記弁室に、収納されており、前記弁
体は、前記突出壁により加圧され、且つ前記連通
孔を閉塞していることを特徴とするものである。

実施例 以下、本考案の一実施例を第２図ないし第４図
を参照して説明する。

第２図は本考案の一実施例を示す鉛蓄電池の分
解斜視図、第３図は同断面図、第４図は安全弁装
置部分の拡大断面図である。

図において、５は陰極活物質層、６は陽極活物
質層にして、それぞれ一酸化鉛（PbO）を主体と
した活物質ペーストを合成樹脂ネツト７上に、ロ
ーラにより圧延してシート状に構成される。８は
電槽の一部を構成する第１の樹脂体、９は同じく
第２の樹脂体にして、それぞれ、内面にPb−Ca
合金からなる平板状集電体１０が固着されてい
る。樹脂体８，９には、それぞれ仕切壁１１にて
複数の室１２が形成されると共に、平板状集電体
１０とセル間を接続するリード線１３と外部端子
１４とを、ABS樹脂にてインサート成形により
形成される。樹脂体８，９の少なくとも一方に
は、弁体１５が配設される弁室１６と各室１２と
を連通し、ガスを排出する連結溝１７が形成され
ている。前記弁体１５は、円筒状チユーブからな
り、弾性変形するものである。１８はガラス繊維
製セパレータである。

而して、これらの要素を第２図および第３図に
示すように、セパレータ１８を介して陰陽極活物
質層５，６を対向させ、電槽の各室１２内に並置
収納し、陰陽極活物質層５，６を、平板状集電体
１０に密着させると共に、適度な構成圧を付加し
つつ、樹脂体８，９を接着剤または高周波溶着な
どで固着し、薄板状の鉛蓄電池を得る。

つぎに、安全弁装置につき詳しく説明する。

本実施例では、樹脂体８に長方形の凹所１９を
形成し、この凹所１９の電槽内部と近接する側壁
１９ａは円弧状に形成され、側壁１９ａの中央部
に、電槽内部（各室１２）に通じる連通孔２０が
形成される。また他方の樹脂体９には、凹所１９
を施蓋する突出壁２１が一体に形成され、前記凹
所１９と突出壁２１とで弁室１６が構成されてい
る。更に突出壁２１にガスを排出するガス抜孔２
２を設けて前記弁室１６にガスを排出する外部連
通路を形設している。

而して、凹所１９に弁体１５を挿入し、凹所１
９の円弧状側壁１９ａに弁体１５の一部を密着さ
せ、突出壁２１にて、弁体１５を加圧して、連通
孔２０を閉塞する。

凹所１９の側壁１９ａの円弧状形状は、弁体１
５が側壁１９ａに面接触し、且、適度にバイアス
するために、弁体１５の外径を加味して、決めら
れる。一例としては、円弧状の曲率半径を弁体１
５の外径と等しくし、凹所１９の深さを若干小さ
くする。

尚、凹所１９の形状に合わせて、弁体１５を成
型しても良い。

また、弁体１５の成型は比較的簡単であり、凹
所１９に対して、所定の大きさに成型するだけ
で、適正な作動圧が得られ、極めて簡単にして且
正確な安全弁装置を安価に提供できる。

安全弁装置の組立ては、凹所１９内に弁体１５
を挿入し、樹脂体８，９を固着すると、電池の密
閉と同時に安全弁装置ができ上る。

さて、上述のように構成された鉛蓄電池の安全
弁装置の作動について、簡単に説明すると、各室
１２内で発生したガスは、連通溝２０を通り、連
通孔２０内に入り、所定の圧力（約１Kg）以上に
上昇すると、弁体１５が変形し、連通孔２０から
弁室１６内にガスが通り、ガス抜孔２２より電池
外部に放出される。

考案の効果 以上説明したように、本考案は電槽を構成する
樹脂体の一方に凹所を形成し、他方の樹脂体で凹
所を施蓋することにより弁室を構成し、この凹所
内に弁体を挿入することにより安全弁装置を構成
できるので、極めて簡単な構造にして且作動圧調
整等も容易にできると共に、電池に占める安全弁
装置の割合を極めて小さくでき電池の小型化を図
ることができる。

更に、安全弁の組立てと電池の組立てが同時に
行なえるので組立作業性も向上するなどその実用
的効果は極めて大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の安全弁装置を示す断面図、第２
図ないし第４図は本考案に係り、第２図は鉛蓄電
池の分解斜視図、第３図は同断面図、第４図は安
全弁装置を示す拡大断面図である。 ５…陰極活物質層、６…陽極活物質層、８，９
…樹脂体、１０…平板状集電体、１２…室、１５
…弁体、１６…弁室、１７…連通溝、１８…セパ
レータ、１９…凹所、１９ａ…側壁、２０…連通
孔、２１…突出壁、２２…ガス抜孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 電槽と、発電要素と、弁体１５とからなる密閉
   型蓄電池であつて、 前記電槽は、第一の樹脂体８と第二の樹脂体９
   とを有しており、 前記第一の樹脂体８と前記第二の樹脂体９と
   は、接合面で接合され、且つ発電要素収納部を形
   成しており、 前記第一の樹脂体８は、前記接合面に、凹所１
   ９を有しており、 前記凹所１９は、円弧状の内側側壁１９ａを有
   し、且つ前記電槽の外側に開放しており、 前記側壁１９ａは、その中央部に、連通孔２０
   を有しており、 前記連通孔２０は、前記電槽内部１２と連通す
   るものであり、 前記第二の樹脂体９は、前記接合面に、突出壁
   ２１を有しており、 前記突出壁２１は、ガス抜孔２２を有し、且つ
   前記側壁１９ａと対向して前記凹所を１９を施蓋
   しており、 前記突出壁２１と前記凹所１９とは、弁室１６
   を構成しており、 前記弁体１５は、円筒状チユーブからなり、弾
   性変形するものであつて、且つ前記弁室１６に、
   収納されており、 前記弁体１５は、前記突出壁２１により加圧さ
   れ、且つ前記連通孔２０を閉塞していることを特
   徴とする密閉型蓄電池。