JPH0126230Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、鏡餅、延鏡、大福餅、新粉餅など各
種の米菓の仕上げ生地を製造するための餅搗機に
関するものである。

従来この種の餅搗機では杵臼機構を用いて杵搗
き作用だけで餅に搗上げ仕上げることが知られて
いる。そして米菓の種類例えば搗上げ生地の種類
別や混ぜものと称する豆、ゴマ、着色料、塩その
他の媒材を混入する生地とする需要は多種類にわ
たつており、専用の餅搗機を多数設備することは
場所的にも経済的にも実用的ではない。殊に生産
能力の増減巾の大きいときに一台の餅搗機では対
応できないと共に、米菓製品のまぜものを入れた
多種類のものを生産する場合、製品ロツド毎にし
なければならず、杵打ちも変える必要から使い分
けができないし、自由度が全くなく作業性も悪い
ばかりか、杵搗き作用によつてまぜものタイプの
餅製品を質的に良好な状態で作るための調整が、
やつかいであり連続的作業による良質な餅生地製
造には限界があり問題であつた。

本考案は、これら従来の諸問題点を構成簡単で
安価な形態で解決しようとするもので著しく良質
で均一な餅生地を能率よく製造できる餅搗機を提
供することを目的とするものである。

また本考案の他の目的は煮くづれしない良い餅
を容易に作れ搗上げ生地の品質向上を大巾に高め
その作業性をも良好にできるコンパクトな餅搗機
とすることにある。

本考案は、餅素材を投入しうる臼体と、該臼体
内の餅素材を搗き上げる往復昇降自在の杵体とを
備えた餅搗機において、前記臼体を基台上の可動
ベースに複数並列配備し、各臼体にそれぞれ杵体
を個別に昇降自在に設けると共に、各臼体を前記
可動ベースで前記杵体に対して交互に配置換えで
きるように交換自在に配備したことを特徴とする
餅搗機である。

本考案の一実施例を図面に基いて説明する。

臼体１と杵体２からなる餅搗機を二基並設した
餅搗機において、臼体１，１を基台３上の可動ベ
ースに配備し、上下動可能に固定吊垂された杵体
２，２に対して臼体１，１を互換性を有するよう
に構成している。

杵体２は合成樹脂層をコーテイングしたかなり
重い中空筒体で、クランク伝達機構４、減速機構
５を介してモータ６に連絡され、該伝動機構部に
は杵体２の搗回数を調整、制御するコントローラ
７を配備してある。そして杵体２の上昇はモータ
６により、下降は杵体２自身の重力により、行な
わしめるよう形成してある。臼体１は容器側面と
なる外臼１′と容器底面となる内臼１″からなる。
外臼１′は二重の側壁から形成されてジヤケツト
部８を有し、冷却水或いは温水などを該ジヤケツ
ト部８に保持せしめて臼体１中の餅の状態に応じ
て温度調節可能の構成としてある。また外臼１′
はギア９，１０、減速機構１１を介してモータ１
２に連絡されて回転自在に形成されており、内壁
の適宜高さにはアングルピース１３，１３が突設
されている。内臼１″は外臼１′内に同心上に設け
られて臼体１の杵体２と当接する底面を形成す
る。即ち外臼１′の底面に穿設された貫通口に内
臼１″の軸を嵌挿し、貫通口より大なる径を有す
る内臼１″で貫通口を閉塞した状態下で突出して
臼体１の底面を形成する。

内臼１″は膨出した底面を有する杵体２に添う
形状に凹んだ頂面を有し、側部には羽根１４，１
４を設けて、前記アングルピース１３，１３と共
に餅素材の臼中央部への案内、撹拌を行なうよう
にしてある。

内臼１″はギア１５，１６、減速機構１７を介
してモータ１８に連絡され、回転自在形成される
が、外臼１′とは逆方向に回転するよう構成して、
搗上がつた餅の取出しを楽にすると共に餅素材間
に分離面を現出せしめて豆などを混入する場合の
均一化を計つている。臼体１下方には水受プレー
ト１９が配備され、外臼１′と内臼１″当接部から
漏出する水を受止めるようにしてある。基台３は
例えば旋回プレートで構成し、手動乃至自動によ
り旋回して、基台３上の臼体１，１の位置を入替
えることができるようにしてある。その場合、ス
トツパを設けて位置制御を行なうのが便利である
し、モータ、減速機などは固定された基台に設
け、臼体１，１のみを移動可能に形成して、所定
位置でギアを連結、解除するようにしてもよい。

臼体１の支持部材には適宜部位に弾性材吸振盤
を用いて、杵体２の落下衝突による振動を吸収す
るようにしてある。

図中、２０は基台３の回転軸、２１，２２は軸
受、２３は座金、２４は注油口である。

しかして、杵体２，２の一方を搗工程の前半工
程に最適の、他方を後半工程に最適の搗回数、重
量とし、餅素材を投入した臼体を先ず前半工程の
杵で搗き、該部から後半工程の杵下に該臼体を移
動せしめて搗工程を行なう。二個の臼体１，１は
各々が順次に工程を移動し、能率的に搗工程を行
なうことができる。なお杵体の数より多い臼体の
数として杵体下から外れた臼体位置で餅の取出、
餅素材の投入を自動或いは手動で行なうよにすれ
ばさらに能率の向上する餅搗機とすることができ
るし、臼体を移動するほか、杵体を移動する構成
を採用することもできるし、１本の杵体と複数個
の臼体を組合せることもできる。

本考案は、臼体を基台上の可動ベースに複数並
列配備し、各臼体にそれぞれ杵体を個別に昇降自
在に設けると共に、各臼体を前記可動ベースで前
記杵体に対して交互に配置換えできるように交換
自在に配備したことにより、まぜもの入の餅製品
の品質向上に役立ち、かつ製造ロツド毎の自由度
があつて、餅の搗工程を餅素材の搗上度に応じて
最適な状態でしかも能率的に行なうことが可能な
餅搗機とすることができると共に、さらに米菓製
品の種類に応じて種々の使い方が可能であり、し
かも製品の際に最的調整も広範囲に巾を持たせる
ことができ需要変動に容易に対応できる等取扱上
便利であるし、餅の品質向上を計れ、据付面積も
コンパクトとなるなど、実用上大なる効果を有す
るものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は正面
図、第２図は側面図、第３図は一部の切断側面図
である。 １……臼体、２……杵体、３……基台、７……
コントローラ、８……ジヤケツト部、９，１０…
…ギア、１３……アングルピース、１４……羽
根、１５，１６……ギア。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 餅素材を投入しうる臼体と、該臼体内の餅素
   材を搗き上げる往復昇降自在の杵体とを備えた
   餅搗機において、前記臼体を基台上の可動ベー
   スに複数並列配備し、各臼体にそれぞれ杵体を
   個別に昇降自在に設けると共に、各臼体を前記
   可動ベースで前記杵体に対して交互に配置換え
   できるように交換自在に配備したことを特徴と
   する餅搗機。 (2) 前記臼体が、内臼と外臼とからなり、該外臼
   は二重構造となつて冷却水又は温水を挿入しう
   るジヤケツト部を有するものである実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の餅搗機。 (3) 前記杵体が、合成樹脂層をコーテイングした
   中空筒体であつて、減速機構とクランク伝達機
   構を介して動力源に連絡されて並列されている
   ものである実用新案登録請求の範囲第１項、第
   ２項記載の餅搗機。 (4) 前記杵体が、搗回数を調整できる制御できる
   コントローラを伝動機構に備えたものである実
   用新案登録請求の範囲第３項記載の餅搗機。