JPH0127132B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ベツデイングパイルの積付け方法に
関するものである。

一般に、鉱石の粉鉱や塊鉱等は、成分組成の異
なる多数のものをブレンデイングして用いること
があるが、それには多数種の鉱石等を銘柄別に自
走式のスタツカーで幾層にも均等になるように積
み重ねる、所謂スタツキング処理をしてベツデイ
ングパイルをつくることが必要である。この多数
種鉱石の積付けによつてベツデイングパイルを得
る際に重要なことは、パイル全体に均一なスクツ
キングを行うことであり、とりわけパイル幅方向
の積付け量を均一に分配することであり、これが
ベツデイングパイルの品質安定には不可欠であ
る。

このパイル幅方向の積付け量の均一化は、ベツ
デイングパイルの積付け対称性を維持することで
可能となるが、現状のスタツカーによる積付け方
法は一点中央積付け方式をとつているため、十分
な積付け対称性が保証させていない問題がある。
その原因の一つとして搬送系の中継点におけるば
ら物付着および剥離によるスタツカーのブームベ
ルトコンベヤ先端からのばら物落下量の変動によ
る落下点の変動をあげることができる。

現状ではこの量的変動を解決する手段に完全な
ものがなく、ベツデイングパイルの両斜面への均
等配分は上記落下点の変化を熟練操作によるブー
ム先端位置の細かな調整に依存し、ベツドの山の
稜線に沿つてできるだけ落下点が一致するように
積付けを行つている状況にあり、積付け対称性を
維持することは困難であつた。このような積付け
対称性の問題は、粉状ばら物の場合大きな問題と
なり、例えば焼結機用の鉄鉱石粉鉱の積付けで
は、ベツデイングパイル幅方向の品質変動がその
まま焼結工程での品質変動につながるという問題
点があつた。

本発明は、上述のようなパイル中央からの一点
積みする技術のもつ欠点を克服することを目的と
して開発したもので、いわゆる陵線近くの２個所
に均等に落下させることで断面が台形のベツデイ
ングパイルとなるような２点積みの方法を採用す
ることで前記欠点を有利に解消するようにした発
明である。以下にその構成の詳細を説明する。

本発明は基本的には、ベツデイングパイルの幅
方向における不均一な積付けを是正するために、
スタツカーブームのヘツドからの鉱石落下に際し
て積付け鉱石の散布経路をそのヘツド部において
正確に２分し、各々該堆積のパイル両側斜面に均
等に分配してパイル断面が台形（頂部が平坦状と
なる）を呈するようにスタツキングする２点積付
け法をとる点に特色がある。

スタツカーブームヘツド下において鉱石を２分
し、その２分したものをそれぞれ既成パイルの稜
線を形造る頂部に近い両側各斜面に分配すれば、
パイル両側斜面に沿つて確実に落下堆積させ得る
ので、積付けの鉱石はそれぞれ均等に２分されて
少なくともパイルの幅方向での不均一散布が是正
される。このように、本発明はパイル稜線上の一
点に落下させて稜線で分配にするのではないか
ら、稜線からの不均一な“なだれ”現象の発生
や、スタツカーブームヘツドの俯抑角度の変動、
ばら物落下量の変動などによる落下点の変化によ
る均等分配への影響は少なく、落下位置が両側斜
面位置からずれることがない範囲では、それぞれ
の側における散布量に変動がなく、その結果、常
にパイル幅方向への均等配分が可能となるのであ
る。

なお本発明は、前述の一点積付けに対し、既に
述べたようにパイルの両側斜面に落とす２点積付
け法であるから、その２つの落下地点の中間：即
ちパイル幅方向の中央部（従来の稜線位置）には
緩衝地帯Ｂを形造る。これはスタツカーブームヘ
ツド位置の変化（俯仰角度の変化）、ベルトコン
ベヤ速度の変化によつて落下位置がずれても、そ
れが直接両側斜面への配分量の差とならないよう
に緩衝的な役割りを果たすのに効果があり、これ
が本発明方法の効果である均等な配分を可能とし
ている。

図面はこの発明にかかる積付け方法の好適例で
あつて、スタツカーブーム端において原料を２分
するには２股の分配積付装置を用いる。この分配
積付装置はスタツカーブーム１の先端直下に、ス
タツカー本体からのびる所要のフレーム２を介
し、このフレーム２に固定したスタツカー自走方
向と平行な支持軸３によつて回転自在に架空状態
に支持され、さらにその下にベツデイングパイル
Ｐが積付けられる。

上記配分積付装置は、下部が２股に分かれるシ
ユート本体４を次のように構成してなるものであ
る。即ちブームヘツド１ａ下にあつて鉱石落下ル
ートに臨んで開口する上部４ａ内には、その上部
４ａ内を前記支持軸３の位置で回転方向を２分す
るための分配板５が固定してあり、一方このシユ
ート本体下部の分岐部分４ｂ，４ｃの内部には、
鉱石を通過させる通路の一部を遮るように配置し
た感圧板６，７が固定してある。この感圧板６，
７は該分岐部分を通過する鉱石量を圧力として感
じさせるものであり、多量に流れれば大きな圧力
を検知するので、該シユート本体４のバランスが
崩れ、これを感圧の大きな方向に回転させること
になる。その結果分配板５によつて仕切られたシ
ユート本体上部４ａのそれぞれの空間は、感圧を
小さく受ける側に通じる経路を、より多く（広
く）ブームヘツド１ａに提供し、より多くの落下
鉱石を受けるようになり、こうした通過流量を均
衡させる自動的な姿勢制御によつて、均等分配を
可能とするのである。

上記分配積付装置の２股部である分岐部分４
ｂ，４ｃが既成パイルの頂部に近い両側斜面に、
その排出端を位置するようにして、鉱石の積付け
を行い積付け対称性を維持する。

本発明にかかる積付け方法に従えば、図からも
明らかなように、パイル稜線上に従来１点積付け
で行われたものが、稜線をはさんで２点の積付け
となり、スタツカーブームの調整において、パイ
ル稜線部が図中、４ｂのＡ点、４ｃのＢ点間にあ
れば、左右への均等分配が達成され、積付けの対
称性を維持することは容易である。

以上説明したように本発明によれば、パイルの
幅方向における配分の偏りがないスタツキングが
可能であり、ブレンデイング鉱石の品質を高める
ことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すスタツキングの
模様を示す斜視図である。 １……スタツカーブーム、１ａ……スタツカー
ブームの先端、２……スタツカーのフレーム、３
……支持軸、４……シユート本体、４ａ……シユ
ート本体の上部、４ｂ，４ｃ……シユート本体の
分岐部分、５……分配板、６，７……感圧板、Ｐ
……ベツデイングパイル、Ｂ……ベツデイングパ
イル中央部の緩衝地帯。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 成分組成の異なる多数の鉱石を、ヤード上の
   一定の距離を往復するスタツカーを介し、常時ヤ
   ード中央部にセツテイングされるスタツカーブー
   ムの先端から該ヤード上に落下堆積させ、その堆
   積物の連なりを導いてベツテイングパイプを積付
   ける方法において、 スタツカーから落下させる前記鉱石を、スタツ
   カーブーム先端部の直下に回転自在に支持され
   る、開口上部につながる下部が２股に分岐しかつ
   該上部には内部を回転方向に２分する分配板を収
   納固定すると共に下部分岐部分には分流量を自動
   調整するためのそれぞれの通路の一路を遮る感圧
   板を設置してなる分配器にて２分し、 その２分した鉱石をそれぞれ既成パイプの頂部
   を除くそれに近いパイル両側各斜面に落下供給す
   ることにより、断面が台形となるベツデイングパ
   イルを高い対象性を実現して構築することを特徴
   とするベツデイングパイルの積付け方法。