JPH01256925A - 眼科診断装置 - Google Patents

眼科診断装置

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Publication number
JPH01256925A
JPH01256925A JP63085147A JP8514788A JPH01256925A JP H01256925 A JPH01256925 A JP H01256925A JP 63085147 A JP63085147 A JP 63085147A JP 8514788 A JP8514788 A JP 8514788A JP H01256925 A JPH01256925 A JP H01256925A
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JP
Japan
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light
speckle
measurement
fundus
mirror
Prior art date
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Pending
Application number
JP63085147A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshinaga Aitsu
佳永 相津
Koji Ogino
浩二 荻野
Toshiaki Sugita
利明 杉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kowa Co Ltd
Original Assignee
Kowa Co Ltd
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Publication date
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Priority to DE68911974T priority patent/DE68911974T2/de
Publication of JPH01256925A publication Critical patent/JPH01256925A/ja
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  • Measuring Pulse, Heart Rate, Blood Pressure Or Blood Flow (AREA)
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、眼底に所定径のレーザー光を照射し、眼底組
織からの散乱反射光によって観測面に形成されるレーザ
ースペックルパターンの運動をスペックル光強度変、化
として検出し、得られたスペックル信号の解析結果に基
づいて、眼底組織の血流状態を測定する眼科診断装置に
関する。
[従来の技術] 従来、レーザー光を用いて眼底の血流状態を測定する方
法として、特開昭55−75668.55−75669
.55−75670、特開昭56−125033 、特
開昭58−118730などに記載されている方法が知
られている。これらはいずれもレーザー光のドツプラー
効果に基づき血流速度を決定する方法であるため、ドツ
プラー偏移周波数を検出する必要から入射レーザー光を
光軸に対して等しい角度で2分して被検眼に導き、それ
らを眼底の対象血管位置で正確に交叉する構成、あるい
は逆に眼底血球によって散乱されたレーザー光を異なる
2方向から取り出して光検出する構成を取らねばならず
、光学系構成が非常に複雑でかつ精密さが要求される。
さらに、入射角あるいは検出角が既知でなければならな
いという点は一人一人被検眼が異なるような対象である
臨床応用においては、非常に面倒かつ誤差が大きく再現
性、信頼性のある結果を得ることが難しい。これはレー
ザードツプラー法が本来、精密で敏感な測定法であるが
故に、対象が安定で定常的な産業分野では有効であって
も、対象の環境や条件が不安定でばらつきも大きい生体
相手の医学分野では、かえって種々の影響を受けてしま
い、測定結果の再現性を著しく低下していることを示し
ている。
また、実際の測定結果ではドツプラー偏移周波数が単一
周波数として得られず、低周波側から高周波側へ広い帯
域にわたって種々の周波数成分が存在し、結果として信
顆できる絶対速度がなかなか得られない。
、 さらには眼底にレーザー光を照射するには、眼底に
対して直角に近い方向から入射せざるを得ないので、ド
ツプラー効果を生じにくくビート信号の検出はかなり難
しい。これはレーザードツプラー法が単一なビート成分
を検出する方法であるが故の難しさであり、不規則な各
種の光干渉を起こす生体組織には、それ自体が光の不規
則な散乱干渉効果であるレーザースペックル法を適用す
る方が好ましい。
一般に散乱物体にレーザー光を照射するとその散乱光は
コヒーレント光の干渉現象によりランダ′ムな斑点模様
のスペックルパターンを形成することが知られている。
さらに散乱物体が運動すればスペックルパターンも移動
するため、その移動を観測点での光強度の時間変化とし
て検出すれば、その信号変化の度合から物体の運動を測
定することができる。本発明はこれを眼底等の組織の血
流状態の測定に応用したものである。
[発明が解決しようとする課題] スペックル現象を血流測定に応用した例としては特開昭
80−199430 、特開昭60−203235 、
特開昭60−203236号等がある。しかしこれらは
皮膚表面での測定を対象としており、レーザーの照射、
検出光学系や光量の点から眼底血流への利用はほとんど
不可能である。
そこで眼領域でのスペックル法を用いた血流測定の為の
診断方法及び装置がこの出願の発明者によって既に出願
されている(特開昭62−275431)。
しかし同方法では眼の1本の血管径よりも広い範囲のレ
ーザービームスポットを照射し、その照射領域内に含ま
れる複数の血管からの散乱光が重畳するようなフラウン
ホーファー回折面におけるスペックルパターンの移動を
検出することで、測定結果の安定度、再現性を高めると
いう方法をとりている。従ってこの方法は眼底の任意の
照射領域内の平均的な血流の活性状態を評価するという
点で優れているが、照射領域内の特定の1本の血管の血
流速度を評価する方法には不適であった。
そこで、特定血管の血流速度を評価できる新しい検出光
学系を用いたスペックル法による診断装置が、同じくこ
の出願の発明者によって出願されている(特願昭62−
75778.62−75779)。ところがこれらの方
法では特定血管を選択するために拡大した像面上で測定
すべ恭血管像の上に検出開口(ピンホールやスリット)
を設定する必要があり、その為に眼底像を目視観察しな
がら位置選択する手段として観察用アイピースに指標を
設け、これをアイピース視野内の対象血管の位置に合わ
せることによって間接的に指標と連動した検出開口が拡
大像面上で対応する血管像の位置に設定されることにな
る。従って連動機構が複雑かつ装置が高価となる一方で
製作時の指標と検出開口の橋成約調整が面倒になるなど
の欠点のあることがわかってきた。また連動機構に含ま
れる機成的なあそびがそのまま位置設定の誤差になる上
、操作上の応答性が悪いなどの問題点があった。さらに
対象血管を特定するのに、まずその血管を含む領域にレ
ーザー光を照射するために固視標による位置合わせを行
ない、その上でさらにアイピース上の指標を使って1木
の血管を選定するという2段階の操作が必要で、これを
行なっている間に被検眼の眼球運動などで検出位置がず
れてしまい。改めて最初から行なわねばならないという
操作性の悪さもあった。
一方レーザービームは眼底上で血管径よりも広い領域に
照射するため、その領域内の血管以外の組織からの散乱
光が血管的血流からの散乱光よりも大きな光量で生じ、
拡大像面上で明確に血管と周辺組織が分離できなくなる
。これを改善するため空間周波数面でのフィルタリング
が行なわれる結果、やはり光学系が複雑になりかつ検出
光量が大幅に減少してしまうという問題もあった。
従って本発明は上記のような諸問題を解決し、レーザー
スペックル法を用いて眼底の特定1本の血管の血流速度
を簡単にしかも精度よく測定できるようにした眼科診断
方法及び装置を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は上述した課題を解決するために、眼底に所定径
のレーザー光を照射し、眼底組織からの散乱反射光によ
って観測面に形成されるレーザースペックルパターンの
ボイリング運動を眼底と共役な像面上に配置された複数
の微小開口を有する複数検出量ロバターンを介してスペ
ックル光強度変化として検出し、得られたスペックル信
号の解析結果に基づいて、眼底組織の血流状態を測定す
る眼科診断装置において、レーザー光源と、前記レーザ
ー光源からのレーザービームを測定すべき対象血管にそ
の血管径と同程度かそれ以下の微小なビームスポット径
として照射する光学系と、眼底から反射、散乱された測
定光、観察、撮影光を受光する受光光学系と、前記受光
光学系に固定配置され、測定光のうちレーザー光波長成
分を分離する波長分離手段と、前記受光光学系内で前記
波長分離手段より被検眼側に挿脱可能に配置され、観察
、撮影光を反射する手段とを備え、前記反射手段を測定
時には光路から離脱させ、観察、撮影時には光路に挿入
させる構成を採用した。
[作 用コ このような構成ではレーザービームスポット径を始めか
ら対象血管径と同程度かあるいはそれ以下とし、そのス
ポットを測定すべき血管に向けて照射することでスポッ
トの単一操作のみにより位置合わせが容易に行なえる。
さらにレーザーの散乱反射光はその光束のほとんど全面
が血流からの散乱光であり、周辺組織からの光はほとん
ど無いため、集光されたレーザースペックル光束はスペ
ックル検出面にて光束全面を信号検出に使うことができ
る。しかもそれを単純に径の大きい単一開口で検出する
と、間口内でスペックル光強度分布が平均化され、信号
のS/N比が著しく低下するのに対し、微小径の開口を
多数配置した複数検出量ロバターンを用いることにより
、平均化することなく信号を検出でき、かつ検出光量を
増大することができるので、前記の血流からの散乱光が
ほとんどをしめるスペックル光束の利点を有効に生かす
ことに成功している。
またこの複数検出開口によるスペックル移動の検出は、
雑誌「光学」第11巻、第3号(1982年6月)29
1−297頁に記されているが、対象とするスペックル
移動は並進運動、すなわち物体の移動とともに検出面上
のスペックルパターンが形をそのまま保存しつつ並進し
て移動する運動に対して使うことが示されており、この
場合スペックルの移動方向に沿って隣接した任意の2開
口間の相互相関の成分が検出され、単一開口で検出した
場合とは信号成分が異なることが問題であった。あるい
はこの影響を低減するには複数開口の各開口間隔を充分
に広く取る必要があり、その結果検出光束中に多数の微
小開口を配することができなくなるという問題点もあっ
た。ところが、この出願の発明者らは、種々の実験から
眼底の散乱反射によるレーザースペックルパターンのり
動がボイリング運動、すなわち物体の移動に対して検出
面上のスペックルが並進せずにそのままの位置。
で形を常に変えながら明暗の斑点模様が揺らぐ運動であ
ることを発明し、このボイリング運動の検出に複数検出
量ロバターンを用いることを行っている。ボイリングに
対しては隣接開口間の相互相関の影響がなく、多数の微
小開口を配置できるため、複数開口の特徴が有効に生か
すことができる。もちろん検出光量も大幅に増大できる
ため、測定時間も短くできることから、眼球運動による
測定中の位置ずれに伴う誤差や測定やり直し、さらに被
検者に対する負担なども大幅に改善でき、安全性におい
ても大変好ましい結果を与えることができる。
一方、複数検出量ロバターンによるスペックル昼勤の検
出と類似したものに、この出願の発明者による特願昭6
1−226107があるが、そこでは複数開口はランダ
ム配置されたランダムパターンであって、この場合の信
号成分は製作するランダムパターンのランダム性や開口
数に大きく依存するため多数のランダムパターンで同じ
信号成分を得るのは再現性や安定度の上で大きな障害と
なり、製品生産上も良好であるとは言えない。またラン
ダム配置に伴うスペックル光束の検出面上での強度分布
ムラも無視できなくなる。これに対しては複数開口を規
則配列することで上述の問題を解決している。
従来、眼底カメラ等を利用して眼底からのレーザースペ
ックル光を検出する場合、測定時にレーザースペックル
光の波長成分のみを反射させるような波長分離ミラーを
眼底の観察撮影用受光光学系の光路内に挿入する方法が
一般に使われる。ところが、このように複数検出量ロバ
ターンでスペックル光束の範囲全面を有効に光検出に使
うといった特徴を有する本装置においては、スペックル
光束の検出光学系の光軸が特に正確に規定され、測定操
作においても、それがずれないような安定性が要求され
る。
そのため、操作のたびに機械的切り換えを要する波長分
離ミラーの挿脱方式は、この要求に対し不十分である。
すなわち跳ね上げによって行なう場合には跳ね上げた時
の波長分離ミラーの振動がそのままスペックル光束の伝
搬光路の振動となって検出面で、スペックルパターンの
揺動となって現れ、スペックル信号に雑音となって生じ
てしまう。特に、スペックル光束を検出するにあたり拡
大結像系を用いるため、この影響は顕著である。
しかも跳ね上げた時の跳ね上げ固定時の位置の再現性も
十分ではない。さらにスペックル光束の検出光学系の光
軸を規定する波長分離ミラーが可動性であるために、製
作時、十分な軸合わせ、調整ができず、また1台1台ば
らついてしまうという問題点もある。さらに多数回使用
し経年変化や耐久力低下が起ると機械的に不安定になり
やすいという不安も残る。本発明では、波長分離ミラー
を固定し、スペックル光束検出を主機能として安定化さ
せている。一方観察撮影用光路を挿脱ミラーで設定して
いる。
また測定開始、終了時の観察撮影用挿脱ミラーの動作が
手動によっていると高速にかつ円滑に行なわれない。ま
た人為的ミスがあることも十分予想できる。測定は短時
間で行なわれるので、挿脱ミラーの動作にムダな時間が
あるのは好ましくなく、また眼球運動による測定部位の
位置ずれ等の影響も受は易くなる。そこで測定スイッチ
との連動による挿脱動作が本発明で使われる。
さらに、測定は通常、測定者の意識で、開始、終了する
ため、被検者や他の信号解析担当者、測定協力者には、
正確な測定の開始、終了時期が伝わらず、大略にしかわ
からない。特に測定が1秒以下で行なわれる時は、気づ
かない間に終ってしまう場合がある。測定中は被検者が
静かな態勢を保つという被検者の強力も必要であるし、
信号解析担当者も、入力信号が正しい測定中のものなの
か、とんでもない雑音なのかの判断ができかねる。また
、周囲の測定協力者の協力体制も十分な・連携が得られ
ない。そこで、測定開始、終了に伴いスイッチと連動し
て電子音を鳴らすことにより、この問題を解決している
[実施例] 全体の構成 本発明は特に眼底を対象としており、以下に示す実施例
では眼底カメラの光学系を基本とした場合を例にして説
明する。
第1図においてたとえば赤色の)Ie−Ne  (波長
632.80m)レーザー光源1からのレーザー光束は
2つの光量調節フィルター2および3とコンデンサレン
ズ4を介してコリメートレンズ5で平行ビームとなり、
開口6で適切なビーム径に設定された後、レーザーフォ
ーカシングレンズ7で被検眼18の眼底18b上のビー
ムスポット径が調整される。ビームはさらにミラー8を
介して可動ミラー9で反射され、さらにリレーレンズ1
0と11を経て、第2図に示すように眼底カメラ照明光
学系内のリングスリット12の環状開口12aの一部に
設置したミラー13で反射されて、眼底観察撮影用光束
が眼底に入射するのと同じ光路に導かれる。このためレ
ーザー光はリレーレンズ14.15、穴開きミラー16
、対物レンズ17を経て被検眼18の角膜18aから眼
底18bに達して測定すべき血管に照射される。
以上のレーザー照射光学系においてレーザー光源1の出
射口付近にはシャッター19があり、必要に応じて開閉
する。また可動ミラー9は眼底上のビームスポット位置
を移動可能にするためのものであり、その移動は例えば
マニピュレータ20を操作することによって、可動ミラ
ー9を光軸に対するXと7両方向で各々独立にミラーの
傾き角を変える方法、即ちコアギユレータ等で通常使わ
れている方法をそのまま利用することができる。
また可動ミラー9の位置も公知のとおり、角膜あるいは
瞳と略共役な位置に設置しておくことにより、被検眼1
8の角膜上のレーザービーム入射位置を大きく変えるこ
となく眼底上でビームを移動することができる。
眼底の測定領域は眼底カメラとして用いられる照明光学
系によって照明され、観察が容易にされる。この観察光
学系は撮影光源22と同一光軸上に配置された観察光源
21、コンデンサレンズ23、コンデンサレンズ24、
フィルター25、ミラー26から構成される。レーザー
光はこの観察撮影光束と同じ光路に配置されるため、眼
底カメラの左右、上下のスウィング機構や固視誘導機構
を利用することにより、可動ミラー9によるレーザー光
の眼底18bの所望の位置への照射を観察撮影視野内に
おいて行なうことがで診るため大変便利である。
なおコンデンサレンズ24とミラー26間に配置される
フィルター25は、第3図に図示したような分光特性を
有する波長分離フィルターとして構成されるので、観察
、撮影光に含まれる赤色成分はカットされる。この分光
特性は使用するレーザー光源の波長に応じて適切なもの
が使われる。
レーザー光が眼底の測定すべき血管内を移動する血球に
よって散乱されて生ずるスペックル光と、他の観察撮影
用の反射光はともに、再び対物レンズ17で受光され穴
開きミラー16を通過してフォーカシングレンズ27、
リレーレンズ28、ミラー29、跳ね上げミラー30を
介して空間31a面上で一度結像され、さらに跳ね上げ
ミラー32、リレーレンズ33、跳ね上げミラー34を
経てレチクル35の面上に眼底像が形成される。この像
が変倍可能なズーム式アイピース36によって観察され
る。
ここでズーム式アイピース36はレチクル35を基準に
観察者の視度補正が行なえるようになっている。
写真撮影時には跳ね上げミラー32が32aを支点とし
て矢印の方向に32′まで跳ね上げられ、跳ね上げミラ
ー30で反射されてきた眼底からのレーザースペックル
光を含む観察撮影光束が結像レンズ37によって写真フ
ィルム38上に結像され撮影が行なわれる。以上のよう
に通常は眼底カメラとして眼底の観察撮影が可能であり
、しかもレーザー光が照射されている時であれば、その
状態が観察撮影できるため測定点の確認や記録が直接行
なえる点でも、極めて有用性があるものである。
一方、血流測定の場合は後述する測定スイッチ9と連動
した跳ね上げミラー30が30aを支点として位置30
’まで跳ね上げられ、同時に同じく測定スイッチ9と連
動したもう1つの跳ね上げミラー34が34aを支点と
して位置34′まで跳ね上げられる。そのためミラー2
9で反射された眼底からのレーザースペックル光と観察
撮影光は結像点31aと光学的に等価な他の結像点であ
る31bの空間面上に一度結像される。さらにその後方
に光軸に対して約45°で固定設置された波長分離ミラ
ー39は波長分離フィルター25と同様、第3図に示す
ような分光特性を有し、赤色のHe−Neレーザー光に
よるスペックル光の大半を反射する。反射したスペック
ル光はリレーレンズ4o、顕微鏡用対物レンズ41を介
して眼底のレーザービームスポットが照射された血管領
域のみの拡大像が眼底との共役面に設置した複数の微小
開口を有する複数検出量ロバターン42の面上に形成さ
れる。この検出開口42を通過したスペックル光束は集
光レンズ43で集められ、赤色He−Neレーザーの波
長632.8nmの光のみを通過させる干渉フィルター
44を介して光検出器(フォトマル)45で光検出され
る。フォトマル45の前にはシャッター46が配置され
、開放時に得られるフォトマル45からの出力信号は解
析部50に送られる。
なお、波長分離ミラー39を透過した赤色成分以外の観
察撮影光束やわずかに透過したスペックル光束はミラー
47、リレーレンズ48を介して、レチクル35の面上
に眼底像が形成され、前記同様ズーム式アイピース36
によって観察される。このように血流測定時にも眼底が
観察可能であるため、対象位置がずれていたのに気付か
ないで測定してしまうなどのミスを防ぐのに非常に有効
である。
解析部50の構成の一例は第4図に示すようにアンプ5
1、フィルタ52、アナログデジタル変換器(A/D)
53、マイクロコンピュータ(MC)54、メモリ55
、キーボード56、CRT57並びにプリンタ58から
構成されている。
匡L」しL仄里 以上のような構成に基づいて血流速度を評価する基本、
原理を次に説明する。
第5図において眼底網膜上の測定すべき血管61の測定
部61#にレーザービーム60が照射される。この照射
された測定部61″は第1図に示したような受光光学系
によって眼底と共役な拡大像面に設置された第1図の複
数の微小開口を有する複数検出量ロバターン42の面上
に拡大された像として形成される。
この状態が第6図に図示されている。共役拡大像面Mに
は第1図の波長分離ミラー39で反射したレーザースペ
ックル光のみが到達するので、レーザー照射された測定
部61″のみが拡大像62として形成され、周辺組織や
他の血管像は形成されない。ここで測定部61″の血管
内を移動する多数の血球等によフて散乱された各々の光
は、観測面である共役拡大像面上でランダムな位相で重
なり合って干渉する結果、空間的にランダムな斑点模様
を配列したようなレーザースペックルパターンを形成す
ることが知られている。さらに散乱を起こす物体である
血球が任意の速度で移動すれば、スペックルパターンを
形成している各々の微小な斑点状のスペックルが物体速
度に比例して運動することもわかっている。
従ってこの場合も拡大像62は実際は像面スペックルパ
ターン状になっており、機内には各血球の拡大像という
よりは、像面スペックル63がランダムに存在している
パターンとして観測される。そして血流速度に応じて個
々の各像面スペックル63が運動するので、これを第7
図(B)に示すように複数の微小開口65′から成る複
数検出量ロバターン65を介し、集光レンズ66を経て
光検出器67で検出することにより、第8図(B)のよ
うな光強度の時間変化を抽出できる。
時間変化の度合が血流速度に対応しているので、この光
強度変化信号のパワースペクトルあるいは自己相関関数
を調べることで血流速度を測定することができる。なお
、第7図において像面スペックル63と複数検出量ロバ
ターン65はいずれも拡大像面Mにあるものである。
従来の先願(特願昭62−75778)の例では第5図
に示すように、照射レーザービーム60′によって血管
径よりも広い領域61′を照射するため、第9図に示す
ように血管68以外にも周辺組織69からの反射レーザ
ースペックル光が拡大像面に到達する。従って血流情報
を抽出するためには、拡大像面上でピンホール等の微小
検出開口を、被測定血管像上に位置合わせする必要があ
りこの操作が大変面倒であった。すなわち、眼底を観察
しながら測定すべき血管の拡大像上に正しく検出開口を
位置合わせするため、観察用アイピースに検出開口と連
動した指標を設け、これを視野内で対象血管上に位置さ
せることによりて行なうなどの工夫が必要であった。
従って連動機構が複雑かつ装置が高価となる一方で、製
作時の指標と検出開口の機械的調整が面倒になるなどの
欠点があった。また連動機構に含まれる機械的なあそび
がそのまま位置設定の誤差になる上、操作上の応答性が
悪いなどの問題点があった。さらに対象血管を特定する
のに、まずその血管を含む領域にレーザー光を照射する
ために固視標による位置合わせを行ない、その上でさら
にアイピース上の指標を使って1本の血管を選定すると
いう2段階の操作が必要で、これを行なっている間に被
検眼の眼球運動などで検出位置がずれてしまい、改めて
最初から行なわねばならないという操作性の悪さもあっ
た。
一方レーザービームは眼底上で血管径よりも広い領域に
照射するため、第9図に図示したようにその領域内の血
管68以外の周辺組織69からの散乱光が血管的血流か
らの散乱光よりも大きな光量で生じ周辺に拡がるため、
拡大像面上で明確に血管と周辺組織が分離できなくなる
。これを改善するため空間周波数面でのフィルタリング
が行なわれる結果、やはり光学系が複雑になり、かつ検
出光量が大幅に減少してしまうという問題が発生してい
た。
本実施例では、第5図に示すように照射レーザーピム6
0を血管径と同程度かそれ以下の微小なビームスポット
径として、被測定血管に照射するようにしており、これ
により共役拡大像面上のスペックル光束は、もともと周
辺組織からの散乱光を含まず第6図に示されるように血
管内の血流速度を反映した運動を有する像面スペックル
63のみとなる。
従って共役拡大像面Mに形成される像面スペックルパタ
ーンは、その光束内であればどこに検出開口が位置して
いても血流情報を有する信号検出が可能となる。そこで
眼底視野内に存在する種々。
の血管から測定すべき血管の測定すべき部位を選ぶには
、レーザービームの微小スポットをその部位に照射して
やるだけでよい。これは第1図の可動ミラー9をマニピ
ュレータ20を操作してコントロールすることで達成で
きる。またビームスポット径は測定すべき部位の血管径
と同程度以下とする必要があり、また一方立管径は個人
個人で異なり同一人でも場所によって異なるためレーザ
ービームスポット径の調整機構がなければ正しい測定を
行うことができない。しかし必要以上に広範囲にわたっ
てレーザービームスポット径を調整可能とするのは機構
が複雑となり、かつレンズの収差等でビームスポットが
ゆがみ楕円状になったり、ビームの強度分布にムラが生
じたりする。
従って本実施例ではビームスポット径調整範囲を規定し
適切な調整を可能にしている。すなわちこの調整はレー
ザーフォーカシングレンズ7を光軸上で前後に移動した
り、開口6を種々の径の開口を有するターレット型にす
るなどして、切り換えることで連続的にあるいは段階的
に調整を行なうことができる。
通常、眼底網膜血管径は最大でも150μm(直径)程
度であるため、ビームスポット径は最大200μm以下
の直径で調整できるようにすることが好ましい。必要以
上に大きいと隣接血管や周辺組織からの不用なスペック
ル光を検出してしまうからである。
ここで問題となるのはビームスポットを眼底上で好みの
位置に8勤させることによって、共役拡大像面上の対応
するスポット拡大像(測定部の拡大像)の位置も移動す
る。それに応じて検出開口を8勤させていたのでは、全
〈従来と同様な面倒な機構が必要となる。そこで本発明
では第10図に示すように眼底カメラの観察、撮影視野
70の中に含まれ、かつその視野70の画角(第11図
に図示した画角73)よりも小さい所定の画角(第11
図の画角72)の範囲71の内においてのみレーザービ
ームスポットを自由に8勤可能なように予め設定した構
成としておく。1つの例として視野中心付近において直
径3mm程度の範囲を測定すれば、レーザービーム移動
も比較的容易である。従ってもし移動可能範囲71以外
のところにある部位を測定したいときは、固視8導等に
よって対象部位を移動可能範囲71内に位置させておけ
ばよく、これは簡単に行なえる操作で決して面倒ではな
い。
次に共役拡大像面M上にも第12図(A)。
(B)に示すように、眼底面Sの視野内の上述したレー
ザービーム移動可能範囲71に対応するレーザービーム
の拡大スポット像(測定部の拡大像)の移動可能範囲7
2が定まるため、少なくともこの可動範囲72を十分に
含み、この範囲72よりも広い領域にわたって複数の微
小開口65′が配列されているような複数検出量ロバタ
ーン65を設置する。このように構成すれば、例えば第
12図(A)、(B)で照射レーザービーム60aを6
0b、60cというように部位61aから61b、61
cに順に移動させ異なった部位を照射するとき、それに
応じた各測定部の拡大像62a、62b、62cが共役
拡大像面Mに順に形成される。ところがどの位置の拡大
スポット像の場合にも同じ共役拡大像面に設置された複
数検出開口パターン65内のどこかに必ず位置するため
、その位置でどれかの微小開口65′によってスペック
ル運動による光強度変化を検出することができ、検出面
上すなわち共役拡大像面M上での位置合わせは一切必要
なくなる。つまり本方法では眼底を見ながら予め決めら
れた範囲内でレーザービームを移動して任意の部位を選
ぶだけで、その部位が測定位置として決定されるので、
操作が直接的であり極めて実用的である。
さらにここでもう1つ大きな特徴は、第12図で共役拡
大像面M上に形成された拡大スポット像(例えば62a
)中の各像面スペックル63の運動の検出にたずされる
微小開口65′が従来の単一開口検出のように1つでは
なく、複数個であるという点である。従って例えば、第
7図(A)のように拡大スポット像62の中の1点を単
一間口64で検出した場合の光強度変化のスペックル信
号(第8図(A))に対して、第7図(B)のように全
く同様の拡大スポット像62を多数の微小開口65′(
但し間口径は第13図の単一開口64の径と等しいとす
る。)からなる複数検出量ロバターン65で検出した場
合の光強度変化のスペックル信号(第8図(B))の方
が大幅に強度が大きく、即ち検出光量の増大という利点
がある。
眼科診断機器としてレーザーを使う場合、安全性の見地
から当然少しでも照射レーザー強度を低くおさえ、かつ
短時間で済ませたいという要求がある。さらに測定中の
被検眼の眼球運動や測定系全体の揺動等の影響を受けな
いようにするためや被検者の負担を低減する意味でも、
短時間測定は必須となる。しかし眼底のレーザー反射率
は一般に低く、かつ人為的にコントロールできるもので
はないため、検出光量感度を向上するのが最良の方法と
いえる。本発明は複数の微小開口を有する複数検出開口
パターン適用により、この点においても大きな実用性が
あるといえる。
以上の特徴をまとめると、血管の血流部分にのみレーザ
ー光を照射し、血流信号成分の散乱光だけでスペックル
パターンを形成し、そのパターンを全面にわたって複数
の微小開口を有する複数検出開口パターンを用い多数点
で検出する。しかも検出面で検出開口を広い範囲に設置
し、ビームスポットの移動でスポット像が任意に動いて
も、常にその位置で光検出できることである。これによ
り測定すべき血管の選択、位置合わせが容易になり、か
つ大幅に検出光量を増大する中で単一血管の血流速度を
スペックル法にて測定することが可能になっている。
眼底に照射するレーザービームスポットの位置をコント
ロールして対象血管に当てる点では、従来のレーザード
ツプラー法と同じ手法であるようにも見受けられるが、
操作上でも原理上でも大きく異なるところがある。前者
においては、分割した2木のレーザービームを対象血管
上で既知の交叉角で交叉させたり、1本のビームであっ
ても対象血管に対する入射ビーム角や散乱検出角を調べ
なければならないといった面倒な操作を伴なうのに比べ
、本発明のスペックル法では入射や検出角に関する上記
のような煩わしい制限操作は一切必要とせず、眼底カメ
ラの観察、撮影光束の入射、受光光路をそのまま利用す
ることかできる。
レーザードツプラー法が分割した2木のレーザービーム
を対象血管上に交叉させて形成する干渉縞を血球が横切
る速度に応じたドツプラーシフト周波数を測定したり、
あるいは1本のビームが血球によって散乱して生ずるド
ツプラーシフト光を、別に用意される静止散乱体からの
ドツプラーシフトのない光と干渉させてヘテロダイン検
波することによるドツプラーシフト周波数を測定して血
流速度を決定する方法であるのに対し、レーザースペッ
クル法は多数の血球によって散乱された光のランダムな
位相の重なりによって生じるスペックルパターンの光強
度分布が血流速度に応じて時間的に変化することを利用
し、その変化の度合を信号の周波数成分として測定して
血流速度を決定する方法である。
従来、物体の移動に伴なうスペックルパターンの運動を
複数の微小開口を有する複数検出量ロバターンを用いて
検出する例としては、スペックルが並進する状況下を対
象としており、複数個ある各開口から検出される信号間
で干渉が起こり、相互相関成分が生じるという問題があ
った。すなわち、スペックルパターンの運動形態には並
進運動とボイリング運動の2種類あり、並進運動とは第
13図のごとく個々の像面スペックル63が形を変えず
にそのまま一定方向に並進昼勤することを言い、ボイリ
ング運動とは第14図のごとく個々の像面スペックル6
3が並進せずにほとんどそのままの位置で形を変えなが
らあたかも消減し、また涌き出るかのごとく明暗の斑点
模様がランダムに揺らぐ運動を言う。
そこで並進運動スペックルに複数開口を用いた場合、第
15図(A)のように1つのスペックル63が隣接する
2開ロ65′と65′あるいは65″と65〜を横切る
ような状況が確率的に多くなり、2開口間の相互相関成
分が生じる。第16図(A)の光検出器の出力信号の相
関関数においては、点線で示した本来の各開口単独での
自己相関成分74の他に、隣接開口間の相互相関成分7
5や、1つとびの開口間の相互相関成分76などが重畳
する。例えば相関関数の広がりを相関値が1 / eに
減衰する時点の遅れ時間τを相関時間として表わす時、
単一開口ではτCとなるところが、複数開口であるため
にてC′になったりするなどの好ましくない影習を受け
てしまう。そこで相互相関成分を低減するためには、複
数開口間の各間隔を十分に長くとり、互いに無相関な状
態にするなどの工夫が必要であり、そうなると検出すべ
きスペックルパターン光束の範囲内に十分な数の複数開
口を配置できず、結果的に従来の単一開口による検出と
変わらなくなってしまうという欠点があった。
ところがこの出願の発明者らは種々の実験から眼底血管
血流の散乱反射によるレーザースペックルパターンの運
動がボイリング運動であることに気づいた。ボイリング
運動スペックルに複数開口を用いると、第15図(B)
のごとく1つのスペックル63が形を変えずに隣接する
2開口を横切る状況は確率的に非常に少なくなる結果、
光検出器の出力信号の相関関数は、第16図(B)に示
すごとく各開口単独の自己相関成分74だけとなる。こ
れは単一開口検出した場合の自己相関成分74と全く同
じであり、相関時間τCが正しく求められる。以上より
複数の微小開口を有する複数検出量ロバターンをボイリ
ング運動スペックルに通用することで、車−検出開口の
場合と全く同じ信号成分を増大した光量で得られるとい
う太きな利点を得ることができる。この場合自己相関成
分74は検出にあずかる微小開口の数に依存しないので
、間口数のバラツキによる誤差が生じない点でも好まし
い特性である。しかも眼底血流によるスペックル運動が
ボイリング運動であるという事実も本発明に欠かすこと
のできない事柄である。
相互相関の影響がないため各微小開口65′は比較的近
接して配置することができ、結果として第17図(A)
のように検出すべきスペックルパターン光束62の範囲
内に多数の開口65′を設置できることになり大いに実
用的である。但し各微小開口65′があまりに接近しす
ぎて(間隔を挟めすぎて)第17図(C)に示すように
1つのスペックル63が隣接する2開ロ65′にまたが
りでしまうと相互相関成分が生じるので、第17図(D
)のごとく検出面での平均的なスペックルサイズを基準
として、各微小開口65′の間隔は少なくともスペック
ルサイズより大きいことが必要である。もちろんスペッ
クルサイズは光学系条件(倍率やF fa )に依存す
るので、あくまでも複数検出開口パターン上の平均的ス
ペックルサイズを基準とすることが大切である。
また間隔をとりすぎて、第17図(B)のように検出す
べきスペックルパターン光束62(すなわちここでは拡
大スポット像62)の範囲内に1個しか微小開口65′
が存在しないのでは従来の単一検出開口になってしまう
ため、少なくとも上記範囲内に2個以上は検出に寄与す
る微小開口65′が含まれるように、上記光束の範囲の
大きさを考慮しつつ各開口間隔が決められなければなら
ない。
一方、各微小開口65′の径は結果的に単一検出開口の
場合と同じ信号成分を得るようにするため、従来からの
スペックル検出方法にあるように点検出が望ましい。し
かし実際には有限の大きさである程度の光量を得る必要
があって理論的、実験的に少なくとも対象とするスペッ
クルの平均的サイズより小さい径の開口を用いれば良い
ことが既に知られている。そこで本発明においても各微
小開口65′の間口径はすべで同一とし、例えば第17
図(A)、(D)のように検出面の平均的スペックルサ
イズ以下であることが必要である。
仮りに開口径が平均的スペックルサイズより大きいと第
17図(E)に示すように1つの開口65′の中に複数
のスペックル63が存在するため空間的な光強度分布が
開口面積分の平均化を受けて、直流分は増加するのに信
号分は逆に減少し、結果としてS/N比が低下すること
になり実用上好ましくない。
複数検出開口パターンはランダムに配置すると、光検出
器の出力信号成分は製作するランダムパターンのランダ
ム性や開口数に大きく依存するため複数検出開口パター
ン上のスペックル光束が到達する位置によらずに同じ信
号成分を得ることは難かしく、再現性や安定度の上で大
きな障害となり、製品生産上も良好であるとは云えない
。またランダム配置に伴なうスペックル光束の検出面上
での強度分布ムラも無視できなくなる。そこで本実施例
では複数の微小開口を規則配列することを特徴としてい
る。規則配列としては第18図(A)のごとく任意の互
いに隣り合う4開ロ65′の各中心が正方形の4頂点に
位置するような格子状配列や、第18図(B)のごとく
任意の互いに隣り合う3開ロ65′の各中心が正三角形
の3頂点に位置するような三角形配列が良い。また、各
開口の代わりに開口径に等しいコア径を有する光ファイ
バを複数用いて第19図のように光ファイバ東77′の
入射面77にて複数検出開口パターンを構成することも
できる。こうすれば光検出器67等は遠隔設置が可能で
ある。
本実施例では結局、第7図(B)に図示したように複数
検出開口パターン65の個々の微小開口65′から検出
されるスペックル光強度変化を全て集光レンズ66で集
めて1つの光検出器67で全総和の光強度変化として光
検出している。従って得られる出力信号(第8図(B)
)は当然、各開口単独で光検出した時の出力信号(例え
ば第8図(A))とは瞬時、瞬時において異なっている
。しかしそれを統計処理することによフて全く同じ情報
が得られ、かつ光量増大等これまで述べてきた種々の利
点も複数検出開口パターンは有している。
従って本実施例では出力信号の統計処理は特に重要な過
程といえる。しかしその処理法としては一般に使われる
相関処理や周波数分析が有効に使用でき、何ら特別な処
理を必要としない点でも実用上極めて有利である。具体
例としては出力信号の自己相関関数やパワースペクトル
を測定する。
第20図(A)、(B)に図示した如く血流が速い場合
はスペックルのボイリング運動も速く、検出される光強
度の時間変化も速くなるため、自己相関では曲線78、
パワースペクトルでは曲線79のようになり、逆に血流
が遅い場合はスペックル光強度の時間変化も遅くなり、
自己相関では曲線78′、パワースペクトルでは79′
となる。自己相関では相関時間τCの逆数が速度に比例
し、パワースペクトルでは所定のレベル(例えば−10
dB)までパワーが減衰する周波数(カットオフ周波数
fcとして定義できる)が速度に比例するので、各々第
21図(A)、(B)に図示したように対応する速度を
評価することができる。この場合の比例係数は散乱物体
に強く依存して決まり、予め他の血流測定法(例えば蛍
光眼底撮影)に基づいて較正しておくか、血管と等価な
ガラス管に血液を流して較正するなどによりほぼ信頼で
きる値に決めることができる。仮りに多少真値からの誤
差が比例係数に含まれていたとしても、本方法はデータ
の再現性や安定度の点で非常に優れており、臨床応用に
おいては極めて有用である。
レーザービームスポットの調 上記実施例において眼底に照射するレーザビームスポッ
トの光量調整は当然必要であるが、測定前の位置合せか
ら測定中へと光量を切り換えるのに、マニュアルで操作
していたのでは操作を円滑に行うことが困難である。ま
た測定用光量も、各個人で眼底反射率や水晶体のにとり
等の影響で異なるため数種類の切り換えが必要となる。
しかし、これを1つの機構で簡単に行うのは測定開始、
終了時の高速切り換えに不適である。そこで本実施例で
は各々を独立に行う2つの光量調節フィルター2および
3を使うことによってこの問題を解決している。
即ち、レーザー光源1からのレーザー光は第1図及び第
22図に図示したように最初の光量調節フィルター2を
通過する。このフィルター2は例えば軸2′を中心に一
定角度の回転スイッチ式とし、測定スイッチ49と連動
したソレノイド83等によって行う。測定スイッチ49
がOFFの時は、フィルターはフィルタ部2aが選択さ
れ、比較的微弱だが測定者が認識できる程度の低い光量
に減じられる。スイッチがONとなると、フィルタ部2
bが選択され、測定に必要な光量がやや余裕をもって強
目に設定される。もちろん測定が終了すると同時にフィ
ルターはフィルタ部2aに戻ることになる。これによっ
て測定開始、終了時の瞬時の設定が可能になる。
次に、フィルター2を通過した光は続けてフィルター3
を通過する。フィルター3は例えば軸3′を中心に回転
することで、フィルタ部3aから3fへと6段階に切り
換えられる。この切り換えは手動で行われ、いずれも測
定に必要な光量をフィルター2のフィルタ部2bと合わ
せて測定対象に応じて任意に細かく異なるようすること
ができる。
また、前述したようにレーザービームスポットの8動範
囲は視野範囲71以内に制限されるが、眼底視野内のレ
ーザービームスポット移動可能範囲71は測定者に何ら
かの形で知らされなければ操作上不便である。そこで本
実施例では、第1図における観察者の視度補正用の指標
となるレチクル35のパターンを、第23図(A)に示
すごとく、従来の21十字線80に加えて、互いに近接
した2重円パターン81を付加したものとし、この2重
円によって、視野82内でレーザービームスポット移動
可能範囲を示している。しかも、この2重円のフォーカ
シング状況を合わせることで視度補正用指標として用い
ることもでき実用上大変便利である。
眼底の血管に向けて正確にレーザービームを照射するた
めには、少しでも眼底が拡大されて見えることが好まし
いが、一方、眼底上の種々の血管状態を一部するには画
角を広くとる方が良い。そこで目的に応じて画角を切り
換えられることが必要となる。通常の眼底カメラでは受
光光学内に画角変換用レンズが用意され、段階的に切り
換えられるが、本実施例装置では受光光学系を介してス
ペックルパターンを検出するため、画角変換に伴なう結
像倍率の変化によってスペックル検出条件が変更するの
で不都合である。
そこで第1図の観察用アイピース(接眼レンズ)36を
ズーム式光学系にすることで上記目的を達成している。
こうすればスペックル検出光学系の条件を変えることな
く、観察視野倍率を連続的に変化させることが可能であ
る。この時最小倍率は第23図(B)のごとく眼底カメ
ラの標準的な観察視野の画角に合わせて決定すればよく
、−方、最大倍率は第23図(C)のごとく最も拡大し
た時でも、眼底照射レーザービームスポットの移動可能
範囲を示すレチクルの2重円81が視野82′に含まれ
るような画角に合わせて決定すればよい。これにより、
ズーム式アイピースの拡大、標準にかかわらず、レーザ
ービームスポットの8勤調整は常に視野内で観察しなが
ら行うことができる。
波長分離ミラーの取付は 従来、眼底カメラ等を利用して眼底からのレーザースペ
ックル光を検出する場合、測定時にレーザースペックル
光の波長成分のみを反射させるような波長分離ミラーを
眼底の観察撮影用受光光学系の光路内に挿入をする方法
が一般に使われている。
ところが、複数検出開口パターンでスペックル光束の範
囲全面を有効に光検出に使うといった特徴を有する本実
施例においては、スペックル光束の検出光学系の光軸が
特に正確に規定され、測定\ 操作においても、波長分離ミラーがずれないような安定
性が要求される。そのため、操作のたびに機械的に切換
えを要する波長分離ミラーの挿脱方式は、この要求に対
し、不十分である。
すなわち、跳ね上げによって行う場合には跳ね上げた時
の波長分離ミラーの振動がそのままスペックル光束の伝
搬光路の振動となって検出面でスペックルパターンの揺
動となって現れ、スペックル信号に雑音となって生じて
しまう。特に、スペックル光束を検出するにあたり、拡
大結像系を用いるため、この影響は顕著である。しかも
跳ね上げた時の跳ね上げ固定時の位置の再現性も十分で
はない。更にスペックル光束の検出光学系の光軸を規定
する波長分離ミラーが可動性であるために、製作時、十
分な軸合せ、調整ができず、また1台1台ばらついてし
まうという問題点もある。
−更に多数回使用し経年変化や耐久力低下が起こると機
械的に不安定になりやすいという不安性も残る。
そこで、第1図ですでに述べたように、本装置はスペッ
クル光束検出を主機能と考え、波長分離ミラー39を固
定設置し、スペックル光束の伝搬光路には挿脱ミラーを
一切設置しない構成をとっている。観察撮影は波長分離
ミラー39よりも手前に設置した挿脱ミラー30を介し
て行われ、測定時にこのミラーが跳ね上がり光路から離
脱すれば、その後方に予め正確に調整されて固定設置さ
れた波長分離ミラー39を介してスペックル光束は検出
光学系に正しく送ることが可能となる。固定設置のため
、スペックル光束の光軸は常に変わらず安定で、良好な
測定が行える。
また測定開始、終了時の観察撮影用挿脱ミラー30の動
作が手動によっていると高速にかつ、円滑に行われず、
また人為的ミスがあることも十分予想できる。測定は短
時間で行われるので、挿脱ミラー30の動作にムダ時間
があるのは好ましくなく、また眼球運動による測定部位
の位置ずれ等の影響も受は易くなる。
そこで、第1図のごとく挿脱ミラー30は測定スイッチ
49と連動とし、スイッチ49がONの時はミラー30
を光路から離脱させ、スイッチ49OFFの時は光路に
挿入させるようにして上記の問題を解決することができ
る。この時、もう1つの挿脱ミラー34も測定スイッチ
と連動し、測定時、スイッチ49がONになるとミラー
34は光路から離脱し、波長分離ミラー39を透過して
きた波長成分の光が観察に寄与する。測定以外の時は、
スイッチ49がOFFの状態なので、ミラー34が光路
に挿入されている結果、レンズ33を介して到達する光
が反射され、観察に寄与する。従って、測定中に眼底観
察が可能となっている。
更に測定は通常、測定者の意識で開始、終了するため、
被検者や他の信号解析担当者、測定協力者には、正確な
測定の開始、終了時期が伝わらず、大略にしかわからな
い、特に測定が、1秒以下で行われる時は気づかない間
に終わってしまう場合がある。測定中は被検者が静かな
態勢を保つという被検者の協力も必要であるし、信号解
析担当者も入力信号が正しい測定中のものなのか、他の
雑音なのか判断ができかねる場合があり得る。
また周囲の測定協力者の協力体制も十分な連携が得られ
ない。
そこで本実施例では、測定スイッチをONにして測定が
開始する時、あるいは開始の時と更に測定スイッチが再
びOFFになって測定終了時の2回、あるいは測定開始
時から継続して測定終了時までの間、それぞれ測定を知
らせる電子音を鳴らすようにしている。これによって、
被検者や周囲の人々にも測定開始、終了の正確なタイミ
ングが伝わることが可能となり、上記の問題を解決する
ことができ、大変実用的な装置となる。
、′ 相関法による信C′処理 第24図には、信号解析に光子相関法を用いた場合の実
施例が図示されている。光検出器45からの信号は光子
計数ユニット91に入力された後、増倍管92で増幅さ
れ、相関器93で相関関係が調べられる。その後マイク
ロコンピュータ94で処理され、その結果がCRT95
あるいはプリンタ96に出力される。
この実施例の場合には、第25図(B)に図示した構成
が用いられる。すなわち複数検出開口パターン65の個
々の開口65′から検出されるスペックル光強度変化を
すべて集光レンズ66で集めて1つの光検出器67で全
総和の光強度変化として光子相関検出している。光子計
数ユニットと(PCU)より得られる出力光電子パルス
信号は当然、各開口単独で光検出した時の出力光電子パ
ルス信号とは瞬時瞬時において、異なっている。
しかも、それを統計処理することによって全く同じ情報
が光子相関関数として得られる。
光子相関法を用いた場合も複数検出開口パターンを利用
して光強度の自己相関を得るのと同様の効果を得ること
ができる。
すなわち第25図(A)に図示したように単一検出間口
64を用いた場合は十分収束し安定したデータを得るに
は長い測定時間が必要になるが、(第26図(A))、
第25図(B)に図示したように複数の微小開口65′
を有する複数検出開口パターン65で検出した場合は、
光子相関曲線データは、第26図(B)に図示したよう
なデータとなり、プロットの収束安定性が向上するとと
もに検出光量の増大による測定精度の改善並びに測定時
間の短縮が可能になる。
光子相関法による信号処理の精度は検出光量と検出時間
によって決まる積分光量に依存しているので、この実施
例のように検出光量の増加は、検出時間の短縮を可能に
し、極めて好ましい結果が得られる。
血流が速い場合は、スペックルのボイリング運動も速く
、検出される光強度の時間変化も速くなるため、光子相
関関数は、第20図に図示した自己相関関数の曲線78
のように減衰の速い特性となり、また遅い場合は曲線7
8′のように比較的減衰がゆるやかになる。
そして相関時間τCの逆数が速度に比例するので、第2
1図(A)に図示したように対応する速度を評価するこ
とができる。
また、この実施例においても複数検出開口パターンの微
小開口をランダムに配置すると、光子相関データの相関
時間は、製作するランダムパターンのランダム性や開口
数に大ぎく依存するため複数検出開口パターン上のスペ
ックル光速が到達する位置によらずに同じ信号成分を得
ることは難しく再現性や安定度の上で大きな障害となり
、製品生産上も良好であるとは言えない。またランダム
配置に伴うスペックル光束の検出面上での強度分布ムラ
も無視できなくなる。従って、実施例でも複数の微小開
口を規則的に配列するようにしている。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明では波長分離手段を受光光
学系内で固定配置させ、これより被検眼側に配置された
反射手段を挿脱可能に、測定時には光路から離脱させ、
またa察、撮影時には光路に挿入するようにしているの
で、測定を観察、撮影の切り換えに基づくスペックルパ
ターンの揺動が少なく正確な測定が可能になる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明装置の全体の構成を示す構成図、第2図
は第1図装置に用いられるリングスリットの構造を示す
説明図、第3図は第1図装置に用いられるフィルタの特
性を示す特性図、第4図は信号処理部の構成を示すブロ
ック図、第5図は眼底血管の照射状態を示す説明図、第
6図は測定部の拡大像を示す説明図、第7図(A)。 (B)は信号検出部の構成を示す斜視図、第8図(A)
、(B)は第7図(A)、(B)から得られる信号波形
を示す波形図、第9図はレーザビームによる血管の照射
状態を説明する説明図、第10図は観察、撮影視野を示
す説明図、第11図は観察、撮影視野を制限する状態を
示す説明図、第12図(A)、(B)はそれぞれ共役拡
大像面におけるスペックルを示した斜視図及び平面図、
第13図及び第14図はスペックルの並進運動及びボイ
リング運動を示した説明図、第15図(A)、(B)は
スペックルの並進運動及びボイリング運動による検出開
口通過を示す説明図、第16図(A)、(B)は検出開
口通過による強度変化を示す特性図、第17図(A)〜
(E)はスペックルと検出開口の関係を示した説明図、
第18図(A)、(B)は検出開口のパターン配列を示
した説明図、第19図は検出開口の他の構成を示す斜視
図、第20図(A)、(B)はスペックル信号の自己相
関関数及びパワースペクトルを示した特性図、第21図
(A)、(B)は第20図(A)、(B)の特性から速
度を求める方法を示した線図、第22図は光量を調整す
る機構を示した斜視図、第23図(A)〜(C)はレチ
クルにおける視野像を示した説明図、第24図は光子相
関法を用いた場合の信号解析部の構造を示すブロック図
、第25図(A)、(B)は、光子相関法による光量検
出を示した斜視図、第26図(A)、(B)は光子相関
法による光子相関の特性を示した特性図でである。 1・・・レーザー光源  9・・・可動ミラー18・・
・被検眼    42・・・検出開口50・・・解析部
    63・・・スペックル65・・・検出開口 第7図       第8図 第9図        第10図 第11図 (A)             (B)(A)   
        (B) 第21図 第24図 第25図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1)眼底に所定径のレーザー光を照射し、眼底組織から
    の散乱反射光によって観測面に形成されるレーザースペ
    ックルパターンのボイリング運動を眼底と共役な像面上
    に配置された複数の微小開口を有する複数検出開口パタ
    ーンを介してスペックル光強度変化として検出し、得ら
    れたスペックル信号の解析結果に基づいて、眼底組織の
    血流状態を測定する眼科診断装置において、 レーザー光源と、 前記レーザー光源からのレーザービームを測定すべき対
    象血管にその血管径と同程度かそれ以下の微小なビーム
    スポット径として照射する光学系と、 眼底から反射、散乱された測定光、観察、撮影光を受光
    する受光光学系と、 前記受光光学系に固定配置され、測定光のうちレーザー
    光波長成分を分離する波長分離手段と、前記受光光学系
    内で前記波長分離手段より被検眼側に挿脱可能に配置さ
    れ、観察、撮影光を反射する手段とを備え、 前記反射手段を測定時には光路から離脱させ、観察、撮
    影時には光路に挿入させるようにしたことを特徴とする
    眼科診断装置。 2)前記波長分離手段を通過した光を観察、撮影できる
    ようにしたことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記
    載の眼科診断装置。
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