JPH01257058A - インクジェットヘッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、インク滴を飛翔させ記録紙等の媒体上にイン
ク滴を形成するプリンタ等インクジェット方式の記録装
置に関しさらに詳細にはインクジェットプリントヘッド
に関する。

〔従来の技術〕

従来のインクジェットヘッドの構成としては複数のノズ
ル開口を有するノズル板とこの背後にインクと直接接触
する圧電変換器を有する構造が知られている。（特公昭
６０−８９５３号公報）この構造では圧電変換器を構成
する振動子がノズル板と概ね直行する方向に変位するご
とく振動することと各ノズル間のインク流路が短い距離
で通じていることによりインク滴吐出効率および安定性
が高くインク中にガス・ゴミ等異物が混入した場合でも
この影響を受けず正常操作が可能であるという特徴を有
する。更に振動子はノズル板と微小な空隙を保って配さ
れた片持ち梁状または両支持端を軟構造にした両持ち梁
の振動子が用いられている。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記従来技術の振動子を用いたインクジェットヘッドで
は、振動子の持つ剛性及び固有振動周期と単位電圧に対
する変形量がインク滴吐出特性に及ぼす影響は大きく、
満足のいく特性を獲得することは非常に困難であり、膨
大な実験結果を元に振動子構成要素の諸パラメータを決
定しなければならないという問題点を有する。また、上
記手法により設計製造された振動子は、製造ばらつきの
影響を受けやすくインクジェットヘッドのインク滴吐出
特性のばらつきが大きくなる、インク滴吐出を安定化さ
せる為に駆動電圧を高くしなければならないという問題
点を有している。

本発明の目的はこれらの問題点を解決して、製造ばらつ
きの影響を受は難い、低駆動電圧で安定したインク滴を
吐出可能なインクジェットヘッドを実現することにある
。

〔課題を解決するための手段〕

本発明のインクジェットヘッドは、少なくとも１つ以上
のノズル開口を有するノズル形成部材と、前記ノズル開
口に対向して配置され、１層の圧電素子と少なくとも１
層以上の箔部材との積層からなり、前記圧電素子に電圧
を印加することにより内部に曲げモーメントが発生する
圧電変換器と、該圧電変換器と該ノズル形成部材間の空
隙と前記圧電変換器の周辺を充たすインクを具備し、１
００■の電圧を印加したときに発生する曲率が少なくと
も１ｍ−１以上になるように前記圧電変換器を構成した
ことを特徴とする。

〔作用〕

本発明の上記構成では、圧電変換器を構成する圧電素子
に選択的電気信号を印加することにより圧電変換器に曲
げモーメントを発生させノズル開口上部の振動子可動部
分をノズルプレートと略直交する方向に振動させる。上
記振動により近傍のインクを押し出しインク滴として飛
翔させる。

〔実施例〕

次に実施例に基づいて本発明を説明する。

第１図は本発明の一実施例を示すプリンタの斜視図であ
る。同図において記録紙１０はプラテン１１に捲き回さ
れ送りローラ１２，１３によって押圧される。ガイド軸
１４．１７に案内されプラテン軸に平行な方向に移動可
能なキャリッジ１５上にインクジェットヘッド１６が搭
載されて構成される。インクジェットヘッド１６は独立
にインク滴を吐出制御可能な複数のノズルを有しプラテ
ン軸方向に走査され上記ノズルから選択的にインク滴を
吐出し記録紙１０上にインク像を形成する。

記録紙１０はプラテン１１、送りローラ１２．１３の回
転により走査方向と直行する副走査方向に搬送され記録
紙面上への印字が行われる。

第２図は本発明の実施例を示すインクジェットヘッドの
断面図である。フレーム２８とノズルプレート２１の間
にスペーサ２２とシール部材２７゜３１を積層し、固定
ネジ２９．３０を用いてインク室を固定形成する。圧電
変換器３２は厚さ１０μｍから１５０μｍのＮｉ箔２３
と厚さ１００μｍのＰＺＴよりなる圧電素子２４を接合
することにより構成され、圧電素子２４とＮｉ箔２３よ
りなる積層部の一端を固定し、他端を自由端とした片持
ち梁構造をとる。インク室内は記録用インク３３で充た
されており圧電変換器３２はインク３３中に存在してい
る。圧電変換器３２の片側にはパターン電極２６がバタ
ーニングされている。圧電変換器３２のパターン電極２
６を有する片面には配線２５が接続されている。ノズル
板２１は複数のノズル２０を有する金属箔板から構成さ
れる。

また、スペーサ２２はノズルプレート２１と独立してい
る必要性はなくノズルブート２１と一体化した構造をも
とり得る。フレーム２８は予備インク室４０を有してお
りインク中へのゴミ、紙ケバ等の侵入防止を目的とした
フタ３４を備えている。

また本実施例で扱った圧電変換器３２は片持ち梁構造で
あるが、本発明は片持ち梁構造に限定するものではなく
、両持ち柔構造をも取り得る。

次に動作について説明する。予備インク室４０からイン
クがノズル近傍に供給されて充たされる。

スペーサ２２を用いた共通電極とパターン電極２６の間
には待機状態電圧が印加されることにより圧電効果によ
り圧電素子２４は収縮する。一方Ｎｉ箔２３の層は高い
弾性率を有するため寸法変化が規制され圧電素子２４の
側に曲がるごとく曲モーメントが発生し圧電変換器３２
がノズルプレート２１とは反対の方向に変形静止する。

定常的に印加されている上記電圧が選択的に解除される
と圧電変換器３２はノズルプレート２１の方向に変形変
位し近傍のインクをノズル開口２０から吐出させる。

圧電素子２４に単位電圧を印加したことにより発生する
圧電変換器３２の変形及びそれに伴う振動は、インクジ
ェットヘッドを構成する上で要求される基本特性であり
、特にインク滴速度、インク重量、駆動電圧に影響を与
える。

また、圧電変換器３２の持つ剛性コンプライアンスはイ
ンクジェットヘッドの固有振動周期に影響を与える。厳
密に言えば圧電変換器３２のみならずノズルメニスカス
、インクの持つ圧縮性等による振動成分も存在するが、
インク吐出に深く関係するのは圧電変換器３２の剛性コ
ンプライアンスにより決定される振動成分であるといえ
る。前記固有振動周期の僅かな大小によりインク滴の吐
出速度及びインク滴の吐出体積が変化する。また前記イ
ンク滴の吐出速度及びインク滴の吐出体積は、圧電変換
器３２の固有振動周期のみならず圧電変換器３２とノズ
ルプレート２１間の空隙の間隔、ノズル開口２０の形状
及び径、インクの粘度、駆動電圧等の各要因によっても
決められている。

実際問題として剛性コンプライアンスと単位電圧に対す
る変形量はある関係を持って推移しており、この事実が
最適化設計において重要な問題となっているのも事実で
ある。

第３図は圧電素子２４・Ｎｉ箔２３で構成された片持ち
梁状圧電変換器３２とＮｉ箔２３の代わりとして半田箔
で構成された片持ち梁状圧電変換器３２について電圧１
００Ｖに対する曲率（１／Ｒ）とＮｉ箔２３・半田箔の
厚さの関係を表したグラフである。

第４図も上記２構成で全長２ｍｍの片持ち梁状圧電変換
器３２に関する空気中での固有振動周期（Ｔ）とＮｉ箔
２３・半田箔の厚さの関係を表したグラフである。但し
、第３図、第４図ともに圧電素子２４は厚み１００μｍ
、ヤング率６．０６Ｘ　１０　”Ｎｉイ、比重７８５０
ｋｇ／ｍ’、　Ｄ定数２９０Ｘ１０−１２ｍ／Ｖ、Ｎｉ
はヤング率２．２×１０　”Ｎｉｄ、比重８９００ｋｇ
／ｒｒｌ″、半田はヤング率１，９６ｘｌＯ”　Ｎｉｒ
ｒｒ、比重８９１５ｋｇ／ゴとして計算した結果をグラ
フに表したものである。また本発明者は上記２種類の圧
電変換器３２についての実験も行い、その実験結果が第
３図、第４図に示すグラフと良く一致することを確認済
みである。

第３図より圧電素子２４・Ｎｉ箔２３で構成された片持
ち梁状圧電変換器３２ではＮｉ箔２３厚さ３０μｍの時
最大の曲率を示す、即ち圧電変換器３２内部に最大曲げ
モーメントが発生する。また圧電素子２４・半田箔で構
成された片持ち梁状圧電変換器３２では半田箔厚さが２
００μｍの時最大の曲率を示すことがわかる。また、本
発明者らは実験により１００■の電圧を圧電素子２４に
印加したときに曲率１ｍ−１以上の変、形を生じる圧電
変換器３２ならば他の要因の設定次第では重量０．１μ
ｇ以上、飛翔速度３　ｍ　／　ｓ以上のインク滴を吐出
可能であることを確認した。また、１００■の電圧を圧
電素子２４に印加したときに曲率１ｍ−１以下の変形を
生じる圧電変換器３２を使用して前記条件のインク滴を
得るためには他の要因をどのように設定しても駆動電圧
を２５０■以上必要とする。

第３図において最大曲率半径を示す上記２構成で全長２
ｍｍの片持ち梁状圧電変換器３２の空気中での固有振動
周期を読み取ると、圧電素子２４・Ｎｉ箔２３で構成さ
れた片持ち梁状圧電変換器３２では５０μｓｅｃ、圧電
素子２４・半田箔で構成された片持ち梁状圧電変換器３
２では９５μｓｅｃである。このことは、インクジェッ
トヘッド設計において全長２ｍｒｒ１、固有振動周期５
０μｓｅｃの圧電変換器３２を必要とする場合には圧電
素子２４・Ｎｉ箔２３で構成された片持ち梁状圧電変換
器３２を、また全長２ｍｍ、固有振動周期９５μＳｅＣ
の圧電変換器３２を必要とする場合には、圧電素子２４
・半田箔で構成された片持ち梁状圧電変換器３２を採用
することが望ましいことを意味している。また、本発明
者らは実験により空気中での固有振動周期が３０μｓｅ
ｃから１００μｓｅｃの圧電変換器３２ならば他の要因
の設定次第では重量０．１μｇ以上、飛翔速度３ｍ／ｓ
以上のインク滴を吐出可能であることを確認した。

以上述べてきたのは、圧電素子２４とＮｉ箔２３または
半田箔の２層で構成された圧電変換器３２の実施例であ
るが、２層構造のみならず３層構造以上の圧電変換器３
２及び箔部材としてステンレスや高分子材料を用いた圧
電変換器３２も第３図、第４図に示したような特性を持
っており、最大曲げモーメントを発生する近傍の構造で
設計使用することによりインク滴吐出特性のばらつきの
少ない、低電圧での駆動が可能なインクジェットヘッド
を実現することができる。

〔発明の効果〕

以上述べたように本発明の上記構成によれば、圧電変換
器を構成する圧電素子及びＮｉ箔等の箔部材が最大バイ
メタル効果を発揮するように選定及び設計されているこ
とによりインク滴の吐出速度、吐出体積等の特性安定性
の良い、低電圧での駆動が可能なインクジェットヘッド
を実現することができるという効果を有する。また、最
適化設計により組立性の良い材質や構造を採用できるの
みならず、圧電変換器の全長を調整することにより固有
振動周期を長くする代わりとして所望固有振動周期を実
現するような比重、剛性を持った材料を選択することが
でき、歩留まりの良好な、小型化されたインクジェット
ヘッドを実現できるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による一実施例を示すインクジェットヘ
ッドを具備したプリンタの斜視図。 第２図は本発明による一実施例を示すインクジェットヘ
ッドの断面図 第３図は圧電変換器に１００■の電圧を印加したときの
、曲率半径と箔部材の厚さの関係を表したグラフ。 第４図は全長２ｍｍの圧電変換器における、空気中での
固有振動周期と箔部材の厚さを表したグラフ。 １０　記録紙 １３　ローラ １６　インクジェットヘッド ２１　ノズルプレート ２３　　Ｎｉ箔 ２４　圧電素子 ３２　圧電変換器 以上 出願人　　セイコーエプソン株式会社 代理人　弁理士　鈴木喜三部　他１名 １６・イレ２〉ニートへ−片 第１図 ２０ノズル関口 ２４圧電禾チ ２５西乙若し 箔酌峡（）ｍ）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 少なくとも１つ以上のノズル開口を有するノズル形成部
   材と、前記ノズル開口に対向して配置され、１層の圧電
   素子と少なくとも１層以上の箔部材との積層からなり、
   前記圧電素子に電圧を印加することにより内部に曲げモ
   ーメントが発生する圧電変換器と、該圧電変換器と前記
   ノズル形成部材間の空隙と前記圧電変換器の周辺を充た
   すインクを具備し、１００Ｖの電圧を印加したときに発
   生する曲率が少なくとも１ｍ＾−＾１以上になるように
   前記圧電変換器を構成したことを特徴とするインクジェ
   ットヘッド。