JPH0125879Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、炭素系可燃物質によつて炉内に形成
した高温炉床に接触させるためのロツドを、駆動
装置によつて上下スライド操作自在に設け、前記
ロツドのスライド量を基にして炉床レベルを検出
する機構を設けてある竪型炉の炉床レベル検出装
置に関する。

〔従来の技術〕

従来、実公昭53−26137号公報に示されるよう
に、冷却手段を備えないロツドを使用し、炉内の
高温炉床の上面に対して強く押圧しないように構
成した駆動装置によりロツド先端の平板を軽く接
当させるように構成し、ロツドの下降量に基づい
て高温炉床の上面レベルを検出するように構成し
ていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、竪型炉内に炭素系可燃物質で形成した
高温炉床は、自重下降でレベル変化を生じるもの
であるからブリツジ現象を生じやすく、ロツド先
端の平板を高温炉床の上面に軽く接当させるだけ
ではブリツジ現象を確実に解消できず、ブリツジ
現象のために炉床レベルの正確な測定ができない
欠点があつた。

本考案の目的は、炉床レベル検出のためのロツ
ドによつて高温炉床のブリツジ現象を確実に解消
できるようにして、正確な炉床レベル検出を確実
にかつ容易迅速に行えるようにする点にある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の特徴構成は、炉床レベル検出のために
上下スライド操作自在に設けたロツドの内部に、
冷却剤供給用管と冷却剤排出用管に接続された冷
却剤流路を形成し、前記ロツドを駆動装置によつ
て二次元方向に揺動操作自在に取付けたことにあ
り、その作用効果は次の通りである。

〔作用〕

つまり、ロツドを高温炉床に突込んだ状態で駆
動装置で二次元方向に揺動できるから、高温炉床
のブリツジ現象をロツドの撹拌作用で解消でき、
ブリツジ現象を解消した後でロツドにより炉床レ
ベルを検出できるから、正確な炉床レベル検出を
確実に行える。

また、別の撹拌部材でブリツジ現象を解消した
後でロツドによる炉床レベル検出を行うに比し
て、ロツドでブリツジ現象解消と炉床レベル検出
の両方を行うから、正確な炉床レベル検出を容易
かつ迅速に行える。

その上、冷却剤供給用及び排出用の管に接続し
た冷却剤流路をロツド内に形成して、水などの冷
却能力の大きい冷却剤を利用したり、冷却剤の大
量供給でロツド冷却を十分にしながら、炉内温度
に対する冷却剤の悪影響を無くせるようにしてあ
るから、たとえ高温炉床が溶融物などで強固に固
結した状態でブリツジ現象を生じていても、ブリ
ツジ現象を十分に解消できる長時間にわたりロツ
ドを高温の炉内に入れておくことができ、正確な
炉床レベル検出を確実に行える。

〔考案の効果〕

その結果、高温炉床のブリツジ現象の有無にか
かわらず、かつ、ブリツジ現象が強固であつて
も、正確な炉床レベル検出を確実にかつ容易迅速
に実行できる、一段と優れた竪型炉の提供できる
ようになつた。

〔実施例〕

次に実施例を示す。

第１図に示すように、キユポラタイプの産業廃
棄物溶融用の竪型炉を構成するに、耐火材を内張
りした有底筒状の炉本体１を支柱２上に立設し、
炉本体１の上部に、産業廃棄物あるいはそれを中
間処理した物などの処理物、及びコークス等の炭
素系可燃物質を、混合状態であるいは交互に炉内
に供給する二段ダンパー付きのホツパー３を設け
て、炭素系可燃物質によつて炉内に高温炉床４を
形成させるように構成し、高温炉床４の炉床レベ
ルを検出する装置５を設けて、それからの検出情
報を基にして炭素系可燃物質及び処理物の供給量
の制御により高温炉床４の炉床レベルを所定通り
に維持できるようにしてある。

炉本体１の下部に、溶融物出滓部６、空気等の
酸素含有ガス供給用の羽口８を設けて、羽口８か
らのガス供給によつて処理物を高温炉床４におい
て燃焼並びに溶融させると共に、溶融物を取出せ
るように構成し、また、高温炉床４で発生した排
ガスをダクト１０からサイクロン１１を通して大
気放出させるようにしてある。

炉本体１の底部１２を開閉操作自在に構成し
て、炉の操業停止時において炉内の残滓を冷却装
置１３に取出せるようにしてある。

次に炉床レベル検出装置５を第２図ないし第５
図により説明する。

流体圧シリンダなどの第１揺動駆動装置３０に
よつて横軸まわりで揺動操作自在なブラケツト３
１を炉本体１に取付け、揺動ブラケツト３１に対
して上下方向の傾斜軸まわりで揺動自在にケース
１７を取付け、ケース１７と固定ブラケツト３２
にわたつて流体圧シリンダなどの第２揺動駆動装
置３３を設けて、ケース１７のに取付けたロツド
１５を二次元方向に駆動揺動自在に構成してあ
る。

ロツド１５を内管１５ａ、外管１５ｂ、中心管
１５ｃで密閉型の三重構造にして伸縮自在に形成
し、外管１５ｂに冷却材供給用管３４を、かつ、
内管１５ａと中心管１５ｃに冷却材排出用管３５
を接続して、ロツド１５の内部に冷却材流路を形
成してある。

ロツド１５とネジ軸１６を、それらの軸芯がほ
ぼ平行になる状態でケース１７に並設し、ネジ軸
１６に螺合するネジ部材１８のホルダー１９を、
シール構造２０を介して内管１５ａに相対摺動自
在に外嵌させ、ホルダー１９に内管１５ａと外管
１５ｂを連結し、ネジ軸１６の両側に並設したレ
ール２１に沿つて転動移動するローラ２２をホル
ダー１９に取付け、ネジ軸１６の回転に伴つてロ
ツド１５を伸縮操作できるようにしてある。

駆動装置２３をギア式伝動機構２４でネジ軸１
６に連動連結し、中間ギア２４ａの回転軸２５に
ハンドル２６を連設して、ネジ軸１６を手動操作
可能に構成し、そして、回転軸２５の回転数を基
にしてロツド１５の外管１５ｂのスライド量を検
出すると共に、そのスライド量を基にして炉床レ
ベルを検出する機構２７を、減速機構２８で回転
軸２５に連動連結してある。

要するに、ロツド１５の上下スライドによつて
高温炉床４の上面レベルを検出でき、ロツド１５
の二次元方向への揺動により高温炉床４のブリツ
ジ現象を解消して、正確な炉床レベル検出を行え
るように構成してある。

〔別実施例〕

次に別実施例を説明する。

ロツド１５を上下スライドさせる駆動装置２３
はモータ、流体圧シリンダ等、適当に変更でき、
また、駆動装置２３に、ロツド１５の先端が炉床
上面に到達した時の過負荷を基にして自動停止さ
せる機構を設けて、炉床レベルを検出できるよう
にすると共に、その自動停止機構を解除操作自在
に構成して、ロツド１５の先端を、二次元揺動操
作自在に高温炉床４に突つ込ませる事ができるよ
うにしてもよい。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は竪型炉
の縦断面図、第２図は炉床レベル検出装置の断面
図、第３図は第２図の−線矢視図、第４図は
第２図の−線矢視図、第５図は第２図の−
線矢視図である。 ４……高温炉床、１５……ロツド、２３……駆
動装置、２７……炉床レベル検出用機構、３０，
３３……駆動装置、３４……冷却材供給用管、３
５……冷却材排出用管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 炭素系可燃物質によつて炉内に形成した高温炉
   床４に接触させるためのロツド１５を、駆動装置
   ２３によつて上下スライド操作自在に設け、前記
   ロツド１５のスライド量を基にして炉床レベルを
   検出する機構２７を設けてある竪型炉の炉床レベ
   ル検出装置であつて、前記ロツド１５の内部に、
   冷却剤供給用管３４と冷却剤排出用管３５に接続
   された冷却剤流路を形成し、前記ロツド１５を駆
   動装置３０，３３によつて二次元方向に揺動操作
   自在に取付けてある竪型炉の炉床レベル検出装
   置。