JPH0126759Y2

JPH0126759Y2 -

Info

Publication number: JPH0126759Y2
Application number: JP15035986U
Authority: JP
Priority date: 1986-09-29
Filing date: 1986-09-29
Publication date: 1989-08-10
Also published as: JPS6356252U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、雰囲気熱処理炉に関するものであ
る。

（従来技術とその問題点）従来、雰囲気熱処理炉では、炉内への空気侵入
による炉内雰囲気の汚染を防止するため、炉内は
勿論のこと、焼入室などの処理室内の圧力がプラ
ス圧となるように雰囲気ガスの供給量を管理し、
そして、その圧力は操業時に圧力変動が生じて
も、炉内圧力あるいは処理室内圧力がマイナス圧
とならないように設定している。

ところで、雰囲気ガスの消費量を軽減するため
には、炉内容積あるいは処理室内容積をできるだ
け小さくすることが得策である。

しかしながら、このような炉内あるいは処理室
内に、たとえば、処理材の搬送あるいは移載手段
として、処理室を内外に貫通して進退するプツシ
ヤやリフタを使用する場合、プツシヤ等の駆動軸
の処理室内に占める体積が大きく、かつ、その体
積は進退により大きく変化し、つまり、炉内圧変
動が大きくなり、特に、駆動軸の後退時、処理室
内容積が急激に大きくなるため、炉内圧が低下し
て、処理室内に空気が侵入することになる。

これを防止するためには、炉圧変動幅を考慮し
て、設定炉内圧（雰囲気ガス圧力）を高くすれば
よいが、大量の雰囲気ガスを必要とするという問
題点がある。

本考案は、前記問題点を、簡単な構成を付加す
ることにより解決できる雰囲気熱処理炉を提供す
ることを目的とする。

（問題点を解決すべき手段）本考案にかかる雰囲気熱処理炉は、前記目的を
達成するために、進退動する駆動軸を有する処理
室に、大気と連通する開口部を設け、この開口部
に室内容積調節部材を設けたものである。

（実施例）つぎに、本考案の一実施例を図面にしたがつて
説明する。

第１図に示すものは、本考案を誘導加熱式型焼
入設備に適用したもので、この誘導加熱式型焼入
設備は、大略、一体構造となつた処理室を構成す
る加熱室１と、保持炉１１と型焼入室１５とから
なる。

前記加熱室１は、下部に装入ベスチブル２を有
し、加熱室本体３内の上部に誘導加熱装置４を有
するものである。

そして、前記装入ベスチブル２は、図示しない
排気装置に連通するとともに、N₂ガス供給管が
接続してある。また、加熱室本体３内には、装入
ベスチブルリフタ５で上昇した処理材Ｗを加熱室
リフタ７に移載する加熱室ローダ６と、誘導加熱
装置４により加熱された処理材Ｗを保持炉１１に
移載するプツシヤ８を備えている。前記装入ベス
チブルリフタ５、加熱室ローダ６、加熱室リフタ
７、プツシヤ８は、装入ベスチブル２、加熱室本
体３を貫通して上下あるいは横方向に進退動する
駆動軸５ａ，６ａ，７ａ，８ａを有する。

なお、９は装入扉、１０は中間扉である。

保持炉１１は、前記加熱室１に連設され、その
内部には、間接加熱手段である電熱ヒータ１２が
設けられるとともに、前記プツシヤ８により押圧
移動された処理材Ｗを搬送する多数のハースロー
ラ１３を有する。１４は昇降可能な仕切壁であ
る。

型焼入室１５は、前記保持炉１１に連設され、
下方に焼入油槽１７を有し、型焼入室１５を構成
する一側壁は油中仕切板１６となり、型焼入室１
５内と外気とを遮断している。

また、型焼入室１５内の上部には昇降動する焼
入用上型１８を備える一方、下部には前記焼入用
上型１８とで処理材Ｗを挾圧する焼入用下型１９
と、これと平行な積卸しリフタ２０が設けられて
いる。

さらに、前記油中仕切板１６より外方の焼入油
槽１７にも積卸しリフタ２０と同様な抽出リフタ
２１が設けてある。

そして、前記加熱室１、保持炉１１および型焼
入室１５には、N₂ガス供給管２６が接続してあ
る。

その他、２２は型焼ローダ、２３は積卸しトラ
ンスフア、２４は積卸しプツシヤ、２５は押圧移
動時のガイド部材である。

なお、前記焼入用上型１８、焼入用下型１９、
積卸しリフタ２０、抽出リフタ２１は、それぞれ
型焼入室１５、焼入油槽１７を貫通して進退動す
る駆動軸１８ａ，１９ａ，２０ａ，２１ａを有す
る。

また、前記加熱室１および型焼入室１５には開
口部２７が設けられ、この開口部２７には薄膜材
からなる室内容積調節部材２８が設けてある。

つぎに、前記構成からなる誘導加熱式型焼入設
備の操業方法を説明する。

まず、処理材Ｗを、装入扉９を開いて装入ベス
チブル２の装入ベスチブルリフタ５上に載置し、
装入ベスチブル２内を真空排気するとともに、
N₂ガスを導入して装入ベスチブル２内をパージ
する。

その後、中間扉１０を開くとともに、装入ベス
チブルリフタ５を上昇させ、加熱室ローダ６の前
進により処理材Ｗを加熱室リフタ７に移載する。

その後、加熱室ローダ６は後退、装入ベスチブ
ルリフタ５は降下し中間扉１０が閉じ、前述の動
作を繰り返す。

前述のように、加熱室リフタ７上に処理材Ｗが
移載されると、処理材Ｗは加熱室リフタ７により
誘導加熱装置４内まで上昇し、誘導加熱装置４に
より所定温度に誘導加熱される。その後、加熱室
リフタ７は保持炉１１のハースラインまで降下し
て停止し、プツシヤ８により処理材Ｗはハースロ
ーラ１３上に移載される。

また、処理材Ｗが移載された加熱室リフタ７は
再度下降し、元の位置で次の処理材Ｗを受け取る
べく待機する。

ハースローラ１３上に移載された処理材Ｗは、
保持炉１１内を所定速度で移動し、その間に電熱
ヒータ１２により均熱加熱され、誘導加熱により
生じた温度ムラが除去される。

このようにして、保持炉１１を通過した処理材
Ｗは、型焼ローダ２２により焼入用下型１９上に
移置されると同時に、下降する焼入用上型１８に
より挟着され、その状態で焼入油Ｏ内に浸漬し、
型焼入れが行なわれる。

焼入れが終了すると、焼入用上型１８および焼
入用下型１９は上昇して元の状態に復帰し、ここ
で焼入用下型１９上の処理材Ｗは型焼ローダ２２
により積卸しリフタ２０上に移載される。そし
て、この積卸しリフタ２０は焼入油Ｏ内に浸漬
し、積卸しトランスフア２３により処理材Ｗを他
の積卸しリフタ２１に移積される。その後、積卸
しリフタ２１は上昇し、積卸しプツシヤ２４によ
り処理材Ｗは抽出される。

ところで、前記操業にあたり、駆動軸６ａ，７
ａ，８ａ，１８ａ，１９ａ，２０ａが進退動する
と室内圧が変動する。すなわち、前記各軸が加熱
室１あるいは型焼入室１５内から後退すると、後
退した分の駆動軸体積分だけ処理室内容積が急激
に増加することになり、処理室内圧力が一時的に
低下するが、この室内容積の増加は前記薄膜材２
８が内方に膨出することにより吸収される。ま
た、逆に突出すると、薄膜材２８が外方に膨出す
ることにより吸収する。

つまり、前記各駆動軸６ａ，７ａ，８ａ，１８
ａ，１９ａ，２０ａの進退動による設備内の急激
な容積変化は薄膜材２８により吸収されるため、
駆動軸の進退動に伴う処理室内圧力の変動を軽減
することができる。

なお、前記室内調節部材は、薄膜材２８に限ら
ず、第２図に示すように、薄膜材２８にスプリン
グ等の弾性体２９を介在させたものでもよく、ま
た、第３図に示すように、開口部２７内にピスト
ン３０を配設してもよい。

（考案の効果）以上の説明で明らかなように、本考案にかかる
雰囲気熱処理炉によれば、処理室壁を貫通して設
ける駆動軸の進退動により、処理室内容積が急激
に変化すると、この容積変化は、室内容積調節部
材により直ちに吸収される。

したがつて、駆動軸の進退動作時における炉内
圧の変動が少なくなるため、低い設定炉圧で炉内
圧の安定が図れ、それだけ雰囲気ガスの消費量を
軽減することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる熱処理炉の概略説明
図、第２図および第３図は室内容積調節装置の他
の実施例を示す概略図である。１……加熱室、２……装入ベスチブル、４……
誘導加熱装置、１１……保持炉、１２……間接加
熱手段、１３……ハースローラ、１５……型焼入
室、１７……焼入油槽、６ａ，７ａ，８ａ，１８
ａ，１９ａ，２０ａ……駆動軸、２８……薄膜
材、２９……スプリング（弾性体）、３０……ピ
ストン。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】 (1) 処理室内に進退動する駆動軸を有する雰囲気
熱処理炉において、前記処理室に大気と連通す
る開口部を設け、この開口部に室内容積調節部
材を設けたことを特徴とする雰囲気熱処理炉。 (2) 前記室内容積調節部材が、薄膜材であること
を特徴とする前記実用新案登録請求の範囲第１
項に記載の雰囲気熱処理炉。 (3) 前記室内容積調節部材が、前記駆動軸の処理
室内における体積増減につれてピストンが移動
するシリンダであることを特徴とする前記実用
新案登録請求の範囲第１項に記載の雰囲気熱処
理炉。