JPH01264114A - 複合酸化物超電導体薄膜の作製方法 - Google Patents

複合酸化物超電導体薄膜の作製方法

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JPH01264114A
JPH01264114A JP63129386A JP12938688A JPH01264114A JP H01264114 A JPH01264114 A JP H01264114A JP 63129386 A JP63129386 A JP 63129386A JP 12938688 A JP12938688 A JP 12938688A JP H01264114 A JPH01264114 A JP H01264114A
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藤田 順彦
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糸崎 秀夫
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三郎 田中
Shuji Yatsu
矢津 修示
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は複合酸化物超電導体薄膜の製造方法に関するも
のである。より詳細には、高い超電導臨界温度を有し且
つ均一な組成を有する複合酸化物超電導体薄膜の作製方
法に関するものである。
従来の技術 電子の相転移であるといわれる超電導現象は、特定の条
件下で導体の電気抵抗が零の状態となり完全な反磁性を
示す現象である。
超電導現象の代表的な応用分野であるエレクトロニクス
の分野では、各種の超電導素子が提案され、また開発さ
れている。代表的なものとしては、超電導材料どうしを
弱く接合した場合に、印加電流によって量子効果が巨視
的に現れるジョセフソン効果を利用した素子が挙げられ
る。・また、トンネル接合型ジョセフソン素子は、超電
導材料のエネルギーギャップが小さいことから、極めて
高速な低電力消費のスイッチング素子として期待されて
いる。さらに、電磁波や磁場に対するジョセフソン効果
が正確な量子現象として現れることから、ジョセフソン
素子を磁場、マイクロ波、放射線等の超高感度センサと
して利用することも期待されている。超高速電子計算機
では、単位面積当たりの消費電力が冷却能力の限界に達
してきているため、超電導素子の開発が要望されており
、さらに、電子回路の集積度が高くなるにつれて、電流
ロスの無い超電導材料を配線材料として用いることが要
望されている。
しかし、様々な努力にもかかわらず、超電導材料の超電
導臨界温度Tcは長期間に亘ってNb3Geの23Kを
越えることができなかった。
ところが、1986年に、ベドノーツおよびミューラー
達によって高いT。をもつ複合酸化物系の超電導材料が
発見されるにいたって、高温超電導の可能性が大きく開
けてきた(Bednorz、 Muller、“Z。
Phys、864 (1986) 189”)。
これまでにも、複合酸化物系のセラミック材料が超電導
特性を示すということ自体は既に公知であり、例えば、
米国特許第3.932.315号には、Ba−Pb−B
1系の複合酸化物が超電導特性を示すということが記載
されており、また、特開昭60−173.885号公報
にはBa−B1系の複合酸化物が超電導特性を示すとい
うことが記載されている。しかし、これまでに知られて
いた複合酸化物のTcはIOK以下であり、超電導現象
を起こさせるには液体ヘリウム(沸点4.2K)を用い
る以外なかった。
ベドノーツおよびミューラー達によって発見された酸化
物超電導体は(La、 Ba) 2Cu O4で、この
酸化物超電導体は、K2NiF、型酸化物と呼ばれるも
ので、従来から知られていたペロブスカイト型超電導酸
化物と結晶構造が似ているが、そのT。は従来の超電導
材料に比べて飛躍的に高い約30にという値である。
更に、1987年2月になって、チュー達によって90
にクラスの臨界温度を示すBa−Y系の複合酸化物が発
見された。このYBCOと称されるBa−Y系の複合酸
化物はYIBa2Cua 07−Xで表される複合酸化
物である。
続いて発見されたBi −3r −Ca−Cu系および
Tl−Ba −Ca−Cu系複合酸化物は、Tcが10
0に以上であるばかりでなく、化学的にも安定してふり
、YBCO等のような超電導特性の経時的劣化が少ない
これらの新しい複合酸化物系超電導材料の発見によって
高温超電導体実現の可能性が俄かに高まっている。
これら複合酸化物超電導体の超電導特性には、結晶中の
酸素欠陥が大きな役割を果たしている。
すなわち、結晶中の酸素欠陥が適正でないと、Tcは低
く、また、オンセット温度と抵抗が完全に0となる温度
との差も大きくなる。
従来、上記複合酸化物超電導体薄膜を作製する際には、
焼結等で生成した酸化物を蒸着源としたスパッタリング
法のような物理蒸着により成膜した後、酸素雰囲気中で
熱処理を行うか、酸素プラズマに曝す等の処理を行って
いた。
発明が解決しようとする課題 上記の複合酸化物超電導体材料は、特に、薄膜化すると
、その超電導特性が悪化し易いという欠点がある。これ
は、薄膜化する際に複合酸化物超電導体結晶中の酸素欠
陥が不適当になるためと考えられる。
しかし、この点は複合酸化物超電導体材料を実際にデバ
イスとして使用する上で大きな問題となっていた。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決
し、高い臨界温度Tcを有する均一な組成および組織を
有する複合酸化物超電導材料の薄膜を作製する方法を提
供することにある。
課題を解決するための手段 本発明の提供する複合酸化物系超電導体薄膜の作製方法
は、上記複合酸化物系超電導体薄膜を物理蒸着法で成膜
する際に、蒸発粒子が堆積する基板に酸素イオンビーム
を照射しながら上記物理蒸着を行うことを特徴としてい
る。
上記の酸素イオンビームの強度は時間的に変化させるの
が好ましい。
酸素イオンビームはイオン化された0または0゜によっ
て構成される。
本発明方法を用いて成膜できる超電導薄膜としては、例
えば、 一般式: (αl−XβX)ryo□ (ただし、αは周期律表■a族元素から選択された1種
の元素であり、βは周期律表I[Ia族から選択された
少なくとも1種の元素であり、Tは周期律表I J l
Ib11[Ibs ■as■a族元素から選択された少
なくとも1種の元素であり、Xは0.1 ≦X≦0.9
であり、yおよび2は(αl−XβX)を1とした場合
に0.4≦y≦3.0.1≦2≦5となる数である)で
表される組成の擬似ペロブスカイト型の結晶構造を持つ
複合酸化物超電導体が好ましい。
上記周期律表Ua族元素αとしては、Ha、 Sr、C
a等が好ましく、特に、Ba5Srが好ましい。また上
記周期律表■a族元素βはとしてはYおよびランタノイ
ド元素が好ましく、特に、Y、 La5Nd。
Sms EU% Gd5Dys Ho、 ErSTmお
よびYbが好ましい。
この元素βとしては2種類以上の元素を用いることがで
き、上記範囲の中から選択した1種類の元素の10〜8
0%を上記範囲の中から選択した他の種類の元素で置換
することもできる。前記元素Tは一般にCuであるが、
その一部を周期律表Ib、nb、I[b、 ■aおよび
■a族から選択される他の元素、例えば、T1、V等で
置換することもできる。
さらに具体的には、一般式: %式% (ココで、αはBaまたはSrを表し、LnはYXLa
Nd、 Sm、 Eu5GdSDySHa、 Er、 
TmおよびYbよりなる群の中から選択される元素を表
し、XはQ<x〈1を満たす数を表す) で表される複合酸化物が好ましく、具体的には、(La
1−Jay)2Cu04 (La 1 xsr X) zcu O4YIBazC
u30t−xSLa+Ba2Cu30t−X1Nd+5
r2Cus 07−X、 Sl’ll+BazCus 
C)y−xstEu+BazcLIs Ch−xs G
d+BazCu307−xsDy+Ba2Cu307−
x、 HO1BazCU30t−X%Br +BazC
u30q−x % Tm1Ba2Cu30 q−x、Y
b+Ba、Cu30?−X (ただしXはQ<x<lを満たす数である)で表される
複合酸化物超電導体が好ましい。
本発明方法によって成膜することができる他の複合酸化
物としてはさらに下記一般式:%式% きはBaであり、mは6≦m≦10を満たし、nは4≦
n≦8を満たし、p= (5+m+n)であり、Xは0くX〈 1を満たし、rは一2≦r≦2を満た す数を表す) で表される化合物の混合相または単相がある。具体的に
は、例えば、 BI4Sr4Ca4Cu6020+r B12Sr2Ca2CU3010+r  または、T]
28a2Ca2CU3010+r TI、Ba、Ca4Cu60zo+r (ただし、rは一2≦r≦2をを満たす数)で示される
複合酸化物を主とした混合相と考えられる超電導体およ
び上記いずれかの式で表される単相の薄膜を成膜するこ
とができる。
上記物理蒸着は公知の任意の手段、スパッタリング、イ
オンブレーティング、蒸着、分子線エピタキシー等を用
いて行うことができる。
蒸発源は、上記の複合酸化物超電導体の構成金属・遷移
金属元素の単体を組み合わせた複数の蒸発源とするか、
その化合物、特に酸化物にするか、これら両者を組み合
わせて用いることができる。
複数の蒸発源を用いる場合には、上記複合酸化物中の原
子比および蒸着率、例えば、スパッタレート等の物理蒸
着ファクターに応じて複合酸化物超電導体の構成金属・
遷移金属元素の単体の蒸発量をコントロールすることが
できる。
化合物の蒸発源を用いる場合には、上記の複合酸化物超
電導体の構成金属・遷移金属元素の酸化物または炭酸塩
の混合粉末を250〜1200℃で仮焼結したもの、あ
るいはこれを700〜1500℃の範囲の温度で本焼結
した焼結体を蒸発源とすることができる。この焼結体の
蒸着源は、焼結体粉末でも、焼結体ブロックでもよい。
ここで、仮焼結とは粉末材料を仮焼きして複合酸化物と
する処理をいう。
具体的には、複数の蒸着源を使用して物理蒸着を行う場
合には。例えば、BaとYとCuの単体金属またはそれ
らの各酸化物を蒸着源とすることができる。さらには、
ea、−xYxoz  (ただし、Xおよび2は上記定
義の数である)およびCuの酸化物の2つの蒸着源を使
用して本発明の方法を実施してもよい。
本発明の方法で使用する蒸着源の■族元素と■族元素と
の原子比は、それらの組合せに応じて以下の範囲の中か
ら選択するのが好ましい。
Y/ (Y+Ba)系: 0.06〜0.94、好まし
くは0.1〜0.4 Ba/ (La+Ba)系: 0.04〜0.96、好
ましくは、0.08〜0.45 Sr/ (La+Sr)系: 0.01〜0.95、好
ましくは、0.05〜0.1゜ なお、上記蒸着源の複合酸化物超電導体の成分元素の原
子比は目標とする薄膜の複合酸化物超電導体の成分元素
の原子比に従って決定される。例えば、蒸着源のBa、
 YおよびCuの原子比は、形成される薄膜のBa5Y
およびCuの原子比を基準として、Ba、 YおよびC
uの蒸着効率、反応率等に応じて調整して決定する。
本発明の特徴は蒸着時に酸素のイオンビームを基板に向
は照射することにある。
この酸素のイオンビームは公知の任意のイオン発生器を
用いて発生させることができる。具体的には差動排気可
能なイオン源があることが好ましく、冷陰極型であるこ
とが好ましい。イオン源内には1.7 X 10”” 
〜8.3 X 10−’Torrの範囲の0□ガスを流
すことが好ましく、イオン源の放電電圧としては0.5
〜10kVの範囲が好ましい。また、イオン源の加速電
圧は50V〜40kVの範囲が好ましい。
さらに本発明の好ましい態様に従うと、蒸着雰囲気は、
02を含み、0□分圧は1.0X10−’〜1、OXl
0−”Torrの範囲内であることが好ましい。
さらに本発明の好ましい態様に従うと、蒸着時には、ヒ
ータにより基板を230〜1410℃の範囲の温度に加
熱する。基板は、MgO単結晶または5rTI03単結
晶が好ましいが、ガラス、石英、Sl、ステンレス鋼ま
たはセラミックスも用いることができる。
作用 本発明は、複合酸化物を蒸着源とし、酸素イオンビーム
を照射しながら物理蒸着を行って複合酸化物超電導体の
薄膜を形成することを特徴としており、上記酸素イオン
ビームの照射は、好ましくは、ビーム強度を変化させな
がら行う。
本発明の方法で形成される薄膜は、 一般式: (αl−XβX)ryO− (但し、α、β、γは、上記定義の元素であり、Xはα
+βに対するβの原子比で、0.1≦X≦0.9であり
、yおよび2は(αl−XβX)を1とした場合に0.
4≦y≦3.0.1≦2≦5となる原子比である) 示される組成で一般的に表され、例えばY1Ba2Cu
a 0t−x (ただしXはQ<x<1を満たす数である)を主体とす
る混合相と考えられる。
本発明で蒸着源として使用する酸化物は、例えば、上記
のようにαとして8a、βとしてY、rとしてCuを選
択した場合は、8a、 YおよびCuの酸化物または炭
酸塩の粉末を焼結して作製した焼結材である。蒸着源は
、仮焼結したのみのものでも、あるいは本焼結したもの
でもよい。また焼結体を粉砕した粉末でも焼結体ブロッ
クでもよい。焼結体粉末の場合は粒径0.01〜1mm
の範囲の粉末を用いるのが好ましい。蒸着源を粉末とし
た場合は、成膜速度が速くなる利点がある。
さらに本発明の態様に従うと、蒸着源の原子比Y/ (
Y+Ba)が0.06〜0.94テあることが好ましく
、0.1〜0.4であることがさらに好ましく、Ba/
 (La+Ba)が0.04〜0.96であることが好
ましく、さらに0.08〜0.45であることがさらに
好ましく 、Sr/ (La+Sr)が0.01〜0.
95の範囲であることが好ましく、0.05〜0.1で
あることがさらに好ましい。蒸着源の原子比が上記の範
囲からはずれた場合にはいずれも、蒸着膜の組成または
結晶構造が所望の擬似ペロブスカイト型とは異なってし
まい、超電導臨界温度が所望の値とならない。
また、例えば、αとしてBa、βとしてY1γとしてC
uを選択した場合、3a、 YおよびCuの蒸着効率、
反応率等を考慮して蒸着源のBa、 YおよびCuの原
子比を薄膜のBa、 YおよびCuの原子比を基準とし
て決定するのが好ましい。これは、本発明の薄膜の構成
成分であるBa5YおよびCuの酸化物の融点、蒸気圧
等がそれぞれ相違し、このため蒸着効率、反応率等が相
違するためである。すなわち、蒸着源の元素比を適当に
選択しないと薄膜が所望の元素比にならない。また、ス
パッタリングの場合、蒸着源の原子比は各金属酸化物の
スパッタリング係数および基板上における蒸気圧等から
計算して決定できる。
本発明の好ましい態様に従うと、蒸着時に0または02
イオンビームをビーム強度を変化させながら基板に照射
する。すなわち、酸化物超電導体の超電導特性には結晶
中の酸素欠損が大きく影響する。しかしながら酸素欠損
を制御する技術は確立されておらず、このため酸化物超
電導体の超電導特性は不安定なものとなっている。本発
明の方法では、この問題を解決するためビーム強度を変
化させながら酸素イオンビーム照射を成膜中に行うこと
により蒸着膜に酸素濃度勾配を与える。この酸素イオン
ビーム照射により、蒸着膜中に必ず酸素濃度が適正とな
っている部分が生成し、その部分は、優れた超電導特性
を持つ。超電導体においては、一部でも優れた超電導特
性を持つ超電導体は全体でも超電導特性が優れているこ
とになる。
本発明で用いるイオンビームは02イオンビームのみで
あることが好ましく、このためにイオン源は冷陰極型で
あることが好ましい。また、イオン源には、1.7 X
 10−5〜8.3 X 1O−3Torrの範囲の0
2ガスを流すのが好ましい。すなわち、02ガスの流量
が1.7 X 10−’Torr以下では0□イオンビ
ームが不足し、8.3 X 10−’Torr以上では
逆に過剰とな′す、目的とする薄膜の改質効果が見られ
ないためである。このイオン源の圧力はチャンバー内と
圧力が異なるため、イオン源は差動排気が可能でなけれ
ばならない。
イオン源の放電電圧は0.5〜10kVの範囲が好まし
い。すなわち、放電電圧が0.5kV未満だと、十分な
イオンが発生せず、10kVを超えるととイオンの励起
状態が不安定となる。また、イオンの加速電圧は50V
〜40kVの範囲が好ましい。すなわち、加速電圧が5
0V未満であると薄膜内に十分な量の酸素が取り込まれ
ず、40kVを超えると装置の価格が高価になり、コス
トを上昇させてしまう。
本発明の物理蒸着とは、好ましくは低圧ガス中蒸発法で
あり、蒸着雰囲気は、0□を含み、02分圧は1、OX
 10−8〜1. OX 10−’Torrの範囲内で
あることが好ましい。すなわち、02分圧が1.0×1
0−”Torr未渦のときは、蒸着膜の結晶性が悪く、
ペロブスカイト型酸化物または擬似ペロブスカイト型酸
化物が得られ難く、02分圧が高くなるほど結晶性がよ
くなるが、1、OX 10−’Torrを超えると、堆
積速度が著しく低下する。
本発明の好ましい態様に従うと、基板とじてMgO単結
晶または5rTi03単結晶基板を(001)面または
(110)面を成膜面として用いるのが好ましい。これ
は、本発明の方法で使用する複合酸化物超電導体が、そ
の超電導臨界電流密度に結晶異方性を有するためで、上
記の基板の成膜面を用いることにより、電流の流れ易い
方向を薄膜の水平方向または深さ方向にすることが可能
である。
さらに本発明の好ましい態様に従うと、基板をヒータで
230〜1410℃に加熱する。この基板の加熱により
薄膜は焼結と同様な作用をうけ、適当なペロブスカイト
型酸化物または擬似ペロブスカイト型酸化物となる。し
かしながら、基板温度が高すぎると蒸着膜の組成の制御
が困難となり、目的とするペロブスカイト型酸化物また
は擬似ペロブスカイト型酸化物が得られない。
次に本発明の方法を実施するために用いる装置について
説明する。第1図は、本発明の超電導酸化物薄膜の作製
に用いた蒸着装置の概略図である。
第1図に示す装置は、チャンバ1と、チャンバ1内に配
置された蒸着源2およびこの蒸着源を誘導加熱するため
の電子銃3と、蒸着源2に対向して設けられ、表面上に
薄膜が形成されることになる基板5とから主に構成され
ている。チャンバlは排気孔8を介して真空ポンプ(不
図示)に接続され、内部を真空にすることができる。
チャンバ1には差動排気可能なイオン源10が基板5に
向いて取りつけられ、イオン源10は、0□ガスを取り
込む導入孔9、排気孔8、冷陰極型イオン発生電極11
、イオン引き出し電極12および冷陰極型イオン発生電
極11に電力を供給する高周波電源13からなる。
基板5には加熱用ヒーター6が取りつけられ、基板温度
が調整可能である。さらに、チャンバ1には、雰囲気ガ
スの導入孔9が取りつけられている。
以下に、第1図の装置を使用して本発明の方法を実現す
る手順を説明する。
チャンバ1内に蒸着源2および基板5を取りつける。チ
ャンバl内を真空に排気した後、02ガスを所定の圧力
まで導入する。イオン源lO内にも0□ガスを所定の圧
力まで導入する。ヒーター6で基板5を加熱し、基板温
度が適当になったら、電子銃3を起動し、高周波電力を
イオン発生電極11に加え、蒸着を開始する。蒸着中に
、チャンバl内の02ガスの分圧が変化しないよう供給
量、排気量を調節する。また、0□イオンビームは、イ
オン発生電極11に与える電圧およびイオン引き出し電
極12の電圧で調節する。
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明の技術
的範囲はこれらの実施例に何等制限されるものではない
ことは勿論である。
なお、以下の実施例は上記第1図に示した蒸着装置を用
いて行われた。
尚、比較のために、それぞれの実施例について他の条件
を同一とし、酸素イオンビーム照射を行った場合と行わ
ない場合の2通りで薄膜を形成した。各実施例の成膜条
件も併せて表に記す。
実施例1 チャンバ1内に基板5、蒸着源2を取りつけた後、2 
×1Q−10Torrまで排気し、5.0X10 ’T
orrの0□ガスを導入した。イオン源10をやはり3
X10−’Torrまで排気して5 Xl0−’Tor
rの02ガスを導入した。基板温度を600℃にし、蒸
着を開始した。電子銃により蒸着源を加熱し、イオン源
には最初1.1kVの放電電圧と、1.0kVの加速電
圧を加えた。
蒸着源2としてはYBa2Cu30.焼結体ブロックを
用いた。この焼結体ブロックはY2O3とBaC0zの
粉末をY/Baの原子比が1:2となるように混合した
混合粉末に、さらにCuO粉末をYBa2Cu剰に混合
し、得られた混合粉末を950℃で焼結することによっ
て得られる。
基板5としては、MgO単結晶を用い、(001)面を
成膜面とした。
成膜速度は、約0.50人/秒で膜厚が1μmになるま
でイオン源の放電電圧を0.8から1.3kVまで、ま
た加速電圧を0.5から2kVまで連続的に変化させ、
酸素イオンビームの強度を変化させながら成膜した。
得られた薄膜の抵抗を測定するために、基板5上に形成
された薄膜の両端部分に真空蒸着で一対の電極を形成し
た。
臨界温度Tc並びにTciの測定は、タライオスクット
中で液体ヘリウムに浸して一旦8Kまで冷却し、試料が
超電導を示すことを確認した後ヒータによって徐々に昇
温し、試料が超電導を失い始め、電気抵抗を示し始める
温度(Tci)と、試料の超電導が消失して常態と同じ
電気抵抗を示す温度(Tc )とを測定した。
主な成膜条件とTc 、Tciを併せて、第1表に示す
実施例2 蒸着源2としてLava2Cu、 0.焼結体ブロック
を用いた。この焼結体ブロックは、La20.、とBa
C0+の粉末をLa/Baの原子比が1:2となるよう
に混合し、得られた混合粉末にさらにCuO粉末をLa
/Ba/Cuの原子比が1=2=3となる量よりも10
重量%過剰に混合し、この混合粉末を970℃で焼結し
て得た。
基板5には!4go単結晶を用い(001)面を成膜面
とした。
成膜の手順およびTc 、Tciの測定方法は、実施例
1と同様に行った。主な成膜条件とTc 、 Tciを
併せて、第1表に示す。
実施例3 蒸着源2としてBtsSraCa4Cu60zo、r 
(2≦r≦2)の焼結ブロックを用いた。
この焼結ブoツクは、Bi2O5,5rCOs 、Ca
OおよびCuOの各粉末を、B+/ Sr/Ca/Cu
の原子比が焼成後の組成: BI4Sr4CaaCus 0zo−r (2≦r≦2
)のBi/Sr/Ca/Cuの原子比と同じになるよう
に混合し、得られた混合粉末を820℃で焼結して得た
基板5としては、5rTt03単結晶を用い、(110
)面を成膜面とした。
成膜の手順およびTc 、Tciの測定方法は、実施例
1と同様に行った。主な成膜条件と’l’c 、 ’l
”ciを併せて、第1表に示す。
実施例4 蒸着源2としてT14Ba4ca4cu6020’。r
(−2≦r≦2)の焼結ブロックを用いた。
この焼結ブロックは、Tl2O,、BaCO3、CaO
およびCuO粉末をTl/Ba/Ca/Cuの原子比が
焼成後の組成: Tl4BasCanC1lsOao+r (2≦r≦2
)のTl/Ba/Ca/Cuの原子比と同じになるよう
に混合し、得られた混合粉末を910℃で焼結して得た
基板5には5rTtOa単結晶を用い、(110)面を
成膜面とした。
成膜の手順およびTc 、Tciの測定方法は、実施例
1と同様に行った。主な成膜条件とTc 、 Tciを
併せて、第1表に示す。
これらの実施例の結果、02イオンビーム照射により薄
膜の結晶構造、酸素濃度を適正に制御し、優れた特性を
持つ、酸化物超電導薄膜が形成できることが3正明され
た。
発明の詳細 な説明したように、本発明により、従来の超電導体より
も安定した超電導特性と高いT。をもつ超電導酸化物を
薄膜化することが可能となる。
従って、本発明を、超電導体を薄膜素子として応用する
分野、例えばジョセフソン素子と呼ばれるマチイソ−(
Matisoo)のスイッチング素子層アナツカ−(A
nacker)のメモリー素子、さらには超電導量子干
渉計(SQ[1ID)などに利用すると効果的である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法を実施するのに用いる蒸着装置の
一例の概略図である。 (主な参照番号) 1・・チャンバ、    2・・蒸着源、3・・電子銃
、     5・・基板、6・・ヒーター、    8
・・排気孔、10・・イオン源、  12・・イオン引
き出し電極、特許出願人  住友電気工業株式会社

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)複合酸化物系超電導体薄膜を物理蒸着法で作製す
    る方法において、蒸発粒子が堆積する基板に酸素イオン
    ビームを照射しながら上記物理蒸着を行うことを特徴と
    する複合酸化物超電導体薄膜の作製方法。
  2. (2)上記酸素イオンビームのビーム強度を時間的に変
    化させながら照射させることを特徴とする請求項1に記
    載の方法。
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