JPH0126917B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、自動二輪車、自動三輪車等の無天蓋
車両に用いられる可調整ウインドスクリーンを具
備するフエアリングに関するものである。

従来技術 従来無天蓋車両において、ライダーの体格、気
温の高低、走行速度の遅速等に対応させてウイン
ドスクリーンを移動調整することが行なわれてい
るが、従来のものは車体にガイドを設けてウイン
ドスクリーンを上下方向に移動することにより行
なわれていた。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら、上記可調整のウインドスクリー
ン装置では、透明な合成樹脂等よりなるウインド
スクリーンを上下移動させるガイド機構に特別な
工夫が必要となり、構造が複雑であつた。

また、ウインドスクリーンが上下に移動してウ
インドスクリーンの高さが変るのみで、車体の両
面側の形状は不変であり、その結果、車体全体の
空気抵抗は大巾に変化しなかつた。

本発明は、このような点に着目して改良を施し
たもので、ウインドスクリーンの高さを変えるこ
とに伴つて車体の側面形状も変えることができる
構造簡単な可調整のウインドスクリーン装置を提
供しようとするものである。

問題点を解決するための手段および作用 本発明は、上部にウインドスクリーンを装着し
車体の前方から両側を覆うようにしたフエアリン
グを上下に分割し、その分割下部分を車体に固定
するとともに分割上部分を該分割下部分に枢着し
て分割部分前方を中心に上下に傾動自在とし、そ
の上方位置と下方位置間の傾動位置を固定する手
段を分割上部分と分割下部分間に設けたことを特
徴とする可調整ウインドスクリーン装置であり、
分割上部を分割部分前方を中心に上下に傾動させ
車体の前方及び側面からの風量、風圧等を考慮し
て任意の位置で固定するものである。

実施例 以下第１図ないし第６図に図示された本発明の
一実施例について説明する。

１は車体前部上方にその前方から両側方にわた
つて合成樹脂製フエアリング２を付設した鞍乗型
自動二輪車で、フエアリング２の外周面で、略上
下方向へ指向した部分３を境に、同フエアリング
２は上下に２分割され、フエアリング分割部分４
は図示されないフエアリングステーを介して車体
に一体に固定されている。

またフエアリング２の前方において、フエアリ
ング分割下部分４にフエアリング分割上部分７が
ヒンジ９を介して上下に傾動自在に枢着されてい
る。

さらに前記フエアリング分割下部分４は、その
分割上縁付近で内側へ段状５にへこまされ、その
上端縁６に断面が逆Ｕ字状のラバー１２が一体に
貼着されている。

さらにまた前記フエアリング分割上部分７の分
割下縁では２又状挟持部８が形成されており、同
２又状挟持部８はフエアリング分割下部分４の上
端縁６に僅かに弾性的に変形しながら出没自在に
挟持するようになつている。

そして、前記フエアリング分割上部分７の上部
に合成樹脂製のウインドスクリーン１０の下部が
図示されないスクリーンベースラバーを介して螺
子１１により一体に固着されている。

第１図ないし第６図に図示の実施例は前記した
ように構成されているので、下記のような作用効
果が奏せられる。

まずフエアリング２の外周面が略上下方向へ向
いた部分３を境にフエアリング２が上下に２分割
されているため、ヒンジ９を中心としてフエアリ
ング分割上部分７に上下方向へ力を加えた際に、
フエアリング分割上部分７の２又条挟持部８は、
これと同じ上下方向に指向したフエアリング分割
下部分４の上端縁６に沿い横方向へずれることな
く上下へ相対的に移動でき、フエアリング分割上
部分７は上下へ傾動することができる。

このため、第２図に図示するようにフエアリン
グ分割上部分７を上方へ傾動させれば、これと一
体のウインドスクリーン１０も上方へ起立され、
気温の低い冬期にはライダー１３の顔はウインド
スクリーン１０と略同じ高さとなり、ライダー１
３は前方より走行風を受けず寒くない。

また第３図に図示するようにフエアリング分割
上部分７を下方へ傾動させれば、ウインドスクリ
ーン１０も斜後下方へ倒れ、車体正面投影面積が
減るとともに車体側面形状が流線形化されるの
で、空気抵抗が低下し、自動二輪車１は高速走行
に適する状態となる。しかも気温の高い夏期で
は、ライダー１３は前方からの走行風を受けて涼
しい。

さらにフエアリング分割上部分７の２又状挟持
部８はフエアリング分割下部分４の上端縁６をラ
バー１２を介して適当な弾性力で挟持し、両者の
接触部には、走行に伴なう風圧力や振動等の外力
に充分に抵抗できる摩擦力が働くため、フエアリ
ング分割上部分７はフエアリング分割下部分４に
対して安定して固定される。

さらにまたフエアリング分割上部分７にウイン
ドスクリーン１０が螺子１１で固定され、フエア
リング分割上下部分４，７は嵌め合い構造となつ
ているため、構造がすこぶる簡単であり、コスト
が安い。

第１図ないし第６図に図示の実施例では、フエ
アリング分割下部分４の上端縁６をラバー１２を
介してフエアリング分割上部分７の２又状挟持部
８で弾性的に挟持させることにより、フエアリン
グ分割下部分４に対してフエアリング分上割部分
７を固定していたが、第７図および第８図に図示
するように、２又状挟持部８の外側部片８ａの内
面より内側部片８ｂを貫通して雄螺子１４を一体
に固着し、上端縁６およびラバー１２に同雄螺子
１４が遊動しうる溝１５を形成し、雄螺子１４に
締つけ螺子１６を螺合してもよく、同締付け螺子
１６を緊締することにより、フエアリング分割下
部分４にフエアリング分割上部分７を固定させる
ようにしてもよい。

また第１図ないし第６図に図示の実施例では、
フエアリング２の外周面が最も側方へ膨らんで略
上下方向へ向つた部分３を、ヒンジ９を通る平面
で上下に２分割したが、適当に弯曲した曲線をヒ
ンジ９の回りに回転させて形成された曲面でフエ
アリングの分割部分を構成し、前記曲線を境にし
てフエアリングを上下に２分割したものにも本発
明は適用できる。

さらに鞍乗型自動二輪車であるオートバイのみ
ならず、スクータ等にも本発明は適用可能であ
る。

発明の効果 このように本発明では、上部にウインドスクリ
ーンを装着し車体の前方から両側を覆うようにし
たフエアリングを上下に分割し、その分割下部分
を車体に固定するとともに分割上部分を該分割下
部分に枢着して分割部分前方を中心に上下に傾動
自在とし、その上方位置と下方位置間の傾動位置
を固定する手段を分割上部分と分割下部分間に設
けたことを特徴とする可調整ウインドスクリーン
装置としたため、前記分割上部分を上下に傾動さ
せることにより、前記ウインドスクリーンを上下
に移動させて、これを上方位置と下方位置間の任
意の位置で固定することができ、ライダーの体格
や気温の高低や走行速度に適合させることができ
る。

また本発明においては、前記ウインドスクリー
ンを下方へ移動させた際には、同ウインドスクリ
ーンおよび分割上部分を後方へゆるやかに傾斜さ
せて空気抵抗を低下させることができる。

そして、本発明は簡単な構造であるので、製作
が容易でコストダウンを図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る可調整ウインドスクリー
ン装置の一実施例を備えた自動二輪車の斜視図、
第２図はウインドスクリーンを上方へ起立させた
状態の側面図、第３図は同ウインドスクリーンを
下方へ倒伏させた状態の側面図、第４図はその要
部斜視図、第５図は第４図のＶ−Ｖ線に沿つて截
断した横断面図、第６図はウインドスクリーンの
倒伏状態を示した横断面図、第７図は他の実施例
の要部横断面図、第８図はその一部斜視図であ
る。 １……自動二輪車、２……フエアリング、３…
…分割部分、４……フエアリング分割下部分、５
……段部、６……上端縁、７……フエアリング分
割上部分、８……２又状挟持部、９……ヒンジ、
１０……ウインドスクリーン、１１……螺子、１
２……ラバー、１３……ライダー、１４……雄螺
子、１５……溝、１６……締付け螺子。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 上部にウインドスクリーンを装着し車体の前
   方から両側を覆うようにしたフエアリングを上下
   に分割し、その分割下部分を車体に固定するとと
   もに分割上部分を該分割下部分に枢着して分割部
   分前方を中心に上下に傾動自在とし、その上方位
   置と下方位置間の傾動位置を固定する手段を分割
   上部分と分割下部分間に設けたことを特徴とする
   可調整ウインドスクリーン装置。