JPH0127555B2 - - Google Patents
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- JPH0127555B2 JPH0127555B2 JP10310883A JP10310883A JPH0127555B2 JP H0127555 B2 JPH0127555 B2 JP H0127555B2 JP 10310883 A JP10310883 A JP 10310883A JP 10310883 A JP10310883 A JP 10310883A JP H0127555 B2 JPH0127555 B2 JP H0127555B2
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- groove
- opening
- grooves
- conductor
- radio wave
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Landscapes
- Constitution Of High-Frequency Heating (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野
この発明は、高周波電波を遮蔽する電波シール
装置に関するものである。
装置に関するものである。
従来例の構成とその問題点
従来、この種の電波シール装置として、たとえ
ば高周波により調理物を誘電加熱して調理する電
子レンジを例に挙げて説明する。電子レンジは調
理物を収納して高周波加熱する加熱庫と、この加
熱庫の調理物出入用の開口部を開閉自在に覆う扉
とを備えたものであるが、調理物の出入時に扉を
開ける際、加熱庫内の高周波電磁波が庫外へ漏洩
して人体に弊害を及ぼさないように電波シール対
策が施されている。
ば高周波により調理物を誘電加熱して調理する電
子レンジを例に挙げて説明する。電子レンジは調
理物を収納して高周波加熱する加熱庫と、この加
熱庫の調理物出入用の開口部を開閉自在に覆う扉
とを備えたものであるが、調理物の出入時に扉を
開ける際、加熱庫内の高周波電磁波が庫外へ漏洩
して人体に弊害を及ぼさないように電波シール対
策が施されている。
従来の一例として米国特許第3182164号を第1
図に示す。第1図において、1は電子レンジの加
熱庫であり、この加熱庫1の開口部2を開閉自在
に覆う取手3を有する扉4が設けられている。こ
の扉4の周縁部には加熱庫1側に向いて開口した
隙間部5を有する空胴のチヨーク部6が形成され
ている。このチヨーク部6の奥行7は、使用され
る高周波の波長の実質的に4分の1に設計されて
いる。この場合扉4の厚みも4分の1波長であ
る。すなわち従来電子レンジで使用されている電
磁波の周波数は2450MHzであるので、4分の1波
長は約30mmとなる。この長さのチヨーク部6と対
向させるために、加熱庫1の開口部2に形成した
周縁部8の厚さ9は4分の1波長より大きい値と
なる。したがつて加熱庫1の開口部2の有効大き
さは周縁部8の分だけひとまわり小さい。
図に示す。第1図において、1は電子レンジの加
熱庫であり、この加熱庫1の開口部2を開閉自在
に覆う取手3を有する扉4が設けられている。こ
の扉4の周縁部には加熱庫1側に向いて開口した
隙間部5を有する空胴のチヨーク部6が形成され
ている。このチヨーク部6の奥行7は、使用され
る高周波の波長の実質的に4分の1に設計されて
いる。この場合扉4の厚みも4分の1波長であ
る。すなわち従来電子レンジで使用されている電
磁波の周波数は2450MHzであるので、4分の1波
長は約30mmとなる。この長さのチヨーク部6と対
向させるために、加熱庫1の開口部2に形成した
周縁部8の厚さ9は4分の1波長より大きい値と
なる。したがつて加熱庫1の開口部2の有効大き
さは周縁部8の分だけひとまわり小さい。
次に従来の他の一例として、米国特許第
2500676号を第2図a,bに示す。この例も電子
レンジの構成を示したものであり、マグネトロン
10の発振によつて得た高周波を加熱庫11に供
給し、調理物12を電磁誘導により加熱調理する
ものである。この加熱庫11の開口部13にはこ
の開口部13を開閉自在に覆う扉14が設けられ
ている。この扉14の周縁部にも溝状のチヨーク
部15が形成され、高周波が外部へ漏洩するのを
このチヨーク部15で防いでいる。このチヨーク
部15の深さ16もやはり使用周波数の4分の1
波長で設計されている。このため開口部13の有
効大きさは第1図同様、加熱庫11よりもひとま
わり小さい。
2500676号を第2図a,bに示す。この例も電子
レンジの構成を示したものであり、マグネトロン
10の発振によつて得た高周波を加熱庫11に供
給し、調理物12を電磁誘導により加熱調理する
ものである。この加熱庫11の開口部13にはこ
の開口部13を開閉自在に覆う扉14が設けられ
ている。この扉14の周縁部にも溝状のチヨーク
部15が形成され、高周波が外部へ漏洩するのを
このチヨーク部15で防いでいる。このチヨーク
部15の深さ16もやはり使用周波数の4分の1
波長で設計されている。このため開口部13の有
効大きさは第1図同様、加熱庫11よりもひとま
わり小さい。
上述のとおり従来のチヨーク部は4分の1波長
の深さとして高周波を減衰させるという技術思想
に基づいている。
の深さとして高周波を減衰させるという技術思想
に基づいている。
すなわち、チヨーク部の特性インピーダンスを
Zp、深さをLとし、終端部を短絡したときにチヨ
ーク部開口部でのインピーダンスZINは、 ZIN=jZptan(2πL/λp) (λpは自由空間波長) となる。
Zp、深さをLとし、終端部を短絡したときにチヨ
ーク部開口部でのインピーダンスZINは、 ZIN=jZptan(2πL/λp) (λpは自由空間波長) となる。
チヨーク方式の電波減衰手段はチヨーク部の深
さLを4分の1波長に選定することにより、 |ZIN|=Zptan(π/2)=∞ を達成するという原理に基づいている。
さLを4分の1波長に選定することにより、 |ZIN|=Zptan(π/2)=∞ を達成するという原理に基づいている。
もし、チヨーク部内に誘電体(比誘電率εr)
を充填すると、電波の波長λ′は、
λ′≒λp/√r
に圧縮される。この場合チヨーク部の深さL′は、
L′≒L/√r
と短くなる。しかしながらL′=λ′/4とすること
に変りはなく、チヨーク方式においては、深さを
実質的に4分の1波長よりも小さくすることがで
きず、チヨーク部の小型化に限界のあるものであ
つた。
に変りはなく、チヨーク方式においては、深さを
実質的に4分の1波長よりも小さくすることがで
きず、チヨーク部の小型化に限界のあるものであ
つた。
近年、固体発振器の開発が進み実用化の時代が
到来した。電子レンジも例外ではなく、従来のマ
グネトロン発振器から固体発振器へと移行しつつ
ある。
到来した。電子レンジも例外ではなく、従来のマ
グネトロン発振器から固体発振器へと移行しつつ
ある。
電子レンジにおいて発振器の固体化による長所
は次のとおりである。
は次のとおりである。
(1) マグネトロンの駆動電圧は約3kvであるのに
対し、トランジスタ等による固体発振器の駆動
電圧は約400v以下でよく、実際には約40vが使
用されている。よつて電源電圧が低いので人体
にとつて安全であり、たとえリークしても感電
事故が発生しにくいものである。このためアー
スレス化が可能となり、ポータブル化の展開も
図れる。
対し、トランジスタ等による固体発振器の駆動
電圧は約400v以下でよく、実際には約40vが使
用されている。よつて電源電圧が低いので人体
にとつて安全であり、たとえリークしても感電
事故が発生しにくいものである。このためアー
スレス化が可能となり、ポータブル化の展開も
図れる。
(2) マグネトロンの寿命は約5000時間であるのに
対し、固体発振器はその約10倍以上であり、長
寿命である。
対し、固体発振器はその約10倍以上であり、長
寿命である。
(3) マグネトロンの発振周波数は固定であるのに
対し、固体発振器の発振周波数は可変可能であ
り、たとえば915MHzに対して上下13MHzの範
囲で変化させることができる。したがつて、負
荷(調理物)の大きさで周波数を自動追尾させ
ることにより、共振周波数が変わり高効率動作
を得ることができる。実験によれば2450±50M
Hz内で周波数を自動追尾させると、実用負荷効
率を固定周波数に比べて約60〜80%向上させる
ことができた。
対し、固体発振器の発振周波数は可変可能であ
り、たとえば915MHzに対して上下13MHzの範
囲で変化させることができる。したがつて、負
荷(調理物)の大きさで周波数を自動追尾させ
ることにより、共振周波数が変わり高効率動作
を得ることができる。実験によれば2450±50M
Hz内で周波数を自動追尾させると、実用負荷効
率を固定周波数に比べて約60〜80%向上させる
ことができた。
(4) 固体発振器は大量生産により、将来マグネト
ロンよりも低価格となり得る。
ロンよりも低価格となり得る。
また現在高周波調理用として国際的に割り当て
られているISM周波数(Industrial,Scientific,
Medical)は5880MHz,2450MHz,915MHz,
400MHz等であり、これを逸脱して使用してはな
らない。現在のマグネトロンは上述のとおり
2450MHzで発振させているが、固体発振器で、同
一周波数2450MHzで発振させると、十分な出力電
力が得られずパワー不足となつてしまう。そこで
所望の出力電力を得るためには必然的により低い
周波数を選定しなければならず、たとえば915M
Hzが適当である。しかしながらこの周波数は従来
の周波数に比べて約2.7分の1であるので、波長
は逆に約2.7倍となり、4分の1波長は約80mmと
なつてしまう。したがつて電子レンジの周波数と
して915MHzを選定すると、第1図、第2図で説
明したチヨーク部の厚みは約80mmを超えることに
なり、加熱室の開口部の有効大きさは従来例に比
してきわめて小さくなり、実用化はきわめて困難
となる不都合を有するものである。
られているISM周波数(Industrial,Scientific,
Medical)は5880MHz,2450MHz,915MHz,
400MHz等であり、これを逸脱して使用してはな
らない。現在のマグネトロンは上述のとおり
2450MHzで発振させているが、固体発振器で、同
一周波数2450MHzで発振させると、十分な出力電
力が得られずパワー不足となつてしまう。そこで
所望の出力電力を得るためには必然的により低い
周波数を選定しなければならず、たとえば915M
Hzが適当である。しかしながらこの周波数は従来
の周波数に比べて約2.7分の1であるので、波長
は逆に約2.7倍となり、4分の1波長は約80mmと
なつてしまう。したがつて電子レンジの周波数と
して915MHzを選定すると、第1図、第2図で説
明したチヨーク部の厚みは約80mmを超えることに
なり、加熱室の開口部の有効大きさは従来例に比
してきわめて小さくなり、実用化はきわめて困難
となる不都合を有するものである。
一方、発振周波数を2450MHzから915MHzに変
更する長所は次のとおりである。
更する長所は次のとおりである。
1 波長が長くなつたため、調理物の内部まで電
波が浸透し、加熱調理時間の速度を速くするこ
とができた。たとえば直径12cmの肉塊の中央部
を約50℃にするのに、2450MHz、600wで50分
以上要したのに対し、915MHz、300wで50分以
下しかかからない。
波が浸透し、加熱調理時間の速度を速くするこ
とができた。たとえば直径12cmの肉塊の中央部
を約50℃にするのに、2450MHz、600wで50分
以上要したのに対し、915MHz、300wで50分以
下しかかからない。
2 焼けむらの原因は定在波であり、定在波ピツ
チは波長と相関がある。915MHzを使用した場
合は定在波ピツチが大きく、調理物に焼けむら
が目立ちにくいものである。
チは波長と相関がある。915MHzを使用した場
合は定在波ピツチが大きく、調理物に焼けむら
が目立ちにくいものである。
よつて、電子レンジの使用周波数を915MHzに
変更することの短所は、電波シール手段が大きく
なつてしまうことである。
変更することの短所は、電波シール手段が大きく
なつてしまうことである。
なお、チヨーク部の厚さを小さくする手段の一
つとして、チヨーク部に誘電体を充填する構成が
ある。この構成によればチヨーク部の誘電率が大
きくなるので、チヨーク部を4分の1波長よりも
小さくでき、しかも4分の1波長のチヨーク部と
同等の効果を奏する。しかしながら誘電体が高価
であるために電子レンジ全体の価格も高価なもの
となつてしまい、また製造上手間とコストがかか
り、実用化の妨げとなつていた。
つとして、チヨーク部に誘電体を充填する構成が
ある。この構成によればチヨーク部の誘電率が大
きくなるので、チヨーク部を4分の1波長よりも
小さくでき、しかも4分の1波長のチヨーク部と
同等の効果を奏する。しかしながら誘電体が高価
であるために電子レンジ全体の価格も高価なもの
となつてしまい、また製造上手間とコストがかか
り、実用化の妨げとなつていた。
以下、従来例の原理を理論的に説明する。
チヨーク方式は周知の4分の1波長インピーダ
ンス変換原理にもとづくものである。すなわち、
チヨーク溝の特性インピーダンスをZpc、溝の深
さをlcとし、加熱室からチヨーク溝に至る漏波路
1の特性インピーダンスをZpp、漏波路17の長
さをlp使用波長をλとしたときに、第3図の如く
チヨーク溝18の底Cの短絡インピーダンス(Zc
=O)はチヨーク溝18の開孔部BでZB=jZpc
tan2π/λlcとなる。19は電子レンジの加熱室、2 0はドアである。ここで、lc=λ/4と選ぶことに より|ZB|=∞と変換できる。この開孔部Bのイ
ンピーダンスZBを線路始点A部でみたときのイン
ピーダンスZAは ZA=−JZpp1/tan2π/λlp となる。ここで、lp=λ/4と選ぶことにより|ZA |=Oと変換できる。チヨーク溝18の底部Cで
の短絡状態が4分の1波長インピーダンス変換原
理をたくみに利用することで線路始点に現出する
ことにより電波シール装置として実用化している
ものである。
ンス変換原理にもとづくものである。すなわち、
チヨーク溝の特性インピーダンスをZpc、溝の深
さをlcとし、加熱室からチヨーク溝に至る漏波路
1の特性インピーダンスをZpp、漏波路17の長
さをlp使用波長をλとしたときに、第3図の如く
チヨーク溝18の底Cの短絡インピーダンス(Zc
=O)はチヨーク溝18の開孔部BでZB=jZpc
tan2π/λlcとなる。19は電子レンジの加熱室、2 0はドアである。ここで、lc=λ/4と選ぶことに より|ZB|=∞と変換できる。この開孔部Bのイ
ンピーダンスZBを線路始点A部でみたときのイン
ピーダンスZAは ZA=−JZpp1/tan2π/λlp となる。ここで、lp=λ/4と選ぶことにより|ZA |=Oと変換できる。チヨーク溝18の底部Cで
の短絡状態が4分の1波長インピーダンス変換原
理をたくみに利用することで線路始点に現出する
ことにより電波シール装置として実用化している
ものである。
漏波路17やチヨーク溝18に誘電率εrの誘電
体を装荷することにより波長λ′は自由空間波長λ
のλ/√rになるが、4分の1波長(λ′/4)イ
ンピーダンス原理を用いることにより同様の効果
を得られる。
体を装荷することにより波長λ′は自由空間波長λ
のλ/√rになるが、4分の1波長(λ′/4)イ
ンピーダンス原理を用いることにより同様の効果
を得られる。
発明の目的
この発明は、発振周波数を低くしても、チヨー
ク部の大きさが大きくならない電波シール装置を
提供するものである。
ク部の大きさが大きくならない電波シール装置を
提供するものである。
発明の構成
この発明は、新しいインピーダンス変換原理を
用いた電波シールであり、漏波路と溝のそれぞれ
が特性インピーダンス不連続構成をとることによ
り、4分の1波長相当の寸法よりも小さい形状と
したものである。
用いた電波シールであり、漏波路と溝のそれぞれ
が特性インピーダンス不連続構成をとることによ
り、4分の1波長相当の寸法よりも小さい形状と
したものである。
実施例の説明
本発明はたとえば電子レンジの本体または扉の
少くとも一方に溝を少くとも2つ設け、この溝の
形状は短絡部側の特性インピーダンスを開口部側
のそれよりも大きく構成し、開孔端から短絡端ま
での溝深さは4分の1の波長未満である点に特徴
を有する。
少くとも一方に溝を少くとも2つ設け、この溝の
形状は短絡部側の特性インピーダンスを開口部側
のそれよりも大きく構成し、開孔端から短絡端ま
での溝深さは4分の1の波長未満である点に特徴
を有する。
小型化を可能にする基本的考え方として、以下
のとおりである。
のとおりである。
溝開孔部の特性インピーダンス、長さ位相定数
をZp1,l1,β1とする。溝短絡部の特性インピーダ
ンス、長さ位相定数をZp2,l2,β2とする溝の開孔
端から短絡端までの距離(溝の深さ)をl
(total)とするとl(total)=l1+l2となる。
をZp1,l1,β1とする。溝短絡部の特性インピーダ
ンス、長さ位相定数をZp2,l2,β2とする溝の開孔
端から短絡端までの距離(溝の深さ)をl
(total)とするとl(total)=l1+l2となる。
上記条件で溝の開孔端のインピーダンスZは、
Z=Zp1・tanβ1l1+K tanβ2l2/1−K tanβ1l
1・tanβ1l2……(1) (但し、K=Zp2/Zp1) となることは、簡単な計算で導出できる。
1・tanβ1l2……(1) (但し、K=Zp2/Zp1) となることは、簡単な計算で導出できる。
従来例ではZp2=Zp1,β1=β2(すなわちK=1)
に相当するものである。したがつてそのインピー
ダンスZ′は1式より Z′=Zp1・tanβ1l1+tanβ2l2/1−tanβ1l1・tan
β2l2 =Zp1tan(β1l1+β2l2) =Zp1tan(β1・ltota1) ……(2) となり、ltota1をλ/4とすることでインピーダン ス反転していた。
に相当するものである。したがつてそのインピー
ダンスZ′は1式より Z′=Zp1・tanβ1l1+tanβ2l2/1−tanβ1l1・tan
β2l2 =Zp1tan(β1l1+β2l2) =Zp1tan(β1・ltota1) ……(2) となり、ltota1をλ/4とすることでインピーダン ス反転していた。
一方本発明の構成によれば構成要件より、特性
インピーダンスがZp2>Zp1であるから、1式にお
いて特性インピーダンスの比Kの値は必らず1よ
り大きくなる。インピーダンスZを無限大にする
ためには1式の分母が零になればよいので1=
Ktanβ1l1・tanβ2l2を満たせばよく、特性インピ
ーダンス比Kの値を1より大きくした分だけ寸法
l1,l2を小さくしても従来と同様のインピーダン
ス反転がはかれるのである。
インピーダンスがZp2>Zp1であるから、1式にお
いて特性インピーダンスの比Kの値は必らず1よ
り大きくなる。インピーダンスZを無限大にする
ためには1式の分母が零になればよいので1=
Ktanβ1l1・tanβ2l2を満たせばよく、特性インピ
ーダンス比Kの値を1より大きくした分だけ寸法
l1,l2を小さくしても従来と同様のインピーダン
ス反転がはかれるのである。
本発明は電波シールの分野で歴史的に用いられ
ていたλ/4線路ではなく、λ/4未満線路でイ
ンピーダンス反転を実施するものである。この原
理を、理解しやすくするために、解析結果の一部
を第4図に示す。第4図は、A端を励振源としD
端を開放した伝送路の1部に、先端Cが短絡され
た開孔Bを有する溝を設けている。溝は開孔側よ
り短絡側の溝幅を2倍にしている。A点を同一条
件で励振し、溝の深さlTを変化させたとき、伝
送路内の電界は、a,b,cのように変化し、D
端に電波がとどかないのはbの場合、すなわち溝
の深さlTが、4分の1波長の約80%のとき
(λ/4未満線路)であり、それよりも長くても
短くても(a,bの場合)、bにくらべて電波が
よく洩れる。これはl1=l2=lT/2=λ/10.2,
K=b2/b1=2を1≒K tanβl1・tanβl2に代入
することで確認できる。
ていたλ/4線路ではなく、λ/4未満線路でイ
ンピーダンス反転を実施するものである。この原
理を、理解しやすくするために、解析結果の一部
を第4図に示す。第4図は、A端を励振源としD
端を開放した伝送路の1部に、先端Cが短絡され
た開孔Bを有する溝を設けている。溝は開孔側よ
り短絡側の溝幅を2倍にしている。A点を同一条
件で励振し、溝の深さlTを変化させたとき、伝
送路内の電界は、a,b,cのように変化し、D
端に電波がとどかないのはbの場合、すなわち溝
の深さlTが、4分の1波長の約80%のとき
(λ/4未満線路)であり、それよりも長くても
短くても(a,bの場合)、bにくらべて電波が
よく洩れる。これはl1=l2=lT/2=λ/10.2,
K=b2/b1=2を1≒K tanβl1・tanβl2に代入
することで確認できる。
特性インピーダンスを不連続にする考え方は以
下のとおりである。
下のとおりである。
本発明はシール装置の溝部を一方を接地導体と
し間隙寸法b離して幅寸法aの導体板を配置した
構成からなる。
し間隙寸法b離して幅寸法aの導体板を配置した
構成からなる。
詳細には溝開孔部側の幅をa1、間隙をb1、実効
誘電体をΕeffとし、溝短絡部側の幅をa2、間隙を
b2とした構成で特性インピーダンスの比Kを次式
で計算し、 Kの値を1より大きくなるようにすることで特性
インピーダンスを不連続にする工夫をしている。
実際の応用にあたつては、溝カバーのスペース
(TOP1)や折り曲げ補強スペース(lX1)を設け
ることが少なくない。これらは原理説明をした場
合にくらべ電波の乱れが発生し計算寸法から多少
ずれるものである。ずれの内容を以下に示す。
誘電体をΕeffとし、溝短絡部側の幅をa2、間隙を
b2とした構成で特性インピーダンスの比Kを次式
で計算し、 Kの値を1より大きくなるようにすることで特性
インピーダンスを不連続にする工夫をしている。
実際の応用にあたつては、溝カバーのスペース
(TOP1)や折り曲げ補強スペース(lX1)を設け
ることが少なくない。これらは原理説明をした場
合にくらべ電波の乱れが発生し計算寸法から多少
ずれるものである。ずれの内容を以下に示す。
TOP1の寸法を2mmにした場合とlX1を5〜6
mmにした場合の例を示す。
mmにした場合の例を示す。
第5図は915MHzのシール装置検討例でTOP1
の寸法で溝の深さlTが変化する関係を示す。
TOP1の寸法を1〜3mmにするとlTは1〜6mm深
くなる。
の寸法で溝の深さlTが変化する関係を示す。
TOP1の寸法を1〜3mmにするとlTは1〜6mm深
くなる。
第6図は、2450MHzのシール装置の検討例で
TOP1=2mmと固定し補強スペース(lX1)で溝
の深さlTが変化する関係を示す。スペースlX1を
2〜6mmにすることで溝の深さlTは1〜3mm深
くなる。
TOP1=2mmと固定し補強スペース(lX1)で溝
の深さlTが変化する関係を示す。スペースlX1を
2〜6mmにすることで溝の深さlTは1〜3mm深
くなる。
図面に基づき実施例の詳細を説明する。
第7図は電子レンジの斜視図でパツチング板2
1を有する扉22が本体カバー23で覆われた本
体に装着されている。本体には操作パネル24が
設けられドア把手25は上記ドアに装着されてい
る。第8図には第7図のA―A線断面図、第9図
には第8図の斜視図、第10図には導体片群のみ
の斜視図を示している。第8図、第9図におい
て、第1の溝34と第2の溝35および第2の溝
35と第3の溝36を仕切る導体板群26は導体
片部a,b,c,d部と折り曲げ部からなり、折
り曲げ部は溝の短絡部に接合している。第1の溝
34と第2の溝35と第3の溝36をカバーする
溝カバー27は抜け防止の構造となつていてe,
f,g,h,i部から成る。第1,第2,第3の
溝34,35,36の開口部側溝は,,、
短絡部側溝は,,で示される。
1を有する扉22が本体カバー23で覆われた本
体に装着されている。本体には操作パネル24が
設けられドア把手25は上記ドアに装着されてい
る。第8図には第7図のA―A線断面図、第9図
には第8図の斜視図、第10図には導体片群のみ
の斜視図を示している。第8図、第9図におい
て、第1の溝34と第2の溝35および第2の溝
35と第3の溝36を仕切る導体板群26は導体
片部a,b,c,d部と折り曲げ部からなり、折
り曲げ部は溝の短絡部に接合している。第1の溝
34と第2の溝35と第3の溝36をカバーする
溝カバー27は抜け防止の構造となつていてe,
f,g,h,i部から成る。第1,第2,第3の
溝34,35,36の開口部側溝は,,、
短絡部側溝は,,で示される。
第1,第2,第3溝34,35,36の開口端
と短絡端はそれぞれ28,29,30,31,3
2,33で示される。パンチング板21とドア2
2は止め具37とともにビス38でしめつけてあ
る。導体板26はビツチpで幅a1のa,d部と幅
a2のb,c部から構成されている(第10図参
照)。第1の溝34における特性インピーダンス
の比K1は となり第2の溝の値K2は 第3の溝の値K3は となり、いずれもK1,K2,K3を1よりも大きく
することにより溝の深さ(l11+l12),(l21+l22)
および(l31+l32)を4分の1波長よりも小さく
構成している。
と短絡端はそれぞれ28,29,30,31,3
2,33で示される。パンチング板21とドア2
2は止め具37とともにビス38でしめつけてあ
る。導体板26はビツチpで幅a1のa,d部と幅
a2のb,c部から構成されている(第10図参
照)。第1の溝34における特性インピーダンス
の比K1は となり第2の溝の値K2は 第3の溝の値K3は となり、いずれもK1,K2,K3を1よりも大きく
することにより溝の深さ(l11+l12),(l21+l22)
および(l31+l32)を4分の1波長よりも小さく
構成している。
第10図で示した導体片群を用いて説明を行つ
てきたが、第11図a,b,c,dの32a,3
2b,32c,32d、第12図の32e、第1
3図の32fで示したような他の構成方法でも同
様のことがいえる。また、第1の溝と第2の溝を
仕切る導体片と、第2の溝と第3の溝を仕切る導
体片は同じ形でなくとも同等の効果が得られ、溝
の間隔も一定でなくてよい。
てきたが、第11図a,b,c,dの32a,3
2b,32c,32d、第12図の32e、第1
3図の32fで示したような他の構成方法でも同
様のことがいえる。また、第1の溝と第2の溝を
仕切る導体片と、第2の溝と第3の溝を仕切る導
体片は同じ形でなくとも同等の効果が得られ、溝
の間隔も一定でなくてよい。
溝の開孔部の特性インピーダンスを短絡部の特
性インピーダンスよりも小さくするために、溝を
構成する導体片の短絡部側に長方形の孔を用いて
いるが、この孔の形は台形、三角形、半円形等で
も同様の効果が得られる。また、短絡部の導体片
が2つの線路によつて構成される例を示したが、
これは1つまたは3つ以上でもよい。
性インピーダンスよりも小さくするために、溝を
構成する導体片の短絡部側に長方形の孔を用いて
いるが、この孔の形は台形、三角形、半円形等で
も同様の効果が得られる。また、短絡部の導体片
が2つの線路によつて構成される例を示したが、
これは1つまたは3つ以上でもよい。
第14図aには各々の溝の共振周波数をずらし
た時の電波漏洩量を示し、第14図bには、各々
の溝の共振周波数を一致させたときの電波漏洩量
を示す。
た時の電波漏洩量を示し、第14図bには、各々
の溝の共振周波数を一致させたときの電波漏洩量
を示す。
前記のことは周波数が915MHzのときだけでな
く、2450MHzの場合でも当然成り立つ。
く、2450MHzの場合でも当然成り立つ。
また、導体片群は板金で構成する以外に、プラ
スチツク樹脂にメツキすることで構成することも
可能である。
スチツク樹脂にメツキすることで構成することも
可能である。
発明の効果
発明の目的である小型化を実現できる効果に加
えて次の効果が出る。
えて次の効果が出る。
(1) 小型化するとそれに伴つてシール装置の寸法
精度を高くする必要があるが、2つ以上の溝の
共振周波数特性を少しずつずらすことにより、
精度の管理が簡単化できる(第14図a)。
精度を高くする必要があるが、2つ以上の溝の
共振周波数特性を少しずつずらすことにより、
精度の管理が簡単化できる(第14図a)。
(2) 2つ以上の溝の共振周波数を一致させること
により、単一の溝よりシール性能の向上がはか
れる(第14図b)。
により、単一の溝よりシール性能の向上がはか
れる(第14図b)。
(3) 1枚の板を折り曲げるという簡単な作業で複
数の溝を構成できる。
数の溝を構成できる。
第1図、第2図a,b、第3図はそれぞれ従来
側の電波シール装置の断面図、第4図a,b,c
は本発明における溝部の電界解析図、第5図a,
b,cは915MHzにおける装置の断面図、側面図、
特性図、第6図a,b,cは2450MHzにおける装
置の断面図、側面図、特性図、第7図は一般的な
電子レンジの斜視図、第8図は本発明の一実施例
における電波シール装置のの断面図、第9図は第
8図の斜視図、第10図は導体部分の斜視図、第
11図a,b,c,d、第12図、第13図は導
体片群の他の実施例の断面図、斜視図、第14図
a,bは3つの溝による電波漏洩特性図である。 21……扉、23……本体、26……導体片、
34……第1の溝、35……第2の溝、36……
第3の溝。
側の電波シール装置の断面図、第4図a,b,c
は本発明における溝部の電界解析図、第5図a,
b,cは915MHzにおける装置の断面図、側面図、
特性図、第6図a,b,cは2450MHzにおける装
置の断面図、側面図、特性図、第7図は一般的な
電子レンジの斜視図、第8図は本発明の一実施例
における電波シール装置のの断面図、第9図は第
8図の斜視図、第10図は導体部分の斜視図、第
11図a,b,c,d、第12図、第13図は導
体片群の他の実施例の断面図、斜視図、第14図
a,bは3つの溝による電波漏洩特性図である。 21……扉、23……本体、26……導体片、
34……第1の溝、35……第2の溝、36……
第3の溝。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 開口部を有し電波が内部に供給される本体を
設け、この本体の前記開口部を開閉自在に覆う扉
を設け、前記本体と前記扉とが対向する部分の少
なくとも一方に周辺方向と平行に少くとも2つの
溝を設け、これらの溝は少くとも1つの導体片で
仕切られ、各導体片は溝の長手方向に間隔を置い
て連続的に設置されており、前記少くとも2つの
溝を仕切る導体片群を1枚の板をコ字状に折り曲
げその折り曲げ部を前記溝の短絡部に接合するこ
とにより構成し、各々の導体片の幅は溝の開口部
の方が短絡部よりも広くし、開口部の特性インピ
ーダンスを短絡部の特性インピーダンスより小さ
くし、使用波長をλとしたとき前記溝の深さを
λ/4よりも短くした電波シール装置。 2 少くとも2つの溝で開口部と短絡部の導体片
幅比をほぼ同一にした特許請求の範囲第1項記載
の電波シール装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10310883A JPS6030078A (ja) | 1983-06-08 | 1983-06-08 | 電波シール装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10310883A JPS6030078A (ja) | 1983-06-08 | 1983-06-08 | 電波シール装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6030078A JPS6030078A (ja) | 1985-02-15 |
JPH0127555B2 true JPH0127555B2 (ja) | 1989-05-30 |
Family
ID=14345418
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10310883A Granted JPS6030078A (ja) | 1983-06-08 | 1983-06-08 | 電波シール装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6030078A (ja) |
-
1983
- 1983-06-08 JP JP10310883A patent/JPS6030078A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6030078A (ja) | 1985-02-15 |